1 00:00:02,000 --> 00:00:07,000 Downloaded from YTS.MX 2 00:00:08,000 --> 00:00:13,000 Official YIFY movies site: YTS.MX 3 00:00:15,120 --> 00:00:17,360 紳士淑女 ならびに 4 00:00:17,440 --> 00:00:19,800 LGBTQの皆さん 5 00:00:19,880 --> 00:00:23,240 唯一無二のショーへようこそ 6 00:00:25,880 --> 00:00:29,160 手を広げてお迎えください 7 00:00:29,240 --> 00:00:30,960 唯一無二の存在 8 00:00:31,040 --> 00:00:34,320 ウドム・テーパーニット 9 00:01:18,240 --> 00:01:19,520 ありがとう 10 00:01:20,040 --> 00:01:21,680 どうもありがとう 11 00:01:48,040 --> 00:01:51,600 皆さん 本当にありがとう 12 00:01:56,320 --> 00:01:59,240 幸せなら 手を叩こう 13 00:02:03,320 --> 00:02:08,800 舞台に登場すると 歓声が上がり 拍手が起こる 14 00:02:08,880 --> 00:02:11,000 有名人ならではだ 15 00:02:13,040 --> 00:02:14,640 つまり僕 16 00:02:16,640 --> 00:02:20,880 有名人で人気者という 自覚はある 17 00:02:20,960 --> 00:02:24,480 だが “有名”は 数値化できない 18 00:02:24,560 --> 00:02:28,480 名声を計る尺度は存在しない 19 00:02:28,560 --> 00:02:33,720 音はデシベルで表せるが “有名”は計れない 20 00:02:33,800 --> 00:02:39,760 芸能人が外出すると 写真やサインを求められるが 21 00:02:39,840 --> 00:02:43,520 どの程度 有名かは不明だ 22 00:02:43,600 --> 00:02:46,360 だが僕はある時 実感した 23 00:02:47,000 --> 00:02:52,240 ウィニ・ルーラタナチャイに 誘われ サッカーをした時だ 24 00:02:52,920 --> 00:02:57,600 ウィニはタイに ビッグクラブを招いた人物だ 25 00:02:57,680 --> 00:03:01,200 彼はサッカーをしようと 誘ってくれた 26 00:03:01,280 --> 00:03:04,360 だが会場はバンコクの外れ 27 00:03:05,120 --> 00:03:07,760 我が家からは遠い 28 00:03:07,840 --> 00:03:11,840 帰りが遅くなるのがイヤで 何度も断った 29 00:03:11,920 --> 00:03:15,480 “忙しい” “膝を手術した” 30 00:03:15,560 --> 00:03:19,160 “若い頃に プレーしたきりだ” 31 00:03:19,240 --> 00:03:23,520 だが彼は諦めず 6回目の電話をしてきた 32 00:03:23,600 --> 00:03:26,160 僕はまた言い訳をした 33 00:03:27,120 --> 00:03:30,160 “絵を描いてて忙しい” 34 00:03:30,240 --> 00:03:33,640 “後悔はさせないよ 明日4時ね” 35 00:03:34,280 --> 00:03:38,280 “シューズもないんだ ほかに誰が来る?” 36 00:03:38,760 --> 00:03:39,960 “ジャクソン・ワン” 37 00:03:42,600 --> 00:03:45,600 “ジャクソンが来るの?” 38 00:03:45,680 --> 00:03:50,040 “今 タイにいて サッカーがしたいって” 39 00:03:50,120 --> 00:03:51,480 “本当に?” 40 00:03:51,560 --> 00:03:55,040 よし どこへでも駆けつける 41 00:03:56,560 --> 00:03:58,480 ジャクソン・ワンだ 42 00:03:58,560 --> 00:04:00,920 チケットを買うよね? 43 00:04:01,000 --> 00:04:03,880 たとえ高額で後ろの席でも 44 00:04:03,960 --> 00:04:07,280 姪のラサミーが大ファンで 45 00:04:07,360 --> 00:04:10,400 何千バーツも払って 遠くから眺めた 46 00:04:10,480 --> 00:04:14,560 だが僕は同じチームで サッカーができる 47 00:04:14,640 --> 00:04:18,480 翌朝 シューズを買って 会場へ向かった 48 00:04:19,000 --> 00:04:22,400 参加者は超VIPだけ 49 00:04:22,480 --> 00:04:24,320 特別な人たちだ 50 00:04:24,840 --> 00:04:28,160 自分で運転するつもり だったが 51 00:04:28,240 --> 00:04:30,120 姪のラサミーが… 52 00:04:31,640 --> 00:04:33,040 髪を整えてた 53 00:04:33,920 --> 00:04:37,920 おしゃれして “私も連れていって” 54 00:04:38,000 --> 00:04:39,440 “内輪の集まりだ” 55 00:04:39,520 --> 00:04:44,440 “前にジャクソンを見た時は 遠くて何が何だか” 56 00:04:44,520 --> 00:04:49,680 “近づけるとは限らないぞ 警護は厳重だ” 57 00:04:49,760 --> 00:04:52,240 想像できるでしょ? 58 00:04:52,320 --> 00:04:55,640 “フェンスの外から 見るだけでいい” 59 00:04:55,720 --> 00:04:57,640 それで姪に運転を 60 00:04:58,400 --> 00:05:02,880 試合の会場は RCA沿いにある 61 00:05:04,280 --> 00:05:07,600 情報が広まったのか 護衛が大勢いた 62 00:05:07,680 --> 00:05:13,400 何百人というファンが フェンスの外から見てる 63 00:05:13,920 --> 00:05:15,480 僕は思った 64 00:05:16,240 --> 00:05:20,080 姪を外に置いていくのは酷だ 65 00:05:20,160 --> 00:05:22,920 “お前も入れてやる” 66 00:05:23,400 --> 00:05:25,680 本来は僕しか入れない 67 00:05:25,760 --> 00:05:27,920 不安がる姪に言った 68 00:05:28,000 --> 00:05:30,520 “お前は 専属マッサージ師だ” 69 00:05:34,280 --> 00:05:36,360 “無理言わないで” 70 00:05:36,440 --> 00:05:37,880 “やるんだ” 71 00:05:38,920 --> 00:05:43,400 運が良ければ ジャクソンに施術を 72 00:05:45,920 --> 00:05:48,480 突然 姪はやる気を出した 73 00:05:48,560 --> 00:05:52,440 護衛に聞かれた “連れの女性は?” 74 00:05:52,520 --> 00:05:54,080 “専属マッサージ師” 75 00:05:54,160 --> 00:05:56,360 “ではVIPゾーンへ” 76 00:05:56,440 --> 00:05:58,240 車を止めると 77 00:05:58,320 --> 00:06:03,360 “マッサージ師らしく 僕の荷物を持て” 78 00:06:03,440 --> 00:06:07,480 それから15メートルほど 歩いていくと 79 00:06:07,560 --> 00:06:11,720 ガラスに囲まれたジムが 80 00:06:11,800 --> 00:06:16,160 ジャクソン・ワンが トニー・ジャーと踊ってた 81 00:06:16,240 --> 00:06:17,640 動画がある 82 00:06:17,720 --> 00:06:23,120 トニー・ジャーが僕を見つけ 案内してくれた 83 00:06:23,200 --> 00:06:26,520 姪は夢のような心地になった 84 00:06:27,160 --> 00:06:29,000 通常であれば 85 00:06:29,080 --> 00:06:31,960 “下がれ 立入禁止だ” 86 00:06:32,040 --> 00:06:34,480 だが今は “こちらです” 87 00:06:34,560 --> 00:06:36,600 ジャクソンを見た姪は… 88 00:06:38,680 --> 00:06:41,840 僕は “写真を撮れ”と 89 00:06:42,360 --> 00:06:45,600 “おじさん 手が弱った” 90 00:06:46,160 --> 00:06:48,960 手は弱るって何だよ 91 00:06:49,040 --> 00:06:50,640 “手が弱った” 92 00:06:50,720 --> 00:06:53,880 “せっかくのチャンスだろ” 93 00:06:53,960 --> 00:06:54,840 “彼って…” 94 00:06:56,920 --> 00:06:57,760 “すごい” 95 00:06:59,160 --> 00:07:00,560 “早く写真を” 96 00:07:00,640 --> 00:07:03,240 “迷惑をかけたくない” 97 00:07:03,320 --> 00:07:04,960 “何を今さら” 98 00:07:06,760 --> 00:07:12,280 しばらくして やっとダンスが終わった 99 00:07:12,360 --> 00:07:14,120 着替えの時間だ 100 00:07:14,200 --> 00:07:18,040 ジャクソンを追って ロッカールームへ 101 00:07:18,120 --> 00:07:22,080 そこには モデルや俳優が大勢いた 102 00:07:22,560 --> 00:07:24,160 若い子たちだ 103 00:07:24,640 --> 00:07:26,960 記憶が正しければ 104 00:07:27,040 --> 00:07:32,160 ゴルフ・ピチャヤと ケム・フサウィーがいた 105 00:07:32,240 --> 00:07:36,360 誰もが身長175センチ以上で 色白だ 106 00:07:36,440 --> 00:07:39,800 大勢の若者が着替えをしてた 107 00:07:39,880 --> 00:07:45,360 オート・プラモートに 挨拶されたので近寄った 108 00:07:45,440 --> 00:07:48,560 ユニフォームと靴下が 置いてある 109 00:07:48,640 --> 00:07:51,400 僕はシューズを出すと 110 00:07:51,480 --> 00:07:55,160 ジャクソンと同じ 黒いユニフォームを着た 111 00:07:55,880 --> 00:08:00,160 するとオートが “チームが違うよ” 112 00:08:01,800 --> 00:08:05,440 戸惑う僕に “ノートはあっちだ” 113 00:08:06,000 --> 00:08:09,440 なんとウィニが率いる チームだった 114 00:08:12,720 --> 00:08:17,240 紹介されたチームメイトは ネパール大使 115 00:08:17,320 --> 00:08:20,400 大使だから年寄りなんだよ 116 00:08:20,480 --> 00:08:24,680 “その隣はブータン国王の 甥御様” 117 00:08:25,360 --> 00:08:28,160 どう振る舞えばいい? 118 00:08:28,240 --> 00:08:31,440 ジャクソン・ワンと王様の甥 119 00:08:31,520 --> 00:08:33,400 お辞儀をすべき? 120 00:08:33,480 --> 00:08:35,560 パスする時は? 121 00:08:36,240 --> 00:08:40,280 “殿下 フリーキックを お願いします” 122 00:08:43,480 --> 00:08:45,160 どうすればいい? 123 00:08:45,240 --> 00:08:47,800 こんなチームは嫌だ 124 00:08:47,880 --> 00:08:51,360 ジャクソン・ワンと 一緒がいい 125 00:08:51,920 --> 00:08:53,440 彼にパスしたり 126 00:08:53,520 --> 00:08:58,760 試合前に手を重ねて 気合いを入れたり 127 00:08:58,840 --> 00:09:03,920 それが楽しみだったのに 老人チームに入れられた 128 00:09:04,000 --> 00:09:06,000 僕はストライカー 129 00:09:06,080 --> 00:09:08,440 ゴールを決めるのが仕事 130 00:09:08,520 --> 00:09:10,920 ジャクソンもストライカー 131 00:09:12,520 --> 00:09:13,840 遠いんだよ 132 00:09:14,320 --> 00:09:18,400 試合の最中 遠くからしか見られない 133 00:09:19,560 --> 00:09:24,000 しかも開始5分で 足がつってしまった 134 00:09:24,080 --> 00:09:26,680 午後4時ですごく暑い 135 00:09:26,760 --> 00:09:29,880 苦しかったが観客が見てる 136 00:09:29,960 --> 00:09:31,600 会場の外ではなく 137 00:09:31,680 --> 00:09:35,600 VIPゾーンに 観客が100人ほどいた 138 00:09:35,680 --> 00:09:40,200 俳優のマネージャーたちや 139 00:09:40,840 --> 00:09:43,360 外国チームのマネージャー 140 00:09:43,440 --> 00:09:47,120 100人ほどが ピッチの横にいる 141 00:09:47,720 --> 00:09:49,520 茂みの後ろだ 142 00:09:49,600 --> 00:09:55,080 白線の向こうには カメラを構える人が大勢いた 143 00:09:57,040 --> 00:10:00,080 僕は5分で交代を要求 144 00:10:00,800 --> 00:10:06,360 誰にも注目されてないから 気にすることはない 145 00:10:06,440 --> 00:10:08,720 だが補欠がいない 146 00:10:09,320 --> 00:10:12,600 仕方なくひたすら歩き回った 147 00:10:12,680 --> 00:10:14,160 日傘が欲しい 148 00:10:14,240 --> 00:10:16,360 僕は何してるんだ 149 00:10:16,880 --> 00:10:21,840 テレビのカメラがあれば ちゃんと走るさ 150 00:10:22,920 --> 00:10:26,440 だが誰も見てないし 僕はボロボロ 151 00:10:26,520 --> 00:10:29,560 結局 我慢できず外に出た 152 00:10:29,640 --> 00:10:35,560 近くに木がなかったので 体育館の陰で涼んだ 153 00:10:36,360 --> 00:10:38,840 その時 思い知った 154 00:10:39,400 --> 00:10:42,880 ジャクソン目当てで 集まったファンが 155 00:10:42,960 --> 00:10:47,120 10メートル先の僕に気づく 156 00:10:47,200 --> 00:10:49,880 ピッチから出た時だ 157 00:10:49,960 --> 00:10:52,400 “ねえ ちょっと” 158 00:10:52,960 --> 00:10:54,920 “ほら ノートだ” 159 00:10:55,000 --> 00:10:57,760 “一緒に写真を撮ろう” 160 00:10:57,840 --> 00:11:01,080 振り返って “撮るよね?” 161 00:11:01,600 --> 00:11:02,920 誰かが答えた 162 00:11:03,640 --> 00:11:05,360 “ああ はいはい” 163 00:11:10,720 --> 00:11:12,160 その程度の人気 164 00:11:15,160 --> 00:11:17,920 “ああ はいはい”レベル 165 00:11:18,000 --> 00:11:22,080 ナイフが心臓に 突き刺さったようだ 166 00:11:22,160 --> 00:11:27,640 ヘトヘトで足を引きずり 顔はしみだらけで… 167 00:11:28,920 --> 00:11:33,720 “ああ はいはい”と 適当に写真を撮られる 168 00:11:34,280 --> 00:11:37,200 試合が終わると選手は 169 00:11:37,280 --> 00:11:41,800 ロッカールームへ行き シャワーを浴びる 170 00:11:41,880 --> 00:11:47,080 僕の後ろには ジャクソン率いる敵チーム 171 00:11:47,160 --> 00:11:49,240 全員イケメンだ 172 00:11:50,200 --> 00:11:54,160 混ざる勇気はなく 前方を歩く 173 00:11:54,640 --> 00:12:00,280 すると黒いシャツの男性が 3人近づいてきた 174 00:12:00,360 --> 00:12:01,960 “ノートさん?” 175 00:12:02,040 --> 00:12:07,600 同年代の人たちで 以前 僕のショーを見たと 176 00:12:07,680 --> 00:12:09,680 “写真いいですか?” 177 00:12:09,760 --> 00:12:12,680 写真を頼まれるとうれしい 178 00:12:12,760 --> 00:12:15,680 “小便がしたいんです” 179 00:12:16,160 --> 00:12:18,080 我慢の限界だった 180 00:12:18,160 --> 00:12:21,200 “すぐに戻るので待ってて” 181 00:12:21,280 --> 00:12:26,560 用を足そうと ロッカールームへ入ると 182 00:12:27,320 --> 00:12:30,600 ジャクソンのチームがいた 183 00:12:31,480 --> 00:12:32,720 着替え中 184 00:12:33,800 --> 00:12:38,520 今 外に出たら 半裸のジャクソンが拝めない 185 00:12:38,600 --> 00:12:40,400 外に出られる? 186 00:12:41,080 --> 00:12:43,080 ジャクソンは半裸だ 187 00:12:43,920 --> 00:12:47,400 着替えの様子を見たかった 188 00:12:47,480 --> 00:12:51,760 腹筋が割れ オーラを放つ若者ばかり 189 00:12:52,520 --> 00:12:56,360 白く輝く肌の持ち主ばかり 190 00:12:56,920 --> 00:12:58,000 眼福だ 191 00:12:58,080 --> 00:13:01,640 ジャクソンはきっと ネオンを食べてる 192 00:13:01,720 --> 00:13:03,720 特別な存在だよ 193 00:13:03,800 --> 00:13:07,400 みんながシャワーを浴びてる 194 00:13:07,480 --> 00:13:11,560 僕はジャクソンの前へ行った 195 00:13:12,200 --> 00:13:14,440 ひと目 見たくて 196 00:13:15,240 --> 00:13:18,600 孫に語って聞かせるんだ 197 00:13:20,040 --> 00:13:24,400 その後 僕は用を済ませ 外へ出た 198 00:13:24,480 --> 00:13:28,680 大人は約束を 守らなければならない 199 00:13:28,760 --> 00:13:30,920 だから外へ出た 200 00:13:31,680 --> 00:13:35,680 100人ほどの群衆が 待ち構えてる 201 00:13:36,480 --> 00:13:38,480 ジャクソン・ワンを 202 00:13:38,560 --> 00:13:39,560 僕が… 203 00:13:40,160 --> 00:13:41,600 そこへ登場 204 00:13:43,160 --> 00:13:44,920 護衛が寄ってきた 205 00:13:47,080 --> 00:13:48,800 “誰に用?” 206 00:13:52,000 --> 00:13:57,040 “僕と同じくらいの年代の 3人組がいてね” 207 00:13:57,520 --> 00:14:02,240 “トイレから戻ったら 写真を撮る約束を” 208 00:14:02,760 --> 00:14:06,480 “3人組ですね”と言うと 襟にささやく 209 00:14:06,560 --> 00:14:10,120 なぜ護衛は 襟に話しかけるのか 210 00:14:14,440 --> 00:14:16,840 袖に話しかける護衛も 211 00:14:17,600 --> 00:14:19,720 “見つけますよ” 212 00:14:21,920 --> 00:14:24,360 “ノートと撮影したい人?” 213 00:14:29,480 --> 00:14:31,920 そして沈黙が流れる 214 00:14:34,400 --> 00:14:35,560 静かだ 215 00:14:35,640 --> 00:14:37,040 僕は護衛に 216 00:14:37,120 --> 00:14:38,080 “やめて” 217 00:14:38,800 --> 00:14:43,000 “あんた バカじゃないの?” 218 00:14:43,080 --> 00:14:45,480 “隠れる場所がない” 219 00:14:45,560 --> 00:14:50,200 僕の困惑に気づいた護衛は 更に声を上げた 220 00:14:50,280 --> 00:14:52,400 “皆さん 注目!” 221 00:14:52,480 --> 00:14:53,600 やめてよ 222 00:14:54,360 --> 00:14:56,200 “撮影したい人?” 223 00:14:57,800 --> 00:14:58,880 そして静寂 224 00:14:58,960 --> 00:15:02,320 群衆の面前で恥ずかしい 225 00:15:02,400 --> 00:15:06,480 静寂の中 ある人が進み出た 226 00:15:07,920 --> 00:15:10,200 “撮ってもいいよ” 227 00:15:10,280 --> 00:15:11,400 クソッ 228 00:15:14,680 --> 00:15:18,720 “ああ はいはい” “撮ってもいいよ” 229 00:15:19,560 --> 00:15:21,160 そのレベルだ 230 00:15:22,800 --> 00:15:27,640 僕はすっかり自信を なくしてしまった 231 00:15:28,400 --> 00:15:29,240 ゼロだ 232 00:15:29,960 --> 00:15:36,440 試合の打ち上げがあったが 僕は帰ることにした 233 00:15:36,520 --> 00:15:38,040 身分が違う 234 00:15:38,120 --> 00:15:40,200 会場の中では 235 00:15:40,280 --> 00:15:44,880 色白のイケメンが 西洋の言葉を話してる 236 00:15:44,960 --> 00:15:47,720 自分は場違いだと思った 237 00:15:48,800 --> 00:15:52,240 カーストでいえば 向こうは支配階級 238 00:15:52,320 --> 00:15:54,440 僕は最下層の民 239 00:15:57,400 --> 00:15:59,320 だから車で帰った 240 00:15:59,840 --> 00:16:05,040 姪はジャクソンの歌を歌って 運転してやがる 241 00:16:05,120 --> 00:16:07,440 かなり落ち込んだよ 242 00:16:07,520 --> 00:16:12,520 自信を失って 打ちひしがれてしまった 243 00:16:12,600 --> 00:16:15,360 僕はもう時代遅れなんだ 244 00:16:15,440 --> 00:16:17,560 行くんじゃなかった 245 00:16:18,720 --> 00:16:23,560 傷ついた僕に 更なる不幸が降りかかった 246 00:16:23,640 --> 00:16:25,600 取材を受ける時… 247 00:16:26,120 --> 00:16:30,440 様々な媒体だったり 大学だったり 248 00:16:30,520 --> 00:16:35,080 最後に必ず 聞かれることがある 249 00:16:35,160 --> 00:16:39,000 “若者に伝えたいことは?” 250 00:16:42,720 --> 00:16:43,560 僕が? 251 00:16:44,400 --> 00:16:45,720 僕なんかが? 252 00:16:46,200 --> 00:16:50,600 時代遅れの僕が 若者に意見を? 253 00:16:50,680 --> 00:16:54,760 若い世代は僕より進化してる 254 00:16:54,840 --> 00:16:55,840 僕はX世代 255 00:16:56,440 --> 00:16:58,040 あとに続くのが 256 00:16:59,480 --> 00:17:00,600 Y Z… 257 00:17:01,120 --> 00:17:02,240 アルファ? 258 00:17:02,320 --> 00:17:04,800 昔はベビーブーム世代 259 00:17:05,960 --> 00:17:08,400 代表はプラユット 260 00:17:08,960 --> 00:17:10,960 それにプラウィット 261 00:17:12,240 --> 00:17:13,280 バード 262 00:17:13,960 --> 00:17:15,560 X世代は 263 00:17:16,360 --> 00:17:17,240 僕と… 264 00:17:17,840 --> 00:17:19,080 ポンおじさん 265 00:17:19,880 --> 00:17:21,320 モー・プラ 266 00:17:21,400 --> 00:17:24,160 問題のある人物ばかりだ 267 00:17:28,160 --> 00:17:30,280 次のY世代には 268 00:17:30,920 --> 00:17:33,760 ノン・タノン ガン・ナパット 269 00:17:33,840 --> 00:17:35,600 それからベラー 270 00:17:35,680 --> 00:17:38,320 ベラーもY世代だ 271 00:17:38,400 --> 00:17:40,000 ボーキーライオンも 272 00:17:40,080 --> 00:17:43,760 その次の世代がZ世代だ 273 00:17:43,840 --> 00:17:46,640 4EVEはZ世代だね 274 00:17:47,240 --> 00:17:51,920 アルファ世代は セレブの子どもたちだね 275 00:17:52,000 --> 00:17:57,400 自分より若い世代に 何を言えばいい? 276 00:17:58,560 --> 00:18:01,760 子どもの頃の話をしようか 277 00:18:01,840 --> 00:18:04,720 君たちの多くはY世代だ 278 00:18:04,800 --> 00:18:09,800 練乳はチューブに 入ってるよね? 279 00:18:09,880 --> 00:18:12,600 最初からチューブだ 280 00:18:12,680 --> 00:18:15,920 だがX世代は違ったんだよ 281 00:18:16,000 --> 00:18:19,880 僕たちが子どもの頃は 缶だった 282 00:18:20,720 --> 00:18:21,640 缶だよ 283 00:18:21,720 --> 00:18:23,960 練乳を飲むのに 284 00:18:24,440 --> 00:18:27,560 工具を使わなきゃならない 285 00:18:28,840 --> 00:18:31,000 手間がかかるんだ 286 00:18:31,520 --> 00:18:34,640 ナイフ 包丁 金づち ねじ回し 287 00:18:37,840 --> 00:18:40,360 1人で開けるのは大変だ 288 00:18:40,440 --> 00:18:44,640 もちろん当時も 缶切りはあったよ 289 00:18:44,720 --> 00:18:47,120 三叉槍(さんさそう )みたいなやつ 290 00:18:47,760 --> 00:18:49,640 ほぼ錆(さ)びてる 291 00:18:50,840 --> 00:18:53,480 刃はガタガタでボロボロ 292 00:18:53,560 --> 00:18:59,600 部品が飛び出してて ちっとも使い物にならない 293 00:18:59,680 --> 00:19:03,240 魚の缶詰ですら開かない 294 00:19:03,320 --> 00:19:06,680 母の包丁をこっそり使う 295 00:19:08,080 --> 00:19:11,480 見つかれば叱られる “壊れるでしょ” 296 00:19:11,560 --> 00:19:12,200 それで… 297 00:19:12,800 --> 00:19:13,640 それでも… 298 00:19:14,160 --> 00:19:17,280 出なければ脚の間に挟む 299 00:19:20,200 --> 00:19:22,880 叩き続けて汗が出る 300 00:19:22,960 --> 00:19:24,000 次は穴? 301 00:19:25,440 --> 00:19:27,280 穴は2つ必要だ 302 00:19:27,360 --> 00:19:29,360 上下に開けないと 303 00:19:30,880 --> 00:19:31,840 それから 304 00:19:32,840 --> 00:19:36,520 パンにかけようとしても 出てこない 305 00:19:36,600 --> 00:19:39,040 麦芽飲料を混ぜてもダメ 306 00:19:39,920 --> 00:19:41,080 残る手段は? 307 00:19:41,640 --> 00:19:42,880 息を吹く 308 00:19:44,000 --> 00:19:45,160 吹き入れる 309 00:19:48,360 --> 00:19:50,720 コロナがなくてよかった 310 00:19:54,520 --> 00:19:56,920 問題はほかにもある 311 00:19:57,000 --> 00:20:01,840 使い切れずに 保存する時の方法は? 312 00:20:01,920 --> 00:20:04,760 水を入れた器に置く 313 00:20:05,720 --> 00:20:08,400 すると缶が湿るので 314 00:20:09,240 --> 00:20:11,000 そのうち錆びる 315 00:20:11,080 --> 00:20:16,280 乾燥すると缶の縁に ボツボツができる 316 00:20:16,360 --> 00:20:18,000 まるで湿疹だ 317 00:20:18,880 --> 00:20:24,560 食欲は削がれるし ラベルはフニャフニャだ 318 00:20:24,640 --> 00:20:30,280 そうやって生きてきた我々が 若者に何を教える? 319 00:20:31,000 --> 00:20:32,760 考えれば分かる 320 00:20:34,680 --> 00:20:39,160 眉毛を濃くするために 母が僕に与えたもの 321 00:20:40,520 --> 00:20:41,960 蝶豆(チョウマメ)の花 322 00:20:42,800 --> 00:20:45,880 当時はサプリなんてない 323 00:20:45,960 --> 00:20:49,040 育毛用のビタミンEはない 324 00:20:49,120 --> 00:20:50,480 蝶豆の花だ 325 00:20:50,560 --> 00:20:54,400 X世代は眉毛に 蝶豆の花をつけた 326 00:20:54,480 --> 00:20:56,000 笑える顔だ 327 00:20:56,640 --> 00:21:00,200 形を整えることなく 貼りつけるだけ 328 00:21:00,280 --> 00:21:02,520 効果はあるか? 329 00:21:02,600 --> 00:21:06,360 研究したら 効果がないと分かった 330 00:21:06,440 --> 00:21:11,600 効果があるなら 誰も眉を描いたりしない 331 00:21:11,680 --> 00:21:16,800 インド人やラテン系の人は 使わなくても濃い 332 00:21:17,320 --> 00:21:19,440 そんな時代に育った 333 00:21:21,240 --> 00:21:23,960 鼻筋だってそうだ 334 00:21:24,040 --> 00:21:26,440 西洋人が来るようになり 335 00:21:26,520 --> 00:21:29,840 母親は子どもの鼻を 引っぱり始めた 336 00:21:32,360 --> 00:21:34,440 近所中がやってた 337 00:21:34,960 --> 00:21:37,560 僕の母は情報に疎かった 338 00:21:38,400 --> 00:21:43,760 普通は鼻の付け根から 鼻先へと引っ張るが 339 00:21:44,920 --> 00:21:46,480 母は鼻先から 340 00:21:49,720 --> 00:21:51,280 おかげでこれだ 341 00:21:51,360 --> 00:21:53,240 誰を訴えればいい? 342 00:21:57,480 --> 00:21:59,320 おたふく風邪の迷信 343 00:21:59,840 --> 00:22:01,640 そう おたふくだ 344 00:22:01,720 --> 00:22:03,800 病院へ行かずに 345 00:22:03,880 --> 00:22:07,040 中国の伝統医療を受けた 346 00:22:07,120 --> 00:22:09,720 治療師は“虎”と書いた 347 00:22:11,400 --> 00:22:13,400 おたふくで“虎” 348 00:22:14,360 --> 00:22:15,520 紫色で 349 00:22:15,600 --> 00:22:16,840 “虎” 350 00:22:16,920 --> 00:22:18,960 理由を知りたくて 351 00:22:19,040 --> 00:22:22,360 治療師に質問してみた 352 00:22:23,160 --> 00:22:27,080 中国では おたふくにかかった状態を 353 00:22:27,160 --> 00:22:29,720 “豚のような頬”と呼ぶ 354 00:22:29,800 --> 00:22:31,720 “虎”と書けば 355 00:22:32,720 --> 00:22:34,160 豚を脅せる 356 00:22:34,840 --> 00:22:37,120 聞いたことある? 357 00:22:37,920 --> 00:22:38,960 まったく 358 00:22:39,440 --> 00:22:44,520 口内炎ができると 薬を塗ってもらいに行った 359 00:22:44,600 --> 00:22:49,760 口の中に紫色の薬を こすりつけられた 360 00:22:51,160 --> 00:22:52,800 口には残らない 361 00:22:52,880 --> 00:22:57,240 紫色の薬は液体で サラサラしてる 362 00:22:57,920 --> 00:23:00,520 塗りつけられてすぐに… 363 00:23:01,560 --> 00:23:05,120 よだれは出るけど 薬は残らない 364 00:23:06,840 --> 00:23:09,440 虎と書いて何になる? 365 00:23:09,520 --> 00:23:13,920 書くだけで 腫れが小さくなるなら 366 00:23:14,000 --> 00:23:18,720 太ももに書けば 脂肪吸引は必要ない 367 00:23:19,880 --> 00:23:23,200 男らしさが足りないと 感じる人は 368 00:23:24,240 --> 00:23:25,120 “馬”と 369 00:23:26,240 --> 00:23:28,880 大きくしたいなら “アナコンダ” 370 00:23:34,440 --> 00:23:36,440 そうやって育った 371 00:23:38,040 --> 00:23:40,480 X世代が子どもの頃 372 00:23:41,080 --> 00:23:43,880 コーヒーは2種類だけ 373 00:23:45,040 --> 00:23:47,280 オーリアンとオーユア 374 00:23:48,000 --> 00:23:49,320 オーは“黒” 375 00:23:49,840 --> 00:23:51,320 リアンは“冷たい” 376 00:23:51,880 --> 00:23:53,360 アイスコーヒー 377 00:23:53,440 --> 00:23:54,840 オーユアはホット 378 00:23:54,920 --> 00:23:57,680 ミルク入りは“ヨックロー” 379 00:23:57,760 --> 00:23:58,720 それだけ 380 00:23:58,800 --> 00:24:01,800 だから今 X世代の人間が 381 00:24:02,520 --> 00:24:06,640 カフェに行くと 無知をさらけ出す 382 00:24:12,480 --> 00:24:16,000 メニューはすべて英語だ 383 00:24:16,840 --> 00:24:18,560 エスプレッソに… 384 00:24:19,040 --> 00:24:20,600 カプチーノ 385 00:24:21,200 --> 00:24:22,080 モカ 386 00:24:23,320 --> 00:24:24,280 ラテ 387 00:24:25,120 --> 00:24:26,680 キャラメルマキアート 388 00:24:27,320 --> 00:24:29,120 それからフラペ… 389 00:24:29,720 --> 00:24:30,920 フラペチーノ 390 00:24:31,000 --> 00:24:34,760 あとは豆の種類も覚えなきゃ 391 00:24:34,840 --> 00:24:36,960 何? 煎り方も? 392 00:24:37,040 --> 00:24:41,160 深煎り 中煎り 浅煎り 393 00:24:41,240 --> 00:24:44,160 エチオピア産の豆 394 00:24:44,240 --> 00:24:46,800 産地も知る必要が? 395 00:24:46,880 --> 00:24:49,960 貧しい国がコーヒーの生産? 396 00:24:50,800 --> 00:24:53,120 食料がないのでは? 397 00:24:53,200 --> 00:24:55,520 どういうことなんだ 398 00:24:55,600 --> 00:24:57,160 しかも… 399 00:24:58,920 --> 00:25:00,000 サイズも 400 00:25:00,080 --> 00:25:02,760 大中小じゃないの? 401 00:25:02,840 --> 00:25:04,920 アリアナ・グランデです 402 00:25:05,920 --> 00:25:07,760 はあ? 何それ? 403 00:25:08,400 --> 00:25:10,680 ベンティとやらを 404 00:25:10,760 --> 00:25:14,800 大きいな トールでよかった 405 00:25:15,600 --> 00:25:17,800 あとは “フルーティ” 406 00:25:18,400 --> 00:25:21,480 “フルーティはいかが?” 407 00:25:21,560 --> 00:25:23,160 バンド名かと 408 00:25:24,040 --> 00:25:26,840 やっぱり僕は時代遅れだ 409 00:25:27,360 --> 00:25:31,880 後ろの客に気づかれたので 虚勢を張る 410 00:25:31,960 --> 00:25:35,240 “コーヒーは飽きたよ リンゴジュースを” 411 00:25:45,080 --> 00:25:48,880 僕たちが若者に 何を教えられる? 412 00:25:49,760 --> 00:25:53,200 X世代以上の人間の知識は 413 00:25:53,840 --> 00:25:59,520 若者にとっては どうでもいいことばかり 414 00:26:00,160 --> 00:26:04,200 身につけた知恵を 次の世代に伝えても 415 00:26:04,800 --> 00:26:07,960 受け継がれていくとは 限らない 416 00:26:09,000 --> 00:26:10,480 ロモチル 417 00:26:11,600 --> 00:26:15,240 ロモチルを知ってるなら 同世代だ 418 00:26:16,640 --> 00:26:21,480 X世代やベビーブーム世代が 使った下痢止め薬 419 00:26:21,560 --> 00:26:25,960 下痢をした時に飲む薬と 言われたら 420 00:26:26,040 --> 00:26:28,160 真っ先に思い浮かぶ 421 00:26:28,240 --> 00:26:32,000 生理用ナプキンといえば コーテックス 422 00:26:32,080 --> 00:26:34,120 使ってなくてもね 423 00:26:34,200 --> 00:26:36,960 インスタント麺は? 424 00:26:37,040 --> 00:26:40,560 ママ・ヌードルかヤムヤムだ 425 00:26:40,640 --> 00:26:44,560 ロモチルは 代表的な下痢薬だった 426 00:26:45,040 --> 00:26:49,760 だが現在では 服用が禁止されてる 427 00:26:50,480 --> 00:26:53,160 なぜかといえば… 428 00:26:53,800 --> 00:26:58,360 腸の動きを 悪くしてしまうからだ 429 00:26:58,440 --> 00:27:01,760 便が出なければ細菌も出ない 430 00:27:05,320 --> 00:27:08,600 出さなきゃいけない時なのに 431 00:27:09,280 --> 00:27:13,800 本来なら 電解質の摂取で十分だが 432 00:27:13,880 --> 00:27:17,120 当時はみんなが服用した 433 00:27:17,200 --> 00:27:19,520 バカ売れしてたわけ 434 00:27:20,200 --> 00:27:24,680 それを次世代に伝えるなんて 無意味だよね 435 00:27:24,760 --> 00:27:28,880 どっちみち 使えないんだから 436 00:27:28,960 --> 00:27:31,840 すべてを伝える必要はない 437 00:27:31,920 --> 00:27:34,640 もっといいものがある 438 00:27:34,720 --> 00:27:38,440 情報や知識を得るのに 先生は不要だ 439 00:27:38,520 --> 00:27:41,440 教えてくれと頼む必要がない 440 00:27:41,520 --> 00:27:43,800 全部ネットにある 441 00:27:43,880 --> 00:27:49,240 年寄り世代がすべきは 教えることではなく 442 00:27:49,320 --> 00:27:52,840 尊敬されるような 振る舞いをすること 443 00:28:04,200 --> 00:28:07,040 僕たちがやらなかったことを 444 00:28:08,560 --> 00:28:10,720 若者はうまくやる 445 00:28:11,320 --> 00:28:12,640 芸能人はダメ? 446 00:28:12,720 --> 00:28:14,440 BLACKPINKのリサ 447 00:28:15,200 --> 00:28:16,680 GOT7のベンベン 448 00:28:16,760 --> 00:28:18,600 立派にやってる 449 00:28:20,360 --> 00:28:22,520 化粧はまだ早い? 450 00:28:22,600 --> 00:28:25,480 ネスティを見てごらん 451 00:28:26,080 --> 00:28:28,320 10代のトランスの子 452 00:28:29,600 --> 00:28:31,840 母親に家を贈った 453 00:28:31,920 --> 00:28:35,560 スラム出身の エクレア・ジューパクは 454 00:28:35,640 --> 00:28:39,240 高級住宅街の家を 3000万バーツで買った 455 00:28:39,320 --> 00:28:42,840 ちゃんと儲かってるよね? 456 00:28:43,600 --> 00:28:48,000 “絵ばかり描いてたら 大人になって困るぞ” 457 00:28:48,080 --> 00:28:50,480 食べていけないと 458 00:28:50,560 --> 00:28:54,680 人気キャラクターの Crybabyを知ってるよね? 459 00:28:54,760 --> 00:28:59,280 展示会の売上は 2日で1億バーツ以上 460 00:28:59,360 --> 00:29:04,040 年配の芸術家が 一生かけても稼げない額だ 461 00:29:04,120 --> 00:29:07,400 若者に教えることなんてない 462 00:29:07,480 --> 00:29:08,840 黙ってろ 463 00:29:08,920 --> 00:29:12,160 特に政府の年寄りどもは 464 00:29:16,880 --> 00:29:18,800 僕を巻き込むな 465 00:29:19,800 --> 00:29:22,920 炎上しても 誰も助けてくれない 466 00:29:24,040 --> 00:29:26,800 これ以上は訴えられる 467 00:29:27,960 --> 00:29:29,840 活動家は暇だから 468 00:29:36,920 --> 00:29:39,360 拍手されても困るよ 469 00:29:47,520 --> 00:29:52,680 若い世代に伝えたいのは 知識ではない 470 00:29:53,240 --> 00:29:54,880 僕の失敗談だ 471 00:29:55,440 --> 00:29:56,880 上の世代は 472 00:29:58,120 --> 00:30:01,160 失敗を重ねたという点で 有利だ 473 00:30:01,760 --> 00:30:03,920 チャンスは増えた 474 00:30:04,000 --> 00:30:09,200 失敗から学べば 失敗を減らすことができる 475 00:30:09,280 --> 00:30:13,760 経験豊富な人は 失敗を重ねてきた人だ 476 00:30:14,240 --> 00:30:19,720 今日は若い君たちに 僕の失敗談を語りたい 477 00:30:19,800 --> 00:30:22,160 大きなやらかしで 478 00:30:22,240 --> 00:30:26,080 命を落としてたかも しれない 479 00:30:26,160 --> 00:30:28,440 20歳頃のことだ 480 00:30:28,520 --> 00:30:32,840 僕は典型的な 専門学校の生徒だった 481 00:30:32,920 --> 00:30:34,360 「四天王」みたいに 482 00:30:34,440 --> 00:30:39,320 専門学校に通い 揃いの作業服を着てた 483 00:30:39,400 --> 00:30:42,960 サングラスをかけて イキがってた 484 00:30:44,040 --> 00:30:45,880 理由は分からない 485 00:30:46,400 --> 00:30:48,840 上級生の歩き方をマネた 486 00:30:48,920 --> 00:30:51,760 集団で肩をイカらせて歩く 487 00:30:51,840 --> 00:30:54,680 寒さに耐えてるような 488 00:30:54,760 --> 00:30:56,960 腰を脱臼したような 489 00:30:58,360 --> 00:31:02,600 靴に砂利が入った時のような 490 00:31:04,920 --> 00:31:09,480 訳も分からず 脚を引きずって歩いた 491 00:31:10,280 --> 00:31:12,400 偉そうに歩くのは 492 00:31:12,880 --> 00:31:17,560 目が合ったヤツと ケンカするためだ 493 00:31:17,640 --> 00:31:23,280 だが親しくなりたければ 目を見るものだ 494 00:31:23,360 --> 00:31:24,200 でしょ? 495 00:31:24,280 --> 00:31:28,720 胸を見て黙ってても 仲良くはなれない 496 00:31:28,800 --> 00:31:30,480 膝でもダメだ 497 00:31:30,560 --> 00:31:33,160 僕たちは意味もなく 498 00:31:33,240 --> 00:31:35,960 作業服を着て歩いた 499 00:31:36,040 --> 00:31:38,640 僕は問題児だった 500 00:31:38,720 --> 00:31:43,840 高校生をぶちのめしては ベルトを取り上げた 501 00:31:43,920 --> 00:31:45,880 サイズが合うか? 502 00:31:45,960 --> 00:31:47,840 合うわけがない 503 00:31:48,560 --> 00:31:52,400 専門学校生からは制服を奪う 504 00:31:52,480 --> 00:31:54,360 バックルなんかも 505 00:31:54,440 --> 00:31:58,560 友達に流されるままに 悪事を働いた 506 00:31:58,640 --> 00:32:04,360 学校の名誉のためだったが 当時の友達とは疎遠だ 507 00:32:05,240 --> 00:32:08,480 そこに本物の絆はなかった 508 00:32:08,560 --> 00:32:10,160 流されただけ 509 00:32:10,240 --> 00:32:13,360 「四天王」で描かれる時代 510 00:32:14,040 --> 00:32:17,240 みんな「狂犬たち」を読んだ 511 00:32:17,320 --> 00:32:18,840 生まれる前か 512 00:32:18,920 --> 00:32:22,160 これから僕の冒険談を話す 513 00:32:22,240 --> 00:32:24,760 ある時 海に行った 514 00:32:24,840 --> 00:32:28,480 ウエンとピーラという 2人組と 515 00:32:28,560 --> 00:32:31,000 僕と それからウィライ 516 00:32:31,640 --> 00:32:34,280 4人でサメット島に 517 00:32:34,360 --> 00:32:37,000 30年前のサメット島だ 518 00:32:37,760 --> 00:32:39,240 ホテルはない 519 00:32:39,720 --> 00:32:45,040 天然素材で建てられた 海辺のバンガローに泊まった 520 00:32:45,560 --> 00:32:48,760 ヤシの木が生えていて 521 00:32:48,840 --> 00:32:52,520 すべてが ヤシの実や木材で造られてた 522 00:32:52,600 --> 00:32:55,560 僕たちは海辺で2泊した 523 00:32:55,640 --> 00:32:57,520 初日は平穏に過ぎ 524 00:32:57,600 --> 00:33:00,480 2日目の夜はバーへ行った 525 00:33:01,000 --> 00:33:05,720 レゲエを聴きながら ビールを飲む 526 00:33:07,680 --> 00:33:10,640 横のテーブルに 8人の客がいた 527 00:33:10,720 --> 00:33:13,880 ビールをおごると言われ 断ると 528 00:33:13,960 --> 00:33:16,520 “君 イカしてないな” 529 00:33:16,600 --> 00:33:18,960 “イカす”が流行ってた 530 00:33:19,040 --> 00:33:20,400 “イカしてない” 531 00:33:20,480 --> 00:33:24,960 “俺はイカしてるし 立派なんだぞ” 532 00:33:25,040 --> 00:33:26,400 店内に響く 533 00:33:27,560 --> 00:33:28,600 ヤツらは… 534 00:33:30,040 --> 00:33:31,240 立ち上がった 535 00:33:32,760 --> 00:33:35,320 “立派でイカしたガキか” 536 00:33:37,040 --> 00:33:38,800 僕をからかった 537 00:33:39,800 --> 00:33:41,560 バカにしたんだ 538 00:33:42,120 --> 00:33:46,800 何を思ったのか僕は 立ち上がった 539 00:33:48,440 --> 00:33:54,080 友達の酒瓶を奪うと 後ろの岩で叩き割った 540 00:33:54,160 --> 00:33:58,720 岩に叩きつけて サメの歯みたいに鋭くする 541 00:33:58,800 --> 00:34:02,960 どうして戦うのか 自分でも分からない 542 00:34:03,040 --> 00:34:06,680 友達の前だから 見栄を張ってしまった 543 00:34:06,760 --> 00:34:09,240 我を忘れ 叩き割った 544 00:34:11,120 --> 00:34:17,200 不良になりたい人はまず 瓶を割る練習をしよう 545 00:34:17,920 --> 00:34:23,520 初めての挑戦で ギザギザを作るのは難しい 546 00:34:24,240 --> 00:34:25,880 僕の場合は 547 00:34:27,040 --> 00:34:29,640 瓶の首だけが残った 548 00:34:29,720 --> 00:34:31,680 大して鋭くない 549 00:34:31,760 --> 00:34:34,640 サメではなくマグロの歯 550 00:34:34,720 --> 00:34:37,280 かすり傷程度の威力だ 551 00:34:38,360 --> 00:34:40,680 叩き割ったところで… 552 00:34:40,760 --> 00:34:43,520 敵は全員が立ち上がった 553 00:34:43,600 --> 00:34:47,120 緊張が高まり うなり声が聞こえる 554 00:34:47,200 --> 00:34:49,960 怖いが後戻りできない 555 00:34:50,560 --> 00:34:55,600 友達もようやく異変に気づき 立ち上がった 556 00:34:56,960 --> 00:35:00,280 店主が来て “もうやめろ” 557 00:35:00,360 --> 00:35:02,320 “もう寝なさい” 558 00:35:02,400 --> 00:35:04,520 一行は店を去った 559 00:35:04,600 --> 00:35:08,840 何だかシラけてしまい 勘定を払った 560 00:35:08,920 --> 00:35:12,360 僕はトイレへ行くフリをして 外へ出た 561 00:35:13,400 --> 00:35:17,200 8人が暗がりを歩いていく 562 00:35:18,520 --> 00:35:20,920 僕は彼らを尾行した 563 00:35:21,440 --> 00:35:23,040 恐怖を感じつつ 564 00:35:24,400 --> 00:35:25,720 あとを追う 565 00:35:27,040 --> 00:35:30,480 行き先も分からず 木々の間を抜け 566 00:35:30,560 --> 00:35:34,720 トイレを通り越して 20メートルほど 567 00:35:34,800 --> 00:35:38,280 マズいぞ 仲間がいる 568 00:35:39,000 --> 00:35:42,120 8人は大きな集団の一部だ 569 00:35:42,200 --> 00:35:45,200 たき火を囲み 演奏してる 570 00:35:45,280 --> 00:35:49,120 どうやら学生の旅行のようだ 571 00:35:49,200 --> 00:35:51,360 同窓会か 送別会か 572 00:35:51,440 --> 00:35:53,720 とにかく大勢いる 573 00:35:53,800 --> 00:35:57,240 8人はグループに合流した 574 00:35:57,320 --> 00:36:00,080 きっと店での出来事を話す 575 00:36:00,160 --> 00:36:03,440 僕は友達に “早く帰ろう” 576 00:36:03,520 --> 00:36:05,720 何を見たかは言わずに 577 00:36:06,520 --> 00:36:10,160 更に “明日は早く帰ろう” 578 00:36:10,240 --> 00:36:13,520 “何時の船?” “7時だ” 579 00:36:14,200 --> 00:36:15,520 “早いよ” 580 00:36:15,600 --> 00:36:20,520 “母が寂しがってるから 早く帰らないと” 581 00:36:20,600 --> 00:36:22,920 いろいろと理由をつけた 582 00:36:23,000 --> 00:36:25,240 友達は何も知らない 583 00:36:25,320 --> 00:36:26,840 翌朝 起きると 584 00:36:27,720 --> 00:36:29,240 僕は荷造り 585 00:36:29,320 --> 00:36:30,880 友達は貝殻拾い 586 00:36:32,320 --> 00:36:36,560 当時は貝殻を集めて 瓶に詰めた 587 00:36:36,640 --> 00:36:39,680 砂を入れてお土産にする 588 00:36:39,760 --> 00:36:43,160 手持ちぶさたで困ってると 589 00:36:43,640 --> 00:36:48,120 岸に打ち上げられ 砂に埋まった靴を見つけた 590 00:36:48,200 --> 00:36:50,040 それを洗ったり 591 00:36:50,120 --> 00:36:53,640 絵を描いたりしながら 船を待った 592 00:36:54,120 --> 00:36:55,600 絵を描いてると… 593 00:37:00,120 --> 00:37:03,440 向こうに何かが見える 594 00:37:04,240 --> 00:37:07,200 80メートルほど先だ 595 00:37:07,960 --> 00:37:11,560 集団がこちらに近づいてくる 596 00:37:11,640 --> 00:37:13,680 映画「アルマゲドン」かと 597 00:37:15,720 --> 00:37:19,480 40人ほどが海辺を埋めつくす 598 00:37:19,560 --> 00:37:21,960 みんな何かを持ってる 599 00:37:22,040 --> 00:37:23,920 更に近づいてくると 600 00:37:24,000 --> 00:37:26,000 “バカ野郎” “クソめ” 601 00:37:26,080 --> 00:37:29,360 “ヤツはどこだ”とか何とか 602 00:37:29,440 --> 00:37:34,760 次第にはっきり聞こえ 20メートルの距離で 603 00:37:35,240 --> 00:37:39,120 前夜のヤツらだと気づいた 604 00:37:39,200 --> 00:37:40,960 これはマズい 605 00:37:41,040 --> 00:37:45,440 15メートルの距離に来た時 友達を呼んだ 606 00:37:47,240 --> 00:37:49,560 “昨夜の連中だ” 607 00:37:50,600 --> 00:37:53,360 “ウエンはここにいろ” 608 00:37:53,440 --> 00:37:58,720 “ウィライとピーラは 棒を拾ってこい” 609 00:37:58,800 --> 00:38:02,600 友達は棒を探しに行った 610 00:38:02,680 --> 00:38:04,640 “俺も行ってくる” 611 00:38:04,720 --> 00:38:07,080 僕の視線の先には 612 00:38:07,160 --> 00:38:10,720 10メートル先にいる集団 613 00:38:10,800 --> 00:38:13,400 いよいよ5メートル 614 00:38:13,480 --> 00:38:16,840 僕は40人に囲まれてしまった 615 00:38:16,920 --> 00:38:20,680 全員が手に何かを持ってる 616 00:38:22,360 --> 00:38:25,160 まさに「四天王」の世界だ 617 00:38:25,240 --> 00:38:27,880 肩をいからせて歩く 618 00:38:27,960 --> 00:38:31,800 中に1人 ラッパーみたいな男がいた 619 00:38:32,720 --> 00:38:33,920 そいつは 620 00:38:34,440 --> 00:38:37,200 “おい このクソったれ” 621 00:38:37,680 --> 00:38:39,160 “マザコン” 622 00:38:40,720 --> 00:38:42,280 “何者だ” 623 00:38:44,760 --> 00:38:47,520 僕は固まってしまった 624 00:38:47,600 --> 00:38:49,640 戦えるわけがない 625 00:38:49,720 --> 00:38:51,600 だって1対40だ 626 00:38:51,680 --> 00:38:54,760 手には海辺で拾った靴 627 00:38:56,200 --> 00:38:58,840 あおり立てろって? 628 00:38:59,440 --> 00:39:02,280 ヤツは距離を縮めてきた 629 00:39:02,360 --> 00:39:04,880 “おい バカ野郎” 630 00:39:05,440 --> 00:39:09,680 ほかのヤツらは 棒で僕を突っつく 631 00:39:10,200 --> 00:39:14,720 “イキがるなよ 何様のつもりだ” 632 00:39:14,800 --> 00:39:18,680 ヤツらは殴るフリをしながら 633 00:39:18,760 --> 00:39:22,080 僕に悪口を浴びせてきた 634 00:39:22,640 --> 00:39:24,920 新入生しごきみたいだ 635 00:39:25,440 --> 00:39:29,680 怒鳴り散らしては アレを見せつける 636 00:39:30,600 --> 00:39:32,560 アレとはペニスだ 637 00:39:32,640 --> 00:39:35,160 1日で4本もゲット 638 00:39:36,200 --> 00:39:38,200 4人分も要らない 639 00:39:38,800 --> 00:39:43,720 僕はアジアの誰よりも アレを持ってる 640 00:39:44,320 --> 00:39:45,880 アレで溺れる 641 00:39:46,800 --> 00:39:48,160 “この野郎” 642 00:39:48,240 --> 00:39:50,240 “ふざけるな” 643 00:39:51,640 --> 00:39:54,280 僕は集中攻撃を受ける 644 00:39:54,840 --> 00:39:57,880 顔に手が飛んできたが 645 00:39:57,960 --> 00:39:59,840 怖くて動けない 646 00:40:01,120 --> 00:40:03,200 漏らしてしまった 647 00:40:05,320 --> 00:40:09,160 恐怖のあまり チビってしまった 648 00:40:09,240 --> 00:40:14,240 波が打ち寄せたから ごまかせると思った 649 00:40:16,240 --> 00:40:19,200 だが強面のリーダーが 650 00:40:19,280 --> 00:40:22,040 “やめろ 漏らしたぞ” 651 00:40:22,800 --> 00:40:27,440 “バンコクで見かけたら コテンパンにしてやる” 652 00:40:27,520 --> 00:40:28,960 “文句あるか?” 653 00:40:29,040 --> 00:40:32,160 思わずじっと見てしまった 654 00:40:32,680 --> 00:40:34,160 どうしよう 655 00:40:34,240 --> 00:40:36,600 ヤツらは怒鳴りながら 656 00:40:36,680 --> 00:40:40,200 棒や瓶を投げ捨て 去っていった 657 00:40:41,720 --> 00:40:44,240 集団の姿が見えなくなると 658 00:40:44,320 --> 00:40:48,280 僕はレイプされたみたいに 崩れ落ちた 659 00:40:48,360 --> 00:40:52,560 あれは人生最悪の経験だった 660 00:40:53,440 --> 00:40:57,280 あの時の感情は 言葉にできない 661 00:40:57,360 --> 00:41:00,600 似た経験をした人は 少ないだろう 662 00:41:00,680 --> 00:41:04,000 頭の中が真っ白になった 663 00:41:04,080 --> 00:41:07,640 友達のことも忘れ バッグを抱えると 664 00:41:07,720 --> 00:41:10,640 船に向かって歩き出す 665 00:41:11,520 --> 00:41:14,120 僕が最初の乗客だ 666 00:41:14,200 --> 00:41:17,400 ひたすら出航時間を待った 667 00:41:17,920 --> 00:41:21,680 乗ったことがある人なら 分かると思うが 668 00:41:22,760 --> 00:41:25,360 船の後方はすごく熱い 669 00:41:26,040 --> 00:41:27,840 排気口がある 670 00:41:27,920 --> 00:41:30,360 だから中央に乗った 671 00:41:31,080 --> 00:41:32,600 太陽を避けて 672 00:41:34,480 --> 00:41:36,920 話には続きがある 673 00:41:37,000 --> 00:41:41,600 出航時間になり 船員が乗ってきた 674 00:41:43,280 --> 00:41:44,520 例の40人も 675 00:41:45,600 --> 00:41:46,640 来た 676 00:41:50,480 --> 00:41:51,360 クソッ 677 00:41:52,400 --> 00:41:53,840 最低最悪だ 678 00:41:54,560 --> 00:41:59,120 ヤツらは犬のように 僕を追ってきた 679 00:41:59,200 --> 00:42:02,760 “おい お前は後ろへ行け” 680 00:42:02,840 --> 00:42:05,720 仕方なく排気口のそばへ 681 00:42:07,400 --> 00:42:10,600 太陽の下でおよそ1時間 682 00:42:10,680 --> 00:42:12,960 当時は高速船もない 683 00:42:14,080 --> 00:42:17,880 ヤツらは音楽に合わせ 歌ったり踊ったり 684 00:42:17,960 --> 00:42:21,480 時々 僕に嫌がらせをしたり 685 00:42:21,560 --> 00:42:25,600 これ以上 アレは見たくない 686 00:42:25,680 --> 00:42:29,080 そしてようやく到着した 687 00:42:30,000 --> 00:42:33,800 僕は急いで 船から飛び降りた 688 00:42:33,880 --> 00:42:38,000 バスに乗り遅れないためだ 689 00:42:38,080 --> 00:42:41,000 赤いバスに乗り込んだ 690 00:42:42,400 --> 00:42:45,240 地獄の時間は終わった 691 00:42:45,320 --> 00:42:47,760 やっとだ クソめ 692 00:42:49,800 --> 00:42:51,000 話には… 693 00:42:52,240 --> 00:42:53,520 続きがある 694 00:42:54,280 --> 00:42:55,720 ヤツらがバスに 695 00:42:56,760 --> 00:42:57,920 満員だよ 696 00:42:58,640 --> 00:42:59,880 すし詰め状態 697 00:42:59,960 --> 00:43:02,280 また追い払われる 698 00:43:02,360 --> 00:43:05,320 集団は座席を占領すると 699 00:43:05,400 --> 00:43:09,160 再び僕に悪口を浴びせた 700 00:43:09,920 --> 00:43:13,040 僕は縮こまりながら 701 00:43:13,120 --> 00:43:16,320 バンコクに着くまで耐えた 702 00:43:17,760 --> 00:43:20,600 バスを降りた瞬間 703 00:43:21,440 --> 00:43:24,640 僕は不良学生を卒業した 704 00:43:25,360 --> 00:43:27,560 普通に歩き始めた 705 00:43:27,640 --> 00:43:30,440 脚も肩も普通に戻った 706 00:43:30,520 --> 00:43:32,720 まともな人間に戻った 707 00:43:32,800 --> 00:43:34,720 もうケンカはしない 708 00:43:34,800 --> 00:43:37,560 誰かを殴ったりもしない 709 00:43:38,040 --> 00:43:39,560 全部 終わった 710 00:43:40,160 --> 00:43:45,640 降車後もヤツらは 怒鳴りながら僕をあおった 711 00:43:45,720 --> 00:43:48,720 だが 僕はすでに普通の若者 712 00:43:50,960 --> 00:43:52,680 みんなに伝えたい 713 00:43:55,160 --> 00:43:57,440 教訓としてね 714 00:43:57,520 --> 00:44:00,520 僕はこの仕事が好きだ 715 00:44:00,600 --> 00:44:06,320 この中にもし 当時僕を いじめた若者がいたら 716 00:44:06,400 --> 00:44:08,840 伝えたいことがある 717 00:44:09,400 --> 00:44:12,000 あなたに感謝してる 718 00:44:12,080 --> 00:44:15,400 僕の人生を救ってくれた 719 00:44:16,480 --> 00:44:19,320 あの件がなければ ここにいない 720 00:44:19,400 --> 00:44:24,800 当時の僕は理由もなく 他人を殴ってた 721 00:44:24,880 --> 00:44:27,280 周囲に流されてた 722 00:44:27,360 --> 00:44:29,840 群れたかっただけ 723 00:44:29,920 --> 00:44:34,360 名誉など関係なく ただ暴れてただけ 724 00:44:34,440 --> 00:44:38,760 傷つけた人たち全員に 謝罪したい 725 00:44:38,840 --> 00:44:44,520 人を傷つけるようなことは 二度としない 726 00:44:44,600 --> 00:44:46,280 そう伝えたい 727 00:44:47,080 --> 00:44:50,520 3人の友達とは音信不通だ 728 00:44:51,640 --> 00:44:54,480 あの日以来 会ってない 729 00:44:54,560 --> 00:44:57,520 あの時は 頭が真っ白で 730 00:44:57,600 --> 00:45:00,600 3人を置いてきてしまった 731 00:45:00,680 --> 00:45:03,520 もし30年ぶりに会えたら 732 00:45:04,120 --> 00:45:06,240 彼らに伝えたい 733 00:45:07,680 --> 00:45:08,600 えっと… 734 00:45:11,040 --> 00:45:14,240 ひとつだけ言わせてくれ 735 00:45:16,560 --> 00:45:19,160 ウィライ ピーラ ウエン 736 00:45:19,720 --> 00:45:20,880 お前たち 737 00:45:21,880 --> 00:45:23,800 棒は見つかった? 738 00:45:32,480 --> 00:45:34,480 何の棒を探してる? 739 00:45:34,560 --> 00:45:35,960 紫檀(したん)か? 740 00:45:37,160 --> 00:45:39,520 伐採の許可待ち? 741 00:45:40,160 --> 00:45:42,240 遅いんだよ まったく 742 00:45:45,920 --> 00:45:51,640 たとえ公園でちらっと 見かけただけでも 743 00:45:52,800 --> 00:45:54,320 顔は分かるぞ 744 00:45:54,400 --> 00:45:56,080 “棒はあったか?” 745 00:45:57,160 --> 00:46:00,160 僕はずっと待ってた 746 00:46:06,240 --> 00:46:07,120 痛い? 747 00:46:09,240 --> 00:46:13,000 頬をマッサージする姿が かわいいね 748 00:46:15,880 --> 00:46:18,000 “虎”って書く? 749 00:46:28,320 --> 00:46:31,720 僕たちX世代は定年が近い 750 00:46:31,800 --> 00:46:35,400 この年になれば 感じることがある 751 00:46:35,480 --> 00:46:37,920 みんな同じだと思う 752 00:46:38,720 --> 00:46:42,720 この年齢になると 自然が恋しくなる 753 00:46:43,240 --> 00:46:45,600 自然に帰りたくなる 754 00:46:45,680 --> 00:46:47,840 自然の中で目覚め 755 00:46:47,920 --> 00:46:52,560 野菜を栽培したり 家畜を育てたりする 756 00:46:52,640 --> 00:46:56,800 豚や牛を育てる俳優を見ると 757 00:46:56,880 --> 00:46:59,520 マネしたくなってしまう 758 00:47:00,440 --> 00:47:01,280 僕もだ 759 00:47:02,920 --> 00:47:06,280 どうしても 自然の中で暮らしたい 760 00:47:06,360 --> 00:47:09,480 以前チェンマイに住んでた 761 00:47:09,560 --> 00:47:12,680 最近は観光客であふれてる 762 00:47:12,760 --> 00:47:15,240 僕はニマンに家を買った 763 00:47:17,480 --> 00:47:19,440 車は必需品だ 764 00:47:19,520 --> 00:47:21,200 自然が足りない 765 00:47:21,280 --> 00:47:25,680 だからもっと 自然が多い場所を探した 766 00:47:25,760 --> 00:47:30,800 ある時 休暇で カンチャナブリーへ 767 00:47:31,360 --> 00:47:35,640 サイヨーク・ノイ滝へ行き イカダで寝た 768 00:47:35,720 --> 00:47:38,120 初日は幸せだった 769 00:47:38,200 --> 00:47:41,240 目覚めると水上に霧が 770 00:47:41,800 --> 00:47:44,720 夜はイカダの下で水音が 771 00:47:45,600 --> 00:47:49,560 これぞ人生だ 本物の緑だ 772 00:47:49,640 --> 00:47:52,480 雨季の間に行けば 773 00:47:52,560 --> 00:47:56,960 柔らかい雨が 屋根を流れる音がする 774 00:47:57,040 --> 00:48:01,560 僕くらいの年代の人間が 求める環境だ 775 00:48:01,640 --> 00:48:04,920 3日滞在して仕事に戻った 776 00:48:05,000 --> 00:48:06,520 更に3日後 777 00:48:06,600 --> 00:48:10,000 サイヨーク・ノイへ 転居を決めた 778 00:48:10,080 --> 00:48:15,240 流れる水とイカダがあれば 情報なんて不要だ 779 00:48:15,320 --> 00:48:17,960 まずはイカダ造りだ 780 00:48:18,520 --> 00:48:20,720 どうやって造る? 781 00:48:20,800 --> 00:48:23,960 造り方なんて知らない 782 00:48:24,040 --> 00:48:28,560 売りに出てる土地を探して 歩き回った 783 00:48:29,240 --> 00:48:30,120 すると 784 00:48:30,200 --> 00:48:35,400 バイクに乗った ケクという人物に会った 785 00:48:36,480 --> 00:48:41,000 一度 通り過ぎたが 僕に気づいて止まった 786 00:48:44,000 --> 00:48:45,840 “あんた ノート?” 787 00:48:47,520 --> 00:48:51,680 森の小道で僕を見つけ 不思議に思ったようだ 788 00:48:51,760 --> 00:48:54,600 僕は答えた “そうだ” 789 00:48:54,680 --> 00:48:55,960 “何してるの?” 790 00:48:56,040 --> 00:48:59,160 “不動産を探してるんだ” 791 00:48:59,240 --> 00:49:05,920 “土地が欲しいなら 村長のところへ行かないと” 792 00:49:06,000 --> 00:49:07,960 “でもなぜ土地を?” 793 00:49:08,040 --> 00:49:14,080 “イカダを造って 誰かの土地に係留させたい” 794 00:49:14,800 --> 00:49:16,600 “他人任せ?” 795 00:49:17,960 --> 00:49:23,240 “木にくくりつけたら 雨風で流されてしまう” 796 00:49:23,320 --> 00:49:27,320 “まずは土地を 手に入れなきゃ” 797 00:49:27,400 --> 00:49:30,280 “じゃあリゾートの近くで” 798 00:49:30,360 --> 00:49:33,680 “通り沿いの土地は高額だ” 799 00:49:33,760 --> 00:49:38,000 “通りの向こう側に 安い土地がある” 800 00:49:38,800 --> 00:49:42,480 僕は橋を渡って探しに行った 801 00:49:42,560 --> 00:49:46,280 10キロも先だが 決意は揺るがない 802 00:49:46,360 --> 00:49:48,680 純粋な願望で動いた 803 00:49:49,760 --> 00:49:52,480 こうして土地を手に入れた 804 00:49:52,560 --> 00:49:54,640 イカダの係留場所だ 805 00:49:54,720 --> 00:49:58,240 イカダは業者に頼んで 造ってもらう 806 00:49:58,320 --> 00:50:01,960 完成までは カンチャナブリーにいた 807 00:50:02,960 --> 00:50:07,080 ようやく大自然の中で 暮らせる 808 00:50:07,160 --> 00:50:10,000 ご近所さんもいない 809 00:50:10,080 --> 00:50:11,800 出入り口は2つ 810 00:50:11,880 --> 00:50:15,280 1つは寺院を通り抜ける道だ 811 00:50:15,360 --> 00:50:18,600 寺の敷地に入って 火葬炉の前を通り 812 00:50:18,680 --> 00:50:22,360 1キロほど歩くと僕の土地だ 813 00:50:22,440 --> 00:50:24,600 もう一方も寺院だ 814 00:50:24,680 --> 00:50:29,440 火葬炉の前を通り抜けると 30匹の犬にお坊さんの家 815 00:50:30,360 --> 00:50:33,520 1キロ歩くと僕の土地 816 00:50:33,600 --> 00:50:35,800 寺院に挟まれてる 817 00:50:35,880 --> 00:50:39,960 寺院経由か川を下る以外に 出入りは不可能だ 818 00:50:40,040 --> 00:50:43,760 自然に囲まれ 1人きりで過ごす 819 00:50:43,840 --> 00:50:46,760 イケてる生活だと思った 820 00:50:46,840 --> 00:50:49,680 1人で本を読んだり書いたり 821 00:50:49,760 --> 00:50:53,840 自然の中で自給自足の暮らし 822 00:50:53,920 --> 00:50:56,200 最初の夜は雨だった 823 00:50:56,840 --> 00:50:59,320 雨で風情が増した 824 00:50:59,400 --> 00:51:03,640 イカダには縁側がついてる 825 00:51:03,720 --> 00:51:05,960 ここからそっちまで 826 00:51:06,640 --> 00:51:09,080 縁側があって僕の部屋 827 00:51:09,160 --> 00:51:11,240 縦横10メートルほどだ 828 00:51:11,320 --> 00:51:13,960 縁側があって寝室 829 00:51:14,880 --> 00:51:16,800 カーテンはなく 830 00:51:16,880 --> 00:51:20,240 茶色いフィルムを 貼った窓だけ 831 00:51:21,160 --> 00:51:22,520 外は雨だ 832 00:51:22,600 --> 00:51:25,760 明かりがあると寝られない 833 00:51:26,520 --> 00:51:30,680 だが暗すぎても 不安になってくる 834 00:51:30,760 --> 00:51:34,520 だって本当に 真っ暗なんだから 835 00:51:35,080 --> 00:51:37,040 近所に家はない 836 00:51:38,000 --> 00:51:40,320 遠くに光が見えるだけ 837 00:51:41,640 --> 00:51:46,080 ビルマ人に喉を切られても 誰も気づかない 838 00:51:46,160 --> 00:51:49,360 ヘビに食われても 誰も気づかない 839 00:51:49,440 --> 00:51:50,480 真っ暗だ 840 00:51:52,320 --> 00:51:54,320 自然を愛するなら我慢 841 00:51:56,760 --> 00:52:00,760 縁側のライトだけは つけておいた 842 00:52:01,760 --> 00:52:02,880 そして思った 843 00:52:03,880 --> 00:52:07,400 “いいか 周囲を見回すな” 844 00:52:09,640 --> 00:52:11,560 余計なものは見ない 845 00:52:12,760 --> 00:52:16,560 午前2時 トイレに行きたければ 846 00:52:16,640 --> 00:52:19,480 よそ見をせずに用を足す 847 00:52:19,560 --> 00:52:21,360 足だけ見ればいい 848 00:52:22,000 --> 00:52:25,680 午前2時 目が覚めて トイレに行った 849 00:52:25,760 --> 00:52:28,800 用を足して寝室に戻る 850 00:52:28,880 --> 00:52:32,640 ベッドに入る時 鏡が見えた 851 00:52:32,720 --> 00:52:35,040 ベッド 鏡 縁側 852 00:52:35,880 --> 00:52:41,000 横になって 頭を枕につける瞬間のことだ 853 00:52:42,000 --> 00:52:43,960 目の端に何か見えた 854 00:52:46,080 --> 00:52:47,120 マジか 855 00:52:49,320 --> 00:52:53,680 サロンを身につけた老女が 髪をとかしてた 856 00:52:54,440 --> 00:52:58,560 白髪の老女が目に入った瞬間 857 00:52:58,640 --> 00:53:00,800 寝返りを打った 858 00:53:02,960 --> 00:53:04,040 しまった 859 00:53:05,400 --> 00:53:06,800 なぜ見た? 860 00:53:08,120 --> 00:53:12,360 よそ見せずに ベッドに入ればよかった 861 00:53:12,440 --> 00:53:17,000 何も見なければ そのまま寝られたのに 862 00:53:17,080 --> 00:53:18,240 なぜ見た 863 00:53:18,320 --> 00:53:22,160 悪いのは僕だ どうすればいい? 864 00:53:22,240 --> 00:53:25,280 自問自答して 祈った 865 00:53:26,200 --> 00:53:28,040 ひたすら祈った 866 00:53:28,600 --> 00:53:33,360 知ってる限りのお祈りを すべて唱えた 867 00:53:33,440 --> 00:53:35,960 しばらくして気づいた 868 00:53:37,880 --> 00:53:39,280 僕は大人だ 869 00:53:40,200 --> 00:53:43,520 この先も長くここで暮らす 870 00:53:43,600 --> 00:53:45,480 負けたら終わりだ 871 00:53:45,560 --> 00:53:49,400 逃げるな 立ち向かうんだ 872 00:53:50,120 --> 00:53:52,960 まず相手の要求を考えろ 873 00:53:53,040 --> 00:53:57,720 頼みがあって 出てきたのかもしれない 874 00:53:58,480 --> 00:54:02,040 気合いを入れ 深呼吸をした 875 00:54:02,120 --> 00:54:04,320 覚悟を決め 振り向く 876 00:54:05,480 --> 00:54:06,720 そして見た 877 00:54:07,720 --> 00:54:08,800 まだいる 878 00:54:10,640 --> 00:54:13,800 足を片側に寄せて座ってる 879 00:54:13,880 --> 00:54:16,440 野良犬が耳をかいてた 880 00:54:24,160 --> 00:54:26,360 何だよ 驚いたな 881 00:54:28,400 --> 00:54:30,280 サロンの老女? 882 00:54:30,880 --> 00:54:32,240 バカバカしい 883 00:54:32,320 --> 00:54:35,600 毛むくじゃらの犬が かゆがって… 884 00:54:37,720 --> 00:54:40,640 なんて愚かで情けない 885 00:54:41,920 --> 00:54:43,800 自然で暮らしたい? 886 00:54:45,160 --> 00:54:48,600 その後 再び眠りについた 887 00:54:48,680 --> 00:54:50,600 犬が幽霊なら? 888 00:54:51,360 --> 00:54:53,200 犬の姿の幽霊 889 00:54:53,280 --> 00:54:56,720 翌朝 飼い主を探そうと 890 00:54:56,800 --> 00:55:00,080 地元の人に前夜の話をした 891 00:55:00,160 --> 00:55:03,800 “きっと寺で飼ってる犬だ” 892 00:55:03,880 --> 00:55:06,200 “雨が降ったから” 893 00:55:06,280 --> 00:55:11,280 “暖を取れる場所に 移動したんだろう” 894 00:55:11,360 --> 00:55:15,800 “気になるなら 柵を作ればいい” 895 00:55:15,880 --> 00:55:19,200 イカダには板が張ってある 896 00:55:19,280 --> 00:55:22,560 柵をつければ犬は来ない 897 00:55:22,640 --> 00:55:25,920 犬は来ないがヤモリは来る 898 00:55:27,400 --> 00:55:30,400 どうやって入ってきたのか 899 00:55:30,480 --> 00:55:31,680 跳んだ? 900 00:55:32,200 --> 00:55:36,080 “床の下にヤモリが いるみたいだ” 901 00:55:36,160 --> 00:55:38,240 “あんた 怖がりだね” 902 00:55:38,720 --> 00:55:40,720 ヤモリが来るのは 903 00:55:41,520 --> 00:55:43,040 虫がいるからだ 904 00:55:43,120 --> 00:55:46,160 虫を追ってヤモリが来る 905 00:55:46,240 --> 00:55:50,400 照明が森の虫やヤモリを 引き寄せる 906 00:55:50,480 --> 00:55:52,320 ヘビも来たよ 907 00:55:52,400 --> 00:55:56,280 様々な生き物が集まってきた 908 00:55:56,360 --> 00:55:57,880 自然の攻撃だ 909 00:55:58,480 --> 00:56:01,520 バンコクでは 一度靴を脱いでも 910 00:56:01,600 --> 00:56:03,920 そのまま履けばいい 911 00:56:04,000 --> 00:56:07,640 だがここでは 足を入れると違和感が 912 00:56:08,480 --> 00:56:10,840 たいていはカエルだ 913 00:56:11,880 --> 00:56:14,120 ヘビは突然 現れる 914 00:56:15,240 --> 00:56:19,240 それから ハネカクシは知ってる? 915 00:56:19,320 --> 00:56:21,120 雨が上がると来る 916 00:56:21,200 --> 00:56:24,600 尻は縞模様で 触ると痛い 917 00:56:25,080 --> 00:56:28,320 それからハトもやって来た 918 00:56:30,000 --> 00:56:31,120 幽霊かと 919 00:56:32,160 --> 00:56:34,520 屋根の上だ いつ来た? 920 00:56:34,600 --> 00:56:36,680 こんなに何羽も 921 00:56:37,960 --> 00:56:41,040 ハエは夏になると来る 922 00:56:41,120 --> 00:56:45,040 1匹や2匹ではなく 無数に現れる 923 00:56:45,120 --> 00:56:50,800 水辺でのんびり本を読んで 過ごすはずだった 924 00:56:50,880 --> 00:56:52,480 台本を書いたり 925 00:56:52,560 --> 00:56:55,000 でもハエが飛び回る 926 00:56:56,040 --> 00:56:59,040 目の中に入って邪魔だ 927 00:56:59,120 --> 00:57:02,040 メガネを目に近づけてみたが 928 00:57:02,120 --> 00:57:05,440 ほふく前進しながら忍び寄る 929 00:57:06,360 --> 00:57:09,560 近くに水牛がいないせいだ 930 00:57:15,120 --> 00:57:17,880 ハエと共存する必要がある 931 00:57:18,400 --> 00:57:23,920 駆除法をネットで検索して 試してみたが… 932 00:57:24,720 --> 00:57:25,640 ネットは… 933 00:57:25,720 --> 00:57:30,800 理想はもちろん ネットのない環境だ 934 00:57:30,880 --> 00:57:31,840 検索の結果 935 00:57:31,920 --> 00:57:35,760 オオゴチョウの葉が 効くと分かった 936 00:57:37,320 --> 00:57:39,360 ハエを撃退できる 937 00:57:39,440 --> 00:57:42,720 幸運にもオオゴチョウがある 938 00:57:42,800 --> 00:57:46,600 僕は木に登って枝を切り 939 00:57:46,680 --> 00:57:49,880 近くに置いて執筆を始めた 940 00:57:49,960 --> 00:57:53,240 それでもハエは 目に入ってくる 941 00:57:54,520 --> 00:57:56,680 葉をメガネにつけた 942 00:57:58,760 --> 00:58:02,080 どう見てもイカれた姿だ 943 00:58:04,320 --> 00:58:08,760 ネットの情報なんて 信じちゃダメだぞ 944 00:58:08,840 --> 00:58:11,720 ハエの攻撃が 止まないばかりか 945 00:58:11,800 --> 00:58:13,400 葉がひどく臭う 946 00:58:14,320 --> 00:58:18,560 めまいはするし アレルギーで鼻水が出る 947 00:58:18,640 --> 00:58:21,440 自然の暮らしは難しい 948 00:58:22,040 --> 00:58:24,920 毎晩が戦いのようだ 949 00:58:25,000 --> 00:58:27,640 特にベッドが揺れた時 950 00:58:28,480 --> 00:58:32,800 ある可能性が頭に浮かんだ 951 00:58:33,560 --> 00:58:35,040 これ 幽霊? 952 00:58:36,200 --> 00:58:38,240 幽霊が襲ってきた 953 00:58:38,320 --> 00:58:40,040 “私の土地だぞ” 954 00:58:43,640 --> 00:58:45,800 僕はケクに尋ねた 955 00:58:45,880 --> 00:58:50,240 最近 寺院で 葬儀があったのでは? 956 00:58:50,320 --> 00:58:53,600 “違うよ 雨が降ると” 957 00:58:54,440 --> 00:58:59,720 “丸太や竹が流れてきて” 浮きに引っかかる” 958 00:59:03,040 --> 00:59:04,920 挫折感を味わった 959 00:59:06,840 --> 00:59:08,880 僕は料理ができない 960 00:59:09,440 --> 00:59:12,120 だから夜になると 961 00:59:13,720 --> 00:59:15,480 コンビニが恋しい 962 00:59:16,120 --> 00:59:20,200 最寄りの店は 8キロ以上離れてるが 963 00:59:20,880 --> 00:59:24,760 距離よりも 寺院を通り抜けるのが問題だ 964 00:59:25,680 --> 00:59:30,320 田舎の寺院は節約のために 照明を消してる 965 00:59:30,400 --> 00:59:31,880 車を出す 966 00:59:31,960 --> 00:59:34,840 イカダを背後に丘を登り 967 00:59:34,920 --> 00:59:37,120 更に上がると通りだ 968 00:59:37,680 --> 00:59:41,720 暗闇の中 ライトが ほのかに光るだけ 969 00:59:42,200 --> 00:59:44,120 敷地の外は真っ暗だ 970 00:59:44,200 --> 00:59:47,920 ヘッドライトを消すと 何も見えない 971 00:59:48,800 --> 00:59:50,120 僕は少し進む 972 00:59:51,280 --> 00:59:55,480 1キロほど進むと 焼却炉が見える 973 01:00:00,360 --> 01:00:01,560 食欲が失せる 974 01:00:02,800 --> 01:00:04,640 家で即席麺を作る 975 01:00:06,320 --> 01:00:08,000 何もかも大変だ 976 01:00:08,080 --> 01:00:11,280 野菜を作れば虫が食う 977 01:00:11,360 --> 01:00:15,440 木酢液で虫を駆除できると 思うなよ 978 01:00:15,520 --> 01:00:17,480 効かないよ 全然 979 01:00:17,560 --> 01:00:20,880 農家は木酢液は迷信だと言う 980 01:00:20,960 --> 01:00:25,520 虫をクラクラさせるだけで 退治はできない 981 01:00:25,600 --> 01:00:27,760 “どうやって駆除を?” 982 01:00:27,840 --> 01:00:29,320 “殺虫剤だよ” 983 01:00:31,680 --> 01:00:35,240 僕は真実を知ることができた 984 01:00:35,720 --> 01:00:39,360 自然の中で 自給自足の生活を目指した 985 01:00:40,440 --> 01:00:42,000 はっきり言う 986 01:00:43,000 --> 01:00:44,440 不満だらけ 987 01:00:50,120 --> 01:00:53,800 僕には無理だ 暮らせない 988 01:00:53,880 --> 01:00:58,160 自給自足がしたいという フリをしただけ 989 01:00:58,240 --> 01:01:03,840 自分とは違う人間に なりたかっただけ 990 01:01:03,920 --> 01:01:06,080 簡単じゃないよ 991 01:01:06,160 --> 01:01:10,600 セレブや インフルエンサーの場合 992 01:01:10,680 --> 01:01:15,320 稲刈りをするのに 車でやって来る 993 01:01:16,920 --> 01:01:19,640 日焼け止めを塗りたくり 994 01:01:19,720 --> 01:01:23,960 投稿用の撮影をして 冷房の効いた車内に戻る 995 01:01:24,040 --> 01:01:27,520 稲を刈るのは農家の人たち 996 01:01:27,600 --> 01:01:30,320 セレブは農家のフリをしてる 997 01:01:30,960 --> 01:01:36,240 今の僕はわざわざ 貧乏なフリをする必要がない 998 01:01:36,320 --> 01:01:38,880 欲しいのはエアコン 999 01:01:38,960 --> 01:01:43,600 ハエに邪魔されず 1日中 NETFLIXを見たい 1000 01:01:45,560 --> 01:01:46,960 消費者なのさ 1001 01:01:52,840 --> 01:01:55,320 作る人と買う人がいる 1002 01:01:55,400 --> 01:01:59,840 作る人ばかりになると 社会の均衡が崩れる 1003 01:01:59,920 --> 01:02:02,720 現地の市場に行った時 1004 01:02:02,800 --> 01:02:07,040 農家が多いから 売上が少ないと聞いた 1005 01:02:07,120 --> 01:02:09,400 誰も買う人がいない 1006 01:02:09,480 --> 01:02:13,880 収穫した作物は 一度では食べきれない 1007 01:02:13,960 --> 01:02:19,520 おすそ分けをしたくても ご近所さんがいない 1008 01:02:23,200 --> 01:02:24,080 悲しい 1009 01:02:31,160 --> 01:02:32,360 誰の電話? 1010 01:02:35,040 --> 01:02:35,640 リンリン 1011 01:02:37,480 --> 01:02:41,640 ベラーの電話? 鳴らしっぱなしでいいよ 1012 01:02:41,720 --> 01:02:45,600 舞台で着信音を聞くと和む 1013 01:02:46,520 --> 01:02:48,080 もっともっと 1014 01:02:49,560 --> 01:02:51,680 気になる人は退出を 1015 01:02:59,520 --> 01:03:02,680 以前 ショーの最中に 1016 01:03:05,160 --> 01:03:06,360 僕は… 1017 01:03:07,080 --> 01:03:08,680 婚約を発表した 1018 01:03:09,960 --> 01:03:11,440 5年前だね 1019 01:03:13,600 --> 01:03:16,400 挙式はいつかと聞かれる 1020 01:03:17,800 --> 01:03:20,040 “花嫁の家は?” 1021 01:03:20,120 --> 01:03:22,080 すでに完成してた 1022 01:03:22,160 --> 01:03:25,280 5年が経ち 僕はまだ独身 1023 01:03:26,400 --> 01:03:30,160 人に聞かれる “寂しくないの?” 1024 01:03:31,480 --> 01:03:33,560 “平気だ” “なぜ?” 1025 01:03:34,040 --> 01:03:35,800 エスコート嬢がいる 1026 01:03:37,520 --> 01:03:41,840 知ってるよね? 僕は世話になってる 1027 01:03:44,560 --> 01:03:49,840 利用するようになったのは ごく最近だ 1028 01:03:49,920 --> 01:03:55,400 存在は知ってたが 利用したことはなかった 1029 01:03:56,160 --> 01:03:58,280 ある時 友人に招かれ 1030 01:03:58,760 --> 01:04:02,280 仕事の話をしに 日本料理店へ行った 1031 01:04:02,360 --> 01:04:05,360 VIPルームのある 豪華な店だ 1032 01:04:05,440 --> 01:04:08,800 本当に仕事だと思ってたよ 1033 01:04:08,880 --> 01:04:12,040 大物実業家が揃ってたので 1034 01:04:12,120 --> 01:04:15,480 司会か何かの依頼だと思った 1035 01:04:15,560 --> 01:04:19,880 テーブルには6~7人いた 1036 01:04:19,960 --> 01:04:23,400 少しの間 雑談をしてたが 1037 01:04:23,480 --> 01:04:26,240 更に客が増えるという 1038 01:04:26,320 --> 01:04:29,920 実業家が来ると思いきや 扉が開き… 1039 01:04:31,960 --> 01:04:33,560 きらびやかだ 1040 01:04:34,160 --> 01:04:35,680 4人の美女だ 1041 01:04:35,760 --> 01:04:40,280 それぞれが決まった席に ついた 1042 01:04:40,360 --> 01:04:42,080 その中の1人 1043 01:04:42,800 --> 01:04:46,160 ジェイという女性が 僕の横に座った 1044 01:04:46,240 --> 01:04:49,320 彼女たちはまさにプロだ 1045 01:04:49,400 --> 01:04:51,120 親しげに振る舞う 1046 01:04:52,080 --> 01:04:55,000 友達のように“ねえねえ”と 1047 01:04:55,080 --> 01:04:59,040 これぞプロの技だと思ったよ 1048 01:04:59,120 --> 01:05:01,720 性的なサービスはしない 1049 01:05:01,800 --> 01:05:04,200 ただ楽しませるだけ 1050 01:05:04,800 --> 01:05:07,960 下ネタで盛り上がった 1051 01:05:08,040 --> 01:05:13,400 だが横にいるジョイは あまり口数が多くない 1052 01:05:13,960 --> 01:05:17,240 僕は紳士らしく振る舞った 1053 01:05:18,920 --> 01:05:20,240 料理を取って… 1054 01:05:20,320 --> 01:05:23,440 正直に言えば口説こうとした 1055 01:05:24,440 --> 01:05:28,000 寿司を取って皿に載せた 1056 01:05:30,960 --> 01:05:35,080 ジョイは言った “今はひと口でいいわ” 1057 01:05:35,640 --> 01:05:38,720 “あとであなたを 食べるから” 1058 01:05:47,400 --> 01:05:49,040 これがエスコート 1059 01:05:52,560 --> 01:05:53,800 ワサビを取り 1060 01:05:53,880 --> 01:05:57,400 “ピリっとするから 気をつけて” 1061 01:05:59,240 --> 01:06:02,040 “私はワサビより刺激的よ” 1062 01:06:08,880 --> 01:06:13,360 その後 ジェイは ジャケットを羽織った 1063 01:06:13,440 --> 01:06:18,160 女性は腕を入れずに 羽織るのが好きだよね 1064 01:06:18,240 --> 01:06:20,800 理由は分からないけど 1065 01:06:21,640 --> 01:06:22,800 それで… 1066 01:06:23,800 --> 01:06:26,760 腕の上げ下ろしに苦労してた 1067 01:06:26,840 --> 01:06:30,160 天秤をぶら下げてるみたいだ 1068 01:06:31,800 --> 01:06:35,080 僕は聞いた “寒いの?” 1069 01:06:35,160 --> 01:06:39,440 “エアコンを 切ってもらおうか?” 1070 01:06:39,520 --> 01:06:43,640 “寒くないけど 上着を脱ぐと” 1071 01:06:45,120 --> 01:06:48,560 “みんなが私の胸を見るわ” 1072 01:06:49,320 --> 01:06:50,680 “何とかして” 1073 01:06:54,080 --> 01:06:56,560 そして彼女は上着を脱いだ 1074 01:06:58,560 --> 01:07:02,680 上着を椅子にかけ 僕に顔を向けた 1075 01:07:03,280 --> 01:07:04,560 僕も見る 1076 01:07:05,520 --> 01:07:07,280 彼女は言った 1077 01:07:08,400 --> 01:07:10,000 “大きい?” 1078 01:07:11,440 --> 01:07:14,960 生まれて初めての会話だ 1079 01:07:15,040 --> 01:07:17,720 胸が大きいかと聞かれる 1080 01:07:18,440 --> 01:07:23,320 世間が認めるなら 電車の中で聞いてみたい 1081 01:07:23,400 --> 01:07:25,280 “ペニス 大きい?” 1082 01:07:33,840 --> 01:07:38,200 楽しい会話で 僕は元気になった 1083 01:07:39,160 --> 01:07:42,640 “いいね 均整が取れてる” 1084 01:07:44,640 --> 01:07:45,440 彼女は 1085 01:07:45,520 --> 01:07:48,600 “手術して Eカップにするの” 1086 01:07:49,280 --> 01:07:52,440 “今のままで素敵なのに” 1087 01:07:52,520 --> 01:07:56,200 “この仕事は 競争が激しいのよ” 1088 01:07:56,280 --> 01:07:58,160 “武器が必要なの” 1089 01:07:58,240 --> 01:08:01,360 “手術しないことも 武器になる” 1090 01:08:01,440 --> 01:08:04,680 “最近じゃ珍しいからね” 1091 01:08:06,840 --> 01:08:10,360 “もう遅いわ 手術は4日後よ” 1092 01:08:11,720 --> 01:08:13,120 “本当に?” 1093 01:08:14,280 --> 01:08:18,360 彼女はため息をつき “どうせ手術はできない” 1094 01:08:18,440 --> 01:08:19,640 “なぜ?” 1095 01:08:20,760 --> 01:08:21,720 “資金不足” 1096 01:08:26,920 --> 01:08:29,760 “じゃあ延期すればいい” 1097 01:08:34,680 --> 01:08:36,840 “それは無理よ” 1098 01:08:36,920 --> 01:08:40,320 執刀医は有名人で 顧客が大勢いる 1099 01:08:40,920 --> 01:08:43,920 “予約を取るのが大変なの” 1100 01:08:44,000 --> 01:08:46,640 “急いで手術しなきゃ” 1101 01:08:47,120 --> 01:08:49,560 急ぐの? どうして? 1102 01:08:49,640 --> 01:08:52,440 客に吸わせる約束でも? 1103 01:08:53,080 --> 01:08:57,200 それ以上は何も言えず 食事を再開した 1104 01:08:57,280 --> 01:09:01,040 ひたすら食べて 緑茶を飲む 1105 01:09:01,520 --> 01:09:04,920 気まずい沈黙が流れたあと 1106 01:09:05,520 --> 01:09:06,400 “ねえ” 1107 01:09:07,640 --> 01:09:09,000 “援助して” 1108 01:09:10,800 --> 01:09:11,920 “4万バーツ” 1109 01:09:12,640 --> 01:09:15,520 “手術後 最初に会うから” 1110 01:09:19,520 --> 01:09:21,600 僕はガキじゃない 1111 01:09:22,200 --> 01:09:24,840 経験豊かな大人だ 1112 01:09:24,920 --> 01:09:28,880 会ったばかりで 豊胸手術の援助? 1113 01:09:28,960 --> 01:09:32,360 僕は言った “ねえ ジョイ” 1114 01:09:35,200 --> 01:09:36,320 “口座番号を” 1115 01:09:41,840 --> 01:09:47,760 LINEを交換するとすぐに 送金の手続きをした 1116 01:09:47,840 --> 01:09:50,000 4日後にまた会える 1117 01:09:51,080 --> 01:09:52,720 4日も待たず 1118 01:09:52,800 --> 01:09:56,120 午前2時 ブロックされた 1119 01:10:02,720 --> 01:10:07,240 このショーは NETFLIXで配信される 1120 01:10:08,080 --> 01:10:11,120 彼女が見てるかもしれない 1121 01:10:12,720 --> 01:10:13,760 ジョイ 1122 01:10:16,520 --> 01:10:17,720 4万バーツ 1123 01:10:19,400 --> 01:10:20,480 気にするな 1124 01:10:21,520 --> 01:10:23,720 返せとは言わない 1125 01:10:25,480 --> 01:10:30,040 あの夜のサービスは 4万払う価値があった 1126 01:10:30,520 --> 01:10:32,440 だけどね 1127 01:10:33,840 --> 01:10:37,040 ひとつだけお願いしたい 1128 01:10:37,120 --> 01:10:41,480 彼女の体には 素敵なタトゥーがあった 1129 01:10:41,560 --> 01:10:44,080 あちこちに芸術的なやつが 1130 01:10:44,160 --> 01:10:49,160 ジョイ もうひとつ タトゥーを入れてくれ 1131 01:10:50,160 --> 01:10:51,480 僕の名前を 1132 01:10:52,840 --> 01:10:53,880 胸の下に 1133 01:10:57,360 --> 01:10:58,720 寄贈者として 1134 01:11:08,160 --> 01:11:11,680 寺院に行くと 名前が刻まれてる 1135 01:11:11,760 --> 01:11:15,960 皿や椅子や 墓石の土台なんかに 1136 01:11:18,280 --> 01:11:22,560 今後 君の胸を拝む人たちが 1137 01:11:22,640 --> 01:11:26,440 胸をもんだりする時とか… 1138 01:11:27,280 --> 01:11:33,000 押し上げたり 吸ったり 匂いを嗅いだり なめたり… 1139 01:11:33,080 --> 01:11:35,360 “ちょっと 待った” 1140 01:11:36,080 --> 01:11:39,480 “資金提供者はノート” 1141 01:11:39,560 --> 01:11:40,960 “待ってくれ” 1142 01:11:41,880 --> 01:11:43,480 “感謝します” 1143 01:11:59,400 --> 01:12:03,200 パートナー探しを やめたわけじゃない 1144 01:12:03,280 --> 01:12:04,960 デートはするよ 1145 01:12:05,040 --> 01:12:08,920 愛が欲しい時は 好きな人を見つけ 1146 01:12:09,000 --> 01:12:11,040 デートして絆を深める 1147 01:12:11,120 --> 01:12:14,760 だが愛だけでは うまくいかない 1148 01:12:14,840 --> 01:12:18,680 2人だけの問題じゃ なくなるからね 1149 01:12:18,760 --> 01:12:22,160 恋愛は周囲の人も巻き込む 1150 01:12:22,240 --> 01:12:25,160 両親 兄弟 親戚 同僚 1151 01:12:25,240 --> 01:12:26,800 大勢が絡み 1152 01:12:26,880 --> 01:12:30,000 当人の小さな癖が問題に 1153 01:12:31,160 --> 01:12:35,480 食事や排便や性行為や睡眠 1154 01:12:35,560 --> 01:12:38,600 たとえば食事 想像してみて 1155 01:12:39,720 --> 01:12:44,280 食べるのが好きで 幸せだという人がいる 1156 01:12:44,360 --> 01:12:48,640 逆に無頓着だったり 好き嫌いが多かったり 1157 01:12:48,720 --> 01:12:53,720 ヴィーガンもいるし 信仰上 制限がある人も 1158 01:12:54,200 --> 01:12:57,400 良し悪しでなく うまくいかない 1159 01:12:57,480 --> 01:12:59,320 食事は何度もする 1160 01:12:59,400 --> 01:13:02,480 朝食後3時間でまた食事 1161 01:13:02,560 --> 01:13:06,200 何を食べるかは重要だよね 1162 01:13:06,720 --> 01:13:07,600 排便 1163 01:13:08,240 --> 01:13:12,160 一緒に外国に行った女友達が 1164 01:13:12,720 --> 01:13:15,360 10日間 一度も ウンチをしなかった 1165 01:13:15,960 --> 01:13:21,080 一度もしないと こっちは心配になる 1166 01:13:21,160 --> 01:13:22,360 本人いわく 1167 01:13:22,440 --> 01:13:26,520 水を飲んでも 何を食べても出ない 1168 01:13:26,600 --> 01:13:31,080 便秘に苦しむ人の姿を 見続けたよ 1169 01:13:31,680 --> 01:13:37,200 何もする気にならず ずっと憂うつな顔 1170 01:13:37,760 --> 01:13:41,360 下痢のような脂汗をかく 1171 01:13:44,160 --> 01:13:46,840 全然 楽しくなかった 1172 01:13:46,920 --> 01:13:50,120 排便が問題になることがある 1173 01:13:50,200 --> 01:13:53,400 ほかには嫉妬とか浮気とか 1174 01:13:54,120 --> 01:13:57,200 酒の問題とか だらしないとか 1175 01:13:57,280 --> 01:14:00,040 考慮すべきことは多い 1176 01:14:01,400 --> 01:14:03,640 食事 排便 性行為 1177 01:14:04,280 --> 01:14:06,720 大人なら分かるよね 1178 01:14:07,240 --> 01:14:08,600 体の相性 1179 01:14:09,840 --> 01:14:13,600 食事と比較すると 分かりやすい 1180 01:14:13,680 --> 01:14:17,200 急いで性行為をしたがる 男性がいる 1181 01:14:18,320 --> 01:14:20,440 我慢できないんだ 1182 01:14:21,040 --> 01:14:25,080 カップ麺の待ち時間を 無視するのと同じ 1183 01:14:26,040 --> 01:14:28,360 終わったらすぐ寝る 1184 01:14:30,240 --> 01:14:32,560 女性は配慮が欲しい 1185 01:14:33,080 --> 01:14:35,040 おまかせコースのように 1186 01:14:35,880 --> 01:14:39,480 まずは前菜で味覚を刺激 1187 01:14:40,120 --> 01:14:43,920 メインの前にも いろいろ味わう 1188 01:14:44,000 --> 01:14:46,520 仕上げはデザート 1189 01:14:46,600 --> 01:14:50,520 雰囲気や音楽にも気を遣う 1190 01:14:50,600 --> 01:14:52,120 すべてが完璧 1191 01:14:52,200 --> 01:14:53,800 それがおまかせ 1192 01:14:53,880 --> 01:14:56,040 ただヤって寝る 1193 01:14:56,120 --> 01:15:00,280 何の努力もしなければ うまくいかない 1194 01:15:02,200 --> 01:15:03,400 ほかには 1195 01:15:05,240 --> 01:15:06,320 大食い 1196 01:15:07,320 --> 01:15:09,000 AVが大好きな人 1197 01:15:09,680 --> 01:15:11,400 ガツガツガツ 1198 01:15:11,480 --> 01:15:14,800 質より量 何でも試す 1199 01:15:15,920 --> 01:15:19,280 アナルなめ フェラ クンニ 1200 01:15:20,960 --> 01:15:24,200 AVで見た技を全部試す 1201 01:15:30,520 --> 01:15:33,080 世捨て人だっている 1202 01:15:34,640 --> 01:15:38,040 年1回 満月の夜 洞窟から出る 1203 01:15:41,760 --> 01:15:44,760 相性が悪いと うまくいかない 1204 01:15:46,520 --> 01:15:49,360 食事 排便 性行為 睡眠 1205 01:15:49,440 --> 01:15:51,360 睡眠は非常に大事だ 1206 01:15:51,440 --> 01:15:53,080 昔 ある女性と 1207 01:15:53,880 --> 01:15:58,760 交際を始めて数ヵ月後に 外国旅行に行った 1208 01:15:58,840 --> 01:15:59,800 それで 1209 01:16:00,400 --> 01:16:04,520 その時 初めて 同じベッドで寝た 1210 01:16:04,600 --> 01:16:08,520 それまで 性交渉は一切なかった 1211 01:16:09,080 --> 01:16:13,120 睡眠が目的なので ベッドはキングサイズ 1212 01:16:13,200 --> 01:16:15,800 中間に枕を置いた 1213 01:16:15,880 --> 01:16:17,360 紳士だからね 1214 01:16:18,480 --> 01:16:22,480 一線を越えたかったが 我慢した 1215 01:16:23,560 --> 01:16:25,840 大人の恋愛は真剣だ 1216 01:16:25,920 --> 01:16:31,560 生涯を共にしたい人とは 真剣に向き合う 1217 01:16:31,640 --> 01:16:35,120 だからその夜はカッコつけた 1218 01:16:35,200 --> 01:16:38,440 寝る前に炭酸は飲まない 1219 01:16:38,520 --> 01:16:40,760 飲むと屁が出る 1220 01:16:41,520 --> 01:16:45,240 ブーブーと音を立てれば 嫌われる 1221 01:16:45,320 --> 01:16:46,840 いびきもダメ 1222 01:16:46,920 --> 01:16:50,280 だから枕を膨らませた 1223 01:16:50,360 --> 01:16:53,960 変な体勢にならないように 1224 01:16:54,040 --> 01:16:55,360 まっすぐに 1225 01:16:55,960 --> 01:16:58,120 首が曲がるとヤバい 1226 01:16:58,640 --> 01:17:03,080 そしてベッドに入り ライトを消した 1227 01:17:04,920 --> 01:17:07,800 眠りについて深夜になり 1228 01:17:08,400 --> 01:17:12,200 午前1時か2時頃 いびきが聞こえた 1229 01:17:14,320 --> 01:17:17,800 僕は飛び起きて “おい やめろ” 1230 01:17:18,880 --> 01:17:21,560 “台なしじゃないか” 1231 01:17:22,760 --> 01:17:27,720 自分のいびきが聞こえて 目覚めたことは? 1232 01:17:28,680 --> 01:17:31,520 “しっかりするんだ” 1233 01:17:31,600 --> 01:17:36,120 枕を直してると いびきが聞こえた 1234 01:17:41,040 --> 01:17:42,240 こんな音だ 1235 01:17:57,480 --> 01:17:59,240 押し潰された豚 1236 01:18:00,280 --> 01:18:03,160 再現するために練習した 1237 01:18:04,760 --> 01:18:07,240 正確に知らせたくて 1238 01:18:08,520 --> 01:18:09,880 完全再現する 1239 01:18:26,240 --> 01:18:27,560 僕じゃない 1240 01:18:31,840 --> 01:18:33,320 彼女だった 1241 01:18:34,280 --> 01:18:36,160 どうすればいい? 1242 01:18:36,240 --> 01:18:39,280 ぐっすり眠りたいのに 1243 01:18:39,360 --> 01:18:42,080 横でいびきをかいてる 1244 01:18:42,160 --> 01:18:45,640 単なる友達だったら蹴ったり 1245 01:18:46,400 --> 01:18:50,200 頭を動かして 向きを変えてやる 1246 01:18:50,280 --> 01:18:53,840 聞いたこともない音だからね 1247 01:18:57,000 --> 01:19:00,200 首を曲げたせいで こんな音が? 1248 01:19:01,080 --> 01:19:03,680 生まれて初めての音だ 1249 01:19:04,920 --> 01:19:09,560 結局 朝になるまで 一睡もできなかった 1250 01:19:10,360 --> 01:19:12,120 ずっとこのまま 1251 01:19:12,600 --> 01:19:13,480 やれやれ 1252 01:19:15,960 --> 01:19:17,680 普通の朝が来た 1253 01:19:17,760 --> 01:19:21,480 2人の関係がまだ深くない時 1254 01:19:21,560 --> 01:19:25,200 朝食に行く時 どんな話をするか 1255 01:19:26,600 --> 01:19:27,880 “よく眠れた?” 1256 01:19:31,240 --> 01:19:33,640 僕は思いやりがあるから 1257 01:19:34,280 --> 01:19:36,440 “全然 眠れなかった” 1258 01:19:38,240 --> 01:19:39,880 “枕が固かった?” 1259 01:19:39,960 --> 01:19:42,840 “まさか 5つ星ホテルだ” 1260 01:19:43,400 --> 01:19:45,480 “ベッドが固い?” 1261 01:19:45,560 --> 01:19:47,720 “家のベッドよりいい” 1262 01:19:48,720 --> 01:19:49,640 “じゃあ” 1263 01:19:51,040 --> 01:19:52,720 “原因は何?” 1264 01:19:56,000 --> 01:19:58,560 思いやりがある僕は 1265 01:19:59,040 --> 01:20:00,560 “君のいびき” 1266 01:20:02,400 --> 01:20:05,320 彼女が真顔になった 1267 01:20:08,080 --> 01:20:09,320 “笑えない” 1268 01:20:09,960 --> 01:20:11,560 笑えないそうだ 1269 01:20:11,640 --> 01:20:13,520 “ふざけないで” 1270 01:20:14,080 --> 01:20:18,040 “元カレのいびきが ひどかったの” 1271 01:20:19,240 --> 01:20:22,120 “友達の助言で別れたわ” 1272 01:20:22,200 --> 01:20:24,920 “彼のいびきで悩んでた時” 1273 01:20:25,000 --> 01:20:28,440 “旅行先で動画を撮ったわ” 1274 01:20:28,520 --> 01:20:33,440 “友達に送って助言を求め 別れることにした” 1275 01:20:33,520 --> 01:20:35,200 “だから笑えない” 1276 01:20:35,720 --> 01:20:37,200 しまった 1277 01:20:37,280 --> 01:20:41,800 その後 外出したが 彼女はずっと暗い顔 1278 01:20:42,440 --> 01:20:45,880 機嫌を取るため買い物に 1279 01:20:46,600 --> 01:20:51,160 夕食の頃には元に戻り 再び同じベッドへ 1280 01:20:52,040 --> 01:20:56,600 疲れてる時は誰でも いびきはかくだろう 1281 01:20:56,680 --> 01:20:57,920 僕も同じだ 1282 01:20:58,000 --> 01:21:00,640 変な体勢で寝たりね 1283 01:21:00,720 --> 01:21:04,280 きっと彼女も 旅行で疲れたんだろう 1284 01:21:04,360 --> 01:21:07,080 そして また同じ時刻に… 1285 01:21:38,720 --> 01:21:41,000 拷問される豚だ 1286 01:21:41,720 --> 01:21:44,800 どうしよう 眠れないよ 1287 01:21:44,880 --> 01:21:47,800 そっとベッドから出た 1288 01:21:48,680 --> 01:21:51,480 充電中の電話のもとへ 1289 01:21:53,280 --> 01:21:54,920 ケーブルを抜く 1290 01:21:56,080 --> 01:21:57,640 今できるのは 1291 01:21:58,600 --> 01:22:00,160 動画の撮影 1292 01:22:17,320 --> 01:22:18,320 長かった 1293 01:22:18,840 --> 01:22:22,680 ほかにやることがなくて 長い動画を撮った 1294 01:22:23,240 --> 01:22:26,120 翌朝 また彼女に聞かれた 1295 01:22:26,680 --> 01:22:29,600 “ねえ よく眠れた?” 1296 01:22:30,600 --> 01:22:32,240 僕は思いやりの人 1297 01:22:38,720 --> 01:22:39,840 動画を見せた 1298 01:22:46,000 --> 01:22:47,360 彼女は見た 1299 01:22:50,200 --> 01:22:51,080 携帯を 1300 01:22:51,840 --> 01:22:54,480 落としそうになった 1301 01:22:56,280 --> 01:22:57,120 “ねえ” 1302 01:22:58,520 --> 01:22:59,680 “本物?” 1303 01:23:00,160 --> 01:23:02,480 “偽物は作れない” 1304 01:23:03,480 --> 01:23:06,800 “ウソよ あり得ない” 1305 01:23:06,880 --> 01:23:09,560 彼女は激しく泣き始め 1306 01:23:09,640 --> 01:23:12,800 その声が店内に響き渡った 1307 01:23:12,880 --> 01:23:14,960 泣きじゃくった 1308 01:23:15,040 --> 01:23:19,320 慰めようもないほど 激しく泣いた 1309 01:23:19,920 --> 01:23:26,160 いびきは誰でもかくものだと 言うしかなかった 1310 01:23:26,240 --> 01:23:29,760 予定を切り上げて 帰途についた 1311 01:23:29,840 --> 01:23:31,720 機内で会話はゼロ 1312 01:23:32,400 --> 01:23:37,760 だが何とか力になりたくて 彼女を病院に誘った 1313 01:23:38,280 --> 01:23:42,440 “睡眠検査を 受けてみようよ” 1314 01:23:43,400 --> 01:23:45,560 病院で寝て検査する 1315 01:23:45,640 --> 01:23:50,160 医者や看護師が 機器をつけてくれる 1316 01:23:50,240 --> 01:23:53,400 頭からつま先まで全身にね 1317 01:23:53,480 --> 01:23:58,480 睡眠中の呼吸や 寝返りの様子を観察され 1318 01:23:58,560 --> 01:24:01,400 コンピューターで計測 1319 01:24:01,480 --> 01:24:03,560 診察の結果 彼女は 1320 01:24:03,640 --> 01:24:06,880 生涯マスクをつけて 寝ることに 1321 01:24:07,640 --> 01:24:11,320 いびきは治らないんだってさ 1322 01:24:12,080 --> 01:24:13,160 複雑だ 1323 01:24:13,240 --> 01:24:16,400 原因はアレルギーや太りすぎ 1324 01:24:16,480 --> 01:24:19,760 それから舌の筋力の低下 1325 01:24:19,840 --> 01:24:24,920 気道が狭くなると 酸素が足りなくなる 1326 01:24:25,000 --> 01:24:27,320 タピオカティーを飲む時 1327 01:24:27,400 --> 01:24:31,880 タピオカがストローに 詰まってしまう 1328 01:24:32,640 --> 01:24:33,720 こんな感じ 1329 01:24:35,000 --> 01:24:38,160 体が酸素を求めてるんだ 1330 01:24:40,520 --> 01:24:41,560 それが原因だ 1331 01:24:41,640 --> 01:24:46,560 マスクを選ぶのも なかなか大変だった 1332 01:24:46,640 --> 01:24:48,640 車みたいなもんだ 1333 01:24:48,720 --> 01:24:52,280 中国製もあれば スーパーカーもある 1334 01:24:52,840 --> 01:24:55,200 軽い機器は高価だ 1335 01:24:55,280 --> 01:24:59,400 放出された酸素が 水分を伴って鼻に入る 1336 01:25:01,960 --> 01:25:02,840 音が大きい 1337 01:25:05,160 --> 01:25:08,680 顔の形に合わなければ 1338 01:25:08,760 --> 01:25:12,520 ほかのを試さなければ ならない 1339 01:25:12,600 --> 01:25:17,880 ストラップ3本で 鼻と口を覆うマスクを選んだ 1340 01:25:18,400 --> 01:25:22,840 それがベッド脇の機器へ つながってる 1341 01:25:22,920 --> 01:25:27,200 コンセントの関係で 機器は僕の横に置かれた 1342 01:25:28,120 --> 01:25:28,960 電源を入れる 1343 01:25:37,720 --> 01:25:38,600 想像して 1344 01:25:39,160 --> 01:25:41,320 ストラップが3本 1345 01:25:41,400 --> 01:25:42,600 ヘアバンド 1346 01:25:42,680 --> 01:25:45,160 顔の中央 アゴの下 1347 01:25:45,240 --> 01:25:47,200 滑り止めだよ 1348 01:25:56,800 --> 01:26:01,080 こんな状態で 興奮すると思う? 1349 01:26:04,200 --> 01:26:05,760 ダース・ベイダーだ 1350 01:26:10,240 --> 01:26:14,120 ダース・ベイダーと イチャつきたい? 1351 01:26:14,200 --> 01:26:16,440 “ねえ こっち向いて” 1352 01:26:16,520 --> 01:26:17,560 すると… 1353 01:26:19,840 --> 01:26:22,440 “私はお前の父親だ” 1354 01:26:26,560 --> 01:26:27,720 ライトセーバーが… 1355 01:26:33,840 --> 01:26:35,680 自問自答した 1356 01:26:35,760 --> 01:26:38,960 僕に耐えられるだろうか 1357 01:26:39,440 --> 01:26:42,280 病人と介護人みたいだ 1358 01:26:42,360 --> 01:26:46,520 生涯ずっと 一緒に寝られるだろうか 1359 01:26:47,120 --> 01:26:51,520 恋愛が生活に変わる時 選択を迫られる 1360 01:26:51,600 --> 01:26:54,600 選択の結果には責任を持つ 1361 01:26:55,120 --> 01:26:57,040 自分で選び取る 1362 01:26:57,120 --> 01:27:01,120 大酒飲みの男を選ぶかどうか 1363 01:27:01,200 --> 01:27:03,760 ギャンブルが好きな男 1364 01:27:03,840 --> 01:27:05,520 ゲーム依存症 1365 01:27:05,600 --> 01:27:10,440 選ぶかどうかは あなたが決めることだ 1366 01:27:12,320 --> 01:27:13,720 ダース・ベイダー 1367 01:27:16,000 --> 01:27:17,080 愛せる? 1368 01:27:17,920 --> 01:27:19,680 ライトセーバーは使えない 1369 01:27:22,560 --> 01:27:25,680 最近よく幽霊の話をする 1370 01:27:26,200 --> 01:27:29,320 本当かどうか尋ねられるが 1371 01:27:29,400 --> 01:27:31,840 家にいるのは確かだ 1372 01:27:33,120 --> 01:27:34,080 そう 1373 01:27:34,160 --> 01:27:38,080 年配の方々に心配される 1374 01:27:38,800 --> 01:27:41,560 “まだ幽霊がいるのか?” 1375 01:27:41,640 --> 01:27:46,480 肝が据わってきたのか 仲良く暮らせそうだ 1376 01:27:46,560 --> 01:27:49,320 “供養はしてるのか?” 1377 01:27:49,400 --> 01:27:51,120 それは心配ない 1378 01:27:51,200 --> 01:27:54,840 何よりも供養を優先してる 1379 01:27:54,920 --> 01:27:56,800 大事にしてる 1380 01:27:57,480 --> 01:27:59,480 “成仏した?” 1381 01:27:59,560 --> 01:28:01,000 知るかよ 1382 01:28:02,720 --> 01:28:04,920 “成仏すれば消える” 1383 01:28:05,000 --> 01:28:07,920 僕は因縁のある相手を 供養してる 1384 01:28:08,000 --> 01:28:10,400 “相手を特定しろ” 1385 01:28:11,640 --> 01:28:16,080 因縁の相手が 幽霊と関係あるってこと? 1386 01:28:16,160 --> 01:28:19,880 誰がか幽霊を送り込んだの? 1387 01:28:19,960 --> 01:28:22,680 僕に呪いをかけた? 1388 01:28:23,400 --> 01:28:25,480 “霊媒師を知ってる” 1389 01:28:25,560 --> 01:28:26,720 どこの? 1390 01:28:26,800 --> 01:28:30,680 “これが電話番号と住所だ” 1391 01:28:31,600 --> 01:28:32,600 それで? 1392 01:28:33,120 --> 01:28:36,000 “必ず会いに行きなさい” 1393 01:28:36,080 --> 01:28:39,800 “名前を5つ 授けてくれるはずだ” 1394 01:28:39,880 --> 01:28:44,800 “線香とろうそくと 花を持ってお参りに行け” 1395 01:28:44,880 --> 01:28:47,320 “朝までに幽霊は消える” 1396 01:28:48,320 --> 01:28:50,240 分かった 行くよ 1397 01:28:50,320 --> 01:28:54,560 僕は霊媒師に会うために 北へ向かった 1398 01:28:54,640 --> 01:28:57,320 道が複雑だったので 1399 01:28:57,400 --> 01:29:01,080 アドという運転手を雇った 1400 01:29:01,160 --> 01:29:05,680 色白の若いイケメンで 子どもが1人いる 1401 01:29:06,280 --> 01:29:08,280 複雑な経路を通り 1402 01:29:08,360 --> 01:29:13,640 霊媒師の家に着くと すでに大勢の人が待ってた 1403 01:29:13,720 --> 01:29:16,600 順番が回ってきたのは 1時間半後 1404 01:29:16,680 --> 01:29:20,160 家はこのくらいの広さだった 1405 01:29:20,240 --> 01:29:23,640 霊媒師は長椅子の上で こんな姿勢 1406 01:29:24,720 --> 01:29:27,920 “何が目的で来たのかね?” 1407 01:29:28,000 --> 01:29:29,800 僕は事情を話した 1408 01:29:29,880 --> 01:29:33,080 “幽霊が出ます 祟られたみたいで” 1409 01:29:33,160 --> 01:29:36,120 “分かった では教えよう” 1410 01:29:37,640 --> 01:29:38,840 “名前を” 1411 01:29:38,920 --> 01:29:40,400 “何をすれば?” 1412 01:29:40,880 --> 01:29:42,800 “寺にお参りを” 1413 01:29:43,840 --> 01:29:46,480 9つの寺のリストをもらった 1414 01:29:47,320 --> 01:29:51,800 “9つの寺は 君と因縁がある” 1415 01:29:52,480 --> 01:29:54,960 “お参りのあとは?” 1416 01:29:55,040 --> 01:30:00,120 “参拝の様子を撮影して 私の助手に送れ” 1417 01:30:00,200 --> 01:30:01,640 連絡先をゲット 1418 01:30:01,720 --> 01:30:04,080 寺を回り終えると 1419 01:30:04,160 --> 01:30:08,560 助手はお布施を受け取り 瞑想する 1420 01:30:08,640 --> 01:30:14,440 崇高な力と交信して 5つの名前を授けてくれた 1421 01:30:14,920 --> 01:30:20,080 すべてが終わり 霊媒師に感謝の言葉を述べた 1422 01:30:20,640 --> 01:30:22,160 部屋を出ると… 1423 01:30:23,920 --> 01:30:25,560 “待ちなさい” 1424 01:30:26,120 --> 01:30:28,240 “後ろの者は残れ” 1425 01:30:28,320 --> 01:30:31,440 僕が前にいて アドが後ろにいた 1426 01:30:33,520 --> 01:30:34,680 “来なさい” 1427 01:30:34,760 --> 01:30:38,040 僕のことを 話すのだろうと思った 1428 01:30:38,680 --> 01:30:44,400 命に関わる内容だから 僕に聞かせたくないのだろう 1429 01:30:44,880 --> 01:30:46,400 僕は外に出た 1430 01:30:47,160 --> 01:30:51,720 炎天下で35分以上 アドが戻るのを待った 1431 01:30:51,800 --> 01:30:55,440 戻った彼に聞いた “何だって?” 1432 01:30:56,360 --> 01:31:00,000 “ここじゃ言えない 車の中で話します” 1433 01:31:00,560 --> 01:31:02,920 車に乗って出発した 1434 01:31:03,000 --> 01:31:04,200 “早く話せ” 1435 01:31:04,280 --> 01:31:07,560 “もう少し走ったら 話します” 1436 01:31:07,640 --> 01:31:08,800 “なんで?” 1437 01:31:08,880 --> 01:31:11,600 “今 知りたいんだよ” 1438 01:31:11,680 --> 01:31:15,280 “10キロ先のカフェで 話します” 1439 01:31:16,520 --> 01:31:18,520 ようやくカフェに到着 1440 01:31:19,280 --> 01:31:22,600 注文する間もなく “早く話せ” 1441 01:31:23,080 --> 01:31:27,600 “部屋に戻ると 霊媒師は鍵をかけ…” 1442 01:31:28,280 --> 01:31:29,680 “カーテンを閉め…” 1443 01:31:30,360 --> 01:31:31,880 “近くに来た” 1444 01:31:31,960 --> 01:31:34,240 “息がかかるほど” 1445 01:31:34,800 --> 01:31:39,280 “北部の方言で 悩み事があるか聞かれた” 1446 01:31:39,360 --> 01:31:41,040 “ありません” 1447 01:31:41,560 --> 01:31:44,120 “今後 必ず悩むぞ” 1448 01:31:45,360 --> 01:31:48,320 “私が名前を5つ授けよう” 1449 01:31:49,120 --> 01:31:50,760 “寺へ参拝に?” 1450 01:31:50,840 --> 01:31:51,880 “不要だ” 1451 01:31:52,440 --> 01:31:53,680 “では何を?” 1452 01:31:53,760 --> 01:31:54,600 “脱げ” 1453 01:31:56,720 --> 01:31:58,280 “シャツを脱ぐと” 1454 01:31:58,920 --> 01:32:03,440 “何曜日に生まれたのか 質問された” 1455 01:32:03,520 --> 01:32:06,160 “日曜だと答えた” 1456 01:32:07,520 --> 01:32:10,400 “霊媒師は僕の体に触れた” 1457 01:32:11,720 --> 01:32:13,880 “月曜 火曜” 1458 01:32:14,760 --> 01:32:15,600 “水曜” 1459 01:32:16,200 --> 01:32:17,080 “木曜” 1460 01:32:17,920 --> 01:32:18,760 “金曜” 1461 01:32:19,360 --> 01:32:21,320 “土曜 日曜” 1462 01:32:25,960 --> 01:32:27,640 “アド それで?” 1463 01:32:27,720 --> 01:32:32,040 “どうしていいか分からず されるがままに” 1464 01:32:33,320 --> 01:32:34,880 “それから?” 1465 01:32:34,960 --> 01:32:38,520 “生まれた月を質問され 9月と答えた” 1466 01:32:39,920 --> 01:32:43,120 “1月 2月 3月 4月” 1467 01:32:45,840 --> 01:32:46,840 “9月” 1468 01:32:49,880 --> 01:32:51,400 “干支(えと)は?” 1469 01:32:51,480 --> 01:32:55,360 “イノシシ年の生まれです” 1470 01:32:57,080 --> 01:33:00,040 “子(ね) 丑(うし) 寅(とら) 卯(う)…” 1471 01:33:00,520 --> 01:33:02,240 “申(さる) 酉(とり) 戌(いぬ)” 1472 01:33:02,320 --> 01:33:03,200 “亥(い)” 1473 01:33:05,920 --> 01:33:06,800 “それで?” 1474 01:33:06,880 --> 01:33:10,760 “名前がまだ はっきり見えてこない” 1475 01:33:10,840 --> 01:33:14,240 “姓名いずれかが 見えない者がいる” 1476 01:33:15,960 --> 01:33:16,920 “次は?” 1477 01:33:17,000 --> 01:33:18,320 “下も脱げ” 1478 01:33:19,120 --> 01:33:24,400 ズボンを脱がせ 長椅子に寝転ぶよう命じた 1479 01:33:24,480 --> 01:33:29,400 霊媒師が近づいてきて 再び同じ質問をした 1480 01:33:29,480 --> 01:33:31,320 “もう答えました” 1481 01:33:31,400 --> 01:33:33,280 “名前が見えない” 1482 01:33:33,840 --> 01:33:38,440 霊媒師は再び アドの体を触っていった 1483 01:33:38,520 --> 01:33:43,520 アドが取り出した紙に 5つの名前が書かれてた 1484 01:33:44,040 --> 01:33:48,760 僕が怒りをあらわにすると みんながこっちを見る 1485 01:33:48,840 --> 01:33:52,760 ひどい話だ こんなことは許されない 1486 01:33:52,840 --> 01:33:56,200 “平気です 大したことじゃない” 1487 01:33:56,720 --> 01:33:58,120 大問題だよ 1488 01:33:58,200 --> 01:34:00,760 セクハラには腹が立つ 1489 01:34:00,840 --> 01:34:04,080 女性だけでなく 男性も被害に遭う 1490 01:34:04,160 --> 01:34:07,480 アドを連れてきたのは僕だ 1491 01:34:07,560 --> 01:34:09,160 僕が巻き込んだ 1492 01:34:09,240 --> 01:34:13,320 霊媒師に思い知らせてやろう 1493 01:34:13,400 --> 01:34:14,520 “いいんです” 1494 01:34:15,240 --> 01:34:17,840 いいや 許さない 1495 01:34:17,920 --> 01:34:19,480 “何するんです?” 1496 01:34:19,560 --> 01:34:22,720 公衆の面前で文句を言う 1497 01:34:22,800 --> 01:34:25,040 ひどいじゃないか 1498 01:34:27,240 --> 01:34:28,880 なぜ僕を触らない? 1499 01:34:31,160 --> 01:34:33,440 なぜ寺院巡りを? 1500 01:34:35,320 --> 01:34:40,640 都会の寺や山の寺 あちこち9ヵ所も回った 1501 01:34:40,720 --> 01:34:43,320 かかった時間は1ヵ月 1502 01:34:43,400 --> 01:34:45,200 航空券は1万バーツ 1503 01:34:45,280 --> 01:34:49,560 言ってくれれば ペニスくらい握らせたよ 1504 01:34:52,400 --> 01:34:54,400 好きなだけ触れ 1505 01:34:55,400 --> 01:34:56,720 服を脱ぐ 1506 01:35:07,200 --> 01:35:10,120 僕たちの世代というのは 1507 01:35:12,280 --> 01:35:16,680 人生の山を越え 現役引退が間近だ 1508 01:35:18,200 --> 01:35:23,160 誰もが死ぬ前に 望みをすべて叶えたい 1509 01:35:23,240 --> 01:35:27,720 初めての体験は いつもドキドキする 1510 01:35:28,680 --> 01:35:33,960 スカイダイビングをしたり 登山をしたり 1511 01:35:34,480 --> 01:35:37,520 サメと泳いだり 世界を旅行したり 1512 01:35:37,600 --> 01:35:42,240 だが僕にとっては どうでもいいことだ 1513 01:35:42,320 --> 01:35:44,680 興味を引かれない 1514 01:35:44,760 --> 01:35:46,800 僕が求めるのは… 1515 01:35:47,720 --> 01:35:48,640 活力だ 1516 01:35:48,720 --> 01:35:53,320 最近 あるものを見て 元気をもらった 1517 01:35:54,880 --> 01:35:56,240 異国の踊りだ 1518 01:35:58,040 --> 01:35:58,800 そう 1519 01:35:59,880 --> 01:36:00,680 ダンス 1520 01:36:01,200 --> 01:36:05,560 珍しくないと 思う人もいるだろう 1521 01:36:05,640 --> 01:36:09,200 きっかけは外国人の友達だ 1522 01:36:09,280 --> 01:36:14,120 タイに遊びに来た時 観光の予定を聞くと 1523 01:36:14,200 --> 01:36:18,960 プーケットのバングラ通りの ゴーゴーバーに行くと言う 1524 01:36:19,040 --> 01:36:21,360 僕が理由を聞くと 1525 01:36:21,880 --> 01:36:26,760 “タイ人だろ? 自分の目で確かめろ” 1526 01:36:27,760 --> 01:36:29,360 バカにされた 1527 01:36:30,800 --> 01:36:33,640 だったら行くしかない 1528 01:36:34,480 --> 01:36:36,840 僕には大事なことだ 1529 01:36:39,120 --> 01:36:42,880 下らないことだが 僕には一大事だ 1530 01:36:43,360 --> 01:36:48,120 だからそのバーを 見つけに行った 1531 01:36:48,840 --> 01:36:53,560 見たこともないような ショーが行われるらしい 1532 01:36:53,640 --> 01:36:58,760 狭い路地に入ると 大勢の人が踊ってた 1533 01:36:58,840 --> 01:37:00,560 写真も頼まれた 1534 01:37:00,640 --> 01:37:05,320 バーの場所を聞くと こう言われた 1535 01:37:06,160 --> 01:37:08,160 “秘密のバーだ” 1536 01:37:08,880 --> 01:37:13,760 “警察に摘発され 毎月 店名が変わる” 1537 01:37:14,840 --> 01:37:15,840 “以前は” 1538 01:37:16,400 --> 01:37:19,720 “そっちの通りにあった” 1539 01:37:19,800 --> 01:37:22,880 僕は指示された道へ 1540 01:37:23,840 --> 01:37:26,920 店に着いたが名前が違う 1541 01:37:27,440 --> 01:37:31,400 外には屈強な男が立ってる 1542 01:37:31,960 --> 01:37:34,320 “これはこの店?” 1543 01:37:35,440 --> 01:37:36,520 “タイ人?” 1544 01:37:36,600 --> 01:37:39,160 “タイ人はお断りだ” 1545 01:37:39,240 --> 01:37:42,240 案の定 タイ人は入れない 1546 01:37:42,320 --> 01:37:45,760 “帰れ帰れ”と 犬のように追われた 1547 01:37:45,840 --> 01:37:48,040 一応 有名人なのに 1548 01:37:49,480 --> 01:37:53,600 わざわざ来たが 諦めるしかなかった 1549 01:37:53,680 --> 01:37:57,960 その後 顔じゅう タトゥーだらけの男に 1550 01:37:58,040 --> 01:38:00,480 写真撮影を頼まれた 1551 01:38:01,120 --> 01:38:03,440 “ノート 何しに来た?” 1552 01:38:03,520 --> 01:38:06,320 “ゴーゴーバーに 行きたくて” 1553 01:38:07,120 --> 01:38:09,640 その男は群衆をかきわけ 1554 01:38:09,720 --> 01:38:13,200 チケット係に声をかけた 1555 01:38:21,320 --> 01:38:24,200 “録音や録画は禁止だぞ” 1556 01:38:27,800 --> 01:38:29,520 きっとボスだ 1557 01:38:29,600 --> 01:38:33,760 日頃の行いがいいから 報われた 1558 01:38:33,840 --> 01:38:36,400 タイ人の客は僕だけ 1559 01:38:36,480 --> 01:38:38,800 店はこのくらいの広さ 1560 01:38:39,960 --> 01:38:45,360 韓国人や中国人 ほかにもいろいろな人がいた 1561 01:38:45,440 --> 01:38:47,600 最前列に案内された 1562 01:38:47,680 --> 01:38:49,920 ステージの真横で 1563 01:38:50,000 --> 01:38:53,000 高さはこれくらいだ 1564 01:38:53,080 --> 01:38:57,800 ショーはもう始まってて 僕が席に着くと… 1565 01:38:57,880 --> 01:39:00,080 えっと あれは… 1566 01:39:01,920 --> 01:39:04,320 40歳前後の女性が 1567 01:39:04,400 --> 01:39:08,920 セクシーな動きで ダンスを披露した 1568 01:39:09,000 --> 01:39:12,920 だが女性は寝不足みたいだ 1569 01:39:13,000 --> 01:39:18,240 疲労がひどく栄養も足りず お金の問題もありそう 1570 01:39:18,320 --> 01:39:22,200 若い頃に苦労した人の動きだ 1571 01:39:22,720 --> 01:39:29,480 その時の曲を歌うには 著作権料を払う必要がある 1572 01:39:29,560 --> 01:39:33,920 今 ここで歌うと 訴えられてしまう 1573 01:39:34,000 --> 01:39:36,280 せちがらい世の中だ 1574 01:39:36,920 --> 01:39:37,960 スタッフは 1575 01:39:38,040 --> 01:39:42,280 許可を得た曲を歌ってくれと 1576 01:39:42,880 --> 01:39:44,640 「THATTHONG SOUND」だ 1577 01:39:45,160 --> 01:39:47,000 想像してみて 1578 01:39:47,760 --> 01:39:49,800 実は歌詞を知らない 1579 01:39:59,000 --> 01:40:01,240 これじゃダメだ 1580 01:40:01,320 --> 01:40:04,360 とにかく女性が踊った 1581 01:40:04,440 --> 01:40:08,840 しばらくすると彼女は 金魚鉢を取り出した 1582 01:40:08,920 --> 01:40:11,040 縁が波形のやつ 1583 01:40:11,120 --> 01:40:15,840 大きさはこのくらいで 中に水が入ってる 1584 01:40:15,920 --> 01:40:18,240 それを下に置くと 1585 01:40:19,040 --> 01:40:21,960 鉢をまたぐように立った 1586 01:40:22,040 --> 01:40:23,480 曲は流れてる 1587 01:40:29,160 --> 01:40:32,480 もっと簡単な曲にしてくれよ 1588 01:40:34,040 --> 01:40:36,800 曲が止まった ぴたっと 1589 01:40:37,880 --> 01:40:39,720 女性は全裸だ 1590 01:40:39,800 --> 01:40:42,720 何も身につけてない 1591 01:40:43,480 --> 01:40:45,200 腰をひねった 1592 01:40:47,920 --> 01:40:50,920 何か生き物が出てきた 1593 01:40:53,200 --> 01:40:55,280 女性のアソコから 1594 01:40:55,360 --> 01:40:58,240 “アソコ”で分かるよね? 1595 01:40:58,320 --> 01:41:00,720 アソコから何か出た 1596 01:41:00,800 --> 01:41:02,000 出ると… 1597 01:41:02,480 --> 01:41:04,840 最初は動かないが 1598 01:41:04,920 --> 01:41:08,240 水中に入ると 上がってくる 1599 01:41:09,360 --> 01:41:11,160 魚だと思った 1600 01:41:11,680 --> 01:41:14,520 魚の形で 尾びれがある 1601 01:41:14,600 --> 01:41:16,720 だが泳がないんだ 1602 01:41:17,360 --> 01:41:18,240 なぜだ 1603 01:41:19,560 --> 01:41:21,240 ショック状態? 1604 01:41:22,320 --> 01:41:24,520 頭を打ったのかも 1605 01:41:25,160 --> 01:41:27,160 衝撃は大きいはずだ 1606 01:41:27,240 --> 01:41:30,840 しばらくすると ひれが動き出し… 1607 01:41:33,120 --> 01:41:34,560 泳ぎ始めた 1608 01:41:34,640 --> 01:41:38,360 僕は最前列にいたから分かる 1609 01:41:38,440 --> 01:41:40,160 間違いなく魚だ 1610 01:41:40,720 --> 01:41:44,240 だが何の魚だ? 種類は? 1611 01:41:44,320 --> 01:41:46,600 何だろうと思った 1612 01:41:48,120 --> 01:41:48,960 ナマズだ 1613 01:41:50,280 --> 01:41:52,840 僕もアゴが落ちたよ 1614 01:41:52,920 --> 01:41:55,560 このくらいの大きさだ 1615 01:41:55,640 --> 01:41:58,760 目の前で見た ナマズだ 1616 01:41:58,840 --> 01:42:03,400 どうやってナマズが 出てくるんだろう 1617 01:42:03,480 --> 01:42:06,840 大丈夫? トゲが刺さらない? 1618 01:42:07,920 --> 01:42:12,200 子どもの頃 刺されて 痛い思いをした 1619 01:42:12,800 --> 01:42:14,040 トゲはどこ? 1620 01:42:14,760 --> 01:42:17,640 どうやって しまうの? 1621 01:42:18,400 --> 01:42:21,280 彼女はまた腰を振った 1622 01:42:21,360 --> 01:42:22,680 今度は3匹 1623 01:42:22,760 --> 01:42:24,440 鉢の中を泳いでる 1624 01:42:24,520 --> 01:42:28,120 僕は友達の言葉を思い出した 1625 01:42:28,200 --> 01:42:30,120 確かに初めてだ 1626 01:42:30,200 --> 01:42:32,520 視野が広がったよ 1627 01:42:32,600 --> 01:42:34,640 僕は夢中になった 1628 01:42:34,720 --> 01:42:38,200 3匹が出てきた瞬間 感動を覚えた 1629 01:42:38,280 --> 01:42:43,000 僕は所持金を全部 チップとして渡した 1630 01:42:43,080 --> 01:42:46,280 そして彼女は退場した 1631 01:42:46,360 --> 01:42:50,280 次の女性はカラの金魚鉢を 持ってきた 1632 01:42:50,360 --> 01:42:53,760 魚は帰った 母親と一緒に 1633 01:42:54,560 --> 01:42:56,960 産んでくれた人と 1634 01:43:05,120 --> 01:43:06,560 君は眠いの? 1635 01:43:07,840 --> 01:43:11,160 笑ってるのか眠いのか 分からない 1636 01:43:16,600 --> 01:43:18,560 僕は全盛期を越えた 1637 01:43:19,520 --> 01:43:23,040 教えて 僕のどこがダメ? 1638 01:43:28,040 --> 01:43:29,560 見てるからね 1639 01:43:34,840 --> 01:43:37,120 金魚鉢の話に戻るよ 1640 01:43:37,200 --> 01:43:41,480 30歳くらいの女性が 金魚鉢を下に置いた 1641 01:43:42,560 --> 01:43:44,120 音楽が流れた 1642 01:43:44,840 --> 01:43:47,120 面倒だから同じ曲ね 1643 01:43:49,120 --> 01:43:51,680 自分を追い込んでしまった 1644 01:43:51,760 --> 01:43:56,280 彼女は音楽に合わせて セクシーに踊り… 1645 01:43:56,360 --> 01:43:57,440 止まる 1646 01:43:58,000 --> 01:44:01,360 腰を振ると何か出てきた 1647 01:44:01,440 --> 01:44:03,880 今度は何だと思う? 1648 01:44:06,960 --> 01:44:08,640 脚が4本ある 1649 01:44:11,320 --> 01:44:12,280 亀だ 1650 01:44:14,680 --> 01:44:17,960 丸くてこのくらいの大きさ 1651 01:44:18,040 --> 01:44:21,120 かわいい亀が出てきた 1652 01:44:21,200 --> 01:44:22,400 亀だよ 1653 01:44:26,840 --> 01:44:31,040 3匹が金魚鉢の中を 泳ぎ回ってる 1654 01:44:33,760 --> 01:44:35,320 亀の母親だ 1655 01:44:36,840 --> 01:44:38,920 それが彼女の正体 1656 01:44:39,000 --> 01:44:44,040 チップをたくさん渡すと 女性は去っていった 1657 01:44:44,120 --> 01:44:46,400 プロ意識は高いが 1658 01:44:46,480 --> 01:44:49,240 楽しくはなさそうだった 1659 01:44:49,320 --> 01:44:51,880 僕が思うにおそらく… 1660 01:44:52,360 --> 01:44:54,520 なんと言うか… 1661 01:44:55,120 --> 01:44:56,840 ビジネスライクだ 1662 01:44:58,040 --> 01:45:00,240 あの子よりは楽しんでた 1663 01:45:02,880 --> 01:45:04,600 ずっと見てるぞ 1664 01:45:05,360 --> 01:45:07,160 寝かさないからな 1665 01:45:07,240 --> 01:45:10,680 女性は金魚鉢を持って 退場した 1666 01:45:10,760 --> 01:45:14,120 更に3番目の女性が登場した 1667 01:45:14,200 --> 01:45:17,120 最初の女性より年上だ 1668 01:45:17,200 --> 01:45:19,600 ダンスを披露した 1669 01:45:19,680 --> 01:45:23,280 同じようなセクシーダンス 1670 01:45:23,800 --> 01:45:27,840 音楽が止まると期待が高まる 1671 01:45:27,920 --> 01:45:30,840 次は何? 何が出てくる? 1672 01:45:30,920 --> 01:45:35,680 客は外国人ばかりで 話す相手がいない 1673 01:45:36,240 --> 01:45:39,320 誰もタイ人がいるとは 思わない 1674 01:45:40,480 --> 01:45:43,680 何が出てくるか見てると… 1675 01:45:44,840 --> 01:45:46,760 何も出てこない 1676 01:45:47,280 --> 01:45:49,240 金魚鉢もない 1677 01:45:49,320 --> 01:45:52,000 しばらくすると頭が見えた 1678 01:45:54,600 --> 01:45:55,640 鳥だ 1679 01:45:57,720 --> 01:46:00,160 黄色い鳥がのぞいてる 1680 01:46:02,040 --> 01:46:03,560 腰を振ると 1681 01:46:03,640 --> 01:46:07,080 アソコから鳥が飛び出した 1682 01:46:08,160 --> 01:46:10,080 アソコから鳥が出た 1683 01:46:10,160 --> 01:46:14,080 これ以上 刺激的なことはないよ 1684 01:46:14,160 --> 01:46:16,680 飛行機から飛び降りたり 1685 01:46:16,760 --> 01:46:20,880 ワニと泳いだり エベレストに登るより 1686 01:46:20,960 --> 01:46:22,960 衝撃的な体験だ 1687 01:46:23,040 --> 01:46:25,680 2メートルの距離で見た 1688 01:46:25,760 --> 01:46:28,720 映画のワンシーンのようだ 1689 01:46:28,800 --> 01:46:33,600 だが本当に 鳥が出てきて飛び回った 1690 01:46:34,560 --> 01:46:39,360 会場中を飛び回る鳥が どこに止まるか分からない 1691 01:46:39,440 --> 01:46:43,160 家に入ってきた鳥のように 興奮してた 1692 01:46:43,240 --> 01:46:44,800 暗闇から出ると 1693 01:46:44,880 --> 01:46:48,040 驚きの声を上げる人間の群れ 1694 01:46:48,120 --> 01:46:51,520 鏡にぶつかり 壁にぶつかり 1695 01:46:51,600 --> 01:46:53,960 客は奇声を発してる 1696 01:46:54,040 --> 01:46:57,520 まるで台本があるようだった 1697 01:46:57,600 --> 01:47:01,200 結局 鳥は僕の前に止まった 1698 01:47:01,280 --> 01:47:04,640 作り話ではなく真実だよ 1699 01:47:04,720 --> 01:47:07,280 鳥はそっと着地した 1700 01:47:07,360 --> 01:47:10,000 着地後 滑ったようで 1701 01:47:10,480 --> 01:47:14,080 テーブルの下へ 入り込んでしまった 1702 01:47:14,160 --> 01:47:15,520 テーブルの下だ 1703 01:47:15,600 --> 01:47:19,360 観客全員の視線が集まる 1704 01:47:19,440 --> 01:47:21,720 みんな心配なんだ 1705 01:47:21,800 --> 01:47:25,680 僕は脚を上げなきゃ ならなかった 1706 01:47:25,760 --> 01:47:29,320 踏んでしまうのが怖かった 1707 01:47:29,400 --> 01:47:31,720 女性の実の子かも 1708 01:47:32,560 --> 01:47:34,720 殺したらマズい 1709 01:47:34,800 --> 01:47:36,080 それから… 1710 01:47:37,840 --> 01:47:39,800 スタッフが来た 1711 01:47:39,880 --> 01:47:43,520 サービス係と店のオーナーだ 1712 01:47:43,600 --> 01:47:45,200 “脚を上げて” 1713 01:47:45,280 --> 01:47:47,040 客が集まってきた 1714 01:47:47,560 --> 01:47:49,480 鳥を出した女性… 1715 01:47:49,560 --> 01:47:52,480 鳥の母もやって来た 1716 01:47:52,560 --> 01:47:54,040 僕はここ 1717 01:47:54,520 --> 01:47:57,640 “動かないで 踏まないで” 1718 01:47:58,240 --> 01:48:00,680 目の前に来た彼女は… 1719 01:48:03,920 --> 01:48:04,800 “ねえ” 1720 01:48:05,920 --> 01:48:08,120 “ノートじゃない?” 1721 01:48:08,880 --> 01:48:10,880 “ノートがいる!” 1722 01:48:12,680 --> 01:48:15,520 鳥のことを忘れて “ノートよ” 1723 01:48:15,600 --> 01:48:18,240 “やだ ノートがいる” 1724 01:48:18,320 --> 01:48:21,800 彼女は興奮してるようだった 1725 01:48:21,880 --> 01:48:25,600 “どうやって 店に入ったの?” 1726 01:48:25,680 --> 01:48:28,760 “ジャッキー・チェンかと 思ったわ” 1727 01:48:29,600 --> 01:48:31,040 “本物のノートね” 1728 01:48:31,120 --> 01:48:34,120 サービス係に “ペンと紙” 1729 01:48:34,200 --> 01:48:36,800 “子どもの頃からファンよ” 1730 01:48:36,880 --> 01:48:38,520 彼女が近寄る 1731 01:48:40,360 --> 01:48:43,400 “サインをもらえる?” 1732 01:48:44,840 --> 01:48:46,680 ひとつ言っておく 1733 01:48:47,280 --> 01:48:48,640 彼女は裸だ 1734 01:48:51,160 --> 01:48:55,080 彼女にとって 全裸は制服と同じだ 1735 01:48:55,160 --> 01:48:56,240 仕事着さ 1736 01:48:56,320 --> 01:49:00,840 長い間 裸で 仕事をしてきたんだろうね 1737 01:49:00,920 --> 01:49:03,600 ごく自然にしゃがんだ 1738 01:49:03,680 --> 01:49:05,120 “サインして” 1739 01:49:06,040 --> 01:49:09,800 サインをしながら 目のやり場に困った 1740 01:49:11,040 --> 01:49:16,760 芸能人というより 産婦人科医の気分だった 1741 01:49:18,560 --> 01:49:21,880 字が乱れてまとまらない 1742 01:49:22,000 --> 01:49:26,160 いろいろありすぎて 頭がいっぱいだ 1743 01:49:26,240 --> 01:49:30,000 鳥が出てきて飛び回って… 1744 01:49:30,080 --> 01:49:32,320 僕のファンだって? 1745 01:49:32,400 --> 01:49:34,040 それだけじゃない 1746 01:49:34,120 --> 01:49:38,440 “ショーが終わったら 写真を撮ってよ” 1747 01:49:38,520 --> 01:49:40,760 しばらく話をした 1748 01:49:41,760 --> 01:49:43,000 なんて言うか… 1749 01:49:44,080 --> 01:49:48,440 圧倒されて 多額のチップを渡した 1750 01:49:48,520 --> 01:49:50,880 彼女は鳥を捕まえると 1751 01:49:50,960 --> 01:49:55,080 客にお礼を言い 僕たちは拍手をした 1752 01:49:55,160 --> 01:49:57,920 “せっかくだから アンコールを” 1753 01:49:58,840 --> 01:50:00,040 アンコール? 1754 01:50:00,600 --> 01:50:02,880 何をするんだろう 1755 01:50:02,960 --> 01:50:05,800 彼女は舞台裏へ引っ込んだ 1756 01:50:05,880 --> 01:50:08,520 演目の相談だろう 1757 01:50:09,600 --> 01:50:11,880 しばらくして3人が登場 1758 01:50:12,400 --> 01:50:14,520 バナナの房を持ってる 1759 01:50:15,120 --> 01:50:19,760 緑色のバナナを持ってきた 1760 01:50:19,840 --> 01:50:24,120 かっこいい音楽に合わせて 3人が踊る 1761 01:50:24,200 --> 01:50:28,400 3人目の女性が バナナの皮を剥いた 1762 01:50:28,480 --> 01:50:29,440 そして… 1763 01:50:30,760 --> 01:50:31,720 彼女は… 1764 01:50:32,880 --> 01:50:33,960 バナナを… 1765 01:50:34,920 --> 01:50:35,760 差した 1766 01:50:36,240 --> 01:50:39,920 理由は分からないが こういう姿勢で 1767 01:50:40,000 --> 01:50:43,240 うまいこと差し込んだ 1768 01:50:44,160 --> 01:50:47,960 そしてDJがアナウンスした 1769 01:50:48,040 --> 01:50:51,760 “誰かカゴを 持ってくれない?” 1770 01:50:52,520 --> 01:50:53,360 どう? 1771 01:50:55,400 --> 01:50:57,280 せっかくの機会だ 1772 01:50:58,720 --> 01:51:00,960 案の定 彼女が近づく 1773 01:51:01,040 --> 01:51:04,240 言われるままに 舞台に上がった 1774 01:51:04,320 --> 01:51:07,480 理由も分からずカゴを抱える 1775 01:51:08,960 --> 01:51:11,400 どうすればいい? 1776 01:51:12,040 --> 01:51:15,200 “何か出てきたら キャッチして” 1777 01:51:18,560 --> 01:51:20,400 あそこにカゴ 1778 01:51:20,960 --> 01:51:24,400 音楽が流れて イチニノサン 1779 01:51:25,080 --> 01:51:26,640 バナナが飛んだ 1780 01:51:27,440 --> 01:51:32,040 面食らう僕をよそに バナナが離れていく 1781 01:51:32,120 --> 01:51:33,960 僕も飛んだ 1782 01:51:36,000 --> 01:51:38,280 観客は拍手喝采だ 1783 01:51:42,400 --> 01:51:45,440 出演者の1人になった気分だ 1784 01:51:48,840 --> 01:51:51,560 心の底からうれしい 1785 01:51:51,640 --> 01:51:56,360 ショーが終わると 毛布にくるまった彼女が 1786 01:51:56,440 --> 01:51:59,480 僕と話をしようと やって来た 1787 01:51:59,560 --> 01:52:02,480 興味深い経験だったので 1788 01:52:02,560 --> 01:52:07,160 どうやって中に入れるのか 聞いてみた 1789 01:52:07,240 --> 01:52:10,480 “どこに入れるの?”と 1790 01:52:13,560 --> 01:52:17,240 女性にしつこく聞くのは 気が引けたが 1791 01:52:17,320 --> 01:52:19,200 彼女は答えた 1792 01:52:19,280 --> 01:52:22,040 “技術を学んだの” 1793 01:52:22,120 --> 01:52:23,960 “あれが叔母よ” 1794 01:52:24,040 --> 01:52:28,560 “叔母がお金を出して 伝統の技を学ばせてくれた” 1795 01:52:28,640 --> 01:52:32,880 “誰にでもできるわけじゃ ないのよ” 1796 01:52:32,960 --> 01:52:34,520 僕は納得した 1797 01:52:34,600 --> 01:52:38,560 “チップを受け取ってくれ” 1798 01:52:38,640 --> 01:52:40,360 “ありがとう” 1799 01:52:40,440 --> 01:52:43,600 別れを言って バンコクへ戻り 1800 01:52:43,680 --> 01:52:48,600 事務所の若手たちに 自慢してやった 1801 01:52:48,680 --> 01:52:52,440 “鳥が出てくるダンスを 見たぞ” 1802 01:52:53,920 --> 01:52:55,800 ある子が言った 1803 01:52:56,880 --> 01:53:00,560 “パタヤでも見られますよ” 1804 01:53:01,320 --> 01:53:05,160 パタヤのは ピンポンショーだろ? 1805 01:53:05,760 --> 01:53:07,880 “いいえ 違います” 1806 01:53:09,680 --> 01:53:11,000 “男のストリップ” 1807 01:53:12,080 --> 01:53:15,880 そんなのゲイバーでも 見られるよね 1808 01:53:15,960 --> 01:53:19,760 “いいえ 全然違いますよ” 1809 01:53:21,000 --> 01:53:23,400 “最初は友達と行った” 1810 01:53:23,480 --> 01:53:27,240 “次に両親を連れていくと 母親が泣いた” 1811 01:53:27,320 --> 01:53:29,160 親孝行な子だね 1812 01:53:30,520 --> 01:53:34,360 僕は母親でなく スタッフを同伴した 1813 01:53:34,440 --> 01:53:36,800 8人で車に乗った 1814 01:53:36,880 --> 01:53:39,400 女性と男性 4人ずつ 1815 01:53:40,120 --> 01:53:43,560 うちの事務所は遊びが優先だ 1816 01:53:44,160 --> 01:53:47,440 仕事は後回しで遊びが優先 1817 01:53:48,280 --> 01:53:51,760 最初のショーは午後9時から 1818 01:53:51,840 --> 01:53:53,560 チケットは400バーツ 1819 01:53:53,640 --> 01:53:56,120 僕だけマスクをした 1820 01:53:56,200 --> 01:53:58,480 誰にも気づかれない 1821 01:53:58,560 --> 01:54:00,720 最前列を陣取った 1822 01:54:01,600 --> 01:54:03,320 8人が一列に並ぶ 1823 01:54:05,000 --> 01:54:11,320 女性の出演者もいたが あまり刺激はなかった 1824 01:54:11,400 --> 01:54:13,320 だがタバコを 1825 01:54:14,040 --> 01:54:16,440 アソコで吸う女性がいた 1826 01:54:17,040 --> 01:54:18,400 しかも2本 1827 01:54:18,480 --> 01:54:21,600 こうして吸ったり吐いたり 1828 01:54:23,480 --> 01:54:25,640 どうやって消すの? 1829 01:54:28,040 --> 01:54:29,240 仕組みは? 1830 01:54:30,080 --> 01:54:32,080 煙が出たり入ったり 1831 01:54:32,160 --> 01:54:36,440 風船ダーツは 特に珍しくもない 1832 01:54:36,520 --> 01:54:41,560 そしてついにお待ちかね 男性陣の登場だ 1833 01:54:42,120 --> 01:54:44,600 舞台の大きさはこのくらい 1834 01:54:44,680 --> 01:54:46,760 らせん階段があった 1835 01:54:47,240 --> 01:54:49,840 照明はもっと暗かった 1836 01:54:50,400 --> 01:54:53,320 前にライト 後ろに階段 1837 01:54:53,400 --> 01:54:58,720 ほの暗い舞台の上に 白い何かが現れた 1838 01:54:59,280 --> 01:55:01,640 最初は若者グループだ 1839 01:55:01,720 --> 01:55:05,600 まるでジャングルから 出てきたよう 1840 01:55:05,680 --> 01:55:08,400 割れた腹筋にタトゥー 1841 01:55:09,520 --> 01:55:13,560 下着姿で階段から 降りてくると 1842 01:55:13,640 --> 01:55:14,880 音楽スタート 1843 01:55:16,440 --> 01:55:20,080 ゆっくりと前に進んでくる 1844 01:55:21,400 --> 01:55:24,720 音楽も股間も盛り上がる 1845 01:55:32,320 --> 01:55:33,800 総勢4人 1846 01:55:35,160 --> 01:55:36,840 偽物だと思った 1847 01:55:37,480 --> 01:55:38,560 作り物だと 1848 01:55:39,960 --> 01:55:43,640 大きすぎるよ あり得ない 1849 01:55:43,720 --> 01:55:48,560 暗闇の中で光を放ち とてもペニスには見えない 1850 01:55:49,880 --> 01:55:51,160 ギブスの腕だ 1851 01:55:53,240 --> 01:55:55,320 下着からはみ出てる 1852 01:55:56,360 --> 01:55:58,920 絶対にヘンだ だって… 1853 01:55:59,440 --> 01:56:00,880 こんなふうに… 1854 01:56:02,120 --> 01:56:04,480 不自然に膨らんでる 1855 01:56:04,560 --> 01:56:08,680 観光客を釣るための 虚偽の広告だよ 1856 01:56:08,760 --> 01:56:11,360 そして4人が並び立つ 1857 01:56:11,440 --> 01:56:13,600 まるで四天王だ 1858 01:56:13,680 --> 01:56:18,440 4人はセクシーな動きで 踊り始める 1859 01:56:18,520 --> 01:56:21,880 1人がろうそくに火をつけ 1860 01:56:21,960 --> 01:56:24,040 ろうを体に垂らす 1861 01:56:24,120 --> 01:56:26,840 なまめかしいダンスだ 1862 01:56:27,720 --> 01:56:29,160 最後まで 1863 01:56:29,240 --> 01:56:33,960 例の膨らみについての疑念が 晴れない 1864 01:56:34,040 --> 01:56:36,040 ずっとパンツの中だ 1865 01:56:36,120 --> 01:56:38,880 僕はディルドだろうと思った 1866 01:56:38,960 --> 01:56:41,760 半分に切って本物にかぶせる 1867 01:56:41,840 --> 01:56:43,560 大きく見せる 1868 01:56:43,640 --> 01:56:47,040 手軽にできて普段も使える 1869 01:56:47,120 --> 01:56:50,560 きっと女性が押し寄せる 1870 01:56:50,640 --> 01:56:54,320 そして次のショーが始まった 1871 01:56:55,960 --> 01:56:56,800 音楽 1872 01:57:01,440 --> 01:57:02,280 待って 1873 01:57:03,680 --> 01:57:06,960 今度は手に水を持ってる 1874 01:57:07,560 --> 01:57:10,040 容器に入った水だ 1875 01:57:10,840 --> 01:57:12,040 5リットル 1876 01:57:12,640 --> 01:57:13,800 かなり重い 1877 01:57:13,880 --> 01:57:16,200 水をもらえる? 1878 01:57:16,280 --> 01:57:19,400 分かりやすく再現するね 1879 01:57:19,920 --> 01:57:21,520 これは重いな 1880 01:57:22,400 --> 01:57:25,560 ちょうどこの大きさだった 1881 01:57:25,640 --> 01:57:26,520 音楽 1882 01:57:27,880 --> 01:57:29,200 すまして歩く 1883 01:57:37,040 --> 01:57:41,240 ダンスが始まったが 水が気になって仕方ない 1884 01:57:43,840 --> 01:57:47,960 水の容器には 布製のヒモがついてた 1885 01:57:48,440 --> 01:57:50,040 こんなふうに 1886 01:57:51,440 --> 01:57:52,800 この高さまで 1887 01:57:53,560 --> 01:57:55,320 20センチくらい 1888 01:57:55,400 --> 01:57:59,520 何が始まるんだろうと ワクワクした 1889 01:57:59,600 --> 01:58:03,320 彼はおもむろに客席に近寄り 1890 01:58:03,840 --> 01:58:06,080 ネウの前で止まった 1891 01:58:06,160 --> 01:58:09,120 今 水を渡してくれた彼女だ 1892 01:58:09,880 --> 01:58:12,920 彼はネウに言った “引っかけて” 1893 01:58:15,280 --> 01:58:17,000 “どこに?” 1894 01:58:19,120 --> 01:58:20,400 “ここだ” 1895 01:58:21,120 --> 01:58:23,520 彼はパンツを下ろす 1896 01:58:25,000 --> 01:58:27,800 アレが顔をかすめる 1897 01:58:31,080 --> 01:58:34,320 ネウは殴打されかけた 1898 01:58:35,120 --> 01:58:37,520 そそり立つアレに思わず 1899 01:58:37,600 --> 01:58:39,000 “危ないぞ” 1900 01:58:40,880 --> 01:58:43,960 ネウは “ねえ どうしよう” 1901 01:58:44,040 --> 01:58:45,360 誰も答えない 1902 01:58:45,440 --> 01:58:46,400 “やるわ” 1903 01:58:47,680 --> 01:58:51,320 ネウは意外にも乗り気で 1904 01:58:51,400 --> 01:58:54,160 花輪のように容器をかけた 1905 01:58:54,880 --> 01:58:59,200 5リットルもの水が 入った容器だ 1906 01:58:59,280 --> 01:59:01,200 滑り落ちるはず 1907 01:59:02,560 --> 01:59:04,400 だが落ちない 1908 01:59:04,960 --> 01:59:06,960 持ちこたえた 1909 01:59:07,600 --> 01:59:13,120 5リットルの水の容器を 床から浮かせた 1910 01:59:13,200 --> 01:59:17,400 “ペニス”という呼称は 不適切に感じる 1911 01:59:18,560 --> 01:59:21,640 敬意が感じられないから 1912 01:59:21,720 --> 01:59:23,600 “ペニス様”と 1913 01:59:24,240 --> 01:59:26,880 ただのペニス様じゃない 1914 01:59:26,960 --> 01:59:29,920 彼のペニス様の威力は 1915 01:59:30,000 --> 01:59:30,920 すげえ! 1916 01:59:32,440 --> 01:59:33,520 ビックリ! 1917 01:59:34,360 --> 01:59:36,560 まさにペニス様! 1918 01:59:37,760 --> 01:59:39,960 顔に当たれば終わりだ 1919 01:59:40,480 --> 01:59:44,000 ペニス様で水を持ち上げると 1920 01:59:44,080 --> 01:59:46,960 客もオーナーも歓声を上げた 1921 01:59:47,040 --> 01:59:49,400 韓国人も日本人も 1922 01:59:49,480 --> 01:59:52,000 1 2 3 4 5… 1923 01:59:52,920 --> 01:59:53,880 10! 1924 01:59:53,960 --> 01:59:56,120 容器が下に落ちた 1925 01:59:56,200 --> 02:00:00,920 アソコから鳥が出た時と 同じ感動だ 1926 02:00:02,120 --> 02:00:03,640 力持ちのペニス様 1927 02:00:04,920 --> 02:00:08,680 この国は不思議で 満ちあふれてるのに 1928 02:00:08,760 --> 02:00:10,960 知らずに生きてきた 1929 02:00:11,480 --> 02:00:14,920 これがショーの目玉と 思いきや 1930 02:00:15,000 --> 02:00:17,800 “次は兄の出番です” 1931 02:00:17,880 --> 02:00:22,160 アーティという名前の 色白の若者だ 1932 02:00:22,240 --> 02:00:24,040 八重歯が魅力 1933 02:00:24,120 --> 02:00:25,280 “俺の番だ” 1934 02:00:25,800 --> 02:00:27,720 次は容器が2つ 1935 02:00:29,040 --> 02:00:31,440 ヒモで結ばれてる 1936 02:00:32,040 --> 02:00:34,840 それをエームに渡した 1937 02:00:35,280 --> 02:00:36,840 横には夫のベラー 1938 02:00:36,920 --> 02:00:38,240 大柄な男だ 1939 02:00:38,720 --> 02:00:41,760 チャリティでMCを務めた 1940 02:00:41,840 --> 02:00:44,400 エームは優しい人だ 1941 02:00:44,880 --> 02:00:47,440 イライラしたりもしない 1942 02:00:47,520 --> 02:00:50,640 男性に“引っかけて”と 言われ… 1943 02:00:54,840 --> 02:00:56,640 結局 かけた 1944 02:00:56,720 --> 02:00:59,200 アーティのは更に大きい 1945 02:01:00,040 --> 02:01:01,600 ヒモをかけたら… 1946 02:01:01,680 --> 02:01:03,920 信じられないことに 1947 02:01:04,000 --> 02:01:07,480 容器を持ち上げ 10まで数えた 1948 02:01:07,560 --> 02:01:11,760 ヒモをかける時の エームの様子は 1949 02:01:12,240 --> 02:01:14,480 “こんなことイヤ” 1950 02:01:15,000 --> 02:01:18,400 だが彼女の中で 何かが目覚めた 1951 02:01:20,080 --> 02:01:21,440 はしゃいでた 1952 02:01:22,160 --> 02:01:25,560 大口を開け 目に涙をためて 1953 02:01:29,680 --> 02:01:31,600 その夜ずっとね 1954 02:01:32,480 --> 02:01:33,800 本当の話だ 1955 02:01:36,400 --> 02:01:41,480 容器を持ち上げて降ろすと 客は拍手喝采だ 1956 02:01:41,560 --> 02:01:44,680 驚く人々 ひれ伏す人々 1957 02:01:44,760 --> 02:01:49,280 彼はカウボーイハットに チップを集めて回る 1958 02:01:50,040 --> 02:01:52,160 僕たちも払った 1959 02:01:53,160 --> 02:01:55,000 疑いは晴れない 1960 02:01:55,640 --> 02:01:56,960 仕掛けは? 1961 02:01:57,720 --> 02:01:58,640 本物か? 1962 02:01:58,720 --> 02:02:02,920 見ただけで 触ったわけじゃない 1963 02:02:06,680 --> 02:02:09,680 チップを集めるために 1964 02:02:10,320 --> 02:02:14,240 彼はあちこち歩き回った 1965 02:02:14,320 --> 02:02:17,360 少額しか払わない客もいる 1966 02:02:17,440 --> 02:02:19,800 近くに来た時 質問した 1967 02:02:20,520 --> 02:02:22,920 “それ 本物なの?” 1968 02:02:23,000 --> 02:02:24,720 水をどけて 1969 02:02:25,240 --> 02:02:26,520 そっちへ 1970 02:02:28,080 --> 02:02:29,080 持ち上げて 1971 02:02:32,520 --> 02:02:33,920 “本物なの?” 1972 02:02:34,000 --> 02:02:36,000 チップを集める彼 1973 02:02:36,080 --> 02:02:37,040 “本物?” 1974 02:02:37,520 --> 02:02:39,120 彼は答えない 1975 02:02:39,760 --> 02:02:43,360 代わりに背後からペニス様で 1976 02:02:44,840 --> 02:02:46,520 背中を叩く 1977 02:02:50,480 --> 02:02:52,320 軽くトントンと 1978 02:02:53,560 --> 02:02:56,920 首や肩のマッサージみたいだ 1979 02:02:58,680 --> 02:03:00,000 ネウは… 1980 02:03:03,560 --> 02:03:05,200 “ここが凝ってる” 1981 02:03:10,920 --> 02:03:14,680 4人全員が来て凝りをほぐす 1982 02:03:14,760 --> 02:03:17,600 まるで通常業務のようだ 1983 02:03:17,680 --> 02:03:19,320 太ももを叩かれ 1984 02:03:19,400 --> 02:03:22,400 ネウはうれしそうに叫んだ 1985 02:03:24,600 --> 02:03:25,920 4人が退場 1986 02:03:26,000 --> 02:03:31,280 僕たちはあの夜 1万バーツもチップを渡した 1987 02:03:31,880 --> 02:03:36,080 現金がなくなり 小銭に両替したほどだ 1988 02:03:36,160 --> 02:03:39,000 特別な才能の持ち主を 支えたい 1989 02:03:39,080 --> 02:03:42,800 スタッフから借金し 多額のチップを渡す 1990 02:03:42,880 --> 02:03:44,520 “いいモノ見た” 1991 02:03:44,600 --> 02:03:49,400 大喜びする僕たちに 演者も応えてくれた 1992 02:03:49,480 --> 02:03:52,520 四方に客がいるのに ほかは無視 1993 02:03:52,600 --> 02:03:56,000 中国人はめったに チップを渡さない 1994 02:03:56,680 --> 02:04:01,280 続いて女性が舞台に登場した 1995 02:04:01,360 --> 02:04:06,560 すでに十分に楽しんだから 帰ろうと思ったが 1996 02:04:06,640 --> 02:04:11,160 オーナーに引き留められた “まだ帰らないで” 1997 02:04:11,640 --> 02:04:14,960 “最後はもっと 面白いですよ” 1998 02:04:15,040 --> 02:04:15,840 本当に? 1999 02:04:17,760 --> 02:04:21,160 最後まで見ることにした 2000 02:04:21,240 --> 02:04:22,160 音楽 2001 02:04:25,440 --> 02:04:26,920 男性4人が登場 2002 02:04:27,640 --> 02:04:29,280 太鼓を抱えてる 2003 02:04:30,120 --> 02:04:31,080 太鼓だ 2004 02:04:40,720 --> 02:04:42,960 このくらいの太鼓 2005 02:04:43,760 --> 02:04:45,840 想像してみて 2006 02:04:45,920 --> 02:04:48,560 太鼓2つに男性4人 2007 02:04:48,640 --> 02:04:50,960 叩くんだろうと思った 2008 02:04:51,480 --> 02:04:56,880 コンサートみたいに 観客も踊って騒ぐ 2009 02:04:57,880 --> 02:05:01,200 1人が僕のもとへ来て言った 2010 02:05:01,280 --> 02:05:02,080 “叩いて” 2011 02:05:02,160 --> 02:05:06,160 まだ僕の正体に 気づいてないようだ 2012 02:05:06,840 --> 02:05:09,560 革張りの太鼓で手が痛い 2013 02:05:09,640 --> 02:05:11,320 周囲に丸ネジが 2014 02:05:11,400 --> 02:05:14,480 “叩いて”と太鼓を渡された 2015 02:05:15,160 --> 02:05:19,040 次はネウに太鼓が渡された 2016 02:05:19,520 --> 02:05:23,800 ネウになりきって 受け取って 2017 02:05:23,880 --> 02:05:25,720 上面がこのあたり 2018 02:05:27,000 --> 02:05:29,920 彼は言った “お茶が3杯で?” 2019 02:05:31,080 --> 02:05:32,800 “チャチャチャ” 2020 02:05:32,880 --> 02:05:35,200 彼は体勢を整えた 2021 02:05:36,840 --> 02:05:38,080 パンツを脱ぐ 2022 02:05:41,760 --> 02:05:44,480 ペニス様で太鼓を叩いた 2023 02:05:54,240 --> 02:05:57,440 ネウは反応に困ってしまい 2024 02:05:57,520 --> 02:05:58,760 踊り出した 2025 02:06:03,000 --> 02:06:06,400 “ダメだよ 踊らないで” 2026 02:06:06,480 --> 02:06:07,680 “縁に当たる” 2027 02:06:15,160 --> 02:06:18,200 もう1つの太鼓が加わった 2028 02:06:22,880 --> 02:06:24,680 このビートは何だ 2029 02:06:27,800 --> 02:06:31,280 僕は心の底から楽しんだ 2030 02:06:31,760 --> 02:06:33,600 僕は後ろに倒れた 2031 02:06:33,680 --> 02:06:39,280 笑いが止まらなくなり 椅子から転げ落ちた 2032 02:06:39,360 --> 02:06:42,360 周囲は僕が倒れたと思った 2033 02:06:42,880 --> 02:06:45,320 もう大笑いだったよ 2034 02:06:45,400 --> 02:06:47,200 彼らは叩き続け 2035 02:06:48,000 --> 02:06:52,320 僕たちは多額のチップを 渡した 2036 02:06:53,480 --> 02:06:56,240 だが僕はまだ疑ってた 2037 02:06:56,320 --> 02:06:58,240 本物なのかなと 2038 02:06:58,760 --> 02:07:02,400 ショーが終わると 立ち上がって言った 2039 02:07:03,120 --> 02:07:04,360 “触らせて” 2040 02:07:05,760 --> 02:07:08,800 彼はすぐに “どうぞ” 2041 02:07:12,320 --> 02:07:15,120 こうやって僕の前に立った 2042 02:07:15,200 --> 02:07:21,040 僕の人生の中で 最も記念すべき一瞬になった 2043 02:07:21,560 --> 02:07:24,280 僕は立ち上がり 触った 2044 02:07:26,760 --> 02:07:30,720 触らなくていいから 立ってくれる? 2045 02:07:30,800 --> 02:07:32,400 再現したい 2046 02:07:32,480 --> 02:07:34,760 手を伸ばして 2047 02:07:34,840 --> 02:07:37,120 軽く握ってくれる? 2048 02:07:39,040 --> 02:07:41,520 こんな感じだった 2049 02:07:43,680 --> 02:07:45,800 こうして握ると 2050 02:07:46,280 --> 02:07:49,080 根元から先まで触った 2051 02:07:49,680 --> 02:07:52,920 しっかり握り 本物か確かめた 2052 02:07:53,000 --> 02:07:55,960 注入液かカバーか特殊技術か 2053 02:07:56,040 --> 02:07:58,520 だが自然そのもの 2054 02:07:58,600 --> 02:08:02,160 感激したよ 本物のアナコンダだ 2055 02:08:06,240 --> 02:08:08,000 手に負えないな 2056 02:08:08,080 --> 02:08:10,240 何と呼べばいい? 2057 02:08:10,320 --> 02:08:13,680 まるで竹餅のようだった 2058 02:08:14,200 --> 02:08:16,440 豚の腸詰めとか… 2059 02:08:16,520 --> 02:08:18,080 何と呼ぼう 2060 02:08:18,160 --> 02:08:22,720 トランス状態に陥ったように 引き込まれ 2061 02:08:22,800 --> 02:08:24,800 このまま会話を 2062 02:08:26,040 --> 02:08:28,280 “君 出身は?” 2063 02:08:29,280 --> 02:08:31,920 “サケーオか そう” 2064 02:08:32,800 --> 02:08:36,520 “昔からこんなに 大きいの?” 2065 02:08:36,600 --> 02:08:38,200 彼は答えた 2066 02:08:38,280 --> 02:08:41,920 “これ以上は 大きくしたくない” 2067 02:08:42,000 --> 02:08:44,200 “先天的な欠陥だ” 2068 02:08:44,280 --> 02:08:45,880 自慢しやがって 2069 02:08:46,480 --> 02:08:47,920 最高の欠陥だ 2070 02:08:49,080 --> 02:08:49,840 “そう” 2071 02:08:50,480 --> 02:08:53,600 “出会えて本当によかった” 2072 02:08:55,720 --> 02:08:56,760 マジだよ 2073 02:08:58,720 --> 02:09:03,280 外国人に会うと 固い握手をするが 2074 02:09:03,360 --> 02:09:04,920 僕はペニスと 2075 02:09:08,080 --> 02:09:09,680 “はじめまして” 2076 02:09:09,760 --> 02:09:11,720 ぎゅっと握り 2077 02:09:11,800 --> 02:09:15,680 “どうして こんなに硬いの?” 2078 02:09:15,760 --> 02:09:18,680 “特殊な技術があるが” 2079 02:09:19,320 --> 02:09:20,720 “秘密だ” 2080 02:09:20,800 --> 02:09:24,720 “ほかの子たちは どこの出身?” 2081 02:09:24,800 --> 02:09:29,080 “ブンカーンとか ラオスのサワナケートとか” 2082 02:09:29,160 --> 02:09:33,800 ペニスを握りながら 会話を続けた 2083 02:09:33,880 --> 02:09:37,040 楽しい時間を過ごしたよ 2084 02:09:37,640 --> 02:09:41,440 しばらく話して 店をあとにした 2085 02:09:42,080 --> 02:09:46,560 僕はとても感銘を受けた 2086 02:09:47,240 --> 02:09:48,640 正直に言う 2087 02:09:49,160 --> 02:09:50,520 ここはカットね 2088 02:09:51,160 --> 02:09:55,480 ホテルに戻ってから ずっと考えたんだ 2089 02:09:57,000 --> 02:09:58,360 できそうだ 2090 02:10:03,960 --> 02:10:05,880 夜中の12時近く 2091 02:10:05,960 --> 02:10:09,320 おかゆを買って戻ってきた 2092 02:10:09,400 --> 02:10:14,320 シャワーを浴びて 大きな鏡の前に立った 2093 02:10:15,560 --> 02:10:17,280 最初はメガネ 2094 02:10:20,520 --> 02:10:21,440 これだ 2095 02:10:29,920 --> 02:10:31,920 目を覚ましてあげよう 2096 02:10:35,280 --> 02:10:36,120 何だよ 2097 02:10:38,000 --> 02:10:40,200 吊したらすぐ落ちた 2098 02:10:41,280 --> 02:10:44,080 アームが壊れるところだ 2099 02:10:44,160 --> 02:10:46,360 レンズも危なかった 2100 02:10:46,440 --> 02:10:47,200 クソッ 2101 02:10:47,280 --> 02:10:50,200 そうか ストラップのせいだ 2102 02:10:51,040 --> 02:10:55,520 次は乳酸飲料で 挑戦してみることに 2103 02:10:55,600 --> 02:10:57,360 冷蔵庫にあった 2104 02:10:58,280 --> 02:11:00,320 2本をくっつけた 2105 02:11:01,400 --> 02:11:02,720 再度 挑戦だ 2106 02:11:07,680 --> 02:11:08,520 ダメだ 2107 02:11:10,160 --> 02:11:11,280 まだ重い? 2108 02:11:12,080 --> 02:11:14,120 中味をカラにしよう 2109 02:11:16,160 --> 02:11:17,480 全部 飲んだ 2110 02:11:20,240 --> 02:11:22,360 容器とフタだけ 2111 02:11:24,000 --> 02:11:25,400 それでもダメ 2112 02:11:27,000 --> 02:11:28,880 何が悪い? 2113 02:11:29,680 --> 02:11:30,840 フタだ 2114 02:11:32,080 --> 02:11:35,600 半円状にして捨ててやった 2115 02:11:39,400 --> 02:11:41,240 あのショーは 2116 02:11:41,720 --> 02:11:44,880 観客の人生を破壊してきた 2117 02:11:45,600 --> 02:11:48,560 大きさに打ちのめされる 2118 02:11:49,080 --> 02:11:51,760 一緒に行った大柄のベラー 2119 02:11:52,240 --> 02:11:55,760 彼の妻は彼だけを愛してた 2120 02:11:55,840 --> 02:11:57,760 だが妻は出会った 2121 02:12:02,080 --> 02:12:04,000 もっといいモノに 2122 02:12:04,560 --> 02:12:08,440 最近 ベラーは愚痴ばかりだ 2123 02:12:08,520 --> 02:12:09,880 シャワーの時 2124 02:12:10,360 --> 02:12:13,240 裸になった彼を見た妻が 2125 02:12:13,320 --> 02:12:14,440 “クルックー” 2126 02:12:18,400 --> 02:12:23,680 “妻は俺のことを 子どもみたいにからかう” 2127 02:12:27,800 --> 02:12:31,040 あれは特殊技能力だと思う 2128 02:12:31,800 --> 02:12:35,480 だが表立って店は出せない 2129 02:12:35,560 --> 02:12:38,760 警察に見つかれば営業停止だ 2130 02:12:38,840 --> 02:12:40,480 なぜなんだ 2131 02:12:40,560 --> 02:12:44,760 珍しい才能なのに もったいない 2132 02:12:45,440 --> 02:12:50,040 ペニスやヴァギナを 器用に操ることは 2133 02:12:50,120 --> 02:12:52,840 サッカーの能力と同じだ 2134 02:12:52,920 --> 02:12:56,040 ヘディングを長く続けるのは 2135 02:12:56,120 --> 02:12:58,280 頭の技術だろ? 2136 02:12:58,960 --> 02:13:01,360 あるダイバーはひと息で 2137 02:13:02,040 --> 02:13:04,040 202メートル潜れる 2138 02:13:04,120 --> 02:13:06,960 肺の機能が優れてるからだ 2139 02:13:07,040 --> 02:13:12,240 舌で扇風機の羽根を 止められる人がいる 2140 02:13:13,280 --> 02:13:14,040 舌で… 2141 02:13:14,600 --> 02:13:15,640 止める 2142 02:13:16,120 --> 02:13:20,120 出したり引っ込めたりを 1分間で35回 2143 02:13:20,200 --> 02:13:23,040 これも特殊能力だ 2144 02:13:24,080 --> 02:13:26,960 男性性器で太鼓演奏 2145 02:13:27,480 --> 02:13:29,400 女性性器から鳥 2146 02:13:30,840 --> 02:13:36,520 鳥や亀や魚を守る 動物保護センターのようだ 2147 02:13:41,480 --> 02:13:45,880 政府は禁止するより 援助すべきだよ 2148 02:13:45,960 --> 02:13:52,000 固いことを言わずに 支援と教育を与えればいい 2149 02:13:52,080 --> 02:13:56,080 タイ式マッサージと同じだよ 2150 02:13:56,160 --> 02:13:59,440 スーパーソフトパワーだ 2151 02:14:00,000 --> 02:14:03,920 ソフトな部分を使うパワーだ 2152 02:14:04,760 --> 02:14:06,520 宣伝すれば 2153 02:14:06,600 --> 02:14:10,880 人々がアソコの潜在能力に 気づく 2154 02:14:10,960 --> 02:14:12,520 倉庫の役割も 2155 02:14:15,400 --> 02:14:18,400 女装ショーでは 口パクで歌ったり 2156 02:14:18,480 --> 02:14:20,680 冗談を言ったり 2157 02:14:20,760 --> 02:14:23,280 どうせ手術をするなら 2158 02:14:23,360 --> 02:14:26,880 生き物を入れる空間も 作ればいい 2159 02:14:26,960 --> 02:14:30,240 鳥だけでなくワニとか 2160 02:14:30,320 --> 02:14:33,160 フグも外国人受けがいい 2161 02:14:33,240 --> 02:14:35,440 怒るとかわいい 2162 02:14:36,240 --> 02:14:40,720 何が登場するかは 本番までのお楽しみ 2163 02:14:42,200 --> 02:14:46,320 マスコットが出てくれば 宣伝にもなる 2164 02:14:46,400 --> 02:14:51,400 太鼓のほかにも 楽器はたくさんある 2165 02:14:52,320 --> 02:14:55,920 木琴は? 首にかければ? 2166 02:15:18,480 --> 02:15:21,800 客をペニスで引き留めよう 2167 02:15:26,200 --> 02:15:29,440 禁止せず支援すべきだね 2168 02:15:30,080 --> 02:15:32,120 観光庁にPRさせる 2169 02:15:32,200 --> 02:15:36,840 大金を払って 有名俳優を雇う必要はない 2170 02:15:36,920 --> 02:15:38,840 動画の配信で十分だ 2171 02:15:38,920 --> 02:15:42,560 スーパーソフトパワーを 宣伝しよう 2172 02:15:43,160 --> 02:15:45,320 アイデアならあげるよ 2173 02:15:45,400 --> 02:15:48,520 パタヤやプーケットの人々に 言わせる 2174 02:15:48,600 --> 02:15:50,560 “ハロー ウェルカム” 2175 02:15:51,440 --> 02:15:52,280 どう? 2176 02:15:52,360 --> 02:15:56,120 “ショーへウェルカム ビールは400バーツ” 2177 02:15:57,200 --> 02:16:01,080 “ショーを見て エネルギーを感じて” 2178 02:16:01,160 --> 02:16:03,520 “ガールパワーで出すよ” 2179 02:16:03,600 --> 02:16:07,160 “フィッシュと タートルとバードと…” 2180 02:16:07,240 --> 02:16:08,760 “クロコダイル” 2181 02:16:08,840 --> 02:16:10,160 “あとフグも” 2182 02:16:10,840 --> 02:16:14,760 “ピンポンとバルーンと タバコとバナナ” 2183 02:16:14,840 --> 02:16:16,280 “見に来て” 2184 02:16:17,160 --> 02:16:21,360 “スーパーマンと ハンドシェイク” 2185 02:16:21,440 --> 02:16:23,160 “ペニスもシェイク” 2186 02:16:28,640 --> 02:16:32,520 “巨根が踊り 水の容器を持ち上げる” 2187 02:16:32,600 --> 02:16:35,680 “マッサージもできる スーパースター” 2188 02:16:35,760 --> 02:16:40,920 “巨根は永遠に不滅 巨根はフリースタイル” 2189 02:16:41,520 --> 02:16:42,800 “ようこそ” 2190 02:16:42,880 --> 02:16:45,520 “貧しい者に権利はあるか” 2191 02:16:45,600 --> 02:16:48,720 “ペニスはある ヴァギナもある” 2192 02:16:48,800 --> 02:16:51,520 “タイで自由に楽しもう” 2193 02:16:51,600 --> 02:16:55,200 “タイ人が快適に 暮らせるよう” 2194 02:16:55,280 --> 02:16:57,840 “デタラメはやめろ!” 2195 02:16:58,840 --> 02:17:01,080 気をつけて帰ってね 2196 02:17:01,880 --> 02:17:04,000 皆さん 気をつけて 2197 02:17:05,800 --> 02:17:08,480 ウドム・テーパーニットの スーパーソフトパワー 2198 02:17:34,920 --> 02:17:36,200 起きてる? 2199 02:17:36,280 --> 02:17:39,280 皆さん どうもありがとう 2200 02:18:08,880 --> 02:18:12,680 日本語字幕 赤坂 純子