1 00:00:29,529 --> 00:00:32,282 〈今年の厳選品を 味わいましょう〉 2 00:00:32,407 --> 00:00:35,661 〈我々の兄弟が造った コネリアーノと〉 3 00:00:36,161 --> 00:00:39,581 〈ヴァルドッビアーデネの 最上級品です〉 4 00:00:51,093 --> 00:00:54,054 ヴァルドッビアーデネの 同信会の人たちと—— 5 00:00:54,388 --> 00:00:56,640 ワイン蔵に来た 6 00:00:57,307 --> 00:01:03,272 今年 造られたプロセッコを 注いでくれてる 7 00:01:04,940 --> 00:01:06,400 厳粛な雰囲気だ 8 00:01:10,571 --> 00:01:12,864 この地で生まれた ワインの—— 9 00:01:12,990 --> 00:01:16,577 純粋さを称え    守るための儀式です 10 00:01:21,540 --> 00:01:26,503 今季の最高品を基準に  他のワインを評価します 11 00:01:28,505 --> 00:01:32,593 我々が普段 飲む     プロセッコとは違います 12 00:01:35,220 --> 00:01:40,100 ヴェネトでは農産物を   これほど真剣に扱うのです 13 00:01:41,018 --> 00:01:43,729 スタンリー・トゥッチの イタリア料理に恋して 14 00:01:49,151 --> 00:01:52,529 ヴェネトは歴史を生かした州 15 00:01:53,071 --> 00:01:55,741 かつては         帝国の中心地でしたが—— 16 00:01:55,866 --> 00:01:59,036 今は最も観光客の 多い地域です 17 00:02:03,248 --> 00:02:06,376 イタリアの北東に位置し 18 00:02:03,874 --> 00:02:07,419 “ヴェネト〟 19 00:02:06,501 --> 00:02:10,881 ドロミテ山地とアドリア海に 挟まれています 20 00:02:11,006 --> 00:02:15,260 もちろん最大の魅力は  きらめく都市 ベネチア 21 00:02:11,298 --> 00:02:15,636 “ベネチア〟 22 00:02:16,219 --> 00:02:19,348 歴史を物語る記念碑です 23 00:02:21,099 --> 00:02:25,812 でも今日は有名な干潟を越え 内陸へ向かい—— 24 00:02:25,937 --> 00:02:29,441 この地域の       さらなる魅力を探します 25 00:02:34,696 --> 00:02:36,365 この地域は—— 26 00:02:36,698 --> 00:02:40,535 完全に平らな地形で 驚かされるよ 27 00:02:40,869 --> 00:02:44,164 美しく とても肥沃ひよくな土地だ 28 00:02:44,289 --> 00:02:49,294 ここでは伝統的な方法で 多くの作物を育ててる 29 00:02:49,419 --> 00:02:50,504 すばらしいね 30 00:02:50,879 --> 00:02:52,464 結局のところ 31 00:02:53,423 --> 00:02:55,676 伝統を失えば質が低下し 32 00:02:56,885 --> 00:03:00,013 すべて同じ味になってしまう 33 00:03:01,932 --> 00:03:04,017 ヴェネトの平野は—— 34 00:03:04,142 --> 00:03:08,689 この地の名産品である   ラディッキオを育てるのに 35 00:03:08,814 --> 00:03:10,273 最適な環境です 36 00:03:10,982 --> 00:03:14,861 栽培には大量の水を 必要としますが—— 37 00:03:15,862 --> 00:03:20,826 この地域は川が多く 水不足とは無縁です 38 00:03:19,950 --> 00:03:22,160 “ポー川  アディジェ川〟 39 00:03:22,244 --> 00:03:24,663 “ピアーヴェ川  シーレ川〟 40 00:03:22,244 --> 00:03:26,039 最初はトレビーゾの シーレへ向かいます 41 00:03:24,788 --> 00:03:26,248 “トレビーゾ〟 42 00:03:27,791 --> 00:03:28,625 〈ようこそ〉 43 00:03:28,750 --> 00:03:30,877 〈会えて光栄だよ〉 44 00:03:31,545 --> 00:03:35,507 彼は農家の5代目の ステファノ・ドット 45 00:03:35,632 --> 00:03:38,343 ヴェネトの面白い珍味を—— 46 00:03:38,468 --> 00:03:41,596 最初に栽培した 一族の1人です 47 00:03:42,139 --> 00:03:46,226 その珍味とはラディッキオ・ タルディーヴォ 48 00:03:47,018 --> 00:03:50,188 〈100年前 ラディッキオは〉 49 00:03:50,313 --> 00:03:54,651 〈野生のチコリとして 田園地帯に自生してた〉 50 00:03:54,901 --> 00:03:59,030 〈冬の間に野生のチコリを 収穫してみると〉 51 00:03:59,156 --> 00:04:03,618 〈他の野菜のように 傷んでなかったらしい〉 52 00:04:03,743 --> 00:04:09,749 〈さらに馬小屋で保管すると 新しい芯が育ったんだ〉 53 00:04:11,126 --> 00:04:14,713 〈よりおいしく 甘く 赤く 歯ごたえもある〉 54 00:04:15,714 --> 00:04:18,091 〈1つ取ってみよう〉 55 00:04:19,217 --> 00:04:21,636 〈ゆっくりと剥がすよ〉 56 00:04:21,761 --> 00:04:22,846 〈ここだね〉 57 00:04:22,971 --> 00:04:24,556 〈芯が生えてる〉 58 00:04:25,432 --> 00:04:26,767 大切な部分だ 59 00:04:27,225 --> 00:04:30,645 〈畑で育てても 芯はできない〉 60 00:04:30,771 --> 00:04:32,481 〈葉だけが育つ〉 61 00:04:32,606 --> 00:04:37,819 〈我々が食べる赤と白の芯は ここで育つんだ〉 62 00:04:39,780 --> 00:04:42,491 栽培方法は分かりましたが 63 00:04:42,616 --> 00:04:46,077 次の課題は     市場への供給でした 64 00:04:46,703 --> 00:04:49,790 〈ラディッキオの人気が 高まるにつれ〉 65 00:04:50,290 --> 00:04:53,627 〈世界中から 求められ始めた〉 66 00:04:53,752 --> 00:04:56,797 〈そして時が進むにつれて〉 67 00:04:56,922 --> 00:05:00,592 〈トレビーゾの 資源である水が——〉 68 00:05:00,717 --> 00:05:05,263 〈ラディッキオを育てるのに 重要だと分かった〉 69 00:05:05,388 --> 00:05:09,476 〈そこで湧水タンクで行う 促成栽培と——〉 70 00:05:09,601 --> 00:05:11,853 〈軟白なんぱく栽培が採用された〉 71 00:05:12,395 --> 00:05:15,732 なぜ暗闇で     育てるのでしょう? 72 00:05:15,857 --> 00:05:20,695 それは芯の生育を発見した 馬小屋の環境を再現し 73 00:05:20,821 --> 00:05:25,200 成長を促すための必要条件を 満たすためです 74 00:05:26,117 --> 00:05:29,162 〈どれくらい水に浸ける?〉 75 00:05:29,287 --> 00:05:32,457 〈一定期間 浸けておくが〉 76 00:05:32,582 --> 00:05:36,336 〈生産者に 期間は決められない〉 77 00:05:36,461 --> 00:05:38,338 〈ラディッキオが決める〉 78 00:05:38,922 --> 00:05:40,173 〈自然の摂理だ〉 79 00:05:40,298 --> 00:05:42,092 意思があるのか 80 00:05:42,217 --> 00:05:43,176 そのとおり 81 00:05:44,052 --> 00:05:47,430 2~3週間で    収穫適期を迎えると 82 00:05:47,556 --> 00:05:52,269 食卓へ届けるまで    手作業で処理を行います 83 00:05:52,394 --> 00:05:56,523 〈収穫時に 1キロほどあっても〉 84 00:05:56,648 --> 00:05:59,860 〈残るのは 約300グラムだけ〉 85 00:06:00,569 --> 00:06:06,324 〈まずは最初の作業員が 1枚ずつ葉を取り除く〉 86 00:06:06,449 --> 00:06:09,077 〈そして次の作業員が〉 87 00:06:09,202 --> 00:06:13,456 〈専用の小型ナイフで 根を切るんだ〉 88 00:06:13,832 --> 00:06:14,708 〈大変だ〉 89 00:06:14,833 --> 00:06:16,001 〈そうさ〉 90 00:06:16,793 --> 00:06:18,295 〈チコリ界では〉 91 00:06:18,420 --> 00:06:21,631 〈間違いなくこれが 最高級品だ〉 92 00:06:21,756 --> 00:06:26,136 〈手間はかかるが 何より最もおいしい〉 93 00:06:26,553 --> 00:06:27,429 〈高いの?〉 94 00:06:27,554 --> 00:06:28,930 〈そこまでは〉 95 00:06:33,852 --> 00:06:36,438 〈いろんな料理が作れる〉 96 00:06:36,563 --> 00:06:37,522 〈そうさ〉 97 00:06:37,647 --> 00:06:38,690 〈リゾットは?〉 98 00:06:38,815 --> 00:06:42,694 〈リゾットや 主菜の肉料理にも合う〉 99 00:06:42,819 --> 00:06:45,488 〈デザートも作れるよ〉 100 00:06:45,864 --> 00:06:48,783 〈薬草酒やグラッパだって〉 101 00:06:48,909 --> 00:06:50,702 本当にできる? 102 00:06:54,247 --> 00:06:57,125 〈美しいね もう食べられるよ〉 103 00:06:57,250 --> 00:06:58,001 〈美しい〉 104 00:06:58,126 --> 00:07:00,670 〈このまま食べてみて〉 105 00:07:03,673 --> 00:07:04,799 シャキシャキだ 106 00:07:06,009 --> 00:07:07,093 おいしい 107 00:07:09,179 --> 00:07:12,098 〈ほろ苦く ほのかに甘い〉 108 00:07:12,766 --> 00:07:16,561 〈甘みと苦みのバランスが 絶妙だろ〉 109 00:07:16,978 --> 00:07:18,104 乾杯 110 00:07:19,230 --> 00:07:20,231 うまいね 111 00:07:21,441 --> 00:07:24,819 丁寧に育てられた  ラディッキオは—— 112 00:07:25,320 --> 00:07:30,742 ヴェネトの水に依存する   ある作物との相性も抜群です 113 00:07:30,867 --> 00:07:31,993 それは米 114 00:07:36,873 --> 00:07:40,043 最高級の米は     ヴェローナの南にある 115 00:07:40,168 --> 00:07:44,506 イーゾラ・デッラ・スカーラの 近くで栽培されてます 116 00:07:46,508 --> 00:07:48,343 フードライターの ヴァレリアは—— 117 00:07:48,468 --> 00:07:52,013 この地域の食の歴史を 支持してます 118 00:07:52,555 --> 00:07:56,309 私は食を窓口として 風景や伝統や—— 119 00:07:56,434 --> 00:08:01,481 記憶について 深い対話を探ろうとしてる 120 00:08:01,606 --> 00:08:03,358 私は食について書く時 121 00:08:03,483 --> 00:08:06,361 自分の経験や 家族について書く 122 00:08:06,486 --> 00:08:12,117 これはヴェネトに関する 他の事柄の対話にもなるの 123 00:08:12,242 --> 00:08:15,704 イタリア最古の   精米所へ向かいます 124 00:08:12,951 --> 00:08:17,372 “ピラ・ヴェーチャ〟 125 00:08:15,829 --> 00:08:17,372 ここに来たことは? 126 00:08:17,497 --> 00:08:19,749 あるわ 小さい頃にね 127 00:08:20,458 --> 00:08:23,670 ここで精米する     ヴィアローネ・ナーノは 128 00:08:24,003 --> 00:08:26,589 リゾットに最適な品種です 129 00:08:27,132 --> 00:08:28,925 リゾットは? 130 00:08:29,300 --> 00:08:31,177 週に一度は作るかな 131 00:08:31,553 --> 00:08:35,181 旬の野菜で いろんな味を試すのが好き 132 00:08:35,306 --> 00:08:37,058 私も週1で作るよ 133 00:08:37,434 --> 00:08:38,101 好物だ 134 00:08:38,226 --> 00:08:41,604 ある種の儀式よね 瞑想めいそうできる 135 00:08:41,730 --> 00:08:43,106 そのとおり 136 00:08:43,231 --> 00:08:45,066 ポレンタ作りと同じ 137 00:08:45,191 --> 00:08:46,901 もっと楽しいわ 138 00:08:48,945 --> 00:08:53,241 ガブリエレは この地の 食の歴史を支えてます 139 00:08:54,034 --> 00:08:57,287 〈今も稼働している 古い精米機だ〉 140 00:08:57,871 --> 00:08:59,205 〈まるで詩だよ〉 141 00:08:59,831 --> 00:09:01,458 〈分かったかな?〉 142 00:09:03,626 --> 00:09:06,004 〈オリジナルの部分だ〉 143 00:09:06,588 --> 00:09:09,758 〈稼働時から使われてる〉 144 00:09:09,883 --> 00:09:11,676 〈いつ作られた?〉 145 00:09:11,801 --> 00:09:13,928 〈1650年だ〉 146 00:09:14,054 --> 00:09:16,473 そりゃすごいね 147 00:09:16,598 --> 00:09:19,726 〈ここには 工業的な物や——〉 148 00:09:19,851 --> 00:09:23,480 〈電気で動く物は 何ひとつない〉 149 00:09:23,855 --> 00:09:24,814 巧妙ね 150 00:09:24,939 --> 00:09:26,191 そうだな 151 00:09:26,983 --> 00:09:29,527 〈現代の精米所では〉 152 00:09:29,944 --> 00:09:33,198 〈ボタンを押すだけで 完了する〉 153 00:09:33,364 --> 00:09:37,285 〈でも この機械は まるで詩のようだ〉 154 00:09:37,786 --> 00:09:38,745 〈すばらしいよ〉 155 00:09:40,747 --> 00:09:42,040 〈水で動くの?〉 156 00:09:42,165 --> 00:09:45,502 〈落水の力だけで動いてる〉 157 00:09:45,627 --> 00:09:51,007 〈そこに機械や歯車を加えて 速度を上げるんだ〉 158 00:09:54,135 --> 00:09:56,846 まさにアナログ作業です 159 00:09:57,222 --> 00:09:59,933 川の水が水車を回し 160 00:10:00,433 --> 00:10:04,312 歯車が梁はりを持ち上げ 杵きねを落とします 161 00:10:05,230 --> 00:10:07,857 そして        もみ殻を打ち砕き—— 162 00:10:07,982 --> 00:10:11,277 クリーム色の米粒を 残すのです 163 00:10:12,904 --> 00:10:14,989 〈この方法を使えば〉 164 00:10:15,115 --> 00:10:20,286 〈杵が臼の底を 直接 打つことはない〉 165 00:10:20,411 --> 00:10:25,166 〈27ミリの位置で 止まるように設計してる〉 166 00:10:25,291 --> 00:10:28,002 〈米を砕かないようにね〉 167 00:10:28,128 --> 00:10:29,170 見事だ 168 00:10:29,838 --> 00:10:31,422 〈何時間くらい…〉 169 00:10:31,548 --> 00:10:35,260 〈6~7時間ほど かかるかな〉 170 00:10:35,385 --> 00:10:39,556 〈6時間 杵でついたあと 何をする?〉 171 00:10:39,681 --> 00:10:42,684 〈杵を脇に置いて〉 172 00:10:42,809 --> 00:10:46,187 〈スコップで米をかき出す〉 173 00:10:46,729 --> 00:10:50,525 〈そして ふるいに かけるんだ〉 174 00:10:51,609 --> 00:10:52,861 〈やってみる?〉 175 00:10:52,986 --> 00:10:54,112 〈やるよ〉 176 00:10:55,071 --> 00:10:56,447 気になってた 177 00:10:56,573 --> 00:10:57,615 そうよね 178 00:11:00,535 --> 00:11:02,954 〈ふるいは2つ使う〉 179 00:11:10,837 --> 00:11:12,422 〈マウリツィオ 来て〉 180 00:11:12,547 --> 00:11:15,466 〈今から ふるいにかける〉 181 00:11:17,385 --> 00:11:20,597 〈粉は全部 床に落ちるよ〉 182 00:11:20,722 --> 00:11:24,017 〈雪が降ってるみたいだろ〉 183 00:11:25,351 --> 00:11:26,186 いいね? 184 00:11:28,771 --> 00:11:30,190 〈サーカスみたい〉 185 00:11:30,565 --> 00:11:32,525 私なら床に落とすわ 186 00:11:32,650 --> 00:11:34,485 私たちには無理だね 187 00:11:37,572 --> 00:11:39,199 〈落ちてるのは…〉 188 00:11:39,741 --> 00:11:41,492 〈廃棄物だ〉 189 00:11:41,618 --> 00:11:43,661 〈この廃棄物は…〉 190 00:11:43,786 --> 00:11:44,829 廃棄物だって 191 00:11:44,954 --> 00:11:47,040 〈家畜に使用する〉 192 00:11:49,751 --> 00:11:51,711 最初は細かいふるいで—— 193 00:11:51,836 --> 00:11:55,256 精米の時に出る粉を 落とします 194 00:11:56,799 --> 00:11:58,426 曲芸をこなしたあと—— 195 00:11:58,551 --> 00:12:04,015 目の粗いふるいで もみ殻や 砕けた穀粒を落とすのです 196 00:12:04,515 --> 00:12:06,935 〈これで終わり?〉 197 00:12:07,060 --> 00:12:08,311 〈1つはね〉 198 00:12:08,436 --> 00:12:12,023 〈もう1つは これから作業を行う〉 199 00:12:14,400 --> 00:12:16,569 〈どこで学んだ?〉 200 00:12:16,694 --> 00:12:19,113 〈最初は父親だ〉 201 00:12:19,239 --> 00:12:20,823 〈父は祖父から〉 202 00:12:20,949 --> 00:12:22,283 〈おじいちゃんか〉 203 00:12:22,992 --> 00:12:25,119 〈5代にわたり暮らしてる〉 204 00:12:25,245 --> 00:12:25,787 〈5代?〉 205 00:12:25,912 --> 00:12:27,538 〈5世代だ〉 206 00:12:27,664 --> 00:12:30,124 〈今は孫も一緒だよ〉 207 00:12:30,250 --> 00:12:33,044 〈孫たちが5代目だ〉 208 00:12:34,003 --> 00:12:37,090 世代を超えても工程は同じ 209 00:12:37,215 --> 00:12:40,927 1時間で得られる米は たった3キロです 210 00:12:41,052 --> 00:12:44,138 でも効率が     問題ではありません 211 00:12:44,639 --> 00:12:46,808 〈なぜこのやり方を?〉 212 00:12:46,933 --> 00:12:50,228 〈古いやり方で 精米するんだ?〉 213 00:12:50,353 --> 00:12:53,189 〈この地に伝わる 伝統だからだ〉 214 00:12:53,314 --> 00:12:57,527 〈歴史があるし 心から大切にしてる〉 215 00:12:59,904 --> 00:13:01,030 〈情熱だよ〉 216 00:13:01,155 --> 00:13:04,450 〈手作りの 家具職人と同じさ〉 217 00:13:05,034 --> 00:13:07,704 〈命を吹き込み感じ取る〉 218 00:13:07,870 --> 00:13:10,331 〈手間はかかるが——〉 219 00:13:10,456 --> 00:13:13,209 〈内側にある情熱だ〉 220 00:13:13,334 --> 00:13:16,087 〈このお米は リゾットに合う?〉 221 00:13:16,212 --> 00:13:17,922 〈ピッタリだ〉 222 00:13:18,047 --> 00:13:19,674 〈他の米とは違う〉 223 00:13:19,799 --> 00:13:22,969 〈よりおいしく 豊かな味わいで〉 224 00:13:23,094 --> 00:13:26,472 〈かむほどに満足感が増す〉 225 00:13:26,597 --> 00:13:28,308 〈口に入れると…〉 226 00:13:30,184 --> 00:13:33,730 〈格別なうまみが 広がるんだ〉 227 00:13:33,855 --> 00:13:36,357 楽しみだ 早速作ろう 228 00:13:36,482 --> 00:13:39,527 どんな仕上がりか興味深い 229 00:13:39,986 --> 00:13:42,196 食べたことないのよ 230 00:13:42,321 --> 00:13:43,656 彼らの米はね 231 00:13:43,781 --> 00:13:46,409 〈少し包もうか?〉 232 00:13:46,534 --> 00:13:47,618 〈全部もらう〉 233 00:13:47,744 --> 00:13:50,955 〈そのまま持ってく ありがとう〉 234 00:13:52,957 --> 00:13:55,918 ガブリエレと彼の家族が—— 235 00:13:56,044 --> 00:14:00,256 この米に注ぐ情熱は 明らかなものです 236 00:14:08,306 --> 00:14:12,602 ヴァレリアと一緒に リゾットを作ります 237 00:14:14,854 --> 00:14:16,898 アマローネのリゾットよ 238 00:14:17,398 --> 00:14:21,319 アマローネは濃厚で 深い色のワインなの 239 00:14:21,444 --> 00:14:23,613 確かに深い色合いだ 240 00:14:23,738 --> 00:14:26,657 底が見えないほど濃い色よ 241 00:14:26,783 --> 00:14:29,243 これが彩りを加えるわ 242 00:14:29,869 --> 00:14:33,206 米の香ばしさと      ラディッキオの甘みを—— 243 00:14:33,331 --> 00:14:35,583 ワインが引き立てます 244 00:14:36,084 --> 00:14:38,753 家族も食を大切にした? 245 00:14:38,878 --> 00:14:41,631 母よりも祖母がそうだった 246 00:14:41,756 --> 00:14:43,716 米料理が多くて—— 247 00:14:43,841 --> 00:14:47,261 祖母はリゾットを 何種類も作ってた 248 00:14:49,680 --> 00:14:51,265 コンロが暴れだした 249 00:14:51,682 --> 00:14:54,977 気まぐれな機械だ 慣れないとね 250 00:14:55,103 --> 00:14:56,604 家のコンロはIH? 251 00:14:56,729 --> 00:14:57,897 ガスもある 252 00:14:58,022 --> 00:14:59,982 私は有名人だからね 253 00:15:01,484 --> 00:15:02,902 玉ねぎを炒める 254 00:15:03,027 --> 00:15:07,323 次に米だけを 少量の オリーブオイルで炒める 255 00:15:10,451 --> 00:15:11,869 何をしたらいい? 256 00:15:11,994 --> 00:15:14,413 小さく刻んでくれる? 257 00:15:14,539 --> 00:15:15,540 分かった 258 00:15:16,082 --> 00:15:20,670 ヴェネトが誇る最高の食材を 際立たせるレシピです 259 00:15:21,712 --> 00:15:26,175 ここは景観の面で 多様性に富んだ地域なの 260 00:15:26,300 --> 00:15:28,261 ポー平原があるでしょ 261 00:15:28,386 --> 00:15:30,847 美しい山々があり—— 262 00:15:30,972 --> 00:15:34,433 水の都 ベネチアとは 明らかに異なる 263 00:15:34,559 --> 00:15:36,936 非常に多様な地域なの 264 00:15:37,061 --> 00:15:41,816 でも どういうわけか 統一的な文化の下で—— 265 00:15:41,941 --> 00:15:43,401 結束した 266 00:15:44,026 --> 00:15:47,905 伝統という点で 豊かな地域なのよ 267 00:15:48,030 --> 00:15:48,990 そうだね 268 00:15:49,115 --> 00:15:50,533 このあとは… 269 00:15:50,658 --> 00:15:53,411 面白い米だね 色を見て 270 00:15:53,536 --> 00:15:56,455 リゾット用の米は普通 白い 271 00:15:56,998 --> 00:16:02,545 きっと工業的な 脱穀システムのせいで—— 272 00:16:02,837 --> 00:16:06,549 米ぬかを 取られすぎちゃうのよ 273 00:16:06,674 --> 00:16:07,884 だろうね 274 00:16:08,009 --> 00:16:10,970 これは大麦のように見える 275 00:16:11,095 --> 00:16:13,347 緑色のやつもある 276 00:16:13,472 --> 00:16:16,350 生きてるように見えるわ 277 00:16:21,189 --> 00:16:24,984 炒め終わったら ラディッキオを加える 278 00:16:29,947 --> 00:16:32,617 香ばしい香りが漂ってくるわ 279 00:16:32,742 --> 00:16:37,121 米がシューシューと 音を立て始めたら… 280 00:16:37,997 --> 00:16:42,460 好きな液体を 加えていいという合図よ 281 00:16:43,044 --> 00:16:44,545 今日はワインを 282 00:16:47,590 --> 00:16:49,592 蒸発させるわ 283 00:16:49,717 --> 00:16:54,013 ヴィアローネ・ナーノは 他のイタリア米と同様に 284 00:16:54,138 --> 00:16:56,349 風味と色を吸収するの 285 00:16:56,891 --> 00:16:59,977 米が膨らみ でんぷんを放出して 286 00:17:00,102 --> 00:17:02,480 リゾットになるの 287 00:17:03,606 --> 00:17:07,860 ではラディッキオを 美しいお米に加えて—— 288 00:17:09,111 --> 00:17:11,072 混ぜましょう 289 00:17:12,865 --> 00:17:14,200 この色を見て 290 00:17:14,325 --> 00:17:16,410 すばらしいわよね 291 00:17:16,535 --> 00:17:18,412 ストックは何? 292 00:17:18,663 --> 00:17:19,705 野菜よ 293 00:17:19,830 --> 00:17:25,253 ニンジン 玉ねぎ セロリ ポロネギで作ったわ 294 00:17:25,378 --> 00:17:26,545 ポロネギ? 295 00:17:26,671 --> 00:17:29,090 いい風味になるね 296 00:17:29,215 --> 00:17:34,345 野菜のストックを おたまで2杯分 入れて 297 00:17:34,470 --> 00:17:38,015 今日 作るのは 伝統的なリゾットだから 298 00:17:38,140 --> 00:17:42,853 ストックを吸わせながら おしゃべりする 299 00:17:52,488 --> 00:17:56,534 しっかりなじんだら バターを加える 300 00:17:56,659 --> 00:17:57,702 冷たいバターだ 301 00:17:57,827 --> 00:17:58,619 そうよ 302 00:17:58,744 --> 00:18:00,538 温度ショックを与える 303 00:18:01,789 --> 00:18:02,498 温度差か 304 00:18:02,623 --> 00:18:03,291 ええ 305 00:18:03,416 --> 00:18:04,875 アイスランド風だ 306 00:18:05,001 --> 00:18:07,295 ええ サウナ後と感じ 307 00:18:08,462 --> 00:18:10,089 火を消すの? 308 00:18:10,214 --> 00:18:11,799 すばやくかき回す 309 00:18:12,675 --> 00:18:16,470 真ん中に穴の開いた 木べらを使うと 310 00:18:16,596 --> 00:18:18,806 潰さずに渦を作れる 311 00:18:18,931 --> 00:18:23,936 この過程が でんぷんと 脂肪を結合させるの 312 00:18:24,395 --> 00:18:26,439 チーズも少し 313 00:18:27,398 --> 00:18:28,691 できたわ 314 00:18:31,527 --> 00:18:32,945 きれいな色だ 315 00:18:42,204 --> 00:18:43,539 ナッツみたい 316 00:18:43,664 --> 00:18:44,498 そうだね 317 00:18:44,624 --> 00:18:45,708 普段と違う 318 00:18:46,083 --> 00:18:49,503 知ってるヴィアローネ・ ナーノじゃない 319 00:18:50,129 --> 00:18:50,963 君も? 320 00:18:51,088 --> 00:18:53,007 食感が面白いわ 321 00:18:53,132 --> 00:18:55,176 全粒粉っぽいわね 322 00:18:55,343 --> 00:18:57,053 大麦みたいだ 323 00:18:58,387 --> 00:18:59,430 気に入った 324 00:19:00,389 --> 00:19:03,934 何百年もの伝統を  一皿で味わえました 325 00:19:04,352 --> 00:19:07,355 しかしレシピと    歴史を守ることが—— 326 00:19:07,480 --> 00:19:09,398 論争を招くことも 327 00:19:14,820 --> 00:19:19,450 ここはイタリアで最も有名な デザートの発祥地です 328 00:19:20,993 --> 00:19:22,203 それはティラミス 329 00:19:22,662 --> 00:19:26,123 〈今や世界的に有名な 料理で——〉 330 00:19:26,749 --> 00:19:29,710 〈ピザの次に知られる イタリア語だ〉 331 00:19:31,170 --> 00:19:34,465 ティラミスの起源は 激論を呼んでます 332 00:19:34,590 --> 00:19:38,552 元は“私を元気づけて〟 という意味で—— 333 00:19:38,678 --> 00:19:41,806 歓楽街に由来すると 言われています 334 00:19:41,931 --> 00:19:47,269 しかしレストラン経営者の カルロは反論します 335 00:19:48,229 --> 00:19:50,940 〈間違った解釈により〉 336 00:19:51,315 --> 00:19:53,776 〈誤解が生じることがある〉 337 00:19:53,901 --> 00:19:58,072 〈ここで1つ 明確にしておきたい〉 338 00:19:58,197 --> 00:20:02,952 〈娼館で出されていた 有名なデザートは〉 339 00:20:03,077 --> 00:20:06,038 〈ティラミスではない〉 340 00:20:09,291 --> 00:20:13,671 〈卵黄と砂糖を 泡立てて作られてたから〉 341 00:20:14,505 --> 00:20:15,840 〈スバトゥディンだ〉 342 00:20:16,507 --> 00:20:20,886 〈ティラミスは1970年代に レ・ベッケリエで誕生〉 343 00:20:21,011 --> 00:20:24,849 〈母のもとで働いてた 若い料理人が——〉 344 00:20:24,974 --> 00:20:28,436 〈スバトゥディンと マスカルポーネを混ぜた〉 345 00:20:28,561 --> 00:20:32,314 〈それをコーヒーに浸した スポンジに敷き〉 346 00:20:32,440 --> 00:20:34,525 〈ココアをかけたんだ〉 347 00:20:37,611 --> 00:20:39,864 論争はそこで終わらず 348 00:20:39,989 --> 00:20:42,533 近隣の町から反論が ありました 349 00:20:44,285 --> 00:20:48,330 〈フリウリで生まれたと 思っている人もいる〉 350 00:20:51,625 --> 00:20:54,462 〈ティラミスは傑作だから〉 351 00:20:54,587 --> 00:20:58,591 〈誰もが自分のものだと 主張したくなる〉 352 00:20:58,883 --> 00:21:01,093 〈だが真実は1つだけ〉 353 00:21:01,218 --> 00:21:04,180 〈レ・ベッケリエで 1970年代に生まれた〉 354 00:21:04,805 --> 00:21:06,599 皆さん 理解しましたね? 355 00:21:07,433 --> 00:21:09,935 “レ・ベッケリエ〟 356 00:21:08,517 --> 00:21:11,520 カルロの家族が営む レ・ベッケリエは 357 00:21:11,645 --> 00:21:13,981 今やティラミスの聖地です 358 00:21:14,732 --> 00:21:18,402 マヌエルは伝統的な作り方を 守っています 359 00:21:19,028 --> 00:21:21,906 〈まずは材料を確認しよう〉 360 00:21:22,031 --> 00:21:26,243 〈砂糖 スポンジ マスカルポーネ〉 361 00:21:26,368 --> 00:21:29,747 〈ココアパウダー 卵黄 コーヒーだ〉 362 00:21:29,872 --> 00:21:31,665 〈モカコーヒーを使う〉 363 00:21:31,791 --> 00:21:33,167 〈元のレシピ?〉 364 00:21:33,292 --> 00:21:36,378 〈ああ オリジナルの レシピだ〉 365 00:21:38,506 --> 00:21:39,465 〈出身は?〉 366 00:21:39,590 --> 00:21:40,508 〈トレビーゾだ〉 367 00:21:40,633 --> 00:21:44,804 〈ここの人々は ティラミスを家庭で作る〉 368 00:21:45,429 --> 00:21:47,515 〈うまく作るのは難しい〉 369 00:21:47,640 --> 00:21:51,602 〈誰もが母親の味を 覚えてるからね〉 370 00:21:51,727 --> 00:21:54,522 〈母の味と違うと言われる〉 371 00:21:54,647 --> 00:21:57,316 〈結局は懐かしさの問題だ〉 372 00:21:57,441 --> 00:22:02,571 〈懐かしさを呼び起こす時に 料理は真価を発揮する〉 373 00:22:02,696 --> 00:22:03,656 〈そうだね〉 374 00:22:04,114 --> 00:22:08,035 マヌエルは      懐かしさに加えて—— 375 00:22:08,160 --> 00:22:10,996 レシピを忠実に守ることが 376 00:22:11,121 --> 00:22:14,208 完璧な味を作ると 信じています 377 00:22:14,333 --> 00:22:17,253 〈卵と砂糖をよく泡立てる〉 378 00:22:18,087 --> 00:22:19,338 〈見てて〉 379 00:22:19,839 --> 00:22:21,006 〈ほら〉 380 00:22:22,007 --> 00:22:23,008 〈クリーミーだ〉 381 00:22:23,342 --> 00:22:24,510 〈とっても〉 382 00:22:25,553 --> 00:22:28,389 〈マスカルポーネを 加えよう〉 383 00:22:28,514 --> 00:22:30,850 〈砂糖は入れる?〉 384 00:22:30,975 --> 00:22:32,059 〈いいや〉 385 00:22:32,184 --> 00:22:35,896 〈マスカルポーネの 酸味が——〉 386 00:22:36,021 --> 00:22:38,107 〈うまくバランスを取る〉 387 00:22:38,232 --> 00:22:39,191 なるほど 388 00:22:42,528 --> 00:22:45,990 〈マスカルポーネに空気を 含ませながら〉 389 00:22:46,115 --> 00:22:50,160 〈しっかりとした状態に なるまで混ぜる〉 390 00:22:52,454 --> 00:22:53,455 〈始めよう〉 391 00:22:56,166 --> 00:23:00,713 〈まず少量のクリームで 底に薄い層を作り——〉 392 00:23:00,838 --> 00:23:03,090 〈スポンジを並べる〉 393 00:23:03,799 --> 00:23:08,637 コーヒーに浸したスポンジが 独特の風味を生み出します 394 00:23:08,762 --> 00:23:12,433 〈最初の層から始めよう〉 395 00:23:12,600 --> 00:23:13,726 〈広げて〉 396 00:23:16,312 --> 00:23:19,773 〈アルコールは加える?〉 397 00:23:19,899 --> 00:23:20,774 〈いいや〉 398 00:23:20,900 --> 00:23:25,070 〈オリジナルのティラミスの 材料は6つだけだ〉 399 00:23:27,448 --> 00:23:28,782 〈芸術家だな〉 400 00:23:29,491 --> 00:23:30,534 〈本当に〉 401 00:23:32,244 --> 00:23:33,495 〈レンガ職人だ〉 402 00:23:36,206 --> 00:23:38,125 〈これで完成だ〉 403 00:23:38,417 --> 00:23:41,003 〈ココアをかけるのは——〉 404 00:23:41,128 --> 00:23:44,173 〈食べる直前じゃなきゃ ダメだ〉 405 00:23:44,298 --> 00:23:48,636 〈ココアが湿りすぎると 不快な層ができる〉 406 00:23:48,761 --> 00:23:50,304 〈分かるよ〉 407 00:23:50,554 --> 00:23:51,972 〈皿の用意を〉 408 00:23:52,097 --> 00:23:52,765 よし 409 00:23:54,224 --> 00:23:55,017 〈食べても?〉 410 00:23:55,142 --> 00:23:55,851 〈ああ〉 411 00:23:55,976 --> 00:23:56,936 〈どうぞ〉 412 00:23:57,519 --> 00:23:58,187 〈お先に〉 413 00:23:58,312 --> 00:23:59,104 どうも 414 00:24:06,403 --> 00:24:07,237 〈おいしい?〉 415 00:24:07,363 --> 00:24:10,532 〈ああ とてもうまいよ〉 416 00:24:12,201 --> 00:24:14,620 完璧なティラミスだ 417 00:24:14,745 --> 00:24:15,412 〈食べて〉 418 00:24:15,537 --> 00:24:16,163 〈僕も?〉 419 00:24:19,416 --> 00:24:20,501 〈どう?〉 420 00:24:20,626 --> 00:24:21,710 〈天才だ〉 421 00:24:25,756 --> 00:24:28,509 物事を正しく行う姿勢が—— 422 00:24:32,179 --> 00:24:35,599 次の目的地で     意外にも役立ちました 423 00:24:45,359 --> 00:24:50,280 イースターの時期には  伝統的な菓子が並びます 424 00:24:53,701 --> 00:24:55,953 魅力的な菓子の多くは—— 425 00:24:56,078 --> 00:25:00,165 ベネチアの南西にある パドヴァで楽しめます 426 00:25:01,375 --> 00:25:04,795 それは驚きの場所で 作られていました 427 00:25:07,798 --> 00:25:11,093 ドゥエ・パラッツィは 厳重警備の刑務所で 428 00:25:11,218 --> 00:25:14,096 重大犯罪者を収容しています 429 00:25:14,221 --> 00:25:17,391 長期収容者の数は550人以上 430 00:25:17,933 --> 00:25:22,354 そこでマッテオは      ジョット計画を手がけました 431 00:25:22,980 --> 00:25:25,065 〈20年前に始めた時は〉 432 00:25:25,858 --> 00:25:29,903 〈パティシエ1人と 受刑者3人だけだった〉 433 00:25:30,571 --> 00:25:32,990 〈そして創設以来〉 434 00:25:33,115 --> 00:25:38,078 〈基本的な信条や原則は 書かれているとおりだ〉 435 00:25:41,540 --> 00:25:44,668 “獣のように      生きる必要はない〟 436 00:25:45,294 --> 00:25:48,005 〈過ちだけで 人を定義できない〉 437 00:25:48,380 --> 00:25:54,261 〈未来に失望してた人が 自分に何かできるかもと〉 438 00:25:54,386 --> 00:25:58,557 〈気づいた時の 誇りを想像してみてくれ〉 439 00:26:06,356 --> 00:26:07,816 受刑者たちは 440 00:26:07,941 --> 00:26:12,654 パン職人のアスカニオの 監督下で働きます 441 00:26:14,573 --> 00:26:15,491 〈よろしく〉 442 00:26:15,866 --> 00:26:16,867 〈光栄だよ〉 443 00:26:16,992 --> 00:26:18,160 〈これは何?〉 444 00:26:18,285 --> 00:26:19,328 〈コロンバです〉 445 00:26:19,453 --> 00:26:20,746 〈コロンバか〉 446 00:26:20,871 --> 00:26:24,249 〈イースターの 伝統的な菓子です〉 447 00:26:24,374 --> 00:26:29,630 〈毎日 約700個の コロンバを作ってます〉 448 00:26:29,963 --> 00:26:31,131 〈約700個?〉 449 00:26:31,256 --> 00:26:34,301 〈パネットーネのように 膨らみます〉 450 00:26:34,760 --> 00:26:37,262 〈2種類の生地を 混ぜるんです〉 451 00:26:37,638 --> 00:26:43,310 〈一晩寝かせた生地に酵母 卵黄 砂糖 小麦粉を入れ〉 452 00:26:43,769 --> 00:26:46,021 〈さらに一晩 発酵を〉 453 00:26:46,146 --> 00:26:49,900 〈翌朝 再度同じ生地に〉 454 00:26:50,025 --> 00:26:54,029 〈砂糖 小麦粉 卵黄を 加えます〉 455 00:26:54,154 --> 00:26:58,992 〈バターや卵黄が入った 非常に濃厚な生地で…〉 456 00:26:59,118 --> 00:27:01,411 すでに香ってきてる 457 00:27:02,329 --> 00:27:04,414 〈複数の工程が必要です〉 458 00:27:05,290 --> 00:27:08,961 生地をふんわり仕上げるのは 難しく—— 459 00:27:09,086 --> 00:27:13,465 つぶれないように      焼いた直後は逆さまにします 460 00:27:13,590 --> 00:27:17,469 〈手作り感が 伝わりますよね〉 461 00:27:17,594 --> 00:27:21,014 〈これが私たちが 伝えたい思いです〉 462 00:27:21,557 --> 00:27:24,434 〈職人技で いい菓子を作れる〉 463 00:27:25,018 --> 00:27:28,105 〈彼らにとっても 絶好の機会です〉 464 00:27:30,107 --> 00:27:33,402 かつて顧客は     製造場所を聞くと—— 465 00:27:33,527 --> 00:27:36,446 パンを吐き出したそうです 466 00:27:37,072 --> 00:27:40,325 今では作った人ではなく—— 467 00:27:40,450 --> 00:27:42,995 品質で評価されています 468 00:27:43,120 --> 00:27:44,496 回ってる 469 00:27:45,539 --> 00:27:47,374 プログラムをどう思う? 470 00:27:47,833 --> 00:27:49,418 すばらしいです 471 00:27:49,543 --> 00:27:52,588 時間を有意義に過ごせるし 472 00:27:52,713 --> 00:27:57,467 知識も身につくから 自分のためになります 473 00:27:57,593 --> 00:27:58,594 そうだね 474 00:27:58,719 --> 00:28:02,514 将来 ここを出てから 働くためにもです 475 00:28:02,639 --> 00:28:03,599 〈ありがとう〉 476 00:28:03,724 --> 00:28:05,058 〈こちらこそ〉 477 00:28:08,520 --> 00:28:11,523 結果がすべてを物語ってます 478 00:28:12,357 --> 00:28:17,613 〈収監されて 刑期を終えた人の80%は〉 479 00:28:17,738 --> 00:28:22,868 〈出所したあと 再び犯罪を犯してしまう〉 480 00:28:22,993 --> 00:28:28,415 〈一方 この施設で 再教育プログラムに——〉 481 00:28:28,540 --> 00:28:32,961 〈従事する者たちの 再犯率は10%未満だ〉 482 00:28:33,086 --> 00:28:36,423 〈大きな違いだし 驚くべき結果だよ〉 483 00:28:42,346 --> 00:28:43,138 〈ジョバンニだ〉 484 00:28:43,555 --> 00:28:45,015 〈仲間の1人だよ〉 485 00:28:45,140 --> 00:28:48,268 〈何年くらい刑務所に?〉 486 00:28:48,852 --> 00:28:49,686 〈6年です〉 487 00:28:49,811 --> 00:28:50,896 〈6年?〉 488 00:28:51,021 --> 00:28:54,942 〈仕事は好き? ここで働くほうがいい?〉 489 00:28:55,067 --> 00:28:57,277 〈もちろん 自由ですしね〉 490 00:28:57,402 --> 00:28:58,195 〈そうだね〉 491 00:28:58,320 --> 00:29:00,322 〈出所したら何をしたい?〉 492 00:29:00,447 --> 00:29:04,368 〈料理に関わる仕事が したいです〉 493 00:29:04,493 --> 00:29:06,244 〈料理の経験が?〉 494 00:29:06,370 --> 00:29:07,621 〈まったく〉 495 00:29:07,955 --> 00:29:09,081 〈年はいくつ?〉 496 00:29:09,206 --> 00:29:09,748 〈28歳〉 497 00:29:09,873 --> 00:29:10,624 〈28か〉 498 00:29:11,041 --> 00:29:12,125 〈若いね〉 499 00:29:17,339 --> 00:29:21,635 伝統的なレシピに     新たな役割が加わりました 500 00:29:21,760 --> 00:29:26,807 ヴェネトでもレシピを   再構築できるでしょうか? 501 00:29:35,232 --> 00:29:37,985 ヴェローナは    州最大の都市であり 502 00:29:38,110 --> 00:29:41,655 ヴェネトの栄光が  今でも残っています 503 00:29:42,698 --> 00:29:44,741 ベネチアから内陸に1時間 504 00:29:44,866 --> 00:29:47,911 隣町より数百年も 歴史があります 505 00:29:45,325 --> 00:29:48,245 “ヴェローナ〟 506 00:29:52,416 --> 00:29:57,546 古い町並みに 革新的な  レストランがありました 507 00:29:53,834 --> 00:29:55,293 “ブエ・ネーロ〟 508 00:30:00,841 --> 00:30:01,967 〈キアラ?〉 509 00:30:02,092 --> 00:30:03,218 〈おはよう〉 510 00:30:03,719 --> 00:30:04,428 〈キアラよ〉 511 00:30:04,553 --> 00:30:05,387 〈よろしく〉 512 00:30:07,389 --> 00:30:09,766 経営に苦戦したオーナーは 513 00:30:09,891 --> 00:30:15,063 ローマ人のキアラを招き  新たな風を吹き込みました 514 00:30:16,356 --> 00:30:19,651 〈肉料理を軸にした 創作料理を——〉 515 00:30:19,943 --> 00:30:22,904 〈ダルフィーニ家から 託された〉 516 00:30:23,030 --> 00:30:26,158 〈私は常に革新を続け 研究してる〉 517 00:30:26,283 --> 00:30:30,912 〈伝統にとらわれず おいしい料理を作りたい〉 518 00:30:33,790 --> 00:30:38,295 彼女はベネチアの定番料理で 私の大好物でもある—— 519 00:30:38,420 --> 00:30:43,425 パスタ・エ・ファジョーリを 独自のスタイルで作ります 520 00:30:43,550 --> 00:30:47,387 〈豆入りのパスタが 大好物なんだ〉 521 00:30:48,096 --> 00:30:49,598 〈毎週 食べてる〉 522 00:30:49,723 --> 00:30:52,476 〈私なりのアレンジで作る〉 523 00:30:52,601 --> 00:30:55,145 〈白トリッパの ラグーソースよ〉 524 00:30:55,270 --> 00:30:56,271 〈分かった〉 525 00:30:56,563 --> 00:31:00,734 〈いろんな生地を使って 実験してるの〉 526 00:31:01,151 --> 00:31:05,614 〈今日は卵パスタに 風味をつけてみる〉 527 00:31:06,114 --> 00:31:09,034 〈伝統的な豆入りパスタに〉 528 00:31:09,159 --> 00:31:12,829 〈使用する食材を使ってね〉 529 00:31:12,954 --> 00:31:17,167 〈つまりローズマリー セージ ローリエよ〉 530 00:31:17,876 --> 00:31:20,337 〈乾燥させてローストし〉 531 00:31:20,462 --> 00:31:22,631 〈生地の中に混ぜ込む〉 532 00:31:22,756 --> 00:31:23,423 〈生地に?〉 533 00:31:23,548 --> 00:31:24,299 〈ええ〉 534 00:31:26,259 --> 00:31:28,929 経営者は精肉店の一族なので 535 00:31:29,054 --> 00:31:30,931 肉料理が主役です 536 00:31:31,431 --> 00:31:34,434 〈ヴェローナの店はどう?〉 537 00:31:34,559 --> 00:31:38,230 〈ここで料理するのは 難しかった?〉 538 00:31:38,355 --> 00:31:42,818 〈君はみんなと違う方法で 料理を作るし——〉 539 00:31:42,943 --> 00:31:46,822 〈新しいことに 挑戦するだろ〉 540 00:31:46,947 --> 00:31:49,491 〈ヴェローナに来た時〉 541 00:31:49,616 --> 00:31:53,954 〈“ここは難しい街だ〟と 大勢に言われた〉 542 00:31:54,079 --> 00:31:56,706 〈伝統との結びつきが深く〉 543 00:31:56,832 --> 00:32:02,254 〈多くの観光客は 伝統料理を食べに来る〉 544 00:32:02,838 --> 00:32:06,216 〈だから信頼を得る 必要があった〉 545 00:32:06,341 --> 00:32:11,471 〈おいしい料理を出して 人々の胃袋をつかんだの〉 546 00:32:15,934 --> 00:32:17,227 〈黒目豆よ〉 547 00:32:17,352 --> 00:32:19,437 〈ラグーのベースで〉 548 00:32:20,063 --> 00:32:24,818 〈ここに黒目豆と トリッパを入れる〉 549 00:32:24,943 --> 00:32:28,113 〈トリッパは もうゆでた?〉 550 00:32:28,238 --> 00:32:32,409 〈ゆでたわ 新鮮な状態で 届くから——〉 551 00:32:32,534 --> 00:32:38,415 〈洗ってから水と酢で煮て 不純物を取り除くの〉 552 00:32:38,832 --> 00:32:43,253 〈この食材の魅力は 舌で感じる独特の食感よ〉 553 00:32:43,378 --> 00:32:47,924 〈これがクリーミーな スープと対照的なの〉 554 00:32:48,049 --> 00:32:49,801 〈違う食感を楽しめる〉 555 00:32:49,926 --> 00:32:51,720 かんだ時にね 556 00:32:53,138 --> 00:32:56,308 この食感と風味の ハーモニーを 557 00:32:56,433 --> 00:32:58,977 豆のクリームが引き立てます 558 00:32:59,102 --> 00:33:02,898 数種類の豆をゆでてから つぶします 559 00:33:03,481 --> 00:33:07,194 〈豆の風味と クリーミーさが欲しい〉 560 00:33:07,986 --> 00:33:12,490 〈甘酸っぱさや うまみを 再現したいから——〉 561 00:33:12,616 --> 00:33:14,868 〈スペイン風ソースも 入れる〉 562 00:33:14,993 --> 00:33:15,744 〈中身は?〉 563 00:33:15,869 --> 00:33:20,540 〈牛肉のブイヨンに プロシュートを加え〉 564 00:33:20,665 --> 00:33:24,211 〈トマトペーストを入れて 煮詰めた〉 565 00:33:24,336 --> 00:33:29,424 〈するとこんなに 濃厚なソースができるの〉 566 00:33:32,344 --> 00:33:35,722 確かに すごくおいしいよ 567 00:33:35,847 --> 00:33:39,643 〈じゃあ 少し加えて 風味を足すわ〉 568 00:33:41,895 --> 00:33:43,730 〈味見してみる?〉 569 00:33:45,106 --> 00:33:46,107 〈ありがとう〉 570 00:33:52,822 --> 00:33:53,490 〈どう?〉 571 00:33:53,615 --> 00:33:55,700 〈とってもおいしい〉 572 00:33:55,825 --> 00:33:56,826 〈ありがとう〉 573 00:33:56,952 --> 00:33:58,286 〈ここにトリッパ?〉 574 00:33:59,621 --> 00:34:00,330 〈天才だ〉 575 00:34:00,455 --> 00:34:01,248 〈どうも〉 576 00:34:01,373 --> 00:34:02,791 〈ウソじゃない〉 577 00:34:02,916 --> 00:34:03,917 〈ありがとう〉 578 00:34:10,882 --> 00:34:12,175 〈盛りつけを〉 579 00:34:13,343 --> 00:34:14,719 いい香りだ 580 00:34:19,099 --> 00:34:22,477 〈豆とトリッパの ラグーをのせる〉 581 00:34:23,895 --> 00:34:24,938 〈混ぜたいね〉 582 00:34:25,063 --> 00:34:29,776 〈こう盛りつけたら 食べる人が楽しめる〉 583 00:34:38,493 --> 00:34:39,369 気に入った 584 00:34:40,870 --> 00:34:42,706 〈トリッパと豆を——〉 585 00:34:43,748 --> 00:34:46,418 〈一緒に食べると最高だ〉 586 00:34:47,210 --> 00:34:48,420 すごいな 587 00:34:49,170 --> 00:34:52,340 子供の頃から食べてる パスタ・エ・ファジョーリだが 588 00:34:52,465 --> 00:34:54,301 作り方は様々だ 589 00:34:55,218 --> 00:34:59,014 今までで最も 面白い食べ方の1つだよ 590 00:35:00,098 --> 00:35:02,559 本当にすごいよ 591 00:35:03,184 --> 00:35:05,353 〈気に入ってくれた?〉 592 00:35:05,478 --> 00:35:07,105 〈とてもうまいよ〉 593 00:35:10,066 --> 00:35:12,235 食べられなくて残念? 594 00:35:18,742 --> 00:35:20,452 ヴェローナに住む 595 00:35:21,244 --> 00:35:23,288 キアラは勇敢です 596 00:35:23,413 --> 00:35:27,667 古典を更新するのは  時にリスクを伴います 597 00:35:29,169 --> 00:35:33,506 しかしヴェローナには   誰も手を加えないレシピも 598 00:35:41,473 --> 00:35:44,017 1500年前 この町は—— 599 00:35:44,142 --> 00:35:46,978 戦争の最前線にありました 600 00:35:50,065 --> 00:35:52,442 そしてヴェローナの戦いが 601 00:35:52,567 --> 00:35:55,570 ある食材を町に運び込みます 602 00:35:58,156 --> 00:36:03,119 それはこの町の住人全員に 愛されてる食材です 603 00:36:03,244 --> 00:36:06,623 婚約者に出会えて 幸運だったわ 604 00:36:07,123 --> 00:36:09,167 義母がすてきな人で 605 00:36:09,292 --> 00:36:14,714 ヴェローナの伝統料理を 教えてくれたの 606 00:36:14,839 --> 00:36:18,301 ナイジェリアから     移住してきたトレイシーは 607 00:36:18,426 --> 00:36:20,178 受賞歴のあるシェフです 608 00:36:20,303 --> 00:36:21,930 たまらない味なの 609 00:36:22,347 --> 00:36:26,393 ナイジェリアの懐かしい味を 思い出す 610 00:36:26,518 --> 00:36:27,143 本当? 611 00:36:27,268 --> 00:36:32,148 母国でも煮込み料理や トウモロコシをよく食べる 612 00:36:32,607 --> 00:36:34,818 ポレンタみたいなね 613 00:36:34,943 --> 00:36:37,821 義両親に ナイジェリア料理を作ったわ 614 00:36:37,946 --> 00:36:39,781 彼らは気に入ってる? 615 00:36:39,906 --> 00:36:40,949 もちろん 616 00:36:41,074 --> 00:36:45,912 “お互いの国の料理を 味わいましょう〟って 617 00:36:46,746 --> 00:36:50,875 ある日 義母が 心配そうに言ったの 618 00:36:51,000 --> 00:36:55,130 “カタツムリを食べるけど 大丈夫?〟って 619 00:36:55,255 --> 00:37:01,136 私は母国で食べてた カタツムリの写真を見せたわ 620 00:37:01,261 --> 00:37:01,886 本当に? 621 00:37:02,512 --> 00:37:05,765 あの夜 義母の信頼を得たの 622 00:37:06,558 --> 00:37:08,143 いい場所に嫁いだ 623 00:37:08,268 --> 00:37:09,394 そう思う 624 00:37:09,519 --> 00:37:11,104 いいことだよ 625 00:37:11,229 --> 00:37:14,983 “カルロ・アルベルト〟 626 00:37:12,355 --> 00:37:17,485 お義母かあさんの得意料理は 馬肉のパスティッサーダ 627 00:37:17,610 --> 00:37:22,031 馬肉をじっくり煮込んだ シチューです 628 00:37:22,157 --> 00:37:23,450 カルロ 629 00:37:23,575 --> 00:37:24,325 〈どうも〉 630 00:37:24,451 --> 00:37:27,162 〈パスティッサーダを 作るのか?〉 631 00:37:27,287 --> 00:37:28,997 〈そのとおり〉 632 00:37:29,122 --> 00:37:33,543 カルロはヴェローナの  数ある馬肉店の店主です 633 00:37:34,502 --> 00:37:37,672 〈馬肉を食べる文化は 歴史に由来する〉 634 00:37:37,797 --> 00:37:40,884 〈ここはかつて 十字軍の戦場で——〉 635 00:37:41,009 --> 00:37:44,179 〈人々は 馬肉を食べる許可を得た〉 636 00:37:44,304 --> 00:37:48,892 〈戦争で飢えに苦しむ中 死んだ馬がいたので〉 637 00:37:49,017 --> 00:37:50,685 〈調理したんだ〉 638 00:37:50,810 --> 00:37:53,855 〈馬肉は 鉄分豊富だから——〉 639 00:37:53,980 --> 00:37:59,402 〈貧血なら顔色もよくなり 健康的に見える〉 640 00:38:00,612 --> 00:38:02,572 〈お父さんの仕事は?〉 641 00:38:02,697 --> 00:38:05,533 〈父は輓馬ばんばを育ててたよ〉 642 00:38:05,658 --> 00:38:08,453 〈つまり馬肉は 家族の伝統だ〉 643 00:38:08,578 --> 00:38:14,167 〈父は馬に情熱を注ぎ わが子のように育てた〉 644 00:38:14,292 --> 00:38:18,588 〈生きてる馬のほうが好きと 言ってたが——〉 645 00:38:18,713 --> 00:38:24,344 〈家業だから 生活のために 馬肉を食べてたね〉 646 00:38:24,469 --> 00:38:26,429 〈多めにしておく?〉 647 00:38:26,554 --> 00:38:27,555 〈お願い〉 648 00:38:27,680 --> 00:38:29,766 パスティッサーダの意味は? 649 00:38:29,891 --> 00:38:32,477 “じっくり煮込む〟よ 650 00:38:32,602 --> 00:38:34,896 シチューみたいにね 651 00:38:35,021 --> 00:38:36,815 すると馬肉が… 652 00:38:36,940 --> 00:38:38,274 ほろほろに 653 00:38:40,235 --> 00:38:41,611 〈ありがとう〉 654 00:38:41,736 --> 00:38:42,779 〈こちらこそ〉 655 00:38:42,904 --> 00:38:44,864 〈どうもありがとう〉 656 00:38:48,576 --> 00:38:51,037 材料はとても少ないわ 657 00:38:51,162 --> 00:38:55,375 普通は準備に 3日くらいかかるの 658 00:38:55,500 --> 00:39:00,463 初日は玉ねぎやニンジンを 調理するからね 659 00:39:00,588 --> 00:39:02,006 1時間は煮込む 660 00:39:02,382 --> 00:39:07,262 冷蔵庫で1日寝かせて 次の日に2時間煮込み 661 00:39:07,387 --> 00:39:09,973 また冷蔵庫に入れる 662 00:39:11,057 --> 00:39:15,562 コンロで作る場合      それほど時間はかかりません 663 00:39:15,687 --> 00:39:17,647 古代のレシピだよね? 664 00:39:17,772 --> 00:39:18,398 そうよ 665 00:39:18,523 --> 00:39:21,276 野菜の切り方は適当? 666 00:39:21,401 --> 00:39:22,819 溶けるからね 667 00:39:22,944 --> 00:39:24,863 7日間も経てばね 668 00:39:24,988 --> 00:39:27,282 ニンジンは見えない 669 00:39:27,824 --> 00:39:31,828 日曜日には いつもと違うものを食べるの 670 00:39:31,953 --> 00:39:35,123 つまり パスティッサーダの日よ 671 00:39:35,248 --> 00:39:39,127 世界中で 同じような文化があるんだな 672 00:39:39,252 --> 00:39:40,295 ほぼ同じね 673 00:39:40,420 --> 00:39:41,754 ナイジェリアでは 674 00:39:41,880 --> 00:39:45,383 日曜日に上等な服で 教会に行くの 675 00:39:45,508 --> 00:39:48,636 ごちそうでお祝いするのよ 676 00:39:48,761 --> 00:39:50,346 ここでも同じく—— 677 00:39:50,471 --> 00:39:55,602 日曜日は上等な服を着て 最高のワインを飲む 678 00:39:55,727 --> 00:39:57,562 家族の食事なのに 679 00:39:57,687 --> 00:40:00,315 実にイタリアっぽいよね 680 00:40:00,440 --> 00:40:01,357 そのとおり 681 00:40:01,733 --> 00:40:06,279 イタリアで見つけた 最も重要なことの1つは—— 682 00:40:07,030 --> 00:40:09,240 家族同士の強い絆よ 683 00:40:09,365 --> 00:40:10,658 家族がすべて 684 00:40:11,034 --> 00:40:11,701 そうだね 685 00:40:12,285 --> 00:40:14,370 さあ 肉を加えるわ 686 00:40:17,582 --> 00:40:18,708 ワインも 687 00:40:19,167 --> 00:40:20,001 よし 688 00:40:20,126 --> 00:40:22,503 グラス1杯半くらい 689 00:40:26,466 --> 00:40:31,638 死んだ馬を食べた時 どんな味だったのかな 690 00:40:32,472 --> 00:40:35,058 だって戦争で死んだ馬だよ 691 00:40:35,558 --> 00:40:40,605 だから臭みを隠すために スパイスを大量に使うの 692 00:40:41,648 --> 00:40:42,482 シナモン 693 00:40:42,607 --> 00:40:43,316 クローブ? 694 00:40:43,441 --> 00:40:45,360 4つで十分よ 695 00:40:45,485 --> 00:40:47,070 香りが強いから 696 00:40:48,321 --> 00:40:52,033 煮込んでる時の音が 大好きなの 697 00:40:54,202 --> 00:40:55,495 ある種の音楽よ 698 00:40:56,537 --> 00:40:57,914 そうだね 699 00:41:01,376 --> 00:41:05,505 婚約者のサミュエルと 家族が集まりました 700 00:41:07,507 --> 00:41:08,174 どうぞ 701 00:41:08,633 --> 00:41:10,426 こりゃすごい 702 00:41:10,551 --> 00:41:12,512 〈馬肉シチューよ〉 703 00:41:12,637 --> 00:41:13,221 〈いい香り〉 704 00:41:13,346 --> 00:41:14,472 〈召し上がれ〉 705 00:41:14,597 --> 00:41:15,848 まずはお客様に 706 00:41:16,057 --> 00:41:17,100 どうぞ 707 00:41:19,268 --> 00:41:20,311 〈ポレンタも〉 708 00:41:20,436 --> 00:41:21,396 〈ああ〉 709 00:41:21,896 --> 00:41:22,939 〈こちらも〉 710 00:41:24,857 --> 00:41:25,441 〈どうぞ〉 711 00:41:25,566 --> 00:41:26,651 〈ありがとう〉 712 00:41:26,776 --> 00:41:28,403 次は女の人 713 00:41:28,528 --> 00:41:32,657 お義母さんから 最初に教わったレシピは? 714 00:41:33,157 --> 00:41:34,784 〈ニョッキだったわ〉 715 00:41:35,451 --> 00:41:36,869 〈ニョッキか〉 716 00:41:36,995 --> 00:41:39,330 〈手作りニョッキだ〉 717 00:41:39,455 --> 00:41:40,707 それが最初? 718 00:41:40,832 --> 00:41:42,250 ええ そうよ 719 00:41:43,334 --> 00:41:48,715 しかしイタリア人の母親や おばあちゃんたちは 720 00:41:48,840 --> 00:41:52,260 みんなレシピに 秘密があるだろ 721 00:41:52,385 --> 00:41:53,428 そうね 722 00:41:54,137 --> 00:41:56,222 すべて教えてくれた? 723 00:41:56,347 --> 00:41:59,809 ええ 私は 秘密を守れるからね 724 00:42:00,893 --> 00:42:02,979 〈技を習得したの〉 725 00:42:03,104 --> 00:42:04,731 〈ええ そうね〉 726 00:42:04,856 --> 00:42:05,523 信用された? 727 00:42:05,648 --> 00:42:06,649 そのとおり 728 00:42:06,774 --> 00:42:08,192 試さなきゃな 729 00:42:11,362 --> 00:42:15,199 最高だ 気に入った すごくおいしい 730 00:42:15,324 --> 00:42:16,576 〈見事だね〉 731 00:42:17,035 --> 00:42:17,744 〈ああ〉 732 00:42:18,828 --> 00:42:21,789 〈どっちが料理を作るの?〉 733 00:42:21,914 --> 00:42:22,790 〈交代よ〉 734 00:42:22,915 --> 00:42:24,834 〈次は彼女の番〉 735 00:42:24,959 --> 00:42:27,045 〈そうね ありがとう〉 736 00:42:27,795 --> 00:42:28,796 〈彼女はどう?〉 737 00:42:28,921 --> 00:42:32,467 〈いい子よ 勉強熱心だし 気遣いもできる〉 738 00:42:33,593 --> 00:42:34,802 〈とてもいいわ〉 739 00:42:35,845 --> 00:42:38,681 〈自然にやってのけるの〉 740 00:42:39,474 --> 00:42:41,100 〈義母よりも優秀よ〉 741 00:42:42,060 --> 00:42:43,853 そうかい それは… 742 00:42:45,646 --> 00:42:49,734 トレイシーは食の遺産を 受け継ぎましたが—— 743 00:42:50,485 --> 00:42:53,988 この地域は 過去にとらわれてません 744 00:42:56,240 --> 00:42:59,452 大切にしてきたものを 守りながら—— 745 00:42:59,577 --> 00:43:02,455 同時に 進化しているのです 746 00:43:03,956 --> 00:43:07,335 ヴェネトでは 過去の味を楽しみながら 747 00:43:07,460 --> 00:43:11,047 未来の姿も 垣間見ることができます 748 00:43:11,672 --> 00:43:13,633 日本語字幕 長 夏実