1 00:00:09,718 --> 00:00:14,514 最も利口な生き物である 人間とゾウが——     2 00:00:17,684 --> 00:00:20,270 アジアで共存を模索します 3 00:00:26,693 --> 00:00:29,195 人間がゾウに目を光らせ—— 4 00:00:34,492 --> 00:00:37,912 ゾウも人間を見て学びます 5 00:00:41,875 --> 00:00:46,838 適応の達人 アジアゾウは 人間の流儀を学び     6 00:00:47,714 --> 00:00:52,552 我々 人間はゾウの     秘密を知ろうとしています 7 00:00:52,719 --> 00:00:58,266 神秘なるゾウの 愛と知性の物語 8 00:00:59,267 --> 00:01:05,106 アジア 9 00:01:21,581 --> 00:01:26,669 ボルネオ島 10 00:01:26,795 --> 00:01:30,799 最終氷期より       はるか昔の200万年以上前 11 00:01:31,257 --> 00:01:35,929 ゾウは新たな地を求め アフリカを去りました 12 00:01:37,931 --> 00:01:40,183 古代の旅人たちは—— 13 00:01:40,308 --> 00:01:44,270 南アジアのほぼ全域に 散らばりました    14 00:01:47,607 --> 00:01:52,153 ポーラ・カフンブ博士は    キナバタンガン川に行き——  15 00:01:52,654 --> 00:01:56,324 最も小柄で希少なゾウを 探します        16 00:02:02,413 --> 00:02:05,834 博士はサバンナゾウの 専門家ですが     17 00:02:06,209 --> 00:02:11,047 ピグミーと呼ばれる ボルネオゾウが——  18 00:02:11,422 --> 00:02:15,218 急変する環境に      どう適応するか観察します 19 00:02:21,683 --> 00:02:24,602 あそこに足跡がある 見て 20 00:02:27,939 --> 00:02:30,191 彼らの声が聞こえる 21 00:02:34,612 --> 00:02:39,659 ボルネオゾウは謎が多く あまり研究されてない  22 00:02:39,826 --> 00:02:45,540 外見 特性 生息地など 珍しい点が多いわ   23 00:02:54,632 --> 00:02:59,387 川からは          未開の熱帯雨林しか見えない 24 00:03:04,642 --> 00:03:06,394 でも実際には—— 25 00:03:06,853 --> 00:03:12,859 森に数メートル入るだけで パーム油の農場が現れる  26 00:03:15,695 --> 00:03:18,656 それも見渡す限りの農場よ 27 00:03:21,659 --> 00:03:24,662 パーム油の用途は多様で—— 28 00:03:24,787 --> 00:03:29,292 アイスクリームや歯磨き粉 洗剤などに使います    29 00:03:29,542 --> 00:03:34,631 安価に作れますが      代償を払うのは野生動物です 30 00:03:35,840 --> 00:03:40,011 オランウータンなどが 森林破壊により——   31 00:03:40,511 --> 00:03:43,306 絶滅の危機にひんしています 32 00:03:44,557 --> 00:03:47,310 ボルネオゾウも同様で—— 33 00:03:48,019 --> 00:03:51,314 残っている個体数は たった1500頭    34 00:03:53,024 --> 00:03:55,860 移動できる道が減少し—— 35 00:03:56,069 --> 00:04:00,448 今では川岸を      通らなければなりません 36 00:04:04,953 --> 00:04:08,998 食料を求め      川を泳いで渡るのです 37 00:04:14,420 --> 00:04:18,591 森の奥で         トランペット音が聞こえた 38 00:04:21,386 --> 00:04:23,972 あそこに現れたわ 39 00:04:27,350 --> 00:04:29,352 川に来たのね 40 00:04:37,860 --> 00:04:40,405 周りを囲まれたみたい 41 00:04:51,624 --> 00:04:55,628 ワクワクするわ      そこにも あそこにもいるの 42 00:04:55,753 --> 00:04:57,630 川を渡ってる 43 00:04:59,716 --> 00:05:01,175 信じられない 44 00:05:01,384 --> 00:05:04,304 めったに見られないゾウよ 45 00:05:09,642 --> 00:05:13,354 どうやら数家族が集まってる 46 00:05:13,479 --> 00:05:16,649 大集団で川を渡るのね 47 00:05:21,738 --> 00:05:24,115 30頭以上はいる 48 00:05:30,788 --> 00:05:34,834 赤ん坊も完全に潜り込んだわ 49 00:05:43,217 --> 00:05:47,096 斑点ができた   ピンクの皮膚は—— 50 00:05:47,513 --> 00:05:49,891 色素脱失によるものよ 51 00:05:53,811 --> 00:05:58,733 鼻先の突起は       アフリカゾウは2つだけど 52 00:05:58,858 --> 00:06:01,027 ボルネオゾウは1つ 53 00:06:30,473 --> 00:06:33,768 森林の半分が    すでに破壊され——  54 00:06:34,227 --> 00:06:38,398 残りの土地も     急激に減少しています 55 00:06:44,195 --> 00:06:47,907 ボルネオゾウは     適応するしかありません 56 00:06:52,328 --> 00:06:56,624 たとえ本能に    逆らうとしてもです 57 00:07:02,755 --> 00:07:07,093 森林には別世界から  持ち込まれた音が——  58 00:07:07,593 --> 00:07:09,095 響き渡ります 59 00:07:16,477 --> 00:07:20,731 古いヤシの木が     切り倒される機会を——  60 00:07:21,816 --> 00:07:24,944 ゾウは絶対に逃しません 61 00:07:29,365 --> 00:07:34,287 機械の音がすると すぐに動き出すわ 62 00:07:34,412 --> 00:07:37,540 トランペット音を出し 駆けつける      63 00:07:37,665 --> 00:07:39,500 まるで条件反射よ 64 00:07:41,919 --> 00:07:45,339 そして急いで草木を食べる 65 00:07:49,135 --> 00:07:53,181 目と鼻の先で     伐採が行われてるのに 66 00:07:53,306 --> 00:07:54,557 驚きだわ 67 00:08:04,692 --> 00:08:07,403 ヤシの新芽は甘く—— 68 00:08:07,945 --> 00:08:10,907 栄養が豊富なの 69 00:08:30,009 --> 00:08:32,845 鳴き声が大きいから—— 70 00:08:33,721 --> 00:08:36,057 重機の音がしても伝わる 71 00:08:47,902 --> 00:08:54,325 騒がしい作業場のすぐそばに ゾウがいる光景は——     72 00:08:54,492 --> 00:08:58,621 奇妙という言葉では 片づけられない   73 00:08:58,746 --> 00:09:02,708 野性を捨てたことは 悲劇でもある    74 00:09:06,921 --> 00:09:13,094 赤ん坊は母親と行動を共にし すべてを見て学ぶため——   75 00:09:13,261 --> 00:09:18,266 機械の音は食料を意味すると 分かるでしょう       76 00:09:29,110 --> 00:09:32,363 彼らは適応能力に優れてるわ 77 00:09:32,488 --> 00:09:35,408 人間の存在や  危険性に加え—— 78 00:09:35,533 --> 00:09:38,995 環境の変化にも適応できる 79 00:09:41,414 --> 00:09:46,627 ゾウは人間と同等か  それ以上に賢い動物よ 80 00:09:58,556 --> 00:10:01,392 アジアゾウと    アフリカゾウは——  81 00:10:01,559 --> 00:10:05,688 人間とチンパンジーほど 違いがあります     82 00:10:08,733 --> 00:10:11,652 アジアゾウは   世界最小のゾウで 83 00:10:11,777 --> 00:10:15,489 短い鼻と長い尾が特徴です 84 00:10:21,037 --> 00:10:25,750 しかし哺乳類の中で   最大の脳を持っています 85 00:10:30,254 --> 00:10:36,427 人間との接触が増えると   高い知能が非常に役立ちます 86 00:10:43,643 --> 00:10:49,023 スリランカ 87 00:10:55,738 --> 00:10:59,742 このオスは多くの変化を 見てきました      88 00:11:04,830 --> 00:11:07,124 怒るのは当然です 89 00:11:11,504 --> 00:11:14,674 彼の世界が     一変したのですから 90 00:11:17,218 --> 00:11:21,555 子供の頃         周りの土地は遊び場でした 91 00:11:23,057 --> 00:11:24,558 食料もありました 92 00:11:29,146 --> 00:11:31,273 今は中に入れません 93 00:11:33,484 --> 00:11:37,196 電気柵は危険だと 承知しています  94 00:11:38,155 --> 00:11:42,702 感電し 時には      命を落とすことになると 95 00:11:48,666 --> 00:11:52,878 しかし目当ての果物は この先にあります   96 00:12:01,637 --> 00:12:06,308 そこで彼は闇夜に紛れ 戻ることにしました  97 00:12:11,355 --> 00:12:13,274 特殊カメラの映像に—— 98 00:12:14,859 --> 00:12:17,278 その行動が映っています 99 00:12:27,538 --> 00:12:30,708 夜目よめに代わる能力があります 100 00:12:42,136 --> 00:12:44,680 非常に鋭い嗅覚きゅうかくです 101 00:12:45,473 --> 00:12:50,394 盲目のゾウが率いる群れも 見つかっています     102 00:13:03,783 --> 00:13:05,910 慎重な頭脳派です 103 00:13:11,457 --> 00:13:14,668 オスは時に単独で行動します 104 00:13:17,838 --> 00:13:21,550 しかし生息地の3分の2を 失った今は…       105 00:13:25,596 --> 00:13:27,014 団結するのです 106 00:13:33,521 --> 00:13:36,232 人間から身を守るため 107 00:13:42,196 --> 00:13:43,989 そして食料のために 108 00:13:52,957 --> 00:13:58,128 ゾウたちが考えた方法は かなり危険ですが——   109 00:14:00,965 --> 00:14:03,634 まさに驚くべきものです 110 00:14:23,279 --> 00:14:26,198 道具を使う動物は まれです 111 00:14:27,074 --> 00:14:30,494 しかし彼は学んでいるのです 112 00:14:30,786 --> 00:14:34,540 電線を木で押さえて 感電を逃れます   113 00:15:00,190 --> 00:15:03,444 進入した後は   静かに行動します 114 00:15:08,616 --> 00:15:12,369 声も出さず    耳も動かしません 115 00:15:17,374 --> 00:15:21,045 大きな足の裏は  まるで緩衝材です 116 00:15:23,339 --> 00:15:27,468 5トンのゾウが   通り過ぎていきます 117 00:15:30,721 --> 00:15:33,140 物音ひとつ立てずに 118 00:15:44,360 --> 00:15:48,781 苦労して手に入れた果物を 味わいます        119 00:16:25,901 --> 00:16:29,113 幸い今夜は爆竹だけでした 120 00:16:38,914 --> 00:16:43,794 スリランカでは毒や爆発物 危険な障害物により——   121 00:16:43,919 --> 00:16:47,673 年間 約300頭のゾウが 殺されています    122 00:17:10,696 --> 00:17:14,533 新しい道路や田畑   居住地が開発され——  123 00:17:14,825 --> 00:17:17,703 ゾウとの遭遇が増えています 124 00:17:17,870 --> 00:17:23,917 “ゾウの横断注意〟 125 00:17:18,370 --> 00:17:21,457 東南アジアで     開発される面積は——  126 00:17:21,582 --> 00:17:25,044 年間1万5000平方キロに 及びます        127 00:17:27,796 --> 00:17:32,009 ゾウは人間の世界へ 追いやられたのです 128 00:17:37,056 --> 00:17:40,559 生き抜くために    人間の行動を学び——  129 00:17:41,685 --> 00:17:45,814 自分たちのために 役立てています  130 00:17:52,154 --> 00:17:57,367 タイ 131 00:18:02,498 --> 00:18:05,292 タイの3259号線は—— 132 00:18:06,293 --> 00:18:09,004 サトウキビの輸送道路です 133 00:18:14,384 --> 00:18:18,680 多くの農場主が   精製所へ向かいます 134 00:18:35,405 --> 00:18:38,867 しかし通行料を 取られるのです 135 00:18:49,294 --> 00:18:52,464  地元民は彼を   “ボス〟と呼びます 136 00:18:56,510 --> 00:18:59,763 そして ここは  彼の縄張りです 137 00:19:02,307 --> 00:19:04,726 ベテランの交渉人です 138 00:19:05,060 --> 00:19:07,688 リスクとリターンを 計算し——      139 00:19:09,481 --> 00:19:11,525 相応の見返りを得ます 140 00:19:20,826 --> 00:19:26,165 配達中のトラックが来ると ボスは嗅覚で察知します  141 00:19:34,548 --> 00:19:38,886 ニオイだけで       積み荷の量が分かるのです 142 00:19:49,771 --> 00:19:53,442 目当ては         最大の荷物を運ぶトラック 143 00:20:04,494 --> 00:20:06,788 徴収に取りかかります 144 00:20:28,018 --> 00:20:32,522 約80キロのサトウキビで—— 145 00:20:32,856 --> 00:20:37,778 1日に必要な        7万キロカロリーを補えます 146 00:20:52,125 --> 00:20:56,296 しかしボスは    独りではありません 147 00:21:02,427 --> 00:21:04,888 若いオスを連れています 148 00:21:06,014 --> 00:21:09,559 子分に手本を示すためです 149 00:21:29,454 --> 00:21:31,957 ボスのやり方を観察します 150 00:21:33,667 --> 00:21:39,589 欲張らなければ問題ないと ボスは心得ています    151 00:21:46,221 --> 00:21:48,098 その代わり—— 152 00:21:48,223 --> 00:21:52,936 農場主のサトウキビ畑には 近寄りません       153 00:22:05,157 --> 00:22:08,243 人間を観察し     知識を得ることは——  154 00:22:08,368 --> 00:22:14,291 開発が進む地を       生き抜くのに役立っています 155 00:22:22,507 --> 00:22:24,760 しかしゾウの未来は—— 156 00:22:24,885 --> 00:22:30,390 人間が彼らを個別に     理解できるかによるでしょう 157 00:22:55,082 --> 00:23:00,420 ボルネオ島 158 00:22:55,540 --> 00:22:58,710 人間とゾウの衝突を 減らそうと——    159 00:22:58,835 --> 00:23:04,007 積極的に取り組む地域を   カフンブ博士は見てきました 160 00:23:04,841 --> 00:23:10,097 ボルネオ島でも同じ試みが 行われているかを探ります 161 00:23:13,183 --> 00:23:18,647 この地にアジアゾウが まだいることが奇跡よ 162 00:23:20,774 --> 00:23:22,109 開発により—— 163 00:23:22,192 --> 00:23:25,946 人が利用する土地へと 変化した       164 00:23:28,907 --> 00:23:35,080 多くの状況で人間とゾウが 接触していると感じるわ  165 00:23:43,755 --> 00:23:48,677 問題は危害を加えた人間を ゾウが忘れないこと    166 00:23:49,219 --> 00:23:53,598 攻撃性が高まれば  人を襲うこともある 167 00:23:53,807 --> 00:23:57,102 双方が命を落としかねない 168 00:24:01,440 --> 00:24:05,360 ボルネオ島の生物学者 オスマン博士です   169 00:24:05,485 --> 00:24:07,612 ゾウと親しくなれば—— 170 00:24:07,737 --> 00:24:12,200 新たな理解が得られると 信じています      171 00:24:16,705 --> 00:24:20,167 ボルネオゾウを 初めて見た時—— 172 00:24:20,625 --> 00:24:24,588 強い絆を感じたのを 覚えてるわ     173 00:24:26,840 --> 00:24:30,093 それで代弁者になろうと 決めたの        174 00:24:32,512 --> 00:24:34,556 彼女はイマーン 175 00:24:35,807 --> 00:24:37,559 “信頼〟という意味よ 176 00:24:38,477 --> 00:24:41,021 いつも群れで行動してる 177 00:24:49,905 --> 00:24:53,909 でも今日は1頭で 水浴びみたいね  178 00:24:54,034 --> 00:24:55,744 楽しんでるわ 179 00:25:13,053 --> 00:25:17,432 オスマン博士は    独自のアプローチで—— 180 00:25:17,849 --> 00:25:23,396 近隣に住む人々と     ゾウの仲を取り持ってるわ 181 00:25:34,074 --> 00:25:37,827 1頭1頭を知っていけば—— 182 00:25:37,953 --> 00:25:42,707 どの子が怒りっぽいか 分かるでしょ     183 00:25:50,382 --> 00:25:52,968 そしたら地域の人に—— 184 00:25:53,093 --> 00:25:57,222 ゾウの性格や行動を伝えるの 185 00:25:57,347 --> 00:26:00,809 そうすれば    近くに来た時も—— 186 00:26:00,976 --> 00:26:04,604 慌てずに備えることができる 187 00:26:13,238 --> 00:26:17,909 合図を理解すれば 事故を防げるわ  188 00:26:18,076 --> 00:26:20,412 ゾウが人に慣れれば—— 189 00:26:20,537 --> 00:26:25,500 観察しても 近づいても 嫌がられなくなる   190 00:26:27,335 --> 00:26:30,880 地域の人がゾウを知ることが 重要だと——         191 00:26:31,006 --> 00:26:34,009 博士の活動が証明してるわ 192 00:26:39,848 --> 00:26:44,311 動物と人間 両方の要求が 分かる人が要る     193 00:26:59,951 --> 00:27:04,456 彼女のおかげで      住民はゾウの認識を改め—— 194 00:27:05,206 --> 00:27:06,916 今では協力的よ 195 00:27:09,711 --> 00:27:13,840 共存の恩恵は両者にあるわ 196 00:27:22,140 --> 00:27:29,522 インド 197 00:27:40,241 --> 00:27:44,579 互いをよく理解し  土地を分かち合えば 198 00:27:44,829 --> 00:27:49,250 ゾウと人間の生活は   より良いものになります 199 00:27:49,376 --> 00:27:51,586 すばらしいことです 200 00:28:03,348 --> 00:28:09,688 アジアゾウは西ガーツ山脈を 何万年も歩いてきました   201 00:28:12,148 --> 00:28:17,028 代々 受け継がれた道を たどるのです      202 00:28:18,571 --> 00:28:24,828 季節に応じ 最長250キロ先の 餌場を目指します      203 00:28:28,915 --> 00:28:34,129 しかし この長旅で     得られる食料はわずかです 204 00:28:37,966 --> 00:28:39,759 かつての森林は—— 205 00:28:39,968 --> 00:28:43,930 今や ほとんどが  農地になりました 206 00:28:50,687 --> 00:28:55,734 温暖で湿気の多い空気は お茶の栽培に最適です  207 00:28:59,446 --> 00:29:03,032 しかしゾウにとって 緑豊かな丘は——   208 00:29:03,867 --> 00:29:06,327 まるで緑の砂漠です 209 00:29:12,792 --> 00:29:18,339 茶の木は毒素を含むため  苦くて食欲をそそりません 210 00:29:22,844 --> 00:29:24,971 ゾウたちは空腹です 211 00:29:26,973 --> 00:29:32,187 食料を求め 破壊行為に 及ぶこともあります   212 00:29:46,117 --> 00:29:48,787 ついに農家が気づきます 213 00:30:01,049 --> 00:30:03,843 農家たちは決意しました 214 00:30:10,809 --> 00:30:13,978 かなり大胆な決定です 215 00:30:17,398 --> 00:30:22,487 雑草を駆除する      除草剤の使用をやめました 216 00:30:31,454 --> 00:30:36,876 ボランティアで働く    巨大な庭師に任せたのです 217 00:30:40,380 --> 00:30:43,508 ゾウは雑草を     食べるだけでなく——  218 00:30:44,676 --> 00:30:48,680 栄養価が高い肥料を 残していきます   219 00:30:51,641 --> 00:30:56,604 農薬を使わず       自然に雑草を除去するため 220 00:30:56,896 --> 00:31:01,526 この農家のお茶は  100%オーガニック 221 00:31:02,443 --> 00:31:05,363 しかもゾウに優しいのです 222 00:31:07,490 --> 00:31:11,202 ゾウが待望の休憩を 取っています    223 00:31:17,792 --> 00:31:20,211 そして再び燃料を補給 224 00:31:32,682 --> 00:31:34,350 協力することで—— 225 00:31:36,102 --> 00:31:37,770 誰もが得をします 226 00:31:49,282 --> 00:31:50,700 満腹のゾウは—— 227 00:31:50,825 --> 00:31:56,247 この長い移動の      最終行程に向け出発します 228 00:32:07,342 --> 00:32:11,930 多くのゾウの目的地は カビニ森林です    229 00:32:29,572 --> 00:32:32,659 約650平方キロメートルの 保護区で——        230 00:32:34,911 --> 00:32:38,706 インドで屈指の    野生動物の生息地です 231 00:33:01,688 --> 00:33:05,984 毎年 この氾濫はんらん原の下流で ダムを放流します     232 00:33:07,360 --> 00:33:11,572 すると川の水が引き 2ヵ月間は——    233 00:33:13,408 --> 00:33:15,493 草原が出現します 234 00:33:17,620 --> 00:33:21,833 人間が作り出した ゾウの理想郷です 235 00:33:30,341 --> 00:33:34,679 年に一度        長い移動の終着点で——  236 00:33:34,804 --> 00:33:37,807 安心して集結できるのです 237 00:33:41,602 --> 00:33:43,980 旧友との親交を温める者 238 00:33:50,153 --> 00:33:52,405 新たな友ができた者 239 00:33:58,453 --> 00:34:01,080 人間によって作られた空間 240 00:34:04,542 --> 00:34:08,588 そこはゾウが待ち望んだ 憩いの場です      241 00:34:19,932 --> 00:34:22,560 人間とゾウは共に進化した 242 00:34:28,858 --> 00:34:32,111 彼らを見た瞬間 そう感じる 243 00:34:39,035 --> 00:34:41,162 そして直感で—— 244 00:34:41,454 --> 00:34:45,500 うなり声や        トランペット音が分かるわ 245 00:34:56,427 --> 00:35:01,099 共存の道を探り      森林のゾウを保全すれば—— 246 00:35:03,601 --> 00:35:08,481 人間も古い文化や伝統を 維持できる       247 00:35:11,692 --> 00:35:15,029 人に気づきを与える 動物だからね    248 00:35:56,612 --> 00:35:58,614 日本版字幕 池ヶ谷 哲子