1 00:00:20,563 --> 00:00:22,774 私はスタン・リー 2 00:00:22,899 --> 00:00:28,237 マーベル・コミックス・グループの 編集長です 3 00:00:28,946 --> 00:00:32,075 コミックは ここ25年で—— 4 00:00:32,200 --> 00:00:36,370 かつてないほど 大きなビジネスになりました 5 00:00:36,746 --> 00:00:40,416 この状況の中 我々のグループは—— 6 00:00:40,541 --> 00:00:46,798 コミックの月間販売部数で 業界トップを維持しています 7 00:00:47,340 --> 00:00:53,054 我々が描くスーパーヒーローは リアルな人間であり 8 00:00:53,179 --> 00:00:58,434 他社のコミックに登場する ヒーローとは一線を画します 9 00:00:58,559 --> 00:01:01,771 だから ずば抜けて人気なのです 10 00:01:07,026 --> 00:01:11,322 私たち一人一人を 作り上げるのは 11 00:01:11,739 --> 00:01:14,325 人生のあらゆる体験だ 12 00:01:14,909 --> 00:01:18,329 私は それらを思い出して—— 13 00:01:19,622 --> 00:01:22,250 ストーリーに盛り込む 14 00:01:26,504 --> 00:01:30,758 ある日 新しいヒーローを 考えていた時—— 15 00:01:31,551 --> 00:01:34,846 ハエが壁を這はい回っていた 16 00:01:38,641 --> 00:01:41,769 それを見て思いついたのは 17 00:01:41,894 --> 00:01:45,523 虫のように壁を伝うヒーロー 18 00:01:47,024 --> 00:01:50,236 {\an8}“クモにかまれた!〟 19 00:01:47,775 --> 00:01:53,531 どんな読者も共感できる ヒーローにしようと思った 20 00:01:55,324 --> 00:01:58,744 超人的な力を 持っていながら—— 21 00:01:58,870 --> 00:02:02,957 家計や恋愛のことも 心配するんだ 22 00:02:05,334 --> 00:02:10,923 目指したのは 自分が 読みたいと思うコミックで 23 00:02:10,339 --> 00:02:13,801 {\an8}“欠点のある スーパーヒーロー?〟 24 00:02:11,048 --> 00:02:13,801 流行に逆らうこともある 25 00:02:13,926 --> 00:02:17,221 {\an8}“コミックが 生まれ変わる〟 26 00:02:16,012 --> 00:02:20,266 大事なのは粘り強さだと思うよ 27 00:02:20,641 --> 00:02:23,394 これだと思ったら諦めない 28 00:02:24,729 --> 00:02:28,524 そうやって 取り組み続ければ—— 29 00:02:29,859 --> 00:02:32,528 いつか認めてもらえる 30 00:02:30,568 --> 00:02:33,654 “「アベンジャーズ」 ワールドプレミア〟 31 00:02:37,742 --> 00:02:42,830 ニューヨーク市 32 00:02:42,955 --> 00:02:48,461 1922年 33 00:02:54,967 --> 00:02:58,971 スタン・リー 34 00:03:09,732 --> 00:03:12,026 1922年12月28日 35 00:03:12,151 --> 00:03:16,572 私にとって とても重要な日だ 36 00:03:17,573 --> 00:03:19,450 その日 私は—— 37 00:03:20,243 --> 00:03:25,581 マンハッタンの ウェストエンド街で生まれた 38 00:03:27,291 --> 00:03:30,962 名前はスタンリー・ マーティン・リーバー 39 00:03:32,630 --> 00:03:36,467 両親は東ヨーロッパから ニューヨークへ来た 40 00:03:36,968 --> 00:03:39,720 私の写真を撮るのが好きで 41 00:03:39,845 --> 00:03:45,810 近所の人に お金を払って カメラを借りてたんだ 42 00:03:46,102 --> 00:03:50,022 その家のポニーにも 乗せてもらったよ 43 00:03:50,273 --> 00:03:54,110 だからポニーとの写真が たくさんあった 44 00:03:54,694 --> 00:04:00,116 私が生まれた9年後に 弟のラリーが誕生した 45 00:04:00,241 --> 00:04:04,578 すごくいい子だが 9歳も離れてたので 46 00:04:04,954 --> 00:04:08,040 それほど一緒に遊べなかった 47 00:04:08,666 --> 00:04:12,044 私は本を読むのが大好きで 48 00:04:12,169 --> 00:04:15,214 気づけば いつも読書してたよ 49 00:04:16,090 --> 00:04:17,466 “シャーロック・ホームズ〟 50 00:04:17,591 --> 00:04:20,303 “ターザン〟 “ハーディ・ボーイズ〟 51 00:04:20,428 --> 00:04:23,264 “アーサー王物語〟 “オデュッセイア〟など 52 00:04:23,389 --> 00:04:25,599 手当たり次第に読んだ 53 00:04:25,891 --> 00:04:30,521 読むものがないと ケチャップのラベルも読んだよ 54 00:04:33,482 --> 00:04:36,569 大恐慌のさなかで 家は貧しかった 55 00:04:37,903 --> 00:04:40,489 だが欲しかった自転車を—— 56 00:04:41,615 --> 00:04:46,620 両親が お金をかき集めて 買ってくれたんだ 57 00:04:47,830 --> 00:04:52,126 自転車に乗れば どこにでも自由に行ける 58 00:04:53,169 --> 00:04:55,296 そんな気がしたよ 59 00:05:18,986 --> 00:05:23,866 よく映画に行って エロール・フリンの出演作を見た 60 00:05:25,201 --> 00:05:28,371 ロビンフッドや 海賊ブラッドなど 61 00:05:28,704 --> 00:05:30,831 いつもヒーロー役だ 62 00:05:32,917 --> 00:05:35,044 私の憧れだったよ 63 00:05:39,548 --> 00:05:42,635 映画館を出ると自転車に乗り 64 00:05:42,760 --> 00:05:48,140 ハドソン川に架かる ジョージ・ワシントン橋を渡った 65 00:05:48,265 --> 00:05:53,396 橋を駆け抜けると 勝ち誇った気分になれて 66 00:05:53,854 --> 00:05:57,608 いつか大物になってやると 思ったんだ 67 00:06:01,028 --> 00:06:02,822 お届けするのは—— 68 00:06:02,947 --> 00:06:07,785 エドガー・ライス・バローズの “ターザン〟の続きです 69 00:06:08,035 --> 00:06:10,746 超人的な身体能力で... 70 00:06:10,871 --> 00:06:14,917 父は いい人だったが 職に困っていた 71 00:06:15,292 --> 00:06:20,256 裁断をなりわいとしていたが 仕事が激減し—— 72 00:06:20,381 --> 00:06:23,217 無職の時が多かったんだ 73 00:06:24,593 --> 00:06:26,512 覚えてるのは—— 74 00:06:26,637 --> 00:06:30,599 家で新聞の求人広告を 眺めてる姿 75 00:06:31,392 --> 00:06:35,229 そんな父のことを いつも哀れに思った 76 00:06:35,604 --> 00:06:39,650 家庭に必要なお金を 入れられないのは 77 00:06:39,775 --> 00:06:42,278 すごくつらかっただろう 78 00:06:43,112 --> 00:06:48,075 私にとって 安定した いい職に就くのは 79 00:06:48,200 --> 00:06:51,620 人として最高の成功だと思えた 80 00:06:51,745 --> 00:06:54,874 父の苦労を見てきたからね 81 00:06:56,250 --> 00:07:00,045 だから私は早くから働き始めた 82 00:07:00,754 --> 00:07:03,215 見つけた仕事は—— 83 00:07:03,340 --> 00:07:07,845 大手ズボン製造業者の雑用係だ 84 00:07:07,970 --> 00:07:12,141 セールスマンが大勢いて 水が欲しい時や—— 85 00:07:12,266 --> 00:07:16,770 鉛筆を削ってほしい時に “小僧!〟と呼ぶ 86 00:07:17,354 --> 00:07:20,357 そして近い者が駆けつける 87 00:07:20,608 --> 00:07:25,779 一度も名前を覚えてもらえず 腹が立ったね 88 00:07:27,072 --> 00:07:32,786 クリスマスの1週間前に 解雇されたのも頭にきた 89 00:07:33,496 --> 00:07:36,165 だが クビにならなければ—— 90 00:07:36,665 --> 00:07:41,545 一生 ズボン製造業に 従事してたかもしれない 91 00:07:45,549 --> 00:07:48,093 人々が預金を引き出そうと... 92 00:07:47,134 --> 00:07:48,093 {\an8}“失業中〟 93 00:07:49,303 --> 00:07:50,888 オーエンスが再び金メダル 94 00:07:51,013 --> 00:07:52,556 何てひどい 95 00:07:54,016 --> 00:07:57,436 {\an8}1939年 96 00:08:01,106 --> 00:08:04,026 私は執筆が好きだった 97 00:08:04,151 --> 00:08:09,490 外出する時は 物書きだと思われたくて—— 98 00:08:09,615 --> 00:08:14,870 小さなブリーフケースを 持ち歩いてたんだよ 99 00:08:16,121 --> 00:08:20,626 高校を卒業した時 出版社に勤務するおじから 100 00:08:20,751 --> 00:08:24,338 助手を探していると聞いた 101 00:08:25,047 --> 00:08:28,509 応募しようと行ってみると—— 102 00:08:29,843 --> 00:08:35,349 そこではコミックも 出版していることを知ったんだ 103 00:08:33,722 --> 00:08:36,016 {\an8}“タイムリー・ コミックス〟 104 00:08:35,474 --> 00:08:37,935 私は雑用係として雇われ 105 00:08:38,060 --> 00:08:41,397 原稿の校正や インクの補充をした 106 00:08:39,186 --> 00:08:41,397 {\an8}“スタン・リー 第3助手 雑用係〟 107 00:08:43,524 --> 00:08:48,946 こうして思いがけず コミック業界で働き始めたんだ 108 00:08:50,155 --> 00:08:54,493 社員はジョー・サイモンと ジャック・カービー 109 00:08:54,743 --> 00:08:59,790 編集長のジョーは 大きな葉巻をふかしながら 110 00:08:59,915 --> 00:09:05,045 とても低い声で話す 魅力的な人だった 111 00:09:05,170 --> 00:09:10,009 ジャックは猫背で アートワークを担当していた 112 00:09:10,843 --> 00:09:13,596 スタンは まだ17歳だったので 113 00:09:10,843 --> 00:09:15,347 {\an8}ジョー・サイモンの声 114 00:09:13,846 --> 00:09:17,182 いろいろ使い走りを 頼んだよ 115 00:09:17,308 --> 00:09:20,185 コーヒーを 買ってくるとかね 116 00:09:20,728 --> 00:09:23,564 ジャックに “インクを補充する?〟 117 00:09:23,689 --> 00:09:25,941 “絵筆は?〟と 質問を浴びせると—— 118 00:09:26,442 --> 00:09:30,946 しばらく怒鳴られるのが お決まりだった 119 00:09:32,239 --> 00:09:35,367 スタンが ジャックを怒らせるんだ 120 00:09:35,618 --> 00:09:38,579 ピッコロなどの楽器を持ってて 121 00:09:38,704 --> 00:09:43,167 しょっちゅう吹くから “静かに〟と怒られる 122 00:09:43,292 --> 00:09:46,003 それでも吹き続けるんだ 123 00:09:47,713 --> 00:09:50,132 作品は“ヒューマン・トーチ〟や “サブマリナー〟 124 00:09:50,257 --> 00:09:52,509 “パトリオット〟や “エンジェル〟 125 00:09:52,635 --> 00:09:54,178 “デストロイヤー〟など 126 00:09:52,635 --> 00:09:56,388 {\an8}“ミスティーク・ コミックス〟 127 00:09:54,553 --> 00:09:58,599 そして目玉は “キャプテン・アメリカ〟だ 128 00:09:59,475 --> 00:10:05,648 我々の作品は当初から 世界情勢の影響を受けていた 129 00:10:06,231 --> 00:10:09,068 ジョーとジャックは—— 130 00:10:09,193 --> 00:10:13,030 キャプテン・アメリカが ナチスと戦うストーリーを 131 00:10:13,155 --> 00:10:16,659 アメリカの参戦前に 描いてたんだ 132 00:10:17,409 --> 00:10:20,496 キャプテン・アメリカが 生まれたのは 133 00:10:17,409 --> 00:10:23,415 {\an8}ジャック・カービーの声 134 00:10:20,621 --> 00:10:24,708 当時 愛国心の高まりが 見られたからだ 135 00:10:24,833 --> 00:10:28,337 戦争の兆しが 強まってきたので—— 136 00:10:29,088 --> 00:10:32,424 愛国的なヒーローを 登場させた 137 00:10:34,927 --> 00:10:37,596 私が入社したのは1939年 138 00:10:38,347 --> 00:10:43,519 狭いオフィスでは ジャックとジョーが大忙し 139 00:10:43,644 --> 00:10:46,230 “ストーリーを書けるか?〟 と聞かれ 140 00:10:46,355 --> 00:10:49,566 16歳の私は 二つ返事で引き受けた 141 00:10:55,864 --> 00:10:57,741 コミックの仕事は—— 142 00:10:57,866 --> 00:11:02,079 経験のために少しだけ やるつもりだった 143 00:11:02,204 --> 00:11:07,918 いずれアメリカを代表する 小説家になりたくてね 144 00:11:08,544 --> 00:11:14,133 コミックは好きだったが 重要な本とは思ってなかった 145 00:11:14,883 --> 00:11:18,303 “くだらないコミックには 本名ではなく——〟 146 00:11:18,429 --> 00:11:21,014 “ペンネームを使おう〟と 147 00:11:21,473 --> 00:11:23,559 {\an8}“作・・スタン・リー〟 148 00:11:23,684 --> 00:11:27,271 そこで“スタンリー〟を 半分に分けて 149 00:11:27,396 --> 00:11:29,148 “スタン・リー〟とした 150 00:11:29,648 --> 00:11:31,817 初めて書いた作品は—— 151 00:11:31,942 --> 00:11:35,112 “キャプテン・アメリカ 裏切り者の復讐を阻止〟 152 00:11:36,488 --> 00:11:39,575 そのうち私は本名ではなく 153 00:11:39,742 --> 00:11:43,120 スタン・リーとして知れ渡った 154 00:11:44,246 --> 00:11:46,999 自分の分身がいる感じだったよ 155 00:11:49,918 --> 00:11:52,921 {\an8}“作・・スタン・リー〟 156 00:11:55,799 --> 00:11:56,925 “市民ケーン〟 157 00:12:00,512 --> 00:12:03,098 ヤンキースが優勝です 158 00:12:03,515 --> 00:12:06,351 {\an8}1941年 159 00:12:07,644 --> 00:12:11,273 その後 ジョーとジャックが 会社を去った 160 00:12:11,398 --> 00:12:14,902 発行者の目に留まったのは—— 161 00:12:15,027 --> 00:12:19,490 ほうきを持ち タイプライターを打ってた私だ 162 00:12:19,782 --> 00:12:22,201 “他のスタッフは?〟 163 00:12:22,326 --> 00:12:23,368 “私一人です〟 164 00:12:23,744 --> 00:12:29,082 “誰かが見つかるまで 編集を頼む〟と言われ—— 165 00:12:29,583 --> 00:12:31,084 私は引き受けた 166 00:12:31,210 --> 00:12:34,963 発行者が誰かを探す一方で 167 00:12:35,088 --> 00:12:38,634 私は臨時編集長になったんだ 168 00:12:39,009 --> 00:12:44,723 そのうち採用のことは すっかり忘れられてしまい—— 169 00:12:42,429 --> 00:12:44,723 {\an8}“編集長 スタン・リー〟 170 00:12:44,973 --> 00:12:47,976 私が17歳で責任者になった 171 00:12:48,310 --> 00:12:51,688 元々 自分で書いて 編集してたので 172 00:12:51,814 --> 00:12:53,982 実情は変わらない 173 00:12:54,107 --> 00:12:57,861 そのまま迅速に 仕事をこなしたよ 174 00:13:00,697 --> 00:13:02,533 {\an8}“オール・ウィナーズ〟 175 00:13:03,659 --> 00:13:09,164 1941年12月7日 日曜日 176 00:13:04,159 --> 00:13:06,370 {\an8}“戦争〟 177 00:13:09,456 --> 00:13:12,876 日本が我々に仕掛けた—— 178 00:13:13,001 --> 00:13:17,089 いわれのない卑劣な攻撃以降 179 00:13:17,422 --> 00:13:22,719 アメリカ合衆国と 大日本帝国は—— 180 00:13:23,053 --> 00:13:27,558 戦争状態であるという宣言を 求める 181 00:13:28,433 --> 00:13:30,477 私は入隊を志願した 182 00:13:31,770 --> 00:13:37,818 戦う使命を感じたし ヒーローになりたかったんだ 183 00:13:38,443 --> 00:13:44,241 だが海外へ派遣される前に コミック編集者だと知られ—— 184 00:13:44,366 --> 00:13:49,079 クイーンズ地区のアストリアに 配属された 185 00:13:46,535 --> 00:13:49,621 {\an8}“米国軍 社会部隊〟 186 00:13:49,204 --> 00:13:52,791 兵士向けの訓練用映画や—— 187 00:13:52,916 --> 00:13:56,795 教育マニュアルなどを 制作する部隊だ 188 00:13:57,212 --> 00:14:02,885 {\an8}“名誉除隊〟 189 00:13:57,462 --> 00:14:00,007 戦後に知ったことだが 190 00:14:00,132 --> 00:14:04,845 除隊書類の職業欄には “脚本家〟と書かれてたよ 191 00:14:05,387 --> 00:14:09,683 軍では経理担当者の養成に 時間をかけすぎて {\an8}“職業上の専門分野・・ 脚本家〟 192 00:14:10,183 --> 00:14:15,814 海外にいる兵士への支払いが 滞ってしまっていた 193 00:14:15,939 --> 00:14:19,610 そこで養成期間の短縮を 図るため—— 194 00:14:19,735 --> 00:14:22,529 教本のリライトを頼まれた 195 00:14:22,905 --> 00:14:27,034 私はコミック形式で 書き直していったよ 196 00:14:27,576 --> 00:14:30,120 その結果 養成期間を 197 00:14:30,245 --> 00:14:34,374 6ヵ月から6週間に 短縮できたんだ 198 00:14:35,250 --> 00:14:36,835 その時 気づいたのは—— 199 00:14:37,127 --> 00:14:41,632 コミックが大きなインパクトを 与えるということだ 200 00:14:41,757 --> 00:14:46,511 ストーリーや情報を 映画や他の手段よりも 201 00:14:46,637 --> 00:14:51,391 より速く 明確に 楽しく伝えることができる 202 00:15:03,695 --> 00:15:05,614 {\an8}1947年 203 00:15:06,573 --> 00:15:10,077 退役後はコミック出版社に戻り 204 00:15:10,285 --> 00:15:13,372 元々やっていた仕事に就いた 205 00:15:13,997 --> 00:15:16,875 その頃 帽子業を営む いとこに—— 206 00:15:18,043 --> 00:15:23,632 “帽子モデルの ベティという子を紹介するよ〟 207 00:15:23,757 --> 00:15:26,885 “お前にお似合いだ〟と 言われてね 208 00:15:27,219 --> 00:15:33,058 帽子モデルの事務所へ行くと ある子がドアを開けた 209 00:15:33,892 --> 00:15:35,852 はっきり覚えてるわ 210 00:15:33,892 --> 00:15:38,021 {\an8}ジョーン・リー 211 00:15:36,228 --> 00:15:38,522 彼は訪ねてきた時—— 212 00:15:38,647 --> 00:15:41,858 レインコートを肩にかけてた 213 00:15:41,984 --> 00:15:46,697 ジョーンは私が 会うはずの子じゃなかったが 214 00:15:46,822 --> 00:15:51,118 トップモデルの彼女が こう言ったんだ 215 00:15:51,243 --> 00:15:52,369 “こんにちは!〟 216 00:15:53,412 --> 00:15:54,705 すると彼は—— 217 00:15:56,873 --> 00:16:02,254 “私は君と恋に落ちるだろう〟 と言ったの 218 00:16:03,088 --> 00:16:07,342 私は大好きな イギリス英語のアクセントに 219 00:16:07,467 --> 00:16:11,763 ノックアウト されてしまったんだ 220 00:16:11,888 --> 00:16:14,182 すごく美人だったしね 221 00:16:14,349 --> 00:16:19,146 この人を逃しちゃダメだと 私も思ったの 222 00:16:19,271 --> 00:16:21,398 一目ぼれだったよ 223 00:16:41,835 --> 00:16:44,421 当時 我が社 アトラス・コミックスは—— 224 00:16:44,546 --> 00:16:49,676 他社で西部劇が売れてたら そのブームに乗り 225 00:16:49,801 --> 00:16:55,474 ロマンスものが人気になれば そっちに乗り換えた 226 00:16:56,391 --> 00:17:00,645 ジャンルは戦争やロマンス コメディー 227 00:17:00,854 --> 00:17:04,149 動物ものなど 何でもあり 228 00:17:04,566 --> 00:17:09,988 何年もの間 次から次へと コミックを作っていった 229 00:17:10,113 --> 00:17:14,451 ある時は 月に100冊近く 出していたよ 230 00:17:16,203 --> 00:17:20,332 子供の頃に欲しかった 安定した仕事 231 00:17:21,500 --> 00:17:25,712 “ライターズ・ ダイジェスト 1947年11月号〟 232 00:17:21,958 --> 00:17:24,002 {\an8}それを手に入れたんだ 233 00:17:25,837 --> 00:17:28,465 {\an8}執筆が得意だったので 234 00:17:27,631 --> 00:17:32,594 “コミックは稼げる! スタン・リー〟 235 00:17:28,590 --> 00:17:32,594 {\an8}楽しみながら 稼ぐことができた 236 00:17:33,261 --> 00:17:37,265 編集長 アートディレクター 筆頭ライターを兼ねてたが 237 00:17:37,432 --> 00:17:42,354 ストーリーの執筆は フリーランス契約だったので 238 00:17:42,479 --> 00:17:45,232 自分のストーリーを 全部 買い取った 239 00:17:46,399 --> 00:17:51,863 妻と私は金に糸目をつけず 稼ぐだけ使ってたよ 240 00:17:52,781 --> 00:17:56,535 当時も今でも 彼女を愛してるので 241 00:17:56,743 --> 00:18:01,832 ジョーンが欲しい物を 買うためにストーリーを書いた 242 00:18:02,374 --> 00:18:06,461 私が新しい車を買いたい時も 243 00:18:06,586 --> 00:18:09,840 頭金を払うために ストーリーを書き 244 00:18:10,090 --> 00:18:13,677 残りの支払いのために 書き続けた 245 00:18:13,802 --> 00:18:17,305 その日暮らしという 感じだったが 246 00:18:17,430 --> 00:18:21,518 私たちは その生き方を 楽しんでたよ 247 00:18:30,527 --> 00:18:34,156 {\an8}1954年 248 00:18:34,739 --> 00:18:38,034 当時 コミックは軽視されていた 249 00:18:38,869 --> 00:18:43,415 パーティーで “ご職業は?〟と聞かれると 250 00:18:43,540 --> 00:18:46,918 “物書きです〟と つい言ってしまう 251 00:18:47,043 --> 00:18:51,423 立ち去ろうとすると “何の執筆を?〟と 252 00:18:51,548 --> 00:18:53,717 “若者向けのストーリーを〟 253 00:18:53,842 --> 00:18:57,262 “どんなストーリーですか?〟 254 00:18:57,387 --> 00:18:58,513 “雑誌向けです〟 255 00:18:58,638 --> 00:18:59,723 “何の雑誌?〟 256 00:18:59,848 --> 00:19:03,435 “コミックです〟と 私が言った途端—— 257 00:19:03,560 --> 00:19:07,772 質問してきた人は “ああ そう〟と言って 258 00:19:07,898 --> 00:19:10,400 その場を立ち去るんだ 259 00:19:14,988 --> 00:19:19,993 価値あるものを読むのは すばらしいことです 260 00:19:20,118 --> 00:19:25,498 しかし若者が読むのは 性的描写が過激な作品や 261 00:19:25,624 --> 00:19:29,336 ホラーや卑劣な犯罪を 描いた作品ばかり 262 00:19:31,254 --> 00:19:34,132 当時はコミックを—— 263 00:19:34,257 --> 00:19:40,305 出版社が設けた自主検閲機関に 提出する必要があった 264 00:19:40,430 --> 00:19:43,225 “コミックス倫理規定委員会〟だ 265 00:19:43,433 --> 00:19:46,603 すべての刊行物を そこへ提出し {\an8}“委員会 認可済み〟 266 00:19:46,728 --> 00:19:52,192 若者たちに悪影響はないという お墨付きを得るんだ 267 00:19:58,740 --> 00:20:02,285 コミックは世間で 子供向けだと思われ—— 268 00:20:03,745 --> 00:20:07,457 それを念頭に置いて 作られていた 269 00:20:08,375 --> 00:20:12,462 当時のコミックと言えば スーパーヒーローものだ 270 00:20:12,587 --> 00:20:17,050 ヒーローがスーツを身にまとい 道を歩いてると 271 00:20:17,175 --> 00:20:19,970 巨大な出目の怪物が現れる 272 00:20:20,095 --> 00:20:23,765 セリフは決まって 次のようなものだ 273 00:20:23,890 --> 00:20:27,060 “他の惑星から来た生物だ〟 274 00:20:27,185 --> 00:20:30,939 “地球を破壊される前に 捕まえないと〟 275 00:20:33,358 --> 00:20:37,862 発行者の マーティン・グッドマンの指示は 276 00:20:38,154 --> 00:20:40,782 “3音節以上の単語は使うな〟 277 00:20:40,907 --> 00:20:43,618 “セリフは短く アクションを多く〟 278 00:20:43,743 --> 00:20:46,288 “性格描写にこだわるな〟 279 00:20:46,621 --> 00:20:49,207 次第に辞めたくなったよ 280 00:20:52,043 --> 00:20:56,339 作品賞は “アパートの鍵貸します〟 281 00:20:58,174 --> 00:21:02,095 国があなたに 何ができるかでなく... 282 00:21:01,136 --> 00:21:03,054 {\an8}1961年 283 00:21:04,222 --> 00:21:07,809 私は時間をムダにしてると 感じた 284 00:21:07,934 --> 00:21:11,146 コミックを売って 生計を立ててるが—— 285 00:21:11,896 --> 00:21:16,901 世の中には橋を架けたり 医学研究を行ったり 286 00:21:17,027 --> 00:21:20,322 重要な職に就いてる人々がいる 287 00:21:21,531 --> 00:21:25,660 くだらない空想のストーリーを 書くなんて—— 288 00:21:25,785 --> 00:21:28,788 “助けて!〟 289 00:21:26,911 --> 00:21:31,291 大の大人がすることだろうかと 疑問に思った 290 00:21:29,914 --> 00:21:32,917 {\an8}“私は誰なんだ?〟 291 00:21:31,750 --> 00:21:37,130 “こんな子供じみた仕事を 続けられない〟と言うので 292 00:21:37,881 --> 00:21:40,300 こう提案したんです 293 00:21:40,425 --> 00:21:44,304 “あなたが好きな キャラクターを作ったら?〟 294 00:21:44,429 --> 00:21:49,309 “どうせ辞めたいんだから クビでもいいじゃない〟と 295 00:21:49,434 --> 00:21:55,440 “若く優秀なマーティン・ グッドマンは——〟 296 00:21:50,226 --> 00:21:55,440 {\an8}当時はライバルの DCコミックスが—— 297 00:21:55,565 --> 00:21:59,444 {\an8}“ジャスティス・リーグ・ オブ・アメリカ〟を発売し 298 00:21:55,565 --> 00:22:01,154 “コミック業界で 著名な人物の一人〟 299 00:21:59,569 --> 00:22:01,154 {\an8}売り上げを伸ばしてた 300 00:22:01,738 --> 00:22:02,989 マーティンは—— 301 00:22:03,156 --> 00:22:06,493 “我々もヒーロー軍団の コミックを作ろう〟と 302 00:22:06,618 --> 00:22:10,205 これはチャンスだと思ったよ 303 00:22:12,874 --> 00:22:14,918 早速 企画を練った 304 00:22:16,211 --> 00:22:19,214 書きたいと思ったのは—— 305 00:22:19,339 --> 00:22:23,760 自分が読者として 楽しく読めるストーリーだ 306 00:22:19,339 --> 00:22:24,219 {\an8}“人類を救うために 特殊能力を使う運命〟 307 00:22:24,844 --> 00:22:30,850 その頃 会社に戻ってきていた ジャックに相談した 308 00:22:30,975 --> 00:22:35,980 “ヒーローたちが時々 ヘマをするのはどうだろう?〟 309 00:22:36,106 --> 00:22:38,942 “土壇場で悪役を 逃がすんだ〟 310 00:22:39,067 --> 00:22:41,444 “悪役については——〟 311 00:22:41,569 --> 00:22:47,367 “読者が共感できるような キャラクターがいい〟とね 312 00:22:56,251 --> 00:22:58,711 それがすべての始まりだった 313 00:23:01,214 --> 00:23:03,758 {\an8}“スーザン ジョニー リード ベン〟 314 00:23:01,214 --> 00:23:06,428 思いついたのは4人組の “ファンタスティック・フォー〟 315 00:23:07,011 --> 00:23:09,139 彼らは宇宙へ旅立ち—— 316 00:23:10,348 --> 00:23:13,143 宇宙線に被ばくしてしまう 317 00:23:13,435 --> 00:23:16,896 その結果 超人的な能力を授かるんだ 318 00:23:18,314 --> 00:23:21,609 リアリティーも追求したよ 319 00:23:22,110 --> 00:23:28,116 リードは完璧なだけではなく 私のように おしゃべりで 320 00:23:28,241 --> 00:23:33,705 いつも“黙ってくれよ〟と 仲間にうんざりされる 321 00:23:33,830 --> 00:23:39,127 スーザンは従来の女性と違い ヒーローの正体を知っている 322 00:23:39,335 --> 00:23:41,713 リードの婚約者であり—— 323 00:23:41,838 --> 00:23:46,384 仲間と同じような スーパーパワーを持つ 324 00:23:48,011 --> 00:23:52,265 10代のジョニーは ヒーロー志望じゃなかった 325 00:23:52,974 --> 00:23:58,188 スポーツカーに乗り 女の子とデートしたかったんだ 326 00:23:58,605 --> 00:24:00,440 4人目のベンは—— 327 00:24:00,565 --> 00:24:04,944 外見が醜くなり 怪力を持つようになった 328 00:24:05,111 --> 00:24:08,907 哀愁とユーモアを 感じさせるキャラクターだ 329 00:24:09,032 --> 00:24:11,201 ケンカばかりしてて 330 00:24:11,326 --> 00:24:16,331 いつも10代のジョニーと からかい合ってる 331 00:24:16,456 --> 00:24:18,374 コメディーも満載だ 332 00:24:18,833 --> 00:24:21,211 4人の住まいは メトロポリスや—— 333 00:24:21,336 --> 00:24:25,507 ゴッサム・シティのような 架空の場所ではなく 334 00:24:25,632 --> 00:24:28,301 ニューヨークに設定した 335 00:24:28,593 --> 00:24:34,098 私も よく知ってるし 実在する場所がいいと思ってね 336 00:24:35,058 --> 00:24:39,812 思いついたのは 彼らが路頭に迷う展開だ 337 00:24:39,229 --> 00:24:43,191 “ファンタスティック・ フォーの終わり〟 338 00:24:39,938 --> 00:24:43,191 他のコミックでは あり得なかった 339 00:24:43,316 --> 00:24:44,984 家賃を払えず—— 340 00:24:45,109 --> 00:24:48,738 本部を追い出される ヒーローなんてね 341 00:24:49,322 --> 00:24:53,076 スーパーヒーローもの と言っても 342 00:24:53,201 --> 00:24:57,288 可能な限り リアルに描こうと努めた 343 00:24:53,201 --> 00:24:58,206 {\an8}“ファンタスティック・ フォー〟 344 00:25:03,336 --> 00:25:08,675 最初の10~20年は ファンレターが1通も届かず 345 00:25:08,800 --> 00:25:13,179 どこかでコミックが 破棄されてると思ってた 346 00:25:14,597 --> 00:25:16,849 今のは大げさだが 347 00:25:16,975 --> 00:25:20,520 1年に1通くらい こんな手紙が届く 348 00:25:20,687 --> 00:25:25,233 “ページがバラバラだった 返金してくれ〟 349 00:25:26,109 --> 00:25:29,487 だが“ファンタスティック・ フォー〟の発売後は—— 350 00:25:29,612 --> 00:25:32,031 意見が届くようになった 351 00:25:32,282 --> 00:25:34,450 {\an8}“善が勝つ〟 352 00:25:32,991 --> 00:25:39,080 新聞や雑誌で取り上げられ 取材の依頼も来始めて—— 353 00:25:39,664 --> 00:25:43,626 全く新しいファンの存在に 気づいたよ 354 00:25:44,335 --> 00:25:47,380 当時の社名である “アトラス〟も—— 355 00:25:47,839 --> 00:25:52,343 新しい名前にしようと マーティンに提案した 356 00:25:53,052 --> 00:25:56,556 そして2人で思いついたのが “驚異マーベル〟だ 357 00:25:54,554 --> 00:25:58,808 “コミック業界で 最も偉大なシンボル〟 358 00:25:57,849 --> 00:26:01,769 マーティンが手がけた 最初のコミックの名前で 359 00:25:59,475 --> 00:26:01,769 {\an8}“マーベル・コミックス〟 360 00:26:01,894 --> 00:26:07,775 すごく気に入ったし 言葉遊びができると思った 361 00:26:03,146 --> 00:26:06,566 {\an8}“マーベラス!〟 362 00:26:06,691 --> 00:26:09,527 {\an8}“マーベルと コミック革命〟 363 00:26:07,900 --> 00:26:12,697 使った表現として “マーベルに染まれメイク・マイン・マーベル〟や 364 00:26:12,822 --> 00:26:16,367 “コミックのマーベル時代へ ようこそ〟 365 00:26:16,492 --> 00:26:18,911 “マイティ・マーベルが 再始動〟 366 00:26:16,826 --> 00:26:21,331 “マーベルは進化する〟など いろいろ楽しめる 367 00:26:19,037 --> 00:26:21,331 “新たなマーベルの傑作〟 368 00:26:22,457 --> 00:26:24,959 それが転機だった 369 00:26:26,628 --> 00:26:31,090 多くの人々にとって 最も大切なことは—— 370 00:26:31,215 --> 00:26:35,637 楽しんで 喜びを得ることだと 気づいたんだ 371 00:26:37,013 --> 00:26:39,599 それは自分にも あてはまる 372 00:26:41,017 --> 00:26:45,480 だから私の仕事にも 価値がある気がした 373 00:26:46,064 --> 00:26:50,610 エンターテインメントも 重要なんだ 374 00:26:50,735 --> 00:26:54,113 世の中で悪いことが 起きる中—— 375 00:26:54,238 --> 00:26:58,242 喜びを与えるのは いいことだからね 376 00:27:08,419 --> 00:27:12,131 だから私は会社を辞めずに 377 00:27:12,256 --> 00:27:17,220 スーパーヒーローのコミックを 作ろうと決心した 378 00:27:17,470 --> 00:27:21,474 純粋に書くことを 楽しめると思ってね 379 00:27:22,058 --> 00:27:27,105 基本理念は“自分が読者として 読みたいコミック〟だ 380 00:27:29,023 --> 00:27:34,070 子供の頃に読んだことのある “ジキルとハイド〟 381 00:27:32,068 --> 00:27:37,949 {\an8}“ロバート・ルイス・ スティーヴンソン〟 382 00:27:34,862 --> 00:27:37,949 その物語を基に—— 383 00:27:38,074 --> 00:27:42,704 普通の人間が怪物になる ストーリーを書こうと思った 384 00:27:45,289 --> 00:27:49,585 カーロフが演じた フランケンシュタインが好きで 385 00:27:49,836 --> 00:27:54,173 あの怪物は本当は優しい奴だと 感じてた 386 00:27:54,924 --> 00:28:00,680 そういうストーリーが 面白いだろうと思ったんだ 387 00:28:02,098 --> 00:28:04,892 ジャックに言ったのを覚えてる 388 00:28:05,017 --> 00:28:07,645 “怪物が登場するが——〟 389 00:28:07,770 --> 00:28:11,399 “読者を引きつける怪物を 描いてくれ〟 390 00:28:11,524 --> 00:28:15,445 “見た目がよくて 親しみやすい奴をね〟 391 00:28:15,570 --> 00:28:20,616 バカバカしく思えたが ジャックは描いてくれたよ 392 00:28:22,326 --> 00:28:24,036 ハルクは共感できる 393 00:28:22,326 --> 00:28:28,332 {\an8}ジャック・カービーの声 394 00:28:24,203 --> 00:28:27,206 怪物は特定の誰かを 狙わない 395 00:28:27,331 --> 00:28:30,501 だから恐れられると いうより—— 396 00:28:30,626 --> 00:28:32,712 同情される存在だ 397 00:28:32,837 --> 00:28:36,340 何かしらの問題を抱えてる 398 00:28:36,507 --> 00:28:40,595 彼らは人間の姿か否かに かかわらず 399 00:28:40,720 --> 00:28:44,682 何らかの争いに 巻き込まれてしまう 400 00:28:45,975 --> 00:28:51,981 ストーリーを読んだ時に 最も劇的だと感じるのは—— 401 00:28:52,106 --> 00:28:58,780 人間が自分の内なる問題を 解決しようとしているところだ 402 00:28:58,905 --> 00:29:02,909 {\an8}“ローリング・ストーン〟 403 00:29:00,156 --> 00:29:04,410 人生で学んだ 最大の教訓の1つは 404 00:29:04,535 --> 00:29:09,916 不特定多数を喜ばせようと してもダメなことだ 405 00:29:10,208 --> 00:29:13,544 よく知らない相手ではなく—— 406 00:29:13,669 --> 00:29:17,465 よく知ってる自分を 満足させるんだ 407 00:29:17,590 --> 00:29:19,592 まさにマーベルでは—— 408 00:29:19,717 --> 00:29:23,805 自分自身が 楽しめるストーリーを書いてる 409 00:29:23,930 --> 00:29:29,227 “ハルクという緑色の怪物を 登場させたら面白いのでは?〟 410 00:29:29,352 --> 00:29:34,190 読者や世間のことなど すっかり忘れ去って 411 00:29:34,315 --> 00:29:38,820 アーティストも私も 自ら楽しむようになった 412 00:29:51,999 --> 00:29:55,294 私がニューヨークに 来たのは63年 413 00:29:51,999 --> 00:29:58,005 {\an8}フロー・ スタインバーグの声 414 00:29:56,212 --> 00:30:02,051 就職面接のうちの1社で スタンに会ったの 415 00:30:02,176 --> 00:30:04,971 彼は“ギャル・フライデー〟を 探してた 416 00:30:05,096 --> 00:30:09,809 タイピングや速記は 行わない秘書のことよ 417 00:30:05,847 --> 00:30:10,268 {\an8}“ファビュラス・フロー・ スタインバーグ 連絡係/ ギャル・フライデー〟 418 00:30:11,018 --> 00:30:16,315 売れ行きが よくない時も スタンは楽観的だったわ 419 00:30:16,482 --> 00:30:19,569 社員が締め切りに追われたり 420 00:30:19,694 --> 00:30:23,281 お金に困っていたりすると 助け船を出す 421 00:30:23,573 --> 00:30:26,826 彼が怒る姿は見たことないわ 422 00:30:27,910 --> 00:30:30,663 泣き言や不平を言わず 423 00:30:30,788 --> 00:30:34,417 問題があれば “何とかしよう〟と 424 00:30:35,126 --> 00:30:37,879 {\an8}“ファビュラス・フロー〟 425 00:30:35,835 --> 00:30:39,922 私の仕事は ファンレターに目を通し—— 426 00:30:40,047 --> 00:30:43,718 小さなカードを 子供たちに送ること 427 00:30:44,969 --> 00:30:49,974 ヒーローたちが有名になると ファンレターも増えた 428 00:30:50,474 --> 00:30:54,061 {\an8}“見本を示してくれて ありがとう〟 429 00:30:51,225 --> 00:30:55,396 時間をかけて 書かれたものばかりでね 430 00:30:54,186 --> 00:30:57,607 {\an8}“「ハルク」を読むのは 本当に楽しい〟 431 00:30:56,397 --> 00:31:00,526 そういう動きが 徐々に拡大していったの 432 00:31:00,651 --> 00:31:03,154 とにかく皆 夢中だった 433 00:31:01,944 --> 00:31:04,196 {\an8}“スタンの読者コーナー〟 434 00:31:03,446 --> 00:31:09,076 あまりの多さにファンクラブを 作ろうという話になり—— 435 00:31:04,322 --> 00:31:09,076 {\an8}“高みを目指せエクセルシオール! スタン〟 436 00:31:10,244 --> 00:31:13,414 始めたのがメMリー・マMーベル・ マMーチング・ソSサエティ 437 00:31:13,539 --> 00:31:17,835 入会特典は 会員カードやバッジ 438 00:31:16,042 --> 00:31:18,920 “MMMSのメンバー〟 439 00:31:18,127 --> 00:31:20,087 他にもステッカーや—— 440 00:31:19,045 --> 00:31:21,380 “ぜひMMMSへ!〟 441 00:31:20,463 --> 00:31:25,885 ファンクラブ独自の レコードも送られてくるの 442 00:31:21,505 --> 00:31:26,844 “最高のサプライズ!〟 443 00:31:29,347 --> 00:31:33,351 マーベルファンの皆さん スタン・リーです 444 00:31:33,976 --> 00:31:37,313 これは誰も 聴いたことのない—— 445 00:31:37,438 --> 00:31:42,109 型破りなアーティストばかりが 参加するレコードです 446 00:31:42,526 --> 00:31:44,779 誰が君をDJにした? 447 00:31:44,904 --> 00:31:47,823 ジャック ファンにひと言 448 00:31:47,949 --> 00:31:50,201 それじゃあ “ひと言〟 449 00:31:50,326 --> 00:31:53,079 ユーモアは私の担当だ 450 00:31:53,204 --> 00:31:56,749 何年も同じギャグを 使い回すクセに 451 00:31:56,999 --> 00:31:59,585 スタン ちょっといい? 452 00:31:59,710 --> 00:32:01,671 ファビュラス・フロー 453 00:32:01,796 --> 00:32:04,298 ファンに あいさつして 454 00:32:04,757 --> 00:32:07,385 皆さん はじめまして 455 00:32:08,219 --> 00:32:10,179 一体 何の騒ぎだ? 456 00:32:10,304 --> 00:32:14,433 シャイなスティーヴが 収録と聞いて脱走した 457 00:32:14,558 --> 00:32:16,310 また窓から? 458 00:32:17,228 --> 00:32:20,147 彼こそスパイダーマンでは? 459 00:32:24,402 --> 00:32:28,406 {\an8}“マーベルと共に 大声で歌おう〟 460 00:32:33,411 --> 00:32:39,291 次の話題は退屈だろうから ほんの少しだけ話すよ 461 00:32:39,417 --> 00:32:42,378 台本の書き方についてだ 462 00:32:42,962 --> 00:32:46,382 最初は私が全部 書いてたが 463 00:32:46,507 --> 00:32:51,429 作品が増えるにつれて 追いつかなくなった 464 00:32:51,554 --> 00:32:54,473 ジャック向けの台本を 書いてると—— 465 00:32:54,598 --> 00:32:59,812 スティーヴに “新しい仕事を〟と言われる 466 00:32:59,937 --> 00:33:02,523 私は切羽詰まって こう言った 467 00:33:02,648 --> 00:33:05,317 “プロットを渡すから〟 468 00:33:05,443 --> 00:33:09,030 “家で好きなように描いて 持ってこい〟 469 00:33:09,155 --> 00:33:12,241 “後でセリフや見出しを 入れるから〟と 470 00:33:12,366 --> 00:33:15,995 緊急措置のつもりだったが 471 00:33:16,120 --> 00:33:19,123 これが最高のやり方だった 472 00:33:20,833 --> 00:33:25,713 シーンなどを考える時は 社内を動き回る 473 00:33:25,838 --> 00:33:29,508 打ち合わせに来た人が見たら 474 00:33:29,633 --> 00:33:33,179 サイレント映画の撮影かと 思っただろう 475 00:33:33,304 --> 00:33:36,932 アーティストと プロットを考える時 476 00:33:37,058 --> 00:33:39,685 スタンは机に飛び乗り 477 00:33:39,810 --> 00:33:43,773 走り回って スーパーヒーロー役を演じるの 478 00:33:43,898 --> 00:33:46,817 アイデアを練るだけで大騒ぎ 479 00:33:46,942 --> 00:33:51,947 私が電話してる時は “静かにして〟と頼んだわ 480 00:33:52,448 --> 00:33:55,242 ジャックと私は いいコンビだ 481 00:33:55,367 --> 00:33:58,913 プロットも こんな感じで話し合う 482 00:33:59,080 --> 00:34:00,998 “次のファンタスティック・ フォーに——〟 483 00:34:01,123 --> 00:34:03,584 “ドクター・ドゥームを出そう〟 484 00:34:03,709 --> 00:34:05,920 “ドゥームは どうなってた?〟 485 00:34:06,045 --> 00:34:09,590 “別のユニバースに 消えたんだ〟 486 00:34:09,715 --> 00:34:11,675 “何とか戻して——〟 487 00:34:11,801 --> 00:34:15,054 “ファンタスティック・ フォーを攻撃させよう〟 488 00:34:15,179 --> 00:34:20,434 “終わりにはスーと 駆け落ちでもさせようか〟 489 00:34:21,310 --> 00:34:25,731 ジャックがアートワークを 仕上げてくると—— 490 00:34:25,856 --> 00:34:30,069 プロットに多くの変更点が 加えられてる 491 00:34:30,820 --> 00:34:33,823 彼は 私が書くセリフを知らず 492 00:34:33,948 --> 00:34:37,743 私は 彼が何を描くか知らない 493 00:34:37,868 --> 00:34:41,038 だからメチャクチャになるが 494 00:34:41,163 --> 00:34:46,502 最後は うまくまとまるので このやり方が好きなんだ 495 00:34:47,795 --> 00:34:53,467 アーティストとライターが 絵とストーリーを仕上げ 496 00:34:53,592 --> 00:34:58,931 それらを完璧に融合すれば 最高のコミックができる 497 00:35:01,392 --> 00:35:06,772 これがマーベル・メソッドとして 知られるようになったんだ 498 00:35:15,823 --> 00:35:21,203 ジョーンと私はマンハッタンで 小さなアパートを借りた 499 00:35:21,453 --> 00:35:25,958 そこで1~2年暮らして ジョーンが妊娠し 500 00:35:26,458 --> 00:35:31,005 子供のために ロングアイランドへ移ったんだ 501 00:35:34,008 --> 00:35:37,553 何とか払える小さな家を 手に入れた 502 00:35:38,137 --> 00:35:42,183 “新米ママ& 娘のジョーン〟 503 00:35:39,013 --> 00:35:41,849 {\an8}娘の名前は ジョーン・C・リー 504 00:35:42,308 --> 00:35:46,228 くだらないが 女の子なら“ジョーン〟 505 00:35:46,353 --> 00:35:49,440 男の子なら“スタン〟と 決めてたんだ 506 00:35:50,524 --> 00:35:55,779 もう1人 女の子が生まれ ジャンと名付けたが 507 00:35:55,905 --> 00:36:00,492 誕生して数時間後に 亡くなってしまった 508 00:36:01,619 --> 00:36:04,330 その後は子を授からなかった 509 00:36:05,456 --> 00:36:09,001 だから一人娘を甘やかしたよ 510 00:36:09,877 --> 00:36:14,006 娘は私たち両方に似て 才能豊かな子よ 511 00:36:09,877 --> 00:36:15,883 {\an8}ジョーン・リーの声 512 00:36:14,673 --> 00:36:18,594 こんなにパワフルな 両親の下に生まれて—— 513 00:36:18,719 --> 00:36:21,388 いつも大変だと思うわ 514 00:36:22,348 --> 00:36:27,269 しばらくして娘を J.C.と呼ぶようになった 515 00:36:27,394 --> 00:36:31,148 Cは私の母 シーリアの頭文字 516 00:36:31,273 --> 00:36:34,068 Jは妻 ジョーンの頭文字だ 517 00:36:37,863 --> 00:36:40,991 妻と私は とても仲がいい 518 00:36:41,116 --> 00:36:44,161 彼女は本当にステキな女性だよ 519 00:36:44,662 --> 00:36:49,625 美人で賢く 魅力的で 一緒にいて楽しいんだ 520 00:36:49,750 --> 00:36:54,922 ダンスも上手だから リードしてもらってる 521 00:36:55,047 --> 00:36:58,759 彼女のような女性を 書きたいと思ったよ 522 00:36:59,510 --> 00:37:01,845 例えばメリー・ジェーンは 523 00:37:01,971 --> 00:37:06,392 とても快活で カッコいい女性にした 524 00:37:06,809 --> 00:37:08,435 あれは妻がモデルだ 525 00:37:08,936 --> 00:37:11,021 私には最高の妻だよ 526 00:37:11,146 --> 00:37:14,733 私が自宅で執筆作業を行う時も 527 00:37:14,942 --> 00:37:19,947 妻は常に自分のことで 忙しくしていた 528 00:37:20,072 --> 00:37:23,534 私に負い目を感じさせないんだ 529 00:37:25,452 --> 00:37:28,247 スタンは珍しい人よ 530 00:37:28,372 --> 00:37:30,958 守るべき“絶滅危惧種〟ね 531 00:37:31,083 --> 00:37:35,045 エネルギッシュで 引き立て役という感じ 532 00:37:35,170 --> 00:37:38,424 酒やタバコはやらず 毎朝 起きると—— 533 00:37:38,549 --> 00:37:42,386 “健康でよかった 人生は最高だ〟と言う 534 00:37:42,511 --> 00:37:44,763 とてもいい夫よ 535 00:37:45,389 --> 00:37:48,392 幸せな結婚生活の秘訣ひけつは? 536 00:37:48,517 --> 00:37:52,604 親友みたいな関係で いることよ 537 00:37:53,355 --> 00:37:58,819 若者の恋愛みたいに イチャイチャしすぎるのはダメ 538 00:37:58,944 --> 00:38:04,074 農場のように毎日 手入れしてあげないとね 539 00:38:05,784 --> 00:38:08,954 夫は私の人生で最高の人よ 540 00:38:19,298 --> 00:38:23,093 ローティーンは 激動と混乱の時期 541 00:38:23,218 --> 00:38:25,888 {\an8}1962年 542 00:38:25,429 --> 00:38:28,932 最近の10代は昔と違いますか? 543 00:38:29,558 --> 00:38:30,559 そう思うわ 544 00:38:30,684 --> 00:38:32,311 {\an8}“フェビアンとデート!〟 545 00:38:31,268 --> 00:38:34,938 10代の質は 昔より良くなりました? 546 00:38:35,064 --> 00:38:36,357 悪くなったね 547 00:38:36,940 --> 00:38:42,946 今の時代には間違いなく 世代間のギャップがある 548 00:38:43,322 --> 00:38:44,823 大人というのは—— 549 00:38:44,948 --> 00:38:48,911 10代の世界に 関わりたくないのです 550 00:38:49,411 --> 00:38:55,459 敵意でなく敬意を持って 彼らの意見を代弁できれば 551 00:38:55,584 --> 00:39:00,672 それは大変 有益なことだと 言えるだろう 552 00:39:02,424 --> 00:39:04,426 私は17歳の時—— 553 00:39:04,676 --> 00:39:08,097 社内で3役をこなしてた 554 00:39:08,764 --> 00:39:12,810 だが当時 10代の若者らは 軽視されてたので 555 00:39:12,935 --> 00:39:14,978 それを変えようと思った 556 00:39:15,771 --> 00:39:18,899 10代をヒーローにしたら? 557 00:39:19,024 --> 00:39:22,611 スーパーパワーを 持たせてみては? 558 00:39:25,406 --> 00:39:30,744 10代が相棒ではなく ヒーローになるコミックを 559 00:39:30,869 --> 00:39:34,581 一度 出してみたいと 思ってたんだ 560 00:39:34,915 --> 00:39:38,210 そいつは 実際の10代みたいに—— 561 00:39:38,335 --> 00:39:42,214 完璧ではなく 何らかの問題を抱えてる 562 00:39:42,840 --> 00:39:44,967 名前は どうするか? 563 00:39:46,385 --> 00:39:52,057 子供の頃 パルプマガジンの “スパイダー〟が好きだった 564 00:39:52,182 --> 00:39:56,061 その表紙にあった 印象的なフレーズが—— 565 00:39:56,228 --> 00:40:00,607 “スパイダー: マスター・オブ・メン!〟だ 566 00:40:00,858 --> 00:40:06,405 当時9歳の私は “男の中の男マスター・オブ・メン〟になりたかった 567 00:40:06,530 --> 00:40:09,116 皆 そう思っただろう 568 00:40:09,241 --> 00:40:13,370 {\an8}彼は指輪をつけた拳で 悪者をぶん殴り—— 569 00:40:13,495 --> 00:40:19,460 {\an8}指輪のクモの印を その悪者に刻みつけるんだ 570 00:40:21,086 --> 00:40:23,839 その彼から思いついた名前 571 00:40:26,258 --> 00:40:28,010 それが“スパイダーマン〟だ 572 00:40:42,608 --> 00:40:45,319 発行者のマーティンの所へ行き 573 00:40:45,444 --> 00:40:48,030 “次のヒーローは スパイダーマン〟 574 00:40:48,155 --> 00:40:51,575 “欠点だらけの10代です〟 と提案した 575 00:40:51,700 --> 00:40:55,204 だがマーティンは賛同せず 576 00:40:55,329 --> 00:40:59,166 “10代がヒーローだなんて あり得ない〟 577 00:40:59,291 --> 00:41:01,960 “せいぜいヒーローの相棒だ〟 578 00:41:02,169 --> 00:41:07,925 “それに欠点だらけなんて ヒーローらしくない〟と 579 00:41:09,635 --> 00:41:12,846 許可をくれなかったんだ 580 00:41:15,349 --> 00:41:19,436 それでも やるしかないと思ったよ 581 00:41:19,811 --> 00:41:26,109 {\an8}“アメイジング・ ファンタジー〟 582 00:41:20,646 --> 00:41:23,524 “アメイジング・ ファンタジー〟という—— 583 00:41:23,649 --> 00:41:26,109 休刊が間近の コミックがあった 584 00:41:26,318 --> 00:41:30,322 最終号に何を 載せるかなんて—— 585 00:41:30,447 --> 00:41:31,615 誰も気にしない 586 00:41:31,990 --> 00:41:37,412 私は思うがままに スパイダーマンを表紙に載せた 587 00:41:33,200 --> 00:41:37,412 {\an8}“スパイダーマン登場〟 588 00:41:38,413 --> 00:41:41,166 幸いクビには ならなかったよ 589 00:41:41,708 --> 00:41:43,210 だがストーリーには—— 590 00:41:43,335 --> 00:41:47,631 主人公ピーター・パーカーが 抱える問題を多く書いた 591 00:41:47,756 --> 00:41:53,637 幸せそうに見える人にも 問題があると思ったからだ 592 00:41:54,012 --> 00:41:57,391 スパイダーマンは 25人分の力を持ち 593 00:41:57,849 --> 00:42:02,312 壁を伝い クモの糸にぶら下がり ビルを飛び移る 594 00:42:02,688 --> 00:42:06,567 だがヴィランを 追いかけようとすると 595 00:42:06,692 --> 00:42:12,072 “熱があるなら寝てなさい〟と メイおばさんに止められる 596 00:42:12,864 --> 00:42:16,410 ヒーローを 辞めたがるヒーローなんて 597 00:42:16,535 --> 00:42:20,455 他のコミックでは 読んだことがなかった 598 00:42:21,123 --> 00:42:24,751 ピーターは とても内省的な青年で 599 00:42:24,876 --> 00:42:28,630 “なぜヒーローになる?〟と 疑問を抱くんだ 600 00:42:26,420 --> 00:42:30,924 “大いなる力には 大いなる責任が伴う〟 601 00:42:31,049 --> 00:42:35,345 コミックが発売され 売り上げデータが出ると 602 00:42:35,554 --> 00:42:38,223 マーティンが こう言った 603 00:42:38,390 --> 00:42:43,145 “我々が気に入ってた スパイダーマンだが——〟 604 00:42:43,520 --> 00:42:45,856 “あれをシリーズ化しよう〟 605 00:42:47,316 --> 00:42:50,319 {\an8}“アメイジング・ スパイダーマン〟 606 00:42:49,109 --> 00:42:52,654 その後は 何でもできる気がしたよ 607 00:43:00,746 --> 00:43:03,248 アーティストには恵まれてた 608 00:43:03,999 --> 00:43:06,960 ジャックとスティーヴは すごくユニークでね 609 00:43:08,795 --> 00:43:13,634 ジャックのアートワークは 躍動感があり 610 00:43:13,759 --> 00:43:20,015 {\an8}どんなシーンを描く時も この上ない迫力を持たせる 611 00:43:20,140 --> 00:43:23,602 {\an8}その状況を極端に描くんだ 612 00:43:23,727 --> 00:43:27,397 {\an8}最も刺激的な要素を 描き出し—— 613 00:43:27,814 --> 00:43:31,777 {\an8}魅力的なアートワークを 提供する 614 00:43:33,654 --> 00:43:38,492 スティーヴの描き方は ジャックとは正反対だ 615 00:43:38,617 --> 00:43:42,329 彼のアートワークは控えめだが 616 00:43:42,454 --> 00:43:47,000 ストーリーを リアルに伝えようとする 617 00:43:47,167 --> 00:43:51,672 コミックではなく 実話だと思うくらいにね 618 00:43:52,881 --> 00:43:56,927 ジャックは群を抜いて 優れてたので—— 619 00:43:57,094 --> 00:44:00,222 最初は彼に スパイダーマンを頼んだ 620 00:44:00,347 --> 00:44:06,144 “平凡で意気地なしの青年を 描いてくれ〟と伝えたが 621 00:44:06,436 --> 00:44:12,150 キャプテン・アメリカなどを ずっと描いてたジャックは—— 622 00:44:12,401 --> 00:44:17,322 いかにもヒーローという感じに 描いてきた 623 00:44:17,447 --> 00:44:20,534 だからスティーヴに頼んだんだ 624 00:44:20,659 --> 00:44:24,788 ジャックは別件で 忙しかったしね 625 00:44:24,913 --> 00:44:27,791 スティーヴは 見事に意図をつかみ 626 00:44:27,916 --> 00:44:32,796 悩みながらもヒーローになる 普通の青年を描いた 627 00:44:35,799 --> 00:44:38,385 レジェンドの誕生だ 628 00:44:44,516 --> 00:44:48,019 スペシャル・ゲストの スタン・リー氏です 629 00:44:48,145 --> 00:44:50,480 スパイダーマンは知ってる? 630 00:44:50,772 --> 00:44:52,774 じゃあ ハルクは? 631 00:44:53,191 --> 00:44:54,651 お気に入りは? 632 00:44:54,985 --> 00:44:58,739 親にお気に入りの子供を 聞くかい? 633 00:44:58,864 --> 00:45:00,407 全員 好きだよ 634 00:45:00,532 --> 00:45:03,410 でもスパイダーマンは 人気だから 635 00:45:03,535 --> 00:45:05,454 他より好きかもね 636 00:45:05,579 --> 00:45:10,083 大きくて強く 醜いのが 最も成功するの? 637 00:45:11,001 --> 00:45:15,839 そうじゃなく成功するのは 最も面白くて—— 638 00:45:15,964 --> 00:45:19,384 読者が共感できる キャラクターだ 639 00:45:19,843 --> 00:45:25,390 見た目がどうかとか 力の強さは関係ない 640 00:45:25,515 --> 00:45:27,726 そのキャラクターに—— 641 00:45:27,851 --> 00:45:31,688 心を引きつける力が あるかどうか 642 00:45:31,938 --> 00:45:35,692 感情移入できるかが大事なんだ 643 00:45:36,651 --> 00:45:40,781 なぜスーパーヒーローが 必要なのか? 644 00:45:40,906 --> 00:45:43,450 彼らに必要な要素とは? 645 00:45:43,575 --> 00:45:48,663 最も大事なのは 読者が共感できるかどうかだ 646 00:45:48,789 --> 00:45:51,416 マーベルで試みたのは—— 647 00:45:51,541 --> 00:45:57,172 リアルで生身の人間に近い ヒーローを描くことだ 648 00:45:57,631 --> 00:46:03,261 そういうヒーローを 見た若者たちが社会に出ると 649 00:46:03,386 --> 00:46:07,766 ヒーローが完璧である必要は ないと気づく 650 00:46:10,018 --> 00:46:11,978 ある時 スパイダーマンは—— 651 00:46:12,103 --> 00:46:16,900 自分の活動への報酬として 小切手をもらう 652 00:46:17,025 --> 00:46:20,779 それを換金しようと 銀行へ行くが—— 653 00:46:20,904 --> 00:46:25,200 行員にIDの提示を求められる 654 00:46:25,325 --> 00:46:27,494 “このスーツでは?〟と聞くと 655 00:46:27,619 --> 00:46:30,997 “そのスーツは 誰でも着られます〟と 656 00:46:32,457 --> 00:46:34,960 結局 換金できずに終わる 657 00:46:37,212 --> 00:46:42,300 コミックに求めたのは 何よりも面白さだ 658 00:46:42,425 --> 00:46:46,680 読者を魅了する要素を 散りばめて—— 659 00:46:46,972 --> 00:46:49,432 彼らの意見を引き出す 660 00:46:50,183 --> 00:46:55,897 そして他社のコミックとの 差別化を図りたかった 661 00:46:56,565 --> 00:46:58,942 いいアイデアを思いつけば 662 00:46:59,067 --> 00:47:02,529 “世界最高のコミック〟 と表紙に書いたよ 663 00:47:03,822 --> 00:47:08,326 “マーベル・コミックスの 驚くべき世界〟とは 664 00:47:08,451 --> 00:47:10,078 どんな世界ですか? 665 00:47:10,203 --> 00:47:14,499 マーベル・コミックスは 大人向けのおとぎ話です 666 00:47:15,000 --> 00:47:19,212 古くからある伝説を より良いものにする 667 00:47:19,337 --> 00:47:24,551 マーベルの雰囲気を与え 傑作に仕上げるのです 668 00:47:29,180 --> 00:47:33,310 ジャックと作った“ハルク〟や “ファンタスティック・フォー〟 669 00:47:33,435 --> 00:47:37,772 これらのキャラクターを 超えるには? 670 00:47:37,898 --> 00:47:41,234 まだ扱ってなかったのは “神〟だった 671 00:47:41,902 --> 00:47:46,031 ギリシャやローマ神話は 多く読まれてるが 672 00:47:46,156 --> 00:47:49,826 北欧神話は それほど知られてなかった 673 00:47:49,951 --> 00:47:51,620 {\an8}“冥界の雷〟 674 00:47:49,951 --> 00:47:55,832 それを題材にしようと決めて 思いついたのがソーだ 675 00:47:55,957 --> 00:48:00,378 魔法のハンマーを持つ 最強のヒーロー 676 00:48:00,503 --> 00:48:03,590 そして彼は雷神なんだ 677 00:48:06,176 --> 00:48:12,057 “マイティ・ソー〟 678 00:48:07,677 --> 00:48:12,057 {\an8}1冊限りだと思ったが ジャックのおかげで—— 679 00:48:12,182 --> 00:48:16,186 {\an8}偉大なキャラクターに なったんだ 680 00:48:13,350 --> 00:48:16,603 “スタン・リー (ザ・マン) ジャック・カービー (キング)〟 681 00:48:17,020 --> 00:48:21,733 {\an8}ジャック・カービーの声 682 00:48:17,020 --> 00:48:22,442 神話のキャラクターを 描くのが好きだったので 683 00:48:22,567 --> 00:48:28,531 これがチャンスだと思って 自分が思うように描いた 684 00:48:28,657 --> 00:48:32,285 作品の世界が 私の舞台と化したよ 685 00:48:32,535 --> 00:48:37,749 誰も想像しなかったひねりを キャラクターに加えたら 686 00:48:37,874 --> 00:48:42,712 すごく面白くなって 描くのが楽しかった 687 00:48:39,209 --> 00:48:42,712 “段ボールみたいに 持ち上げられる〟 688 00:48:43,004 --> 00:48:47,008 “どんな犠牲を払っても 名誉ある行動を取る〟 689 00:48:47,384 --> 00:48:53,098 我々は独自の神話と世界を 作り出している 690 00:48:53,932 --> 00:48:57,811 新たに取り入れて 成功させたのは 691 00:48:57,936 --> 00:49:00,855 {\an8}キャラクターや作品の クロスオーバーだ 692 00:49:01,314 --> 00:49:03,274 レパートリー・システムで—— 693 00:49:03,400 --> 00:49:08,738 専属の役者を演目に応じて 起用するのに似ている 694 00:49:09,155 --> 00:49:13,535 我々が生み出したヒーローや ヴィランたちが—— 695 00:49:13,660 --> 00:49:16,162 作品を超えて登場するんだ 696 00:49:16,287 --> 00:49:21,626 人というのは なじみがあるものを楽しむから 697 00:49:21,918 --> 00:49:24,879 読者が興味を持った作品を—— 698 00:49:25,005 --> 00:49:28,925 使わないでいるのは もったいない 699 00:49:29,050 --> 00:49:32,303 ファンタスティック・フォーと 戦ったヴィランを 700 00:49:32,429 --> 00:49:35,306 他のヒーローと対決させるとか 701 00:49:35,432 --> 00:49:40,270 ヒーロー同士を 互いの作品に登場させるんだ 702 00:49:40,437 --> 00:49:44,357 {\an8}マーベルがずっと 言ってきたとおり—— 703 00:49:44,482 --> 00:49:46,693 {\an8}皆 同じ世界の 住人だからね 704 00:49:46,818 --> 00:49:49,487 {\an8}“スーとリードの 結婚式!〟 705 00:49:51,948 --> 00:49:55,410 30億ドルと1万4000人を... 706 00:49:55,618 --> 00:49:58,663 アメリカの関与は さらに深く... 707 00:49:57,620 --> 00:50:00,707 {\an8}1963年 708 00:49:58,830 --> 00:50:04,044 マーベルは世界情勢の影響を 大いに受けてきた 709 00:50:04,669 --> 00:50:08,131 当時はベトナム戦争のさなかだ 710 00:50:08,965 --> 00:50:12,761 弁解の余地もない バカげた戦争だと思う 711 00:50:12,886 --> 00:50:15,805 君の言葉のとおり “不愉快な戦争〟だ 712 00:50:15,930 --> 00:50:19,184 {\an8}“兵士たちを 国に連れ戻せ〟 713 00:50:16,806 --> 00:50:18,850 皆が戦争に反対し—— 714 00:50:19,309 --> 00:50:21,561 若者たちが戦争を憎んだ 715 00:50:23,021 --> 00:50:25,315 {\an8}“ベトナム戦争をやめろ〟 716 00:50:30,403 --> 00:50:32,697 {\an8}“新しい アイアンマン誕生〟 717 00:50:32,864 --> 00:50:35,241 {\an8}アイアンマンという キャラクター 718 00:50:36,451 --> 00:50:38,578 メタルスーツを身にまとい 719 00:50:38,995 --> 00:50:44,626 足の裏についたジェットで 空を飛ぶことができる 720 00:50:44,751 --> 00:50:50,256 彼はベトナム戦争のために 米軍に武器を供給していた 721 00:50:51,841 --> 00:50:55,345 そんな彼が なぜ人気なのか? 722 00:50:57,889 --> 00:50:59,891 愛すべき人柄だからだ 723 00:51:00,016 --> 00:51:03,353 意気地なしで 戦いでケガを負うが 724 00:51:03,561 --> 00:51:05,897 善良な心の持ち主だ 725 00:51:07,023 --> 00:51:10,860 我々のヒーローには あらゆる欠点があり 726 00:51:10,985 --> 00:51:14,906 ヴィランに負けることも たくさんある 727 00:51:15,448 --> 00:51:19,494 ヴィランたちも 読者の心をつかむ存在だ 728 00:51:20,829 --> 00:51:27,001 彼らは少なくとも ヒーローと同じくらい人気で 729 00:51:27,127 --> 00:51:28,628 大きな魅力がある 730 00:51:29,295 --> 00:51:35,051 ヴィランになった理由は 理解できるものだし 731 00:51:35,176 --> 00:51:37,846 ヒーローになった者もいる 732 00:51:38,263 --> 00:51:42,725 ヒーローとヴィランは 紙一重だということだ 733 00:51:45,770 --> 00:51:47,689 それが現実世界 734 00:51:48,189 --> 00:51:51,401 白黒はっきりしないこともある 735 00:51:53,027 --> 00:51:59,159 {\an8}“スパイダーマン 善と悪 どちらの力か?〟 736 00:51:58,116 --> 00:52:02,495 最近 コミックは 読者の年齢層が上がった 737 00:52:02,620 --> 00:52:08,418 だが マーベルは小学生にも 大学生にも読まれてる 738 00:52:08,543 --> 00:52:11,546 普段 読書しない私でも楽しめる 739 00:52:11,671 --> 00:52:14,382 コレクターの彼に聞こう 740 00:52:14,549 --> 00:52:17,927 {\an8}誰でもコミックを読めば 741 00:52:14,549 --> 00:52:18,887 コミック愛好家 ウォーレン・ストラブ 742 00:52:18,052 --> 00:52:21,681 {\an8}何かしら学ぶことができる 743 00:52:21,806 --> 00:52:25,935 絵が主体だが 小説や映画と変わらない 744 00:52:26,060 --> 00:52:29,272 読んで楽しむものでは? 745 00:52:29,564 --> 00:52:31,691 教科書だと言うのか? 746 00:52:32,025 --> 00:52:35,069 学んじゃダメなのか? 747 00:52:35,195 --> 00:52:37,947 我々の読者は 学ぶことより—— 748 00:52:37,155 --> 00:52:42,368 {\an8}DCコミックス編集者 ジュリアス・“ジュリー〟・ シュワルツ 749 00:52:38,072 --> 00:52:42,368 夢中になることや 楽しみを求めてる 750 00:52:42,785 --> 00:52:45,038 “スーパーマン〟や “バットマン〟は—— 751 00:52:45,163 --> 00:52:47,916 12歳以上には勧めない 752 00:52:48,166 --> 00:52:53,755 大人はバカにしてるが コミックにも価値がある 753 00:52:53,880 --> 00:52:56,799 形式だけで非難すべきじゃない 754 00:52:57,842 --> 00:53:02,555 私はコミックの影響力を 知れば知るほど 755 00:53:02,680 --> 00:53:07,352 より多くの教訓を 盛り込もうと努めた 756 00:53:12,190 --> 00:53:15,902 世の中で起きてる問題の中には 757 00:53:16,110 --> 00:53:20,073 取り上げるべきものがあると 感じたんだ 758 00:53:24,911 --> 00:53:29,999 その問題の中でも 特にひどいと思うことの1つ 759 00:53:28,289 --> 00:53:30,792 “有色人種用 待合室〟 760 00:53:30,333 --> 00:53:32,961 それは多くの人々が—— 761 00:53:30,917 --> 00:53:32,961 “有色人種用トイレ〟 762 00:53:33,086 --> 00:53:37,048 {\an8}自分と違う人種を 差別することだ 763 00:53:33,544 --> 00:53:38,675 “ジョージア州では 混血を認めない〟 764 00:53:39,217 --> 00:53:42,762 “ヘイトモンガー〟という 作品は—— 765 00:53:42,887 --> 00:53:47,016 クー・クラックス・クランの パロディーだ 766 00:53:47,642 --> 00:53:54,023 ある特定の集団を 憎むヴィランを描いている 767 00:53:54,732 --> 00:53:58,278 {\an8}“エドマンド・ペタス橋〟 768 00:53:55,275 --> 00:53:58,278 読者に伝えたかったのは 769 00:53:58,403 --> 00:54:02,657 皆が平等に 扱われるべきだということだ {\an8}“私たちは乗り越える〟 770 00:54:03,825 --> 00:54:08,496 これを全マーベル作品で 伝えようとした 771 00:54:08,621 --> 00:54:14,669 “差別がなくならない限り ヘイトモンガーは生き続ける〟 772 00:54:16,587 --> 00:54:19,882 新しいスーパーヒーローの グループも—— 773 00:54:20,008 --> 00:54:24,512 差別にとらわれない内容に しようと思った 774 00:54:25,346 --> 00:54:29,475 何か変わったパワーがないか 考えてた時—— 775 00:54:29,600 --> 00:54:34,480 ふと突然変異の存在を 思い出したんだ 776 00:54:34,689 --> 00:54:38,192 例えば5本脚のカエルとかね 777 00:54:38,359 --> 00:54:43,072 突然変異によって 特殊能力を得たヒーローたち 778 00:54:43,573 --> 00:54:45,491 それがX-MENだ 779 00:54:45,742 --> 00:54:49,704 彼らは普通の人間とは かけ離れている 780 00:54:49,829 --> 00:54:55,126 そのため人々は 彼らのことを嫌い—— 781 00:54:55,251 --> 00:54:59,630 嫌がらせをしたり 怖がったりする 782 00:55:01,841 --> 00:55:03,301 どのコミックにも—— 783 00:55:03,426 --> 00:55:08,139 ちょっとした教訓を 入れるようにした 784 00:55:08,848 --> 00:55:13,770 シルバーサーファーは 別の星から地球にやってくる 785 00:55:14,270 --> 00:55:16,647 {\an8}ジャックが描いた キャラクターだ 786 00:55:18,649 --> 00:55:23,988 彼は いつも哲学的に思索し 人間に問いかける 787 00:55:24,113 --> 00:55:28,409 “なぜ地球が理想郷だと 気づかないのか?〟 788 00:55:28,534 --> 00:55:32,663 “なぜ互いに争い 欲深く 心が狭いのか?〟 789 00:55:32,789 --> 00:55:37,794 “互いに愛し合い この楽園を楽しめばいいのに〟 790 00:55:38,544 --> 00:55:42,215 私が思うに 現実の世界も—— 791 00:55:42,340 --> 00:55:46,844 互いに思いやれば もっと良くなるはずだ 792 00:55:47,428 --> 00:55:50,515 変化を起こし 改善したいなら 793 00:55:50,640 --> 00:55:54,185 そのプロセスに 入り込む必要がある 794 00:55:56,104 --> 00:55:59,399 “大いなる力には 大いなる責任が伴う〟 795 00:56:03,986 --> 00:56:07,407 ブラックパンサーを ジャックと考えたのは—— 796 00:56:05,029 --> 00:56:12,245 {\an8}“センセーショナルな ブラックパンサー!〟 797 00:56:07,949 --> 00:56:12,245 黒人ヒーローを 描くべき時だと思ったからだ 798 00:56:13,746 --> 00:56:18,626 アメリカでは多くの黒人が 生活してるからね 799 00:56:20,586 --> 00:56:26,050 面白いことに彼は アフリカに住むヒーローで—— 800 00:56:27,552 --> 00:56:31,973 リード・リチャーズと 同じくらい知的だ 801 00:56:34,559 --> 00:56:37,311 マーベル・ コミックスは—— 802 00:56:34,559 --> 00:56:40,565 {\an8}1968年 ラジオインタビュー ファンからの電話 803 00:56:37,437 --> 00:56:40,982 差別をしない 唯一のコミックよ 804 00:56:41,107 --> 00:56:44,318 様々な人種がいると 理解してる 805 00:56:44,444 --> 00:56:48,197 現代の世界が舞台の ストーリーなら 806 00:56:48,614 --> 00:56:52,118 当然 様々な人種を登場させるさ 807 00:56:52,243 --> 00:56:55,913 そのとおりね 人種が混ざってる 808 00:56:56,038 --> 00:57:00,501 それを描いたのは マーベルが初めてよ 809 00:57:00,501 --> 00:57:03,629 {\an8}“ブラックパンサーは すごい!〟 810 00:57:09,635 --> 00:57:11,846 我々が目指したのは 811 00:57:11,971 --> 00:57:17,351 幼い子供から大人まで 楽しめるストーリーだ 812 00:57:17,477 --> 00:57:22,899 一見 不可能に思えるが 知らぬ間に実現してたよ 813 00:57:25,359 --> 00:57:29,780 ある日 保健教育福祉省から 手紙が届いた 814 00:57:29,906 --> 00:57:34,285 “大きな影響力のある 御社のコミックで——〟 815 00:57:33,117 --> 00:57:38,122 {\an8}“集中的な 麻薬撲滅キャンペーン〟 816 00:57:34,410 --> 00:57:38,122 “麻薬撲滅を 訴えてほしい〟とね 817 00:57:38,247 --> 00:57:41,167 そこで3部作を制作した 818 00:57:42,460 --> 00:57:47,882 スパイダーマンが 薬物を乱用した友人を助け 819 00:57:48,007 --> 00:57:50,718 “バカなことをするな〟と諭す 820 00:57:50,843 --> 00:57:53,387 説教という感じではなく 821 00:57:53,638 --> 00:57:58,434 ストーリーの中の 1つの事件として描いた 822 00:57:58,768 --> 00:58:02,104 ところが倫理規定委員会は—— 823 00:58:02,230 --> 00:58:06,192 “認可を与えられない〟 と言うんだ 824 00:58:06,567 --> 00:58:07,860 {\an8}理由を聞くと—— 825 00:58:07,985 --> 00:58:11,155 {\an8}“倫理規定委員会の ルールでは——〟 826 00:58:11,280 --> 00:58:14,408 {\an8}“麻薬への言及を 禁じている〟と 827 00:58:14,867 --> 00:58:20,206 “麻薬撲滅がテーマだ〟と 抗議したんだが 828 00:58:20,414 --> 00:58:23,209 “テーマは関係ない〟 と言われた 829 00:58:23,334 --> 00:58:29,674 政府機関からの要請を受けて 作ったことを伝えても 830 00:58:29,799 --> 00:58:33,010 “麻薬への言及は認めない〟と 831 00:58:34,428 --> 00:58:37,640 物事をありのままに 描くことが—— 832 00:58:37,765 --> 00:58:41,394 委員会との間で 議論の火種になった 833 00:58:41,894 --> 00:58:44,897 私が思うに 人々が読むものは 834 00:58:45,022 --> 00:58:49,485 社会に踏み出すための 後押しになるべきだ 835 00:58:49,902 --> 00:58:55,950 誠実に最善を尽くすことの 大切さを示すことで 836 00:58:56,075 --> 00:59:01,372 私たちは若い読者たちに 大いに貢献してる 837 00:59:03,207 --> 00:59:09,880 発行者のマーティンに それまでの経緯を説明し 838 00:59:10,506 --> 00:59:15,219 倫理規定委員会の 認可なしで出版したいと頼んだ 839 00:59:16,095 --> 00:59:18,973 誇らしいことに マーティンは—— 840 00:59:19,098 --> 00:59:23,436 “君の言うように進めよう〟と 許可をくれたよ 841 00:59:24,979 --> 00:59:30,860 こうして倫理規定委員会の 認可なしに3部作を出版した 842 00:59:31,193 --> 00:59:34,697 それでも世界は終わらなかった 843 00:59:34,822 --> 00:59:38,117 {\an8}“あなた方を 誇りに思います〟 844 00:59:35,948 --> 00:59:41,078 教会やPTAからも手紙が届き 好評だったよ 845 00:59:38,242 --> 00:59:41,579 {\an8}“あなた方が 声を上げてくれた〟 846 00:59:47,710 --> 00:59:50,212 若者の心はスポンジ同然だ 847 00:59:50,338 --> 00:59:54,925 彼らが理解するのに 難しすぎるとか—— 848 00:59:55,343 --> 00:59:57,928 早すぎるということはない 849 00:59:58,054 --> 01:00:01,641 我々が思う以上に理解できるし 850 01:00:01,766 --> 01:00:05,102 あっという間に吸収し 学んでしまう 851 01:00:05,227 --> 01:00:09,231 だが大多数が そのチャンスを得ていない 852 01:00:10,149 --> 01:00:12,234 マーベル・コミックスを始めた頃 853 01:00:12,360 --> 01:00:18,449 大学レベルの単語を使おうと 提案したら皆に驚かれた 854 01:00:14,528 --> 01:00:17,198 {\an8}“ジャイロスコープ〟 855 01:00:18,574 --> 01:00:19,867 {\an8}“象限〟 856 01:00:19,992 --> 01:00:21,577 {\an8}“仰天〟 857 01:00:19,992 --> 01:00:24,038 若い読者は文脈で 理解できると思ったし 858 01:00:23,037 --> 01:00:26,123 {\an8}“完全無欠〟 859 01:00:24,163 --> 01:00:28,250 辞書で調べてもらえば 問題ないと思った 860 01:00:27,375 --> 01:00:28,876 {\an8}“不屈〟 861 01:00:28,376 --> 01:00:30,795 年上の読者にも分かりやすい 862 01:00:29,001 --> 01:00:30,795 {\an8}“まばゆい〟 863 01:00:31,128 --> 01:00:34,882 だからマーベルのコミックは 864 01:00:35,007 --> 01:00:39,553 他社のコミックより 学ぶことが多いだろう 865 01:00:41,013 --> 01:00:45,643 コミックを 1日でも早く買うために 866 01:00:45,768 --> 01:00:48,938 遠くの店まで行くこともある 867 01:00:49,522 --> 01:00:52,149 ファンは そういうもんだよ 868 01:00:56,737 --> 01:01:00,199 第2回 マイティ・マーベル・ コンベンション 869 01:01:00,324 --> 01:01:03,327 皆さん スタン・リーです 870 01:01:03,452 --> 01:01:07,164 イベントの様子をご覧ください 871 01:01:07,289 --> 01:01:11,460 スピーチの後 サインをする私です 872 01:01:11,752 --> 01:01:16,382 コミックの読者は 私に親近感を抱くようで 873 01:01:16,549 --> 01:01:21,595 どこへ行っても 皆 気さくに話しかけてくれた 874 01:01:21,721 --> 01:01:24,974 この前の大統領選挙の投票で 875 01:01:25,099 --> 01:01:28,018 若者が数人 私に投票したんだ 876 01:01:28,144 --> 01:01:32,022 23票は国を背負うには 少なかった 877 01:01:32,314 --> 01:01:34,066 一番好きなキャラクターは? 878 01:01:34,525 --> 01:01:36,902 ベン・グリム ザ・シングだ 879 01:01:37,027 --> 01:01:37,987 理由は? 880 01:01:38,738 --> 01:01:41,073 単純に性格が好きだよ 881 01:01:41,198 --> 01:01:44,910 怪物になったのは 彼のせいじゃない 882 01:01:45,077 --> 01:01:46,871 ファルコンだね 883 01:01:48,497 --> 01:01:49,248 アイアンマン 884 01:01:49,373 --> 01:01:49,999 なぜ? 885 01:01:50,124 --> 01:01:53,210 すごくいい奴だからさ 886 01:01:53,335 --> 01:01:57,631 彼が登場するストーリーや 発明が好きだよ 887 01:01:57,757 --> 01:01:59,800 好きなライターは? 888 01:02:00,134 --> 01:02:01,343 スタン・リー 889 01:02:01,469 --> 01:02:04,972 “エクセルシオール! スタン・リー〟 890 01:02:02,219 --> 01:02:04,972 {\an8}K100ラジオ 今日のゲストは—— 891 01:02:05,097 --> 01:02:07,808 {\an8}変わり者のスタン・リー 892 01:02:07,933 --> 01:02:11,270 {\an8}コミック好きなら 誰もが知ってる—— 893 01:02:11,395 --> 01:02:14,064 {\an8}マーベルの生みの親です 894 01:02:14,190 --> 01:02:18,444 長くやってるから 語り草になってるんだ 895 01:02:18,861 --> 01:02:25,159 アーティストたちの協力を得て マーベルを発足した 896 01:02:28,829 --> 01:02:30,998 どのアーティストも—— 897 01:02:31,123 --> 01:02:35,920 ちょっとしたこだわりを 持っている 898 01:02:36,045 --> 01:02:41,383 例えばジャックは男女の足首を ものすごく細く描く 899 01:02:41,967 --> 01:02:45,888 アーティストは才能豊かな一方 神経質なので 900 01:02:46,013 --> 01:02:48,891 いつも言葉には気をつけてた 901 01:02:49,016 --> 01:02:52,645 1人でも抜けたら 仕事が回らない 902 01:02:52,770 --> 01:02:56,565 機嫌を損ねたら 大いに非難されるよ 903 01:02:56,899 --> 01:02:58,984 スティーヴは どうでした? 904 01:02:59,109 --> 01:03:02,196 マーベルの最初の年鑑には—— 905 01:03:02,321 --> 01:03:06,325 彼の写真が 掲載されていなかった 906 01:03:06,450 --> 01:03:09,703 他の記録にも載っていません 907 01:03:09,912 --> 01:03:11,247 なぜかって? 908 01:03:11,831 --> 01:03:14,458 彼が公表を好まないからだ 909 01:03:14,583 --> 01:03:18,879 “作品に自分のことを 語らせたい〟と言ってる 910 01:03:19,004 --> 01:03:24,510 恐らく自分のことより 作品を有名にしたいんだ 911 01:03:24,635 --> 01:03:28,973 だから我々は その意見を尊重してるよ 912 01:03:30,057 --> 01:03:34,687 {\an8}スティーヴ・ディッコ 913 01:03:31,141 --> 01:03:34,687 スティーヴとは ある時 口論になった 914 01:03:34,812 --> 01:03:38,315 それはスパイダーマンの 生みの親が私だと—— 915 01:03:38,440 --> 01:03:41,360 記事で書かれた時だ 916 01:03:41,735 --> 01:03:46,031 私は 生みの親は自分だと 思ってた 917 01:03:46,156 --> 01:03:50,744 最初にアイデアを出したのは 私だからね 918 01:03:52,621 --> 01:03:56,333 だがスティーヴの意見は違った 919 01:03:56,458 --> 01:04:02,631 {\an8}“スパイダーマンは 1人が生み出したのか?〟 920 01:03:57,126 --> 01:04:02,631 “アイデアは目に見える形に なるまでは何の意味もない〟 921 01:04:02,798 --> 01:04:06,302 “自分がそれを 絵に描くことで——〟 922 01:04:06,427 --> 01:04:11,432 “命を吹き込んだんだ〟と 主張したんだ 923 01:04:11,557 --> 01:04:14,310 私はアイデアだけだとね 924 01:04:14,435 --> 01:04:19,857 “生みの親はアイデアを 出した者だ〟と私は言ったが 925 01:04:19,982 --> 01:04:22,568 彼は“描いた者だ〟と 926 01:04:22,568 --> 01:04:25,362 “スティーヴ 各ページ12コマ 描こう〟 927 01:04:25,487 --> 01:04:28,115 “描くのは私 あんたはサインの練習〟 928 01:04:29,867 --> 01:04:33,954 最初は私が 詳細なプロットを考えて 929 01:04:34,079 --> 01:04:36,248 スティーヴに伝えてた 930 01:04:36,373 --> 01:04:39,919 完全な台本は渡さなかったので 931 01:04:40,085 --> 01:04:43,172 彼は自由に描いていったんだ 932 01:04:43,297 --> 01:04:47,176 そのアートワークに 私がセリフを入れ込み 933 01:04:47,301 --> 01:04:52,932 キャラクターの性格描写などを 加えていった 934 01:04:53,766 --> 01:04:57,686 スティーヴは 創造力に富んでるし 935 01:04:57,811 --> 01:05:03,317 プロットの話し合いでは 互いの意見が衝突した 936 01:05:03,442 --> 01:05:09,031 私は彼のやり方で プロットから逸それたとしても 937 01:05:09,156 --> 01:05:12,701 いい作品になるなら それでよかった 938 01:05:12,826 --> 01:05:17,623 彼が自由に描いたものは 理解が難しかったけどね 939 01:05:17,831 --> 01:05:22,378 返ってきた原稿を見ると 全く訳が分からない 940 01:05:22,503 --> 01:05:28,092 それは私が簡潔なアイデアを 伝えなかったせいだ 941 01:05:28,592 --> 01:05:33,722 “作・・スタン・リー& スティーヴ・ディッコ〟 942 01:05:30,010 --> 01:05:33,722 “君は共同クリエーターだ〟 と伝えたが 943 01:05:34,306 --> 01:05:36,100 彼は不満そうだった 944 01:05:36,225 --> 01:05:38,435 “ひそかな台本作成・・ スタン・リー〟 945 01:05:38,560 --> 01:05:42,022 “骨の折れる プロット/絵・・ スティーヴ・ディッコ〟 946 01:05:39,812 --> 01:05:43,524 {\an8}やはり生みの親は 発案者だろう 947 01:05:43,649 --> 01:05:47,319 {\an8}アイデアがなければ 描けないからね 948 01:05:51,865 --> 01:05:54,326 スティーヴが辞職した 949 01:05:54,451 --> 01:05:56,453 何てこった 950 01:05:57,037 --> 01:05:59,790 電話で連絡を受けたよ 951 01:06:00,958 --> 01:06:02,292 そういうことだ 952 01:06:03,085 --> 01:06:05,170 彼は人気アーティストだった 953 01:06:03,085 --> 01:06:07,923 {\an8}“さようなら スティーヴ・ディッコ〟 954 01:06:05,295 --> 01:06:08,757 だが今後 後任が決まれば—— 955 01:06:08,882 --> 01:06:13,053 ブーイングも 声援に変わるだろう 956 01:06:09,842 --> 01:06:14,722 {\an8}“ドクター・ストレンジの 担当には多数の志願者〟 957 01:06:16,640 --> 01:06:20,519 スティーヴとは うまくやってきた 958 01:06:21,186 --> 01:06:25,816 私にとって 完璧な協力者だったんだ 959 01:06:26,191 --> 01:06:31,488 アートワークや ストーリーのセンスも最高でね 960 01:06:33,032 --> 01:06:37,077 だから辞められた時は 悲しかったよ 961 01:06:47,337 --> 01:06:50,215 マーベルは コミックの種類が多い 962 01:06:50,340 --> 01:06:51,467 最大手だ 963 01:06:51,592 --> 01:06:53,510 まとめるのが大変では? 964 01:06:53,635 --> 01:06:55,846 お察しのとおりだ 965 01:06:55,971 --> 01:07:01,518 1冊を執筆から編集まで 自分でやれれば一番いいが 966 01:07:01,643 --> 01:07:07,107 何種類も手分けしてやるので 皆 イライラしてる 967 01:07:07,232 --> 01:07:10,194 週に1話のペースが理想だが 968 01:07:10,319 --> 01:07:14,573 このビジネスの経済性では それは不可能だ 969 01:07:17,618 --> 01:07:22,164 我々は1日に 2冊のコミックを完成させる 970 01:07:22,289 --> 01:07:26,043 チャップリンの “モダン・タイムス〟と同じだ 971 01:07:26,168 --> 01:07:31,340 チャップリンが生産ラインで レンチを2本持ち—— 972 01:07:31,465 --> 01:07:34,676 流れてくるボルトを締めるが 973 01:07:34,885 --> 01:07:37,763 帰宅後も 体が動きを覚えてる 974 01:07:37,888 --> 01:07:41,266 それと似たような感覚に 陥るんだ 975 01:07:41,391 --> 01:07:45,646 原稿が飛び交い 校正と文字入れをして 976 01:07:45,771 --> 01:07:48,565 1日に2冊 完成させる 977 01:07:50,484 --> 01:07:56,698 当時は発売日に向けて 皆で必死に仕事をこなしてた 978 01:07:57,449 --> 01:08:00,494 アーティストらは単価が低く 979 01:08:00,619 --> 01:08:04,331 生活のために 多数のページを手がける 980 01:08:04,456 --> 01:08:08,669 思うように実力を 発揮できない状況だ 981 01:08:11,213 --> 01:08:13,841 その頃 ジャックも辞めた 982 01:08:15,551 --> 01:08:18,554 “ジャック・カービーの 突然の辞職に——〟 983 01:08:18,679 --> 01:08:22,099 “スタッフは驚いたが 気丈に振る舞った〟 984 01:08:23,725 --> 01:08:29,606 1970年 ジャック・カービーが マーベル・コミックスを去る 985 01:08:35,028 --> 01:08:36,864 {\an8}ジャックとの生放送です 986 01:08:35,028 --> 01:08:41,034 1987年 ジャック・カービー インタビュー 987 01:08:37,072 --> 01:08:41,034 {\an8}ここで特別ゲストを 紹介しましょう 988 01:08:41,243 --> 01:08:43,912 {\an8}ジャックの元同僚 スタン・リーです 989 01:08:44,037 --> 01:08:46,081 {\an8}ジャック 誕生日おめでとう 990 01:08:46,331 --> 01:08:48,417 スタンリー ありがとう 991 01:08:48,542 --> 01:08:51,837 これからも元気でいてくれよ 992 01:08:51,962 --> 01:08:54,631 君も健康に気をつけて 993 01:08:54,756 --> 01:09:00,721 一緒にやってきたことは 永遠に議論されるだろう 994 01:09:00,846 --> 01:09:03,765 だが我々の作品には—— 995 01:09:03,891 --> 01:09:07,269 目に見える以上の価値がある 996 01:09:07,394 --> 01:09:13,358 ちょっとした魔法が 効果を及ぼしてたんだろう 997 01:09:13,525 --> 01:09:18,572 私にとっても 最高の経験だったよ 998 01:09:18,697 --> 01:09:22,284 いい作品ができれば満足だった 999 01:09:22,409 --> 01:09:27,581 結局 誰が何をやったかは もはや関係なく... 1000 01:09:27,706 --> 01:09:32,419 台本のセリフは すべて私が考えてた 1001 01:09:34,504 --> 01:09:35,297 全作品のね 1002 01:09:35,422 --> 01:09:39,009 ここで言い争うのはやめよう 1003 01:09:39,134 --> 01:09:42,971 各コマのセリフは 私も書いたことが... 1004 01:09:43,096 --> 01:09:44,556 ああ 見たよ 1005 01:09:44,681 --> 01:09:46,308 印刷されてない 1006 01:09:46,433 --> 01:09:47,351 待ってくれ 1007 01:09:47,476 --> 01:09:49,645 ジャック 正直に答えてくれ 1008 01:09:49,770 --> 01:09:52,856 完成したストーリーを 読んだか? 1009 01:09:52,981 --> 01:09:56,401 一度も読んだことがないだろ 1010 01:09:56,526 --> 01:10:00,864 いつも次の作品を描くのに 忙しかった 1011 01:10:00,989 --> 01:10:02,699 何を書くかは... 1012 01:10:03,450 --> 01:10:08,622 私はアクションに 興味があったんだよ 1013 01:10:08,789 --> 01:10:14,461 “セリフは誰でも入れられる 大事なのは絵だ〟と? 1014 01:10:14,586 --> 01:10:17,464 私は そうは思わないがね 1015 01:10:17,589 --> 01:10:22,761 そうじゃなくて 台本の執筆や作画というのは 1016 01:10:22,886 --> 01:10:24,680 一人でやるべきだ 1017 01:10:24,805 --> 01:10:29,226 最初から最後まで 自分でやってみるといい 1018 01:10:29,351 --> 01:10:31,478 マーベルが成功したのは—— 1019 01:10:31,603 --> 01:10:36,984 魅力的なキャラクターが 注目を集めたからだ 1020 01:10:37,109 --> 01:10:39,820 スタッフのエゴは関係ない 1021 01:10:39,945 --> 01:10:45,742 おかしなことに その問題は 最近になって浮上した 1022 01:10:45,867 --> 01:10:49,788 ジャックと私が 一緒に働いてた時は 1023 01:10:49,913 --> 01:10:52,040 そんな問題はなかった 1024 01:10:52,165 --> 01:10:56,086 実際に当時は どんな状況だったか—— 1025 01:10:56,795 --> 01:10:58,547 今なら分かるだろ 1026 01:11:09,391 --> 01:11:10,892 {\an8}1972年 1027 01:11:11,435 --> 01:11:16,982 スタンは発行者となり 日々の執筆作業から離れ—— 1028 01:11:17,107 --> 01:11:22,487 後任を編集長に指名した 1029 01:11:23,030 --> 01:11:27,951 ゲストは私の旧友 そして同僚であり 1030 01:11:28,076 --> 01:11:33,498 コミック業界で 大いに活躍する秀才の1人 1031 01:11:33,623 --> 01:11:37,419 ロイ・トーマス マーベルの名誉編集長です 1032 01:11:37,544 --> 01:11:41,089 コミック業界に限らず 他業界でも—— 1033 01:11:41,214 --> 01:11:43,800 彼ほど優秀なライターはいない 1034 01:11:43,925 --> 01:11:47,012 君は理想の人材だった 1035 01:11:47,137 --> 01:11:50,932 “ファンタスティック・フォー〟 “アベンジャーズ〟など 1036 01:11:51,058 --> 01:11:53,226 ほぼ全作を引き継いだ 1037 01:11:53,352 --> 01:11:56,688 自分のファンも増やしてるし 1038 01:11:56,813 --> 01:11:59,691 次第に嫉妬してきたよ 1039 01:12:02,319 --> 01:12:05,697 発行者になり 執筆をやめた 1040 01:12:06,323 --> 01:12:10,577 書いてた頃は 部下を 完全にコントロールし 1041 01:12:10,702 --> 01:12:13,372 思いどおりに育て上げた 1042 01:12:13,497 --> 01:12:17,209 だが自分の仕事を 引き継いだら—— 1043 01:12:17,334 --> 01:12:22,297 彼らの方法で書かせるべきだと 気づいたんだ 1044 01:12:24,508 --> 01:12:29,012 コミックは当初 男性ヒーローがメインで 1045 01:12:29,137 --> 01:12:33,558 女性ヒーローは ほとんどいなかった 1046 01:12:33,683 --> 01:12:35,602 だが調べてみると—— 1047 01:12:35,727 --> 01:12:40,190 読者の10%が女性だと 分かったんだ 1048 01:12:40,482 --> 01:12:43,819 だから女性読者を増やすべく 1049 01:12:43,944 --> 01:12:49,491 ここ最近は 女性キャラクターを増やしてる 1050 01:12:49,866 --> 01:12:55,622 例えば レッドソニアという 有史前の野蛮なキャラクターは 1051 01:12:55,789 --> 01:12:57,707 剣を巧みに使う 1052 01:12:57,833 --> 01:13:00,585 {\an8}メデューサや ブラック・ウィドウ 1053 01:13:00,710 --> 01:13:05,465 {\an8}新しいミズ・マーベルも 大活躍するだろう 1054 01:13:06,466 --> 01:13:10,011 あの会社で働き始めて以来 初めて—— 1055 01:13:10,470 --> 01:13:17,060 アーティストたちに自由に 描かせるようになった 1056 01:13:17,686 --> 01:13:21,898 複雑な心境で 後悔してる部分もあるよ 1057 01:13:22,023 --> 01:13:26,361 スタッフと常に 一緒にいるわけじゃないし 1058 01:13:26,486 --> 01:13:32,117 すべてのキャラクターを コントロールできなくなった 1059 01:13:32,242 --> 01:13:36,496 {\an8}“コミックの指示方法が 変わった〟 1060 01:13:32,409 --> 01:13:36,496 例えばドクター・オクトパスを 使いたくなり 1061 01:13:36,621 --> 01:13:39,875 “次号で復活させよう〟と 提案すると—— 1062 01:13:40,000 --> 01:13:45,589 “アベンジャーズで使った〟と 言われてしまう 1063 01:13:45,797 --> 01:13:51,178 こうやって思いどおりに いかない時があるんだ 1064 01:13:51,303 --> 01:13:56,766 大企業になった今では ささいな問題だけどね 1065 01:13:55,724 --> 01:13:57,809 “フFレンズ・オOブ・ オOールド・マMーベル〟 1066 01:13:57,934 --> 01:14:03,064 “スパイダーマンが 生まれた木〟 1067 01:14:00,729 --> 01:14:06,109 {\an8}今まで生きてきた中で 最もブラブラしてるよ 1068 01:14:06,234 --> 01:14:09,404 {\an8}発行者に 追いやられたからね 1069 01:14:09,529 --> 01:14:13,533 {\an8}部下に書かせるのが 仕事になったが—— 1070 01:14:13,658 --> 01:14:16,036 {\an8}執筆作業が恋しいよ 1071 01:14:14,743 --> 01:14:19,581 “私がいなくなっても 水をやってくれ スタン〟 1072 01:14:26,796 --> 01:14:30,842 私は発行者となり 大物実業家になった 1073 01:14:34,471 --> 01:14:38,141 大物になる夢が かなったんだ 1074 01:14:38,683 --> 01:14:40,894 だが実業家と言っても—— 1075 01:14:42,437 --> 01:14:46,274 ビジネスの数字とかに 興味がない 1076 01:14:46,858 --> 01:14:50,946 取締役会では 5ヵ年計画を求められた 1077 01:14:51,071 --> 01:14:54,908 5年後の立ち位置は? 必要な予算は? 1078 01:14:55,033 --> 01:14:58,495 ビジネスに関することは退屈だ 1079 01:15:05,001 --> 01:15:10,966 だから発行者ではあるが 単なる実業家にとどまらず—— 1080 01:15:11,758 --> 01:15:16,263 全国を回って マーベル・コミックスの話をした 1081 01:15:16,388 --> 01:15:18,265 文化を愛する皆さん 1082 01:15:18,598 --> 01:15:20,517 {\an8}“リーが驚異マーベルのトーク〟 1083 01:15:19,724 --> 01:15:21,518 大学で講演を行い 1084 01:15:20,642 --> 01:15:21,977 {\an8}“クリエーターが語る〟 1085 01:15:21,643 --> 01:15:26,022 テレビやラジオ番組に出て マーベルを宣伝した 1086 01:15:26,147 --> 01:15:30,443 コミック界のスーパーヒーロー スタン・リー 1087 01:15:31,111 --> 01:15:34,614 これまで 証明されてこなかったが 1088 01:15:34,864 --> 01:15:40,412 コミックというのは 非常に強力な文化的手段だ 1089 01:15:40,537 --> 01:15:43,206 今こそチャンスを生かして 1090 01:15:43,331 --> 01:15:48,044 コミックをより重要なものに していきたい 1091 01:15:48,420 --> 01:15:52,841 宗教の改革運動みたいなものさ 1092 01:15:54,134 --> 01:15:55,135 なるほど 1093 01:16:02,183 --> 01:16:06,021 マーベルには何年も勤めている 1094 01:16:06,271 --> 01:16:11,318 私にとって 生涯にわたる仕事になった 1095 01:16:11,610 --> 01:16:13,695 こうすべきだと思う 1096 01:16:16,656 --> 01:16:19,492 だが会社は買収された 1097 01:16:21,536 --> 01:16:23,622 新会社のオーナーは—— 1098 01:16:23,747 --> 01:16:29,336 “全社員に今まで以上の待遇を 保証する〟と言った 1099 01:16:29,586 --> 01:16:31,921 だが私へのオファーは—— 1100 01:16:32,047 --> 01:16:36,217 終身契約ではなく 2年契約だったんだ 1101 01:16:36,343 --> 01:16:38,094 ガッカリしたよ 1102 01:16:40,013 --> 01:16:43,475 私が書いてきた ストーリーは—— 1103 01:16:44,142 --> 01:16:50,482 著作権で保護してなかったので すべて会社に帰属していた 1104 01:16:50,607 --> 01:16:53,902 それはビジネスとして 失敗だったよ 1105 01:16:56,071 --> 01:17:00,116 ショックだったが 何もできなかった 1106 01:17:05,288 --> 01:17:08,917 計画的かつ破壊的な テロ行為により... 1107 01:17:09,042 --> 01:17:13,963 {\an8}2010年 1108 01:17:10,210 --> 01:17:11,711 変化の時が来た 1109 01:17:11,836 --> 01:17:13,963 私たちはできる 1110 01:17:19,678 --> 01:17:22,889 それじゃ カメラを回そう 1111 01:17:24,849 --> 01:17:27,519 マーベルは やっと落ち着いた 1112 01:17:27,852 --> 01:17:30,939 みんな 離れてくれ 1113 01:17:31,064 --> 01:17:37,153 会社は私に名誉会長という 称号を与えてくれた 1114 01:17:37,278 --> 01:17:39,030 光栄に思ったよ 1115 01:17:39,155 --> 01:17:40,824 用意 アクション 1116 01:17:40,949 --> 01:17:42,784 カメラ 車! 1117 01:17:43,993 --> 01:17:44,869 スタン 1118 01:17:45,120 --> 01:17:46,538 成功か? 1119 01:17:47,205 --> 01:17:50,125 スタン どうもありがとう 1120 01:17:50,250 --> 01:17:54,629 握手やサイン攻めに遭ったら 申し訳ないが 1121 01:17:54,754 --> 01:17:57,173 出演に感謝するよ 1122 01:17:57,298 --> 01:17:58,675 ありがとう 1123 01:17:59,175 --> 01:18:04,597 “楽しみをありがとう〟と 大勢の人が声をかけてくれる 1124 01:18:04,723 --> 01:18:07,517 この仕事を始めたのは1940年代 1125 01:18:07,642 --> 01:18:11,855 当時の読者は まだ作品を覚えていて 1126 01:18:11,980 --> 01:18:15,442 今では自分の子供や孫もいる 1127 01:18:16,568 --> 01:18:20,447 60年代のマーベルを 振り返ると—— 1128 01:18:16,901 --> 01:18:22,907 {\an8}マーベル・スタジオ 社長 ケヴィン・ファイギの声 1129 01:18:20,697 --> 01:18:24,409 スタンやジャック スティーヴらによって 1130 01:18:24,534 --> 01:18:27,328 数々の名作が 生み出された 1131 01:18:27,454 --> 01:18:30,749 それらの映画化を 検討している時—— 1132 01:18:30,874 --> 01:18:35,920 少しでも彼らの創造力に あやかりたいと思うんだ 1133 01:18:37,130 --> 01:18:41,551 我々はコミックの功績を 引き継ごうとしている 1134 01:18:42,844 --> 01:18:45,638 作品を書いていた頃は—— 1135 01:18:45,764 --> 01:18:51,019 それらが売れて 家賃が払えることを祈ってた 1136 01:18:51,436 --> 01:18:56,357 突然 キャラクターたちは 世界的に有名になり 1137 01:18:56,483 --> 01:19:00,028 超大作映画が制作されてる 1138 01:19:00,153 --> 01:19:03,323 私もカメオ出演してるよ 1139 01:19:04,532 --> 01:19:05,074 カット 1140 01:19:05,492 --> 01:19:10,955 アイアンマンの生みの親 スタン・リー氏は撮了です 1141 01:19:11,080 --> 01:19:15,543 自分が生んだキャラクターと 共演するとはね 1142 01:19:15,794 --> 01:19:19,172 NYにスーパーヒーロー? バカな 1143 01:19:19,964 --> 01:19:23,718 しかも それが すばらしい映画になる 1144 01:19:24,385 --> 01:19:25,345 成功か? 1145 01:19:25,637 --> 01:19:27,138 キャプテン・アメリカ? 1146 01:19:27,639 --> 01:19:29,599 意外に小柄だな 1147 01:19:29,849 --> 01:19:32,352 映画を作るプロたちは... 1148 01:19:32,477 --> 01:19:34,604 わしの首が飛ぶ 1149 01:19:34,729 --> 01:19:37,148 キャラクターを愛してくれてる 1150 01:19:37,273 --> 01:19:39,317 トニー・スカンクさん? 1151 01:19:39,442 --> 01:19:42,070 予想以上の成果だよ 1152 01:19:42,195 --> 01:19:44,906 じゃ 話を戻そう 1153 01:19:45,490 --> 01:19:50,745 クリエーティブな人たちと 一緒に仕事するのは 1154 01:19:51,079 --> 01:19:52,580 ワクワクするんだ 1155 01:19:56,334 --> 01:19:57,585 やめろ! 1156 01:19:57,710 --> 01:19:58,920 いくぞ 1157 01:19:59,128 --> 01:20:01,965 考えてみると すごいことだよ 1158 01:20:02,090 --> 01:20:05,760 60年代にラリったツケが 回ってきたな 1159 01:20:06,010 --> 01:20:06,803 カット 1160 01:20:07,053 --> 01:20:09,097 チップは こっちに寄せて—— 1161 01:20:09,264 --> 01:20:12,976 誰かに取られないように 預かっとく 1162 01:20:14,060 --> 01:20:17,188 小僧ども 宇宙船は初めてか? 1163 01:20:17,355 --> 01:20:18,231 アクション 1164 01:20:19,023 --> 01:20:20,316 “私を信じるんだ〟 1165 01:20:21,734 --> 01:20:25,780 これで満足してなかったら イカれてるよ 1166 01:20:27,824 --> 01:20:30,827 映画化やドラマ化によって 1167 01:20:27,824 --> 01:20:33,830 {\an8}ロイ・トーマスの声 1168 01:20:30,952 --> 01:20:33,830 スタンの功績が 世界に知れ渡った 1169 01:20:34,038 --> 01:20:38,376 彼の作品のすばらしさを 皆 理解するだろう 1170 01:20:38,501 --> 01:20:40,628 どうも 元気かい? 1171 01:20:43,298 --> 01:20:48,511 スタンやジャック スティーヴらの努力こそ—— 1172 01:20:48,720 --> 01:20:51,806 昨今のマーベル作品の原点だ 1173 01:20:52,140 --> 01:20:58,229 すべてのきっかけは あの3人がチームとなり—— 1174 01:20:58,354 --> 01:21:03,443 創造力を駆使して 壮大な世界を作り上げたこと 1175 01:21:07,822 --> 01:21:10,867 1人でも欠けたら 成し得なかった 1176 01:21:16,956 --> 01:21:20,501 スタン・リー氏に 大きな拍手を 1177 01:21:19,250 --> 01:21:24,172 {\an8}2017年 UCLAエクステンション 卒業式 1178 01:21:30,553 --> 01:21:32,764 今日のスピーチのために 1179 01:21:33,306 --> 01:21:37,936 時間をかけて 25ページもの原稿を書いた 1180 01:21:38,978 --> 01:21:42,482 だが退屈な内容だったので—— 1181 01:21:43,858 --> 01:21:45,443 破り捨てた 1182 01:21:45,944 --> 01:21:49,739 だから原稿を持たずに ここに座ってる 1183 01:21:49,989 --> 01:21:53,159 だが これだけは伝えたい 1184 01:21:53,993 --> 01:21:59,499 アイデアを思いつき それが本当にいいと思うなら 1185 01:21:59,791 --> 01:22:02,669 反対する声に負けるな 1186 01:22:02,794 --> 01:22:08,633 君たちのアイデアがすべて 天才的だとは限らない 1187 01:22:08,758 --> 01:22:12,136 だが いい考えが浮かんだとか 1188 01:22:12,679 --> 01:22:17,642 やりたいことや 大事だと思うことがあれば 1189 01:22:17,809 --> 01:22:19,644 それに挑戦してくれ 1190 01:22:19,769 --> 01:22:25,441 やりたいと思った時こそ 最高の仕事ができるんだ 1191 01:22:25,608 --> 01:22:29,612 自分がこうだと思った方法で 1192 01:22:29,737 --> 01:22:34,492 誇りを持って やり遂げることができれば—— 1193 01:22:34,617 --> 01:22:39,998 “なかなかいい出来だ〟と 達成感を得られるだろう 1194 01:22:40,873 --> 01:22:45,003 世界に羽ばたく皆さんの 幸運を祈るよ 1195 01:22:45,128 --> 01:22:50,299 最善を尽くせば やってよかったと思える 1196 01:22:51,342 --> 01:22:53,261 エクセルシオール! 1197 01:26:04,327 --> 01:26:06,329 日本版字幕 池田 美和子