1 00:00:33,250 --> 00:00:36,750 手柄はその人のものだ 失敗したとしても 2 00:00:36,750 --> 00:00:40,541 大きな挑戦をしながら 失敗したのだ T・ルーズベルト 3 00:01:09,708 --> 00:01:11,875 1914年 E・シャクルトンと 4 00:01:11,875 --> 00:01:15,208 27人の乗組員は エンデュアランス号に乗船 5 00:01:16,416 --> 00:01:20,500 目的地は南極大陸だった 6 00:01:22,708 --> 00:01:24,041 夢だった 7 00:01:24,958 --> 00:01:26,375 宝探しだった 8 00:01:28,458 --> 00:01:32,500 だがシャクルトンは 物質的興味はない 9 00:01:33,375 --> 00:01:35,875 宝で買えるものは 答えではない 10 00:01:36,791 --> 00:01:38,833 それを見つけること 11 00:01:39,583 --> 00:01:40,916 それを探すこと 12 00:01:43,541 --> 00:01:47,416 彼は人間が見たことのない 場所や物を 13 00:01:47,416 --> 00:01:50,750 見たときの興奮は 言い表せないと言った 14 00:01:55,958 --> 00:01:56,958 愛する人よ 15 00:01:56,958 --> 00:02:01,208 未知の世界へ南下する前の 最後の手紙だ 16 00:02:02,666 --> 00:02:05,708 我々はやり遂げると 疑っていない 17 00:02:07,791 --> 00:02:09,916 なぜ行くかは言えない 18 00:02:10,916 --> 00:02:15,375 探検家を生み出す原動力は 何か説明できない 19 00:02:21,500 --> 00:02:22,958 ラインを見て 20 00:02:23,541 --> 00:02:26,625 “アガラスII〟 21 00:02:28,458 --> 00:02:31,458 1915年1月21日 22 00:02:32,375 --> 00:02:34,458 我々の立場は不穏 23 00:02:35,500 --> 00:02:39,583 気温の低下により 船周りの水が凝固 24 00:02:40,291 --> 00:02:43,416 我々が凍りつき 我々を脅かす 25 00:02:43,416 --> 00:02:46,125 流氷の一部になるだろう 26 00:02:49,333 --> 00:02:53,250 未知の世界へ踏み出す一歩が 謎を解明 27 00:02:54,750 --> 00:02:57,333 地球上に謎がある限り 28 00:02:57,875 --> 00:03:02,041 解明するのは 権利だけでなく義務だ 29 00:03:05,833 --> 00:03:08,916 探検し 宝を狙うこと 30 00:03:08,916 --> 00:03:11,333 その先を目指すのは 31 00:03:11,333 --> 00:03:12,708 当然のことだ 32 00:03:15,958 --> 00:03:18,541 船の梁はりが折れる音がした 33 00:03:18,541 --> 00:03:23,291 力強い氷のせいで 簡単に折れてしまった 34 00:03:28,208 --> 00:03:30,541 今までにないことをするのが 好きなんだ 35 00:03:31,875 --> 00:03:32,875 シャクルトンは言った 36 00:03:33,000 --> 00:03:35,583 “困難は 克服すべきものにすぎない〟 37 00:03:44,416 --> 00:03:47,708 苦境から命をかけて 抜け出せる限り 38 00:03:47,708 --> 00:03:49,250 我々は崩れない 39 00:03:51,541 --> 00:03:54,125 神が喜べば実現する 40 00:04:22,125 --> 00:04:26,958 歴史的南極探検: エンデュアランス号の 謎を追え! 41 00:04:42,833 --> 00:04:46,375 {\an8}ウェッデル海 南極大陸 42 00:04:57,750 --> 00:04:59,791 おはよう ニコ 43 00:05:02,208 --> 00:05:03,291 ラッセ 44 00:05:04,458 --> 00:05:07,125 宇宙から撮ったものだ 45 00:05:07,791 --> 00:05:10,333 晴天だと光学画像を得るので 46 00:05:10,333 --> 00:05:12,541 ナビに非常に役立つ 47 00:05:18,291 --> 00:05:21,916 ニコ・ヴィンセント 探検隊 海中責任者 48 00:05:19,958 --> 00:05:23,833 {\an8}こっちに移動するかな 今ここにいる 49 00:05:29,083 --> 00:05:33,250 AUV隊をできる限り サポートする 50 00:05:33,250 --> 00:05:37,041 ジョン・シアーズ 探検隊 隊長 51 00:05:34,625 --> 00:05:38,333 {\an8}24時間フル稼働で 探査活動する 52 00:05:38,333 --> 00:05:40,708 12日間しかない 53 00:05:40,708 --> 00:05:44,458 天気が持てば 10日間延長可 54 00:05:44,458 --> 00:05:48,250 氷が再結晶し再凍結する前に 出ないと 55 00:05:52,375 --> 00:05:54,583 ワースリー船長記載の 56 00:05:54,583 --> 00:05:56,416 緯度経度に近い 57 00:05:56,416 --> 00:05:59,666 ダン・スノー 歴史家 キャスター 58 00:05:57,583 --> 00:06:00,000 沈没したとされる場所だ 59 00:06:00,000 --> 00:06:02,916 成功するぞ ダイブ一本目 60 00:06:05,083 --> 00:06:06,791 もう少し前 61 00:06:07,458 --> 00:06:12,041 探索ダイブ1 残り12日 62 00:06:19,333 --> 00:06:22,125 エンデュアランスは 歴史的な難破船 63 00:06:22,875 --> 00:06:24,916 おそらくこの船が出航するー 64 00:06:24,916 --> 00:06:28,541 わずか2年前に沈没した タイタニック号以上 65 00:06:30,000 --> 00:06:32,166 世界中の難破船を 調査してきた 66 00:06:31,375 --> 00:06:36,000 {\an8}メンスン・バウンド 海洋考古学者 探検部長 67 00:06:34,916 --> 00:06:38,041 東は南シナ海から 西はカリブ海まで 68 00:06:38,041 --> 00:06:40,541 あらゆる種類と時代の難破船 69 00:06:41,291 --> 00:06:44,583 {\an8}シチリア沖で発見された 古代ギリシャ船の 70 00:06:44,583 --> 00:06:47,583 {\an8}残骸は今世紀最大の 発見かもしれない 71 00:06:49,250 --> 00:06:52,375 難破船は巨大な人工物だ 72 00:06:53,208 --> 00:06:54,416 それがすべて 73 00:06:54,416 --> 00:06:59,041 世界最高のタイムカプセルは 難破船だ 74 00:07:00,958 --> 00:07:03,083 難破船は人に関わるものだ 75 00:07:02,208 --> 00:07:04,500 {\an8}“フランク・ ワースリー〟 76 00:07:05,208 --> 00:07:09,000 エンデュアランスの船長 ワースリー 77 00:07:09,000 --> 00:07:12,083 {\an8}大工の ハリー・マクニッシュ 78 00:07:12,083 --> 00:07:15,416 {\an8}地質学者の ジェームズ・ワーディー 79 00:07:15,416 --> 00:07:17,250 {\an8}彼らの日記がすべて 80 00:07:17,250 --> 00:07:20,333 シャクルトンは 日記から語られるべき 81 00:07:20,791 --> 00:07:23,916 {\an8}全日記を読んだが ほとんど未出版 82 00:07:24,416 --> 00:07:27,500 {\an8}シャクルトンについて 初めて読んだ本 83 00:07:27,500 --> 00:07:29,166 持ち歩いている 84 00:07:29,166 --> 00:07:32,083 信じられないかもだが 日曜学校に 85 00:07:32,083 --> 00:07:36,166 出席して もらった 賞品の本だった 86 00:07:38,375 --> 00:07:40,208 フォークランド諸島 出身の私は 87 00:07:40,208 --> 00:07:43,541 南極大陸が 裏庭のように感じた 88 00:07:44,166 --> 00:07:46,250 数百マイルしか離れていない 89 00:07:50,166 --> 00:07:53,458 偉大なる男 ボスのシャクルトン 90 00:07:53,458 --> 00:07:55,250 持ち歩いている 91 00:07:57,750 --> 00:07:58,833 順調 92 00:08:03,625 --> 00:08:04,875 大丈夫か? 93 00:08:09,041 --> 00:08:12,041 幸運を祈るけど 至難の業だよね? 94 00:08:12,041 --> 00:08:13,666 楽観的ですか? 95 00:08:13,666 --> 00:08:16,958 確かに至難の業だと思う 96 00:08:16,958 --> 00:08:20,541 {\an8}ウェッデル海の 3千メートル下にあり 97 00:08:20,541 --> 00:08:23,500 最も過酷な場所のひとつ 98 00:08:23,500 --> 00:08:27,250 エンデュアランスを見つけて 99 00:08:27,250 --> 00:08:29,583 真相に近づきたい 100 00:08:29,583 --> 00:08:33,291 地球上で最も発見が 困難な船なので 101 00:08:33,291 --> 00:08:38,375 この探検はまさに科学と 地理学の最前線だ 102 00:08:39,125 --> 00:08:41,541 アガラスでの活動を 103 00:08:41,541 --> 00:08:44,666 世界中に広めるのが仕事だ 104 00:08:45,166 --> 00:08:48,625 シャクルトンとハーレーの 精神を引き継ぎ 105 00:08:48,625 --> 00:08:50,375 彼らの活動を世に伝える 106 00:08:50,375 --> 00:08:53,625 ネットやSNSの ツールを使って 107 00:08:54,916 --> 00:08:57,666 {\an8}語り継がれる理由は 108 00:08:57,666 --> 00:08:59,208 {\an8}偉大な生存力 109 00:08:59,208 --> 00:09:00,833 {\an8}指導力と団結力 110 00:09:02,291 --> 00:09:03,875 また失敗の物語 111 00:09:05,583 --> 00:09:09,083 {\an8}ロンドン 112 00:09:10,250 --> 00:09:12,416 {\an8}当時は大航海時代 113 00:09:13,166 --> 00:09:16,250 {\an8}海の最も深いところや 114 00:09:16,250 --> 00:09:19,208 {\an8}世界最高峰の山は 未踏だ 115 00:09:20,333 --> 00:09:23,750 この時の極地探検家は有名人 116 00:09:24,166 --> 00:09:25,750 ロックスター 117 00:09:28,333 --> 00:09:31,791 シャクルトンは 南極探検に4回参加 118 00:09:32,916 --> 00:09:36,833 1901年 三等航海士として スコットの 119 00:09:36,833 --> 00:09:39,916 ディスカバリー遠征に参加 120 00:09:41,875 --> 00:09:45,958 英国海軍士官の スコットを説得し 121 00:09:45,958 --> 00:09:48,416 {\an8}商船出身の男を 同行させるとは 122 00:09:48,416 --> 00:09:52,041 {\an8}20代のシャクルトンは 特殊だった 123 00:09:53,125 --> 00:09:54,500 彼らは苦戦し 124 00:09:55,041 --> 00:09:57,416 極限の状態で帰還 125 00:09:57,416 --> 00:10:00,666 シャクルトンは特にひどく 126 00:10:02,125 --> 00:10:05,958 病人として英国に 送り返された 127 00:10:05,958 --> 00:10:08,625 惨めな彼は—— 128 00:10:09,583 --> 00:10:14,250 南極から追放した スコットを許さなかった 129 00:10:17,166 --> 00:10:21,000 1907年 シャクルトンは ニムロド遠征という 130 00:10:21,000 --> 00:10:24,958 自身の南極探検への 資金を確保 131 00:10:24,958 --> 00:10:28,000 再び南極点を目指し 132 00:10:28,000 --> 00:10:31,041 156キロ圏内まで到達 133 00:10:32,041 --> 00:10:33,750 宝の入手直前 134 00:10:34,333 --> 00:10:39,291 だが最後の一歩を 踏み出さなかった 135 00:10:39,291 --> 00:10:42,250 部下が死んでしまうからだ 136 00:10:43,791 --> 00:10:45,416 失敗は考えない 137 00:10:45,416 --> 00:10:49,041 探検隊長の声 E・シャクルトン 138 00:10:47,583 --> 00:10:51,541 {\an8}でも理性を持って 仲間の命も考慮する 139 00:10:53,041 --> 00:10:56,416 難しい決断だったに違いない 140 00:10:59,000 --> 00:11:01,458 アムンセン極点到達 スコットは? 141 00:11:01,458 --> 00:11:04,458 {\an8}スコット率の英国隊に 142 00:11:04,458 --> 00:11:07,125 {\an8}数日の差で先んじた 143 00:11:07,125 --> 00:11:10,291 アムンセンの南極点到達後 144 00:11:10,875 --> 00:11:14,791 {\an8}南極探検の目的は ひとつだけ残る 145 00:11:14,791 --> 00:11:18,375 {\an8}南極大陸の 海から海への横断 146 00:11:19,500 --> 00:11:21,916 {\an8}南極偉業はまだあると 147 00:11:21,916 --> 00:11:24,625 {\an8}多くの人を納得させた 148 00:11:24,625 --> 00:11:26,458 {\an8}南極点は到達したが 149 00:11:26,458 --> 00:11:29,625 {\an8}南極大陸横断は 150 00:11:29,625 --> 00:11:31,500 {\an8}まだである 151 00:11:34,125 --> 00:11:35,958 シャクルトンは船を発見 152 00:11:37,083 --> 00:11:41,375 エンデュアランスは 1911~13年に建造 153 00:11:43,000 --> 00:11:47,583 購入時 船名を エンデュアランスに変更 154 00:11:47,583 --> 00:11:50,291 “忍耐によって征服〟 155 00:11:50,291 --> 00:11:52,458 家訓を反映させた 156 00:11:54,333 --> 00:11:56,333 乗組員を集めた 157 00:11:56,333 --> 00:11:58,500 {\an8}新聞社に手紙を送り 158 00:11:58,500 --> 00:12:01,000 {\an8}誰でも応募できると 159 00:12:01,000 --> 00:12:03,708 {\an8}3人の女性含む 5千人の応募者 160 00:12:04,291 --> 00:12:06,041 探検の科学的調査に 161 00:12:06,041 --> 00:12:08,333 参加希望の科学者もいた 162 00:12:08,333 --> 00:12:09,541 船員もいた 163 00:12:13,666 --> 00:12:15,708 偶然 探検に参加した 164 00:12:17,166 --> 00:12:20,125 {\an8}氷塊まみれの バーリントン通りを 165 00:12:18,250 --> 00:12:21,666 船長 フランク・ワースリー 166 00:12:21,666 --> 00:12:24,333 {\an8}船で走らせる夢を見た 167 00:12:24,333 --> 00:12:25,791 {\an8}不条理な夢だ 168 00:12:26,875 --> 00:12:28,708 {\an8}でも船乗りは迷信深い 169 00:12:28,708 --> 00:12:32,416 {\an8}翌朝バーリントン通りへ 急行 170 00:12:33,458 --> 00:12:35,458 ドアの看板を見た 171 00:12:36,541 --> 00:12:40,416 “帝国南極横断探検隊〟と 記載 172 00:12:41,666 --> 00:12:43,583 ビルに入ると 173 00:12:43,583 --> 00:12:45,291 シャクルトンがいた 174 00:12:45,875 --> 00:12:47,791 彼を見た瞬間 175 00:12:47,791 --> 00:12:52,291 一緒に働きたいと 思える男だった 176 00:12:53,708 --> 00:12:56,708 彼はスーダンの 探検帰りの科学者 177 00:12:56,708 --> 00:12:58,541 気象学者を連行 178 00:12:59,125 --> 00:13:01,875 気になることがあった 179 00:13:01,875 --> 00:13:04,333 バンジョーを 持って行くべきか 180 00:13:04,333 --> 00:13:06,750 {\an8} 彼は力強く “もちろん〟と 181 00:13:04,666 --> 00:13:08,208 気象学者 レオナード・ハッセー 182 00:13:08,208 --> 00:13:12,333 {\an8}スーダンで使った バンジョーは 183 00:13:12,333 --> 00:13:14,000 荷物となった 184 00:13:17,208 --> 00:13:19,458 南極経験は必要なかった 185 00:13:19,458 --> 00:13:22,000 顔だけで選んだ男もいた 186 00:13:23,333 --> 00:13:24,833 個性を求めていた 187 00:13:24,833 --> 00:13:26,875 タフさと万能性も 188 00:13:26,875 --> 00:13:30,750 極地探検隊 シャクルトン探検隊員 189 00:13:29,458 --> 00:13:33,250 {\an8}乗組員はシャクルトンを 含め28人 190 00:13:33,250 --> 00:13:36,000 {\an8}さらに未経験者が扱う 191 00:13:36,000 --> 00:13:39,250 {\an8}ソリを引く犬多数と 猫一匹 192 00:13:39,250 --> 00:13:42,458 {\an8}南極大陸の反対側に 別船を送り 193 00:13:43,125 --> 00:13:46,083 旅の後半に入るところで 194 00:13:46,083 --> 00:13:49,625 彼らが飢えを免れるよう 195 00:13:49,625 --> 00:13:52,041 食料を置いてもらった 196 00:13:55,083 --> 00:13:58,083 ドイツ軍がフランスに侵攻 197 00:13:58,083 --> 00:14:00,250 第一次世界大戦前夜 198 00:14:00,250 --> 00:14:01,708 戦時下の英国とドイツ 199 00:14:01,708 --> 00:14:05,125 船と乗組員を国のために奉仕 200 00:14:03,625 --> 00:14:06,416 {\an8}王と国があなたを求む! 201 00:14:06,416 --> 00:14:10,583 チャーチルに電報したが “続行〟と返事 202 00:14:11,333 --> 00:14:12,500 彼はそうした 203 00:14:14,500 --> 00:14:18,250 {\an8}1914年8月 1日目 204 00:14:19,750 --> 00:14:22,125 {\an8}走行距離 205 00:14:29,791 --> 00:14:32,666 {\an8}エンデュアランスは 1914年11月5日 206 00:14:29,791 --> 00:14:34,166 一等航海士の声 L・グリーンストリート 207 00:14:32,750 --> 00:14:35,000 {\an8}サウスジョージアの 208 00:14:35,000 --> 00:14:36,500 捕鯨基地に到着 209 00:14:37,250 --> 00:14:39,166 {\an8}島の捕鯨船長たちは 210 00:14:39,166 --> 00:14:42,708 {\an8}氷の状態が厳しいと確認 211 00:14:44,833 --> 00:14:49,583 出発を遅らせるよう 捕鯨船長らに促された 212 00:14:51,125 --> 00:14:54,666 シャクルトンは 忠告を無視した 213 00:14:54,666 --> 00:14:59,083 戦争が始まり 乗員も資金も失う状況だ 214 00:14:59,083 --> 00:15:02,583 再度の失敗で評判も落ちる 215 00:15:03,541 --> 00:15:07,791 彼は帰国できず 部下を引きずり 216 00:15:08,583 --> 00:15:10,583 運命の旅に出た 217 00:15:15,541 --> 00:15:18,958 {\an8}12月5日 サウスジョージアを出発 218 00:15:19,583 --> 00:15:22,625 {\an8}数日後 氷の中にいた 219 00:15:23,375 --> 00:15:26,583 {\an8}その年の 氷の状態は悪かった 220 00:15:27,083 --> 00:15:30,083 {\an8}ウェッデル海岸に 向かった 221 00:15:30,083 --> 00:15:32,875 {\an8}氷の状態は悪化していく 222 00:15:33,708 --> 00:15:36,750 {\an8}目的地ヴァーセル湾から 160キロ以内 223 00:15:36,750 --> 00:15:39,416 {\an8}1日の航海距離内に到着 224 00:15:39,416 --> 00:15:43,041 {\an8}しかし18日に 船は氷に囲まれた 225 00:15:41,375 --> 00:15:45,041 1月18日 氷に囲まれる エンデュアランス号 226 00:15:44,916 --> 00:15:46,750 {\an8}探検失敗だった 227 00:15:46,750 --> 00:15:49,125 {\an8}南極横断のはずが 228 00:15:49,125 --> 00:15:51,375 {\an8}到着すらまだだった 229 00:15:51,375 --> 00:15:52,833 {\an8}171日目 230 00:16:01,416 --> 00:16:04,583 {\an8}水平線上に 見えるでしょ? 231 00:16:02,666 --> 00:16:05,750 ジョン・シアーズ 探検隊長 232 00:16:05,750 --> 00:16:07,791 海氷がたくさん 233 00:16:14,000 --> 00:16:16,416 現在マイナス8度 234 00:16:16,416 --> 00:16:19,416 氷の硬化が見える 235 00:16:19,416 --> 00:16:23,875 氷は硬く古くなり 混ざってこぶ状になる 236 00:16:24,583 --> 00:16:27,791 まずい状況だ 237 00:16:29,708 --> 00:16:32,791 成否を分ける状況だ 238 00:16:35,208 --> 00:16:37,458 メンスン・バウンドは伝説だ 239 00:16:38,333 --> 00:16:41,250 偉大な海洋考古学者だ 240 00:16:41,791 --> 00:16:45,166 キャリアを失敗で 終わらせたくない 241 00:16:47,208 --> 00:16:49,083 前にも一度挑戦した 242 00:16:50,250 --> 00:16:53,000 {\an8}2019年 243 00:16:53,875 --> 00:16:56,375 {\an8}エンデュアランスを 探しに南極へ 244 00:16:56,375 --> 00:16:59,000 {\an8}射程圏内にいる 245 00:16:59,000 --> 00:17:02,708 {\an8}あの瞬間 私の人生のすべてが 246 00:17:03,458 --> 00:17:05,833 {\an8}収束したような気がした 247 00:17:05,833 --> 00:17:10,291 {\an8}信じられないような感覚 興奮 爽快感 248 00:17:11,250 --> 00:17:14,125 {\an8}だが うまくいかなくなった 249 00:17:17,708 --> 00:17:20,125 沈没現場到着はできた 250 00:17:20,125 --> 00:17:22,708 厳しい氷の状態だった 251 00:17:22,708 --> 00:17:27,250 AUVを降ろすことができ 問題なく作動 252 00:17:27,250 --> 00:17:31,291 しかし30時間後 送信が突然停止 253 00:17:32,041 --> 00:17:36,291 失ってしまった 何が起こったのか不明 254 00:17:36,291 --> 00:17:39,333 3日間探したが行方不明 255 00:17:39,333 --> 00:17:40,875 大失敗だ 256 00:17:41,875 --> 00:17:45,375 失ったAUVは 数百万ドルもした 257 00:17:46,625 --> 00:17:50,666 何年もの計画がすべて水の泡 258 00:17:50,666 --> 00:17:55,250 それは文字通り 人生で最悪の瞬間だった 259 00:17:56,000 --> 00:17:59,833 エンデュアランスを 探しに行く 260 00:18:01,166 --> 00:18:05,375 二度目のチャンスが 来るとは 想定外 261 00:18:05,375 --> 00:18:07,375 {\an8}デッキの外がいい 262 00:18:07,375 --> 00:18:11,000 {\an8}探索ダイブ2 残り11日 263 00:18:13,708 --> 00:18:16,250 前回の失敗から海底捜索には 264 00:18:16,250 --> 00:18:19,166 別の水中ドローンが必要だと 265 00:18:19,166 --> 00:18:20,875 我々は学んだ 266 00:18:20,875 --> 00:18:23,583 ファイバー線で 新ロボットを表面に 267 00:18:23,583 --> 00:18:25,916 取り付けるとニコが選択 268 00:18:27,833 --> 00:18:30,791 思うに ニコは世界の 269 00:18:30,791 --> 00:18:33,708 優れた海中技師のひとりだ 270 00:18:36,291 --> 00:18:39,875 ロボットが海底を 調査している間 271 00:18:39,875 --> 00:18:45,250 ナビ画面にリアルタイムで エンデュアランスが映る 272 00:18:46,958 --> 00:18:49,041 {\an8}AUVの準備完了 273 00:18:49,041 --> 00:18:50,291 {\an8}海中管制室 274 00:18:50,291 --> 00:18:52,625 AUV推進モードへ 275 00:18:55,583 --> 00:18:57,458 ウェッデル海内では 276 00:18:57,458 --> 00:19:02,125 氷が支配しているため 277 00:19:02,125 --> 00:19:04,125 従来の海中の方法は 通用しない 278 00:19:10,125 --> 00:19:12,833 {\an8}深さ約3千メートルの 海底を—— 279 00:19:13,250 --> 00:19:16,041 {\an8}探索するのは 大規模な挑戦 280 00:19:17,250 --> 00:19:19,833 誰もやったことがない 281 00:19:19,833 --> 00:19:23,250 まったく新しい海中技術だ 282 00:19:28,708 --> 00:19:32,000 現地まであと 15海里を走行要 283 00:19:32,000 --> 00:19:35,583 今夜17~18時の間に着く予定 284 00:19:36,250 --> 00:19:38,708 氷の状態は ラッセ? 285 00:19:38,708 --> 00:19:42,708 開水面が広がっている 所もあるが 286 00:19:42,708 --> 00:19:45,416 現地では密度が濃くなる 287 00:19:47,958 --> 00:19:50,875 だからAUV操作で 何をしても 288 00:19:50,875 --> 00:19:53,750 海流が重要になる 289 00:19:54,500 --> 00:19:57,708 {\an8}船を正しい位置に 停めないと 290 00:19:55,833 --> 00:19:59,875 L・ラベンシュタイン チーフ科学者 291 00:19:59,250 --> 00:20:02,041 {\an8}沈没現場上をうまく 漂流できない 292 00:20:03,458 --> 00:20:06,208 {\an8}ウェッデル環流と 呼ばれる 293 00:20:06,208 --> 00:20:08,083 {\an8}海洋システムがある 294 00:20:08,083 --> 00:20:12,083 {\an8}海氷は時計回りに 大きな円を描く 295 00:20:12,291 --> 00:20:15,625 {\an8}ここは1日に 平均20キロも漂流 296 00:20:15,625 --> 00:20:18,416 {\an8}船も氷と共に漂流する 297 00:20:36,416 --> 00:20:39,208 {\an8}マスト先から見渡す限り 298 00:20:37,875 --> 00:20:41,541 気象学者 レオナード・ハッセー 299 00:20:40,791 --> 00:20:44,666 {\an8}船の周りには 氷が詰まっていた 300 00:20:49,708 --> 00:20:53,791 数週間かけて海流が 我々を北上させ 301 00:20:54,458 --> 00:20:59,458 酔っぱらいの彷徨のような 船の軌跡だった 302 00:20:59,458 --> 00:21:01,750 軌跡を何度も横断 303 00:21:04,458 --> 00:21:06,250 最大の不安は海流だ 304 00:21:06,250 --> 00:21:09,416 探検隊長 E・シャクルトン 305 00:21:08,000 --> 00:21:10,916 {\an8}これから始まる 長い冬の間 306 00:21:10,916 --> 00:21:14,000 風と海流は船を どこへ運ぶのか? 307 00:21:14,000 --> 00:21:17,166 来年陸路の旅に挑戦するため 308 00:21:17,166 --> 00:21:19,833 早めに氷から抜け出せるか? 309 00:21:20,875 --> 00:21:23,791 彼らは1914年冬を越すため 310 00:21:23,791 --> 00:21:26,083 南を目指したが失敗 311 00:21:26,083 --> 00:21:28,166 人を寄せ付けない場所で 312 00:21:28,166 --> 00:21:30,666 冬を生き抜くはめに 313 00:21:33,166 --> 00:21:35,666 {\an8}1915年2月 208日目 314 00:21:35,666 --> 00:21:39,625 {\an8}2月24日 我々は 船の日課をやめ 315 00:21:39,625 --> 00:21:42,041 船は冬の基地となった 316 00:21:46,458 --> 00:21:49,458 {\an8}氷の小屋が 流氷上に作られ 317 00:21:48,375 --> 00:21:52,375 一等航海士 L・グリーンストリート 318 00:21:49,791 --> 00:21:53,041 {\an8}犬が各小屋に 鎖でつながれた 319 00:21:53,041 --> 00:21:56,416 {\an8}犬たちの訓練が始まった 320 00:22:02,000 --> 00:22:03,958 英国の公立学校が 321 00:22:03,958 --> 00:22:06,583 犬の購入を支援したため 322 00:22:06,583 --> 00:22:09,875 全学校にちなみ 犬たちを命名 323 00:22:24,000 --> 00:22:28,083 シャクルトンは常に 楽観主義を主張した 324 00:22:29,000 --> 00:22:31,416 生き残るという感覚や 325 00:22:31,416 --> 00:22:33,916 目的意識がないと 諦めー 326 00:22:33,916 --> 00:22:35,833 壁に顔を向けてしまう 327 00:22:36,208 --> 00:22:38,208 そうして士気を維持し 328 00:22:38,208 --> 00:22:40,958 生存できるよう生活した 329 00:22:52,958 --> 00:22:54,625 ハーレーには驚く 330 00:22:56,500 --> 00:22:58,708 陽気な豪州の汚い言葉で 331 00:22:58,708 --> 00:23:02,666 危険で滑りやすい場所を 歩き回る 332 00:23:04,208 --> 00:23:06,708 カメラや機材を操り 333 00:23:06,708 --> 00:23:09,833 人生の写真を数多く撮る 334 00:23:12,875 --> 00:23:17,166 シャクルトンは 現代人と同じ考えだった 335 00:23:17,166 --> 00:23:19,125 撮影しないと意味がない 336 00:23:19,125 --> 00:23:22,375 最新の最先端技術を導入 337 00:23:22,375 --> 00:23:23,916 動画撮影だ 338 00:23:24,666 --> 00:23:26,541 ドキュメンタリー作家を 連行 339 00:23:27,791 --> 00:23:30,291 {\an8}当時北オーストラリアで 340 00:23:30,291 --> 00:23:33,250 {\an8}原住民の生活を 撮影していた 341 00:23:33,250 --> 00:23:34,958 {\an8}アーネスト卿から 342 00:23:34,958 --> 00:23:37,625 {\an8}探検への誘いの電報 343 00:23:37,625 --> 00:23:40,666 {\an8}何をするのか 想像もつかなかった 344 00:23:40,666 --> 00:23:43,416 {\an8}隊員求人も未応募だった 345 00:23:43,916 --> 00:23:46,916 しかしアーネスト卿は 私のヒーロー 346 00:23:46,916 --> 00:23:50,333 どこへでも行くつもりだった 347 00:23:53,041 --> 00:23:55,708 {\an8}世間に広めようと 必死だった 348 00:23:56,333 --> 00:23:58,458 {\an8}宣伝がすべてだった 349 00:23:58,458 --> 00:24:00,833 {\an8}資金調達に苦戦した 350 00:24:00,833 --> 00:24:02,958 {\an8}こつこつと集めていた 351 00:24:04,375 --> 00:24:09,291 その裏では絶望的なほど 金遣いが荒かった 352 00:24:09,875 --> 00:24:12,208 マルチ商法のようだ 353 00:24:12,208 --> 00:24:15,291 20ポンドをもらうと すぐに 354 00:24:15,291 --> 00:24:17,875 借金返納に使った 355 00:24:18,416 --> 00:24:21,833 彼を上手に表現しているのは 356 00:24:21,833 --> 00:24:25,125 第2次南極探検の仲間だ 357 00:24:25,125 --> 00:24:29,333 傑出した悪党のようだと 言った 358 00:24:32,083 --> 00:24:36,541 シャクルトンは英国社会での 地位がない 359 00:24:36,541 --> 00:24:40,791 貴族出身でもなく 大学も行っていない 360 00:24:43,791 --> 00:24:45,541 シャクルトンは アイルランド出身 361 00:24:45,541 --> 00:24:48,041 父親は農家だったが 362 00:24:48,041 --> 00:24:51,083 再教育を決意し医者になり 363 00:24:51,083 --> 00:24:53,041 一家をロンドンに移した 364 00:24:53,041 --> 00:24:54,833 変わった話し方のため 365 00:24:54,833 --> 00:24:58,208 学校でいじめを受けていた 366 00:24:58,208 --> 00:25:00,208 自分の価値を証明したかった 367 00:25:01,166 --> 00:25:04,333 政治家になろうとしたが失敗 368 00:25:04,333 --> 00:25:06,875 ビジネスマンとしても失敗 369 00:25:09,625 --> 00:25:10,916 2人の人物がいた 370 00:25:10,916 --> 00:25:14,375 写真のような記憶力を持ち 371 00:25:14,375 --> 00:25:16,791 長い詩を引用できる 372 00:25:16,791 --> 00:25:19,291 公のシャクルトンが一人 373 00:25:19,291 --> 00:25:22,916 {\an8}彼は公共の場で人々を 魅了した 374 00:25:20,291 --> 00:25:24,458 カーネギーホールでの シャクルトン 375 00:25:25,250 --> 00:25:28,375 私的な方は不安定で 376 00:25:28,958 --> 00:25:32,083 健康問題を抱え悩んでいた 377 00:25:32,083 --> 00:25:35,916 “この状況は圧倒的だ〟と 妻へ伝えた 378 00:25:36,458 --> 00:25:40,833 {\an8}愛する人よ 南へ 行ったことを悔やみそう 379 00:25:40,833 --> 00:25:43,125 {\an8}家にいるべきだった 380 00:25:44,041 --> 00:25:48,208 家庭の失敗者で 理想的な既婚者ではない 381 00:25:49,375 --> 00:25:52,875 優秀な探検家だけで 他は何もない 382 00:25:54,583 --> 00:25:57,208 しかし妻はずっと付き添った 383 00:25:58,666 --> 00:26:00,208 エミリー・シャクルトン: 384 00:26:00,208 --> 00:26:02,833 “野生のワシは 納屋で飼えない〟 385 00:26:06,125 --> 00:26:09,583 彼はよく失望していた 386 00:26:09,583 --> 00:26:12,291 どの計画も うまくいかなかった 387 00:26:14,666 --> 00:26:16,875 {\an8}南極に行くしかなかった 388 00:26:16,875 --> 00:26:19,875 {\an8}有名でいる方法は それだけ 389 00:26:19,875 --> 00:26:22,333 {\an8}悪魔の駆け引きだった 390 00:26:22,333 --> 00:26:25,458 {\an8}故郷での地位を 維持するため 391 00:26:25,458 --> 00:26:28,333 {\an8}最悪の場所に 戻るしかなかった 392 00:26:39,791 --> 00:26:42,250 AUVが海底で水平だ 393 00:26:42,250 --> 00:26:44,125 探索ダイブ3 残り11日 394 00:26:44,125 --> 00:26:46,041 わかった 了解 395 00:26:46,041 --> 00:26:48,458 ミッション開始? 396 00:26:48,458 --> 00:26:49,875 もちろん 397 00:26:49,875 --> 00:26:51,833 今日がその日だ 398 00:26:53,333 --> 00:26:56,708 タブを巻くだけ? 影響はない 399 00:26:58,750 --> 00:27:00,416 おお!動いてる! 400 00:27:00,416 --> 00:27:02,500 データ作ってる? 401 00:27:02,500 --> 00:27:03,708 いいね 402 00:27:03,708 --> 00:27:07,208 海底が本当に平らなので 403 00:27:07,208 --> 00:27:09,083 非常に良い 404 00:27:09,083 --> 00:27:11,208 くぼみを通って 405 00:27:11,208 --> 00:27:13,958 難破船発見に絶好の条件 406 00:27:13,958 --> 00:27:15,166 まさに 407 00:27:15,916 --> 00:27:18,625 世界唯一のソナー情報 408 00:27:19,125 --> 00:27:22,000 我々が最初だ!やった! 409 00:27:22,916 --> 00:27:24,875 愚かな計画だけど 410 00:27:26,375 --> 00:27:31,666 海底のロボットで 何が見えるか手短におさらい 411 00:27:32,416 --> 00:27:35,750 主要センサーは サイドスキャンソナー 412 00:27:36,250 --> 00:27:40,125 難破船の低周波 サイドスキャンソナーで 413 00:27:40,125 --> 00:27:43,708 エンデュアランスと ほぼ同じ大きさ 414 00:27:44,416 --> 00:27:46,375 小さいけど 415 00:27:46,375 --> 00:27:49,958 エンデュアランスの 画面に映る時の姿 416 00:27:51,666 --> 00:27:55,000 水面から40メートル下の位置 417 00:27:55,000 --> 00:27:56,708 40メートル下 418 00:27:57,125 --> 00:27:59,500 合図を出したら引っ張る 419 00:28:05,666 --> 00:28:09,500 南極に行くには 卓越したチームが必要だ 420 00:28:09,500 --> 00:28:12,750 チームの人たちとは 約25年一緒に仕事している 421 00:28:15,500 --> 00:28:19,500 {\an8}だから我々はお互いを よく知り とても親しい 422 00:28:21,000 --> 00:28:23,750 {\an8}優れたプロジェクトを いくつも手がけてきた 423 00:28:23,750 --> 00:28:26,708 {\an8}いくつかの世界記録を 我々は持っている 424 00:28:27,666 --> 00:28:32,333 私にとってEndurance22は 初めての南極探検であり 425 00:28:32,333 --> 00:28:38,708 妻を亡くして以来 海に出るのは初めてだ 426 00:28:40,625 --> 00:28:44,333 2017年にセヴェリーヌを 癌で亡くした 427 00:28:46,416 --> 00:28:50,166 私の人生で 最も困難な時期だった 428 00:28:51,291 --> 00:28:54,708 だから海に戻るのは 本当にいいことなんだ 429 00:28:54,708 --> 00:28:57,041 我々は 家族のようなものなんだ 430 00:28:58,166 --> 00:29:02,125 お兄ちゃんだと言うけど 彼らはそれに同意しない 431 00:29:02,125 --> 00:29:05,750 そう私はこのチームの 父親なんだ 432 00:29:09,791 --> 00:29:13,541 難破船を見つければ チームの成功だ 433 00:29:13,541 --> 00:29:15,625 もし失敗なら 私の失敗だ 434 00:29:16,666 --> 00:29:18,500 私が責任者だから 435 00:29:27,041 --> 00:29:28,916 2月の半ばくらい 436 00:29:28,916 --> 00:29:32,625 {\an8}気温は氷点下20度まで 下がった 437 00:29:33,833 --> 00:29:37,041 冬に備える対策をした 438 00:29:39,458 --> 00:29:43,875 しかし仲間は陽気さを 捨てなかった 439 00:29:45,583 --> 00:29:47,583 築き上げた秩序と習慣で 440 00:29:47,583 --> 00:29:51,125 明るい雰囲気に なることは多い 441 00:29:52,333 --> 00:29:54,750 {\an8}各自 特別な任務があった 442 00:29:55,375 --> 00:29:57,333 {\an8}私は結構忙しく 443 00:29:57,333 --> 00:30:00,083 {\an8}4回の気温の記録 444 00:30:00,083 --> 00:30:03,916 気圧 風力や風向きを確認 445 00:30:03,916 --> 00:30:05,583 “気象学的 報告書〟 446 00:30:07,541 --> 00:30:12,333 {\an8}気温が下がり キャビンが寒くなると 447 00:30:12,333 --> 00:30:15,000 {\an8}中間甲板から 貨物を取り出し 448 00:30:15,000 --> 00:30:17,541 そこに部屋を作り 449 00:30:17,541 --> 00:30:20,208 冬の間そこに住んだ 450 00:30:20,875 --> 00:30:23,041 “リッツ〟と命名 451 00:30:23,041 --> 00:30:25,875 上の士官室は “厩舎〟 452 00:30:26,750 --> 00:30:30,208 リッツはくつろぐ場所で 453 00:30:30,208 --> 00:30:33,916 読書やカードなどで 時を過ごした 454 00:30:39,125 --> 00:30:41,500 食欲はすさまじかった 455 00:30:41,500 --> 00:30:44,083 {\an8}切望していた食べ物は 456 00:30:44,083 --> 00:30:46,833 {\an8}文明的嗜好とは少し違う 457 00:30:46,833 --> 00:30:50,500 {\an8}アザラシの脂身は 最大の珍味で 458 00:30:50,500 --> 00:30:52,541 {\an8}よく生で食べた 459 00:30:54,541 --> 00:30:59,041 {\an8}毎週土曜日は 恋人や妻に酒を捧げた 460 00:30:59,041 --> 00:31:01,875 {\an8}熱心にしたものだ 461 00:31:02,708 --> 00:31:05,250 {\an8}真夜中にココアを飲み 隊長の 462 00:31:05,250 --> 00:31:08,750 {\an8}41歳の誕生日を祝った 463 00:31:15,375 --> 00:31:19,875 {\an8}5月1日太陽に別れを告げ 真冬の暗闇が続く 464 00:31:19,875 --> 00:31:22,708 {\an8}薄明の期間に入った 465 00:31:26,041 --> 00:31:30,791 太陽の消滅は極地では 憂鬱な出来事になりがち 466 00:31:30,791 --> 00:31:35,333 長い暗闇で 精神と肉体的負担が大きい 467 00:31:38,833 --> 00:31:42,583 真冬の狂気が現れた 468 00:31:42,583 --> 00:31:45,958 写真家&撮影監督 フランク・ハーレー 469 00:31:44,000 --> 00:31:48,125 乗員らが脱毛したい 願望に駆られた 470 00:31:50,208 --> 00:31:51,958 多くを楽しませた 471 00:31:53,208 --> 00:31:56,000 囚人の軍団のようだ 472 00:31:58,916 --> 00:32:03,208 その時グリーンストリートが ノックした 473 00:32:04,041 --> 00:32:05,291 {\an8}隊長に言った 474 00:32:05,291 --> 00:32:08,041 {\an8}“芝居を始めます〟 475 00:32:09,166 --> 00:32:12,875 {\an8}5分後にまた教えて と言われた 476 00:32:13,708 --> 00:32:16,875 {\an8}彼には 思いもよらなかった 477 00:32:16,875 --> 00:32:20,750 隊長が悲劇的な知らせを 伝えてきたとは 478 00:32:21,416 --> 00:32:27,375 “船はこれ以上ダメだ 船長 時間の問題だ 479 00:32:28,291 --> 00:32:31,625 氷は一度手に入れたものは 手放さない〟 480 00:32:32,875 --> 00:32:38,416 帰還者はほぼいない 氷の地でホームレスとなる 481 00:32:41,291 --> 00:32:44,375 隊員たちにとって隊長は 482 00:32:44,375 --> 00:32:47,958 大冒険を成功に導く 陽気な酋長だ 483 00:32:49,041 --> 00:32:52,958 数分後 案の定リッツの中で 484 00:32:52,958 --> 00:32:55,500 隊員らが得意とする 485 00:32:55,625 --> 00:32:58,833 バーレスクを見て大笑いした 486 00:32:59,916 --> 00:33:04,833 船は彼らと私にとって 宇宙の中心だった 487 00:33:06,375 --> 00:33:08,708 船がなかったらどうなる? 488 00:33:17,958 --> 00:33:20,500 木製ボートにいると想像して 489 00:33:21,125 --> 00:33:24,125 GPSも何もないんだ 490 00:33:24,125 --> 00:33:27,125 そして隊長が言う “動けない 491 00:33:27,125 --> 00:33:29,125 ここで冬を過ごす〟 492 00:33:29,125 --> 00:33:32,833 “妻に殺される〟と 思うだろう 493 00:33:39,791 --> 00:33:43,416 すべて完璧だ ロボットの準備はできている 494 00:33:43,416 --> 00:33:45,791 {\an8}準備はすべて整った テザーの準備もできた 495 00:33:45,791 --> 00:33:48,416 しかし船は氷の中で立ち往生 496 00:33:54,208 --> 00:33:55,916 本当に悔しい 497 00:33:56,916 --> 00:34:00,333 次のダイブ地点に到達できず 498 00:34:00,333 --> 00:34:02,000 時間のロスだ 499 00:34:10,458 --> 00:34:12,708 忍耐を行使する 500 00:34:13,208 --> 00:34:16,375 ああ そうとも言う 501 00:34:24,083 --> 00:34:30,125 2万リットルの ヘリコプター燃料が入ってる 502 00:34:32,041 --> 00:34:35,000 コンテナを左右に振り 船を揺らし 503 00:34:35,000 --> 00:34:39,583 それで緩めるという 特殊な技術を使う 504 00:34:48,458 --> 00:34:50,833 今コンテナを戻す 505 00:34:51,958 --> 00:34:53,750 前進を始められる 506 00:35:04,708 --> 00:35:08,875 この2日間はこちらに 安定した流れがある 507 00:35:08,875 --> 00:35:11,208 でも変化ができて 508 00:35:11,208 --> 00:35:14,750 6時間ごとに新しい 予報が出ている 509 00:35:15,500 --> 00:35:19,208 対処が必要な不確定要素だ 510 00:35:22,833 --> 00:35:26,208 南極の環境は特別な場所だ 511 00:35:27,291 --> 00:35:28,875 完全に隔離されて 512 00:35:29,791 --> 00:35:32,583 現実の世界とは違う 513 00:35:33,916 --> 00:35:38,333 多分今回が25回目の南極探検 514 00:35:38,333 --> 00:35:40,708 {\an8}南極は癖になるんだ 515 00:35:40,708 --> 00:35:43,333 妻にも聞いてくれ 516 00:35:44,291 --> 00:35:49,416 一度見たら また行きたくなるものだ 517 00:35:50,250 --> 00:35:53,708 {\an8}探索ダイブ4 残り9日 518 00:35:54,791 --> 00:35:59,541 シャクルトンも何度も 南極大陸に戻った 519 00:36:02,375 --> 00:36:04,916 ジョン以上の南極経験者は 520 00:36:04,916 --> 00:36:06,416 いないだろう 521 00:36:06,416 --> 00:36:09,041 彼は英国南極観測隊で 522 00:36:09,041 --> 00:36:12,916 実務担当の責任者だった 523 00:36:12,916 --> 00:36:16,500 女王陛下から 極地メダルを授与された 524 00:36:16,500 --> 00:36:19,375 シャクルトンと同じメダルだ 525 00:36:22,625 --> 00:36:26,000 探検を始めたのは18歳頃で 526 00:36:26,000 --> 00:36:28,541 大学でも続けた 527 00:36:29,541 --> 00:36:33,000 英国デヴォン州の 農家の出身だ 528 00:36:33,000 --> 00:36:35,416 祖母とは仲が良かった 529 00:36:35,416 --> 00:36:39,791 祖母は一度も 旅をする機会がなかった 530 00:36:40,333 --> 00:36:46,208 幼少期の祖母は エクセターの博物館に行き 531 00:36:46,208 --> 00:36:50,333 そこでの南極の展示を 覚えていた 532 00:36:50,333 --> 00:36:53,250 シャクルトンを その時知った 533 00:36:55,958 --> 00:36:58,333 祖母は私と兄弟に 534 00:36:58,333 --> 00:37:01,250 世界を見させようとした 535 00:37:02,000 --> 00:37:03,375 そして今だ 536 00:37:03,375 --> 00:37:06,416 二世代の間に 537 00:37:06,416 --> 00:37:08,333 北極と南極に行った 538 00:37:12,208 --> 00:37:16,083 {\an8}1915年8月 366日目 539 00:37:16,083 --> 00:37:18,791 1915年8月1日 540 00:37:20,583 --> 00:37:23,666 午前10時 流氷が 近くで動き始め 541 00:37:24,541 --> 00:37:29,500 氷が船の下に入り込み 右舷に傾いた 542 00:37:31,458 --> 00:37:35,375 {\an8}多くの氷が周りで 容赦なく砕け散り 543 00:37:35,375 --> 00:37:38,916 {\an8}自分の小ささを感じた 544 00:37:39,708 --> 00:37:44,000 ずっと考えていた “いつまで続くのか?〟 545 00:37:44,541 --> 00:37:46,083 “いつまで?〟 546 00:37:49,416 --> 00:37:51,583 材木が破裂しそうだ 547 00:37:52,791 --> 00:37:56,541 {\an8}デッキに隙間ができ ドアは開閉不可 548 00:37:56,541 --> 00:37:59,333 {\an8}床材はたわみ エンジンルームの 549 00:37:59,333 --> 00:38:02,250 鉄の床板は膨らみ はみ出した 550 00:38:03,250 --> 00:38:06,083 極度の圧縮状態だった 551 00:38:20,375 --> 00:38:22,791 その時蓄音機を聴いていた 552 00:38:22,791 --> 00:38:24,791 圧力の波を感じた 553 00:38:24,791 --> 00:38:28,291 氷が押し寄せて船が揺れた 554 00:38:30,166 --> 00:38:35,166 一日中圧力がかかり 午後4時にはすごい勢いに 555 00:38:36,083 --> 00:38:39,458 かじ かじ柱 船尾材が粉砕 556 00:38:41,166 --> 00:38:43,583 船は船尾で急速に増水 557 00:38:48,791 --> 00:38:54,166 ポンプを艤装ぎそうし 蒸気を上げ 水中ポンプを夜に始動 558 00:38:58,166 --> 00:39:01,166 三日三晩 寝ずに汲み上げた 559 00:39:01,166 --> 00:39:03,500 水はなくならなかった 560 00:39:06,291 --> 00:39:10,125 この時 奇妙な出来事が 起こった 561 00:39:10,708 --> 00:39:13,333 ペンギンが数ヵ月ぶりに出現 562 00:39:14,000 --> 00:39:16,625 {\an8}8匹が突然船に向かい 563 00:39:16,625 --> 00:39:18,958 {\an8}ゆっくりと歩いてきた 564 00:39:18,958 --> 00:39:22,291 この鳥は実質 無口だと思っていた 565 00:39:22,875 --> 00:39:26,250 しかしこの時ばかりは 叫び声を発し 566 00:39:26,250 --> 00:39:28,833 船を悼む悲歌のようだった 567 00:39:28,833 --> 00:39:33,375 この死の呼びかけの効果は 不吉で驚かされた 568 00:39:38,208 --> 00:39:41,250 {\an8}10月26日 終わりが訪れた 569 00:39:41,875 --> 00:39:45,041 {\an8}目的達成のすべての 望みは消えた 570 00:39:48,708 --> 00:39:51,958 隊長はこの危機に冷静に対処 571 00:39:51,958 --> 00:39:55,916 ソリ探検に 出かけるかのように指示 572 00:39:59,375 --> 00:40:03,666 しかし彼にとって 非常に危険な展開で 573 00:40:03,666 --> 00:40:05,333 死の危険にさらされ 574 00:40:06,000 --> 00:40:09,291 探検の完全失敗の 兆候でもあった 575 00:40:09,666 --> 00:40:11,583 まさに最悪の状態 576 00:40:12,083 --> 00:40:14,333 これ以上の悪化はない 577 00:40:15,041 --> 00:40:20,625 物理的には可能だが 彼にとってはどん底だ 578 00:40:21,875 --> 00:40:24,250 夢の終わりだった 579 00:40:35,375 --> 00:40:40,416 強い雪と風から 身を守ることはできなかった 580 00:40:41,458 --> 00:40:44,333 彼らは氷の上で寝た 581 00:40:44,333 --> 00:40:46,666 毛皮の寝袋はくじ引き 582 00:40:46,666 --> 00:40:48,041 足りなかった 583 00:40:48,750 --> 00:40:53,583 その夜テント下の流氷が 3度危険なほど割れた 584 00:40:53,583 --> 00:40:55,500 3度移動した 585 00:40:58,750 --> 00:41:01,291 私自身は眠れなかった 586 00:41:02,000 --> 00:41:04,000 {\an8}暗闇の中を歩き回った 587 00:41:04,416 --> 00:41:07,958 {\an8}今後の課題は 一行の安全の確保 588 00:41:08,916 --> 00:41:12,041 南極大陸の歩行は断念した 589 00:41:12,041 --> 00:41:16,666 その12時間で 彼は完全に見通しを変えた 590 00:41:16,666 --> 00:41:20,291 仲間を帰すことに集中した 591 00:41:26,500 --> 00:41:29,375 翌朝 隊長とワイルドは 592 00:41:29,375 --> 00:41:32,958 全員に温かいお茶を入れ 593 00:41:33,875 --> 00:41:37,083 各テントの住人に配った 594 00:41:41,083 --> 00:41:43,541 隊長はスピーチをした 595 00:41:43,541 --> 00:41:46,333 彼独特のスピーチだ 596 00:41:47,250 --> 00:41:50,541 船がなくても 心配無用だと言い 597 00:41:50,541 --> 00:41:55,833 懸命な努力 丁寧な仕事 あと忠実な協力で 598 00:41:56,375 --> 00:41:58,541 帰れると断言した 599 00:41:59,958 --> 00:42:02,041 スピーチは心に響き 600 00:42:02,625 --> 00:42:04,541 気分が高揚した 601 00:42:09,875 --> 00:42:13,208 {\an8}氷の上を 行軍することにした 602 00:42:13,208 --> 00:42:15,916 {\an8}ポーレット島という島へ 603 00:42:17,541 --> 00:42:19,791 ボートが必要だった 604 00:42:19,791 --> 00:42:22,833 旅の後半は水路のため 605 00:42:23,708 --> 00:42:26,916 皆ソリの旅の準備を始めた 606 00:42:29,750 --> 00:42:32,291 着替えの指示が出た 607 00:42:32,291 --> 00:42:36,750 暖かい下着の上に バーバリーのオーバーオール 608 00:42:36,750 --> 00:42:40,041 普通のズボンと 厚手のセーター 609 00:42:45,083 --> 00:42:49,291 隊長は余分な重量を 減らすよう指示 610 00:42:50,083 --> 00:42:54,708 彼はまたもリードし 金時計 金のタバコケース 611 00:42:54,708 --> 00:42:58,500 金貨数枚を投げ捨てた 612 00:42:59,708 --> 00:43:02,708 アレクサンドラ王妃に もらった 613 00:43:02,708 --> 00:43:05,583 聖書の余白紙を破った 614 00:43:06,375 --> 00:43:11,125 個人的な装備は 一人 1キロを超えないこと 615 00:43:11,666 --> 00:43:15,875 必需品以外は行軍に 持ち込まないのだ 616 00:43:19,500 --> 00:43:23,083 船を降りた私を隊長が呼んだ 617 00:43:23,625 --> 00:43:25,416 “何ですか?〟 618 00:43:25,416 --> 00:43:27,541 “君のバンジョー〟 619 00:43:28,541 --> 00:43:32,041 沈没直前に救出された バンジョーだ 620 00:43:32,958 --> 00:43:35,041 隊長は精神薬だと 621 00:43:41,666 --> 00:43:44,375 翌日 西への行軍を開始 622 00:43:44,833 --> 00:43:48,291 荷物が載るソリを 犬が引きずった 623 00:43:49,083 --> 00:43:51,291 私は16人の部下を指揮 624 00:43:51,291 --> 00:43:54,833 3隻のボートを ソリで引きずった 625 00:43:57,625 --> 00:44:00,625 {\an8}ボートは道具を含め 各約1トン 626 00:44:02,166 --> 00:44:04,791 荒い道のりで大変な労働だ 627 00:44:04,791 --> 00:44:08,208 労力の割には前進が遅すぎた 628 00:44:13,791 --> 00:44:15,291 遠くは行けなかった 629 00:44:15,291 --> 00:44:19,500 2日後 あきらめ キャンプを張った 630 00:44:24,625 --> 00:44:28,250 “オーシャン・キャンプ〟だ 631 00:44:28,750 --> 00:44:33,000 船の墓場から 2.5キロ離れた場所だ 632 00:44:35,500 --> 00:44:37,666 暗室はつぶれた 633 00:44:38,291 --> 00:44:41,666 氷の2メートル下にあった 634 00:44:42,625 --> 00:44:45,083 2万ポンドの宝が氷の下に 635 00:44:45,083 --> 00:44:48,708 埋まってる場合 どうするのか? 636 00:44:50,750 --> 00:44:55,041 服を脱ぎ 氷の中で ケースを探した 637 00:44:55,166 --> 00:44:57,875 最初のケースを取り 一息つき 638 00:44:57,875 --> 00:45:01,541 再び潜り 2つ目のケースを取った 639 00:45:06,500 --> 00:45:10,541 船は氷の圧力で 激しく動き始めた 640 00:45:12,083 --> 00:45:14,833 だから我々は命からがら 641 00:45:14,833 --> 00:45:16,791 流氷に向かった 642 00:45:22,875 --> 00:45:27,083 隊長は最後 信号拳銃を手にした 643 00:45:29,208 --> 00:45:32,625 {\an8}ハーレー ワイルド 私は船へ 644 00:45:33,833 --> 00:45:37,291 別れを告げ 照明弾を発射した 645 00:45:43,833 --> 00:45:47,666 沈没し始めた船を 見たのは隊長だ 646 00:45:47,666 --> 00:45:50,750 彼は煙突が少し動くのを見た 647 00:45:51,750 --> 00:45:53,041 1915年11月 478日目 648 00:45:53,041 --> 00:45:55,875 展望台にダッシュして 649 00:45:55,875 --> 00:45:58,291 船の死を見届けた 650 00:45:58,291 --> 00:46:01,166 これほど遠くに うまく運び 651 00:46:01,166 --> 00:46:05,208 勇敢に戦った船は他にない 652 00:46:08,166 --> 00:46:12,250 隊長は “船は消え失せた〟と言った 653 00:46:16,875 --> 00:46:21,500 シャクルトンは隊員に こう叩き込んでいた 654 00:46:21,500 --> 00:46:24,541 楽観主義 楽観主義と 655 00:46:24,541 --> 00:46:27,250 その瞬間 自分たちの生存率が 656 00:46:27,250 --> 00:46:31,916 どれぐらいか 考えたにちがいない 657 00:46:31,916 --> 00:46:33,750 言わざるを得ないが 658 00:46:33,750 --> 00:46:36,916 生存率はごくわずかだった 659 00:46:44,791 --> 00:46:49,666 探索ダイブ6 残り9日 660 00:46:50,375 --> 00:46:52,416 船を探そう 661 00:46:53,666 --> 00:46:57,541 今すぐ捕まえないと 他の手柄になる 662 00:47:16,583 --> 00:47:18,958 全データを厳選した? 663 00:47:20,041 --> 00:47:22,625 準備はできている 664 00:47:22,625 --> 00:47:26,041 我々の仕事には 信念を持たなければ 665 00:47:26,041 --> 00:47:28,958 何も起こらないという 迷信のようなものがある 666 00:47:28,958 --> 00:47:31,125 だから どんなことがあっても 667 00:47:30,125 --> 00:47:33,375 マエバ・オンデ シニア測量士 668 00:47:33,000 --> 00:47:34,541 “運は変わる 必ず 見つかるようになる〟と 669 00:47:34,541 --> 00:47:38,250 それを信じようとする 670 00:47:46,541 --> 00:47:47,833 沈没現場 671 00:47:51,416 --> 00:47:53,833 難破船だ 672 00:47:53,833 --> 00:47:55,166 やったぞ! 673 00:48:00,083 --> 00:48:03,125 バーを開けろ 674 00:48:06,666 --> 00:48:08,625 おはようメンスン 675 00:48:09,416 --> 00:48:11,250 良い知らせだ 676 00:48:16,083 --> 00:48:17,083 ジョン! 677 00:48:17,500 --> 00:48:18,791 オッケー 678 00:48:20,791 --> 00:48:22,958 玉石の山ならガッカリ 679 00:48:22,958 --> 00:48:26,208 冗談だよ そんなわけない 680 00:48:26,833 --> 00:48:29,000 最高の瞬間だ 681 00:48:29,000 --> 00:48:31,916 エンデュアランス号の 残骸発見 682 00:48:31,916 --> 00:48:34,250 本当にそうなのか? 683 00:48:34,250 --> 00:48:35,416 本当だよ 684 00:48:38,416 --> 00:48:40,333 見ないと信じない 685 00:48:40,333 --> 00:48:44,000 まさしくその点についてだ 686 00:48:45,166 --> 00:48:49,375 ロボットバッテリーの 残量が少ないから 687 00:48:49,375 --> 00:48:52,500 通常手順に従うことができず 688 00:48:52,500 --> 00:48:55,000 ビデオは撮られなかった 689 00:48:55,000 --> 00:48:58,375 だから次のダイブで 690 00:48:58,833 --> 00:49:00,333 データを確保しよう 691 00:49:04,500 --> 00:49:06,250 やあ みんな 692 00:49:06,583 --> 00:49:08,541 誰か見せてくれ 693 00:49:09,583 --> 00:49:11,916 わあ!そこにある 694 00:49:11,916 --> 00:49:15,083 わずか400メートル北だ 695 00:49:15,666 --> 00:49:18,375 ワースリーが 示した位置から? 696 00:49:18,375 --> 00:49:21,625 ワースリーは 本当にエースだ 697 00:49:21,625 --> 00:49:24,125 信じられない 698 00:49:25,666 --> 00:49:26,875 みんなありがとう 699 00:49:26,875 --> 00:49:28,916 最高の瞬間だ 700 00:49:28,916 --> 00:49:32,750 皆と分かち合えることを 誇りに思う 701 00:49:37,666 --> 00:49:39,041 ずっと 702 00:49:39,041 --> 00:49:41,541 楽観論と悲観論で揺れてた 703 00:49:41,541 --> 00:49:44,625 でもフランク・ワースリーが 704 00:49:44,625 --> 00:49:46,958 示した場所の真上にいる 705 00:49:46,958 --> 00:49:51,166 難破船が記録通りに あることはない 706 00:49:52,375 --> 00:49:53,458 ここだ 707 00:49:56,458 --> 00:49:57,916 どう ニコ? 708 00:49:57,916 --> 00:49:59,541 分からない 709 00:50:02,083 --> 00:50:04,625 証拠はあるが 証明はない 710 00:50:06,333 --> 00:50:09,583 グレーは嫌だ 黒白つけたい 711 00:50:16,666 --> 00:50:22,125 {\an8}南緯65度16.5分 西経52度4分 712 00:50:22,125 --> 00:50:23,416 {\an8}情報なし 713 00:50:24,208 --> 00:50:27,250 忍耐 忍耐 忍耐 714 00:50:30,708 --> 00:50:34,833 流れで氷の端まで 北上したかった 715 00:50:34,833 --> 00:50:37,416 氷が緩んだところで 716 00:50:37,416 --> 00:50:40,250 近くの陸地まで漕ぎ出す 717 00:50:42,250 --> 00:50:43,625 {\an8}1916年2月 552日目 718 00:50:43,625 --> 00:50:45,541 {\an8}2月3日 719 00:50:45,541 --> 00:50:48,458 ココアはもう無くなり 720 00:50:48,458 --> 00:50:50,750 {\an8}紅茶もあとわずか 721 00:50:50,750 --> 00:50:52,916 {\an8}やがて牛乳だけだ 722 00:50:53,666 --> 00:50:56,291 {\an8}今の食事は肉ばかりだ 723 00:50:57,500 --> 00:51:01,250 {\an8}調理前ペンギンと アザラシの捕獲が必須 724 00:51:01,250 --> 00:51:03,708 {\an8}コンロも作らないと 725 00:51:03,708 --> 00:51:05,916 {\an8}煙突やビスケット缶 726 00:51:05,916 --> 00:51:09,666 ペンキのドラム缶で コンロを作った 727 00:51:09,666 --> 00:51:12,833 食事を作るのに 8時間かかった 728 00:51:12,833 --> 00:51:14,250 その8時間で 729 00:51:14,250 --> 00:51:17,500 下が溶けて コンロが倒れることも 730 00:51:17,500 --> 00:51:20,125 でも気にしなかった 731 00:51:20,125 --> 00:51:23,083 また集めて鍋に戻すだけ 732 00:51:23,083 --> 00:51:25,166 食べるか食べないかだ 733 00:51:31,125 --> 00:51:34,000 単調な生活に苛立ちが募る 734 00:51:34,000 --> 00:51:36,333 何もすることがない 735 00:51:36,958 --> 00:51:39,291 士気が下がるのは その時だ 736 00:51:39,291 --> 00:51:44,125 何もすることがなく 何もできないときだ 737 00:51:47,458 --> 00:51:49,333 その後いさかいがあった 738 00:51:50,375 --> 00:51:52,041 3月28日火曜日 739 00:51:52,333 --> 00:51:55,833 今朝は不快なことがあった 740 00:51:56,666 --> 00:52:01,166 ホットミルクをこぼされた グリーンストリートは 741 00:52:01,166 --> 00:52:02,625 泣き崩れた 742 00:52:03,791 --> 00:52:06,750 皆が集まり 彼のカップに 743 00:52:06,750 --> 00:52:09,291 ミルクを少しずつ注いだ 744 00:52:10,375 --> 00:52:13,458 彼らは極限の状態だったが 745 00:52:13,458 --> 00:52:16,375 同時に助け合っていた 746 00:52:22,958 --> 00:52:25,833 {\an8}探索ダイブ8 残り7日 747 00:52:25,833 --> 00:52:27,000 完璧だ 748 00:52:27,458 --> 00:52:28,541 来る 749 00:52:29,666 --> 00:52:32,750 固定されデッキのたるみなし 750 00:52:32,750 --> 00:52:34,375 ダイブができる 751 00:52:34,375 --> 00:52:37,375 了解 まず百メートルに潜水 752 00:52:38,083 --> 00:52:42,458 これが単なる主張か 難破船発見かの 753 00:52:43,083 --> 00:52:44,583 分かれ目だ 754 00:52:49,958 --> 00:52:55,583 簡単な点検なのか どういう計画なんだ? 755 00:52:56,458 --> 00:52:58,500 回転を開始する 756 00:53:05,083 --> 00:53:06,208 もうすぐだ 757 00:53:08,666 --> 00:53:10,166 大丈夫か? 758 00:53:17,416 --> 00:53:19,333 これが対象物? 759 00:53:19,333 --> 00:53:20,708 これだと思う 760 00:53:22,208 --> 00:53:25,041 海底にしか見えない 761 00:53:28,083 --> 00:53:29,166 止めて! 762 00:53:31,375 --> 00:53:34,791 スプーンが突き出てるのか? 763 00:53:34,791 --> 00:53:37,583 岩だと思う 764 00:53:37,583 --> 00:53:39,500 海洋成長がある 765 00:53:39,500 --> 00:53:41,291 木片のようだ 766 00:53:41,291 --> 00:53:44,375 板材かもしれない 767 00:53:46,000 --> 00:53:49,166 確かにビデオも 極端に鮮明ではない 768 00:53:49,166 --> 00:53:52,166 だが残骸も難破船も 見当たらない 769 00:53:52,166 --> 00:53:54,625 留まる意味はない 770 00:53:54,625 --> 00:53:55,958 了解 771 00:53:56,750 --> 00:53:59,041 探索を再開しよう 772 00:54:00,583 --> 00:54:03,541 間違いなく残骸の山だ 773 00:54:03,958 --> 00:54:05,791 人工的な沈没船のものだ 774 00:54:05,791 --> 00:54:09,125 つまり船の一部だ 775 00:54:09,541 --> 00:54:10,750 船ではない 776 00:54:10,750 --> 00:54:13,375 うん 777 00:54:13,375 --> 00:54:15,375 私は頭と心に 778 00:54:16,458 --> 00:54:18,208 大きな亀裂を感じた 779 00:54:18,750 --> 00:54:21,500 シャクルトン本人がどこかで 780 00:54:21,500 --> 00:54:25,250 大笑いしているようだった 781 00:54:33,625 --> 00:54:36,916 そして突然止まっていた 時計が再び動き出した 782 00:54:36,916 --> 00:54:38,541 チック チックって 783 00:54:38,541 --> 00:54:43,208 また時間との戦いに戻る 784 00:54:44,000 --> 00:54:45,083 引き上げろ! 785 00:54:50,666 --> 00:54:53,500 探索ダイブ9 残り6日 786 00:54:53,500 --> 00:54:56,500 サイドスキャンは難しい 787 00:54:56,500 --> 00:54:59,166 過去の大きな過ちで 788 00:54:59,166 --> 00:55:01,083 潜水艦を見つけたが 789 00:55:01,416 --> 00:55:03,458 岩だと思った 790 00:55:03,875 --> 00:55:06,333 高価なミスだった 791 00:55:07,083 --> 00:55:10,125 人生はうまくいかない 792 00:55:10,625 --> 00:55:12,333 誰もが直面するが 793 00:55:12,916 --> 00:55:15,166 立ち直りが重要 794 00:55:16,166 --> 00:55:19,375 2019年は悪夢だった 795 00:55:19,875 --> 00:55:22,583 尻尾を巻いて帰ってきたと 796 00:55:22,583 --> 00:55:24,458 メンスンが書いた 797 00:55:24,458 --> 00:55:26,250 私なら言わないが 798 00:55:26,708 --> 00:55:28,250 あなたはそう言った 799 00:55:28,250 --> 00:55:29,500 今この状況だ 800 00:55:30,625 --> 00:55:32,708 成功に失敗はつきもの 801 00:55:43,083 --> 00:55:45,458 {\an8}1916年3月 580日目 802 00:55:45,458 --> 00:55:48,125 {\an8}食料は残り4週間分 803 00:55:48,750 --> 00:55:52,583 寒さをしのぐものは テントだけ 804 00:55:53,625 --> 00:55:58,875 世界中は戦争中だが 錆びつき人生を浪費している 805 00:55:58,875 --> 00:56:01,875 様子も分からない 806 00:56:05,833 --> 00:56:07,333 食料不足に伴い 807 00:56:07,333 --> 00:56:10,583 なんでも入手する必要があり 808 00:56:11,125 --> 00:56:13,291 犬の射殺を命じた 809 00:56:16,958 --> 00:56:18,625 シリウスを撃った 810 00:56:19,208 --> 00:56:23,416 {\an8}若く立派な動物に 終止符を打つのは 811 00:56:23,416 --> 00:56:26,416 {\an8}本当に辛かった 812 00:56:27,125 --> 00:56:32,000 {\an8}手が震えたので 仕留めるのに2発使った 813 00:56:32,750 --> 00:56:34,125 かわいそうだ 814 00:56:36,958 --> 00:56:39,583 生まれた子犬らが撃たれ 815 00:56:40,000 --> 00:56:42,541 大工の猫 チッピーもだ 816 00:56:45,250 --> 00:56:48,250 老犬は美味しくなかったが 817 00:56:48,916 --> 00:56:51,000 子犬らは柔らかい 818 00:56:54,125 --> 00:56:58,583 {\an8}探検家は 冷酷だと思うだろう 819 00:56:58,583 --> 00:57:01,125 {\an8}涙を流すべき場面で 820 00:57:01,125 --> 00:57:03,250 {\an8}口を潤ませるなんて 821 00:57:04,875 --> 00:57:08,166 でも飢餓は想像以上だった 822 00:57:12,541 --> 00:57:15,666 {\an8}1916年4月 618日目 823 00:57:16,458 --> 00:57:20,083 4月9日 流氷は再び分裂した 824 00:57:20,083 --> 00:57:22,625 小さな氷上では生活できず 825 00:57:22,625 --> 00:57:23,958 ボートに移った 826 00:57:25,750 --> 00:57:29,250 無甲板船に乗るなんて 恐ろしい 827 00:57:32,791 --> 00:57:36,333 {\an8}隊長が1隻 ハドソンが小さいの 828 00:57:36,333 --> 00:57:38,083 {\an8}私は3隻目を担当 829 00:57:41,125 --> 00:57:43,458 最初から問題に直面 830 00:57:44,125 --> 00:57:47,291 {\an8}広い場所を通過していた 831 00:57:47,916 --> 00:57:49,833 {\an8}先頭ボートの隊長の 832 00:57:49,833 --> 00:57:52,833 {\an8}叫ぶ声が聞こえた 833 00:57:54,375 --> 00:57:56,000 私は目を疑った 834 00:57:58,083 --> 00:58:01,625 高波のように氷が押し寄せた 835 00:58:02,875 --> 00:58:05,708 後のボートに叫び 必死で漕いだ 836 00:58:06,625 --> 00:58:09,375 2隻とも衝突を免れた 837 00:58:12,083 --> 00:58:15,291 絵画 ジョージ・マーストン 838 00:58:14,583 --> 00:58:16,708 {\an8}旅はさらに困難を極めた 839 00:58:17,166 --> 00:58:19,916 {\an8}飲料水の汚染で 下痢をした 840 00:58:20,458 --> 00:58:23,541 衣服が体に凍りつき 841 00:58:24,000 --> 00:58:27,916 足は凍った海水に 浸かっている 842 00:58:31,208 --> 00:58:34,666 正午の位置観測に 期待が高まった 843 00:58:36,333 --> 00:58:37,916 船長が太陽を確認 844 00:58:39,708 --> 00:58:41,625 痛恨の失望だった 845 00:58:43,666 --> 00:58:47,583 前進するどころか 出発地点から 846 00:58:48,000 --> 00:58:52,333 50キロ東に進んでいたと 気づいたのだ 847 00:58:56,708 --> 00:58:58,791 {\an8}風の強さを考えると 848 00:58:58,791 --> 00:59:02,916 {\an8}エレファント島が 明白な目的地だ 849 00:59:02,916 --> 00:59:05,333 {\an8}エレファント島 850 00:59:05,333 --> 00:59:06,500 {\an8}4月9日 851 00:59:08,625 --> 00:59:12,750 海と風が強まり 孤立した流氷の上に 852 00:59:12,750 --> 00:59:16,000 引き上げるしかなかった 853 00:59:16,833 --> 00:59:21,416 48時間寝ておらず 濡れて 寒くて 惨めだった 854 00:59:28,458 --> 00:59:31,041 翌朝 海の動きがあった 855 00:59:31,833 --> 00:59:33,416 氷が我々を囲み 856 00:59:33,416 --> 00:59:36,375 巨大な流氷が当たってきた 857 00:59:36,791 --> 00:59:38,791 助かる見込みはない 858 00:59:39,416 --> 00:59:42,708 さらに 中央に亀裂が入った 859 00:59:43,916 --> 00:59:45,375 {\an8}もう終わりだ 860 00:59:46,541 --> 00:59:50,750 {\an8} 握手をしながら “じゃあな 終わった 861 00:59:50,750 --> 00:59:53,208 今まで楽しかった〟 862 00:59:53,791 --> 00:59:55,500 そんな状況だった 863 00:59:56,250 --> 00:59:57,500 その時 奇跡が 864 00:59:58,291 --> 01:00:02,916 氷は流れのいたずらで 流氷から離れ始め 865 01:00:02,916 --> 01:00:05,375 大きな開水面に出た 866 01:00:06,958 --> 01:00:09,625 百万分の1のチャンス 867 01:00:09,625 --> 01:00:11,583 運が良かった 868 01:00:18,166 --> 01:00:22,208 隊長は部下の 容態を心配していた 869 01:00:22,708 --> 01:00:26,875 全員が口を腫らし 食べられなかった 870 01:00:28,708 --> 01:00:30,750 ひどく喉が渇いた 871 01:00:31,500 --> 01:00:33,708 アザラシの生肉を噛み 872 01:00:33,708 --> 01:00:37,291 血を飲み込むと 少し楽になれた 873 01:00:38,083 --> 01:00:40,791 だが肉の塩味のせいで 874 01:00:40,791 --> 01:00:42,875 喉の渇きは倍増した 875 01:00:46,625 --> 01:00:49,041 午後に島を発見した 876 01:00:49,458 --> 01:00:51,625 夜間に近づくのは危険だ 877 01:00:52,500 --> 01:00:56,541 ボートをつなぎ合わせて 海で待った 878 01:00:59,583 --> 01:01:03,708 この夜 私は船酔いし 惨めだった 879 01:01:03,708 --> 01:01:06,291 ずぶ濡れで 凍えていた 880 01:01:06,291 --> 01:01:10,625 一晩うなり続けたり 男たちは罵り合った 881 01:01:10,625 --> 01:01:14,416 海も船もすべて罵った 882 01:01:15,583 --> 01:01:20,541 その時一人が 足指にひどい凍傷を負った 883 01:01:23,083 --> 01:01:25,333 悲惨な状態だった 884 01:01:27,166 --> 01:01:30,916 その夜 探検隊の半数は 885 01:01:30,916 --> 01:01:34,750 正気を失い 無力で 絶望的だった 886 01:01:46,000 --> 01:01:50,458 北まで捜索範囲を広げたが まだ何も見つかっていない 887 01:01:51,916 --> 01:01:54,250 船の一部はここだ 888 01:01:54,250 --> 01:01:57,916 ニコ・ヴィンセント 探検 海中責任者 889 01:01:56,541 --> 01:01:58,833 {\an8}言えるのはこれだけ 890 01:01:59,500 --> 01:02:03,791 最小限の時間で 最大限の網羅をして 891 01:02:03,791 --> 01:02:06,375 ボックス全体を探査する 892 01:02:13,083 --> 01:02:14,375 {\an8}探索エリア 893 01:02:14,500 --> 01:02:16,083 {\an8}探索ダイブ10 残り6日 894 01:02:16,083 --> 01:02:17,416 {\an8}探索ダイブ11 残り5日 895 01:02:17,416 --> 01:02:18,666 {\an8}探索ダイブ12 残り4日 896 01:02:18,666 --> 01:02:19,791 {\an8}探索ダイブ13 残り4日 897 01:02:19,791 --> 01:02:20,875 {\an8}探索ダイブ14 残り3日 898 01:02:20,875 --> 01:02:22,083 {\an8}探索ダイブ15 残り3日 899 01:02:22,083 --> 01:02:23,166 {\an8}探索ダイブ16 残り2日 900 01:02:23,166 --> 01:02:24,916 {\an8}探索ダイブ17 残り1日 901 01:02:24,916 --> 01:02:27,208 {\an8}難破船はどこだ? 902 01:02:27,208 --> 01:02:28,583 {\an8}分からない 903 01:02:28,583 --> 01:02:29,750 他には? 904 01:02:32,833 --> 01:02:35,416 フォークランド 海洋遺産財団に 905 01:02:35,416 --> 01:02:37,166 延長を相談した 906 01:02:38,166 --> 01:02:42,041 あと10日取れると 言われたが 907 01:02:42,041 --> 01:02:46,083 すべては船長の判断次第だ 908 01:02:46,083 --> 01:02:49,958 現場に安全に 滞在できるか否か 909 01:02:49,958 --> 01:02:51,291 反対はしない 910 01:02:51,291 --> 01:02:53,916 何が起こるかは 氷が決める 911 01:02:53,916 --> 01:02:58,708 1時間単位で 君に確認しようと思う 912 01:02:58,708 --> 01:03:03,083 ただ もう一人の シャクルトンに 913 01:03:03,083 --> 01:03:06,166 ならないようにしないと 914 01:03:07,291 --> 01:03:08,375 {\an8}残り1日 915 01:03:12,125 --> 01:03:14,541 {\an8}残り10日 916 01:03:14,541 --> 01:03:16,625 {\an8}探索ダイブ18 917 01:03:29,958 --> 01:03:31,541 エレファント島の岸は 918 01:03:31,541 --> 01:03:35,291 切り立った崖と 氷河の壁だった 919 01:03:35,291 --> 01:03:37,916 表しがたい荒々しさだ 920 01:03:43,333 --> 01:03:47,416 {\an8}島に上陸した 男らは1週間前ボートに 921 01:03:47,416 --> 01:03:50,541 {\an8}乗り込んだ男らと 別人だった 922 01:03:50,541 --> 01:03:55,125 {\an8}憔悴しきった表情で 凍傷を負っていた 923 01:03:55,791 --> 01:03:58,750 {\an8}1週間で20歳も 老けこんだ 924 01:04:02,166 --> 01:04:06,750 多くが一時的な異常を患い ただ歩き回り 925 01:04:06,750 --> 01:04:08,958 一部は麻痺状態だ 926 01:04:14,125 --> 01:04:15,875 彼らは大笑いし 927 01:04:16,333 --> 01:04:20,083 指の間に 小石を伝わせていた 928 01:04:20,083 --> 01:04:22,875 金塊で笑う愚か者のように 929 01:04:27,333 --> 01:04:30,791 {\an8}流氷の上で 170日間過ごした後 930 01:04:30,791 --> 01:04:35,083 {\an8}大地に足を踏み入れた 時は最高の気分 931 01:04:37,166 --> 01:04:39,416 まずは一杯やった 932 01:04:41,750 --> 01:04:44,041 {\an8}もし百歳まで 生きていても 933 01:04:44,041 --> 01:04:47,041 {\an8}あの時の感覚を 忘れないだろう 934 01:04:47,958 --> 01:04:53,708 キリンの首があれば 極上の 気分をさらに味わえた 935 01:04:58,250 --> 01:05:01,375 “誰も殺さなくてよかった〟 と隊長 936 01:05:01,375 --> 01:05:04,125 {\an8}島での内密の話に言った 937 01:05:04,916 --> 01:05:07,000 {\an8}隊長は常に主張していた 938 01:05:07,000 --> 01:05:10,375 {\an8}我々に降りかかる 全ての最終責任は 939 01:05:10,375 --> 01:05:12,375 {\an8}彼にしかないと 940 01:05:13,666 --> 01:05:16,041 家父長的な態度だった 941 01:05:16,916 --> 01:05:20,708 そのため皆は疑うことなく 彼に献身した 942 01:05:26,958 --> 01:05:29,041 まずは家を建てる 943 01:05:29,791 --> 01:05:31,416 岩を積み上げ 944 01:05:31,416 --> 01:05:34,333 {\an8}2隻の船を逆さまで乗せ 945 01:05:34,333 --> 01:05:36,916 {\an8}氷と雪を隙間に詰めた 946 01:05:37,333 --> 01:05:38,833 {\an8}ひどい小屋だ 947 01:05:39,333 --> 01:05:40,958 {\an8}明かりもなかった 948 01:05:41,875 --> 01:05:45,166 {\an8}アザラシを煮詰め 芯に包帯を使って 949 01:05:45,166 --> 01:05:47,333 {\an8}小さなランプを作った 950 01:05:48,250 --> 01:05:52,958 {\an8}煙のような炎で 闇がより暗く感じた 951 01:05:54,291 --> 01:05:57,791 しかしここには 長くいられない 952 01:05:57,791 --> 01:06:00,208 捕鯨船は来なかった 953 01:06:00,583 --> 01:06:02,958 誰も救出に来ない 954 01:06:04,166 --> 01:06:08,416 留まると餓死や 厳冬による死を迎える 955 01:06:08,833 --> 01:06:10,541 絶望的な状況だ 956 01:06:10,541 --> 01:06:13,750 ここでまた隊長は立ち上がる 957 01:06:16,375 --> 01:06:20,250 {\an8}彼が考えた唯一の 現実的な脱出方法は 958 01:06:20,250 --> 01:06:21,958 {\an8}屈強な船員を連れ 959 01:06:22,458 --> 01:06:24,125 {\an8}卓越風を利用し 960 01:06:24,125 --> 01:06:26,416 {\an8}1200キロを航海し 961 01:06:26,416 --> 01:06:29,375 {\an8}恐ろしい海域を横断し 962 01:06:29,375 --> 01:06:31,333 {\an8}サウスジョージアへ行く 963 01:06:31,333 --> 01:06:33,708 {\an8}そこで助けを求め 964 01:06:33,708 --> 01:06:35,583 {\an8}残りの隊員を救出 965 01:06:38,833 --> 01:06:41,625 {\an8}“残念だが望みは薄い 966 01:06:42,500 --> 01:06:46,500 {\an8}状況をよく考えて〟と 言った 967 01:06:47,541 --> 01:06:51,250 彼が話し終わると 全員が志願した 968 01:06:51,833 --> 01:06:53,291 5人が選ばれた 969 01:06:54,958 --> 01:06:56,833 成功率をあげるため 970 01:06:56,833 --> 01:06:58,666 耐航性の高い 971 01:06:58,666 --> 01:07:03,125 ケアード号に いくつかの変更を加えた 972 01:07:04,041 --> 01:07:06,166 横に追加板を貼り 973 01:07:06,166 --> 01:07:09,083 無甲板船の一部を布で覆い 974 01:07:09,500 --> 01:07:12,500 船底を砂利などで 埋め尽くした 975 01:07:12,916 --> 01:07:15,791 他の船の帆柱を 竜骨に添えて 976 01:07:15,791 --> 01:07:17,333 たわみを防いだ 977 01:07:20,000 --> 01:07:21,250 4月23日 978 01:07:22,250 --> 01:07:26,125 {\an8}ケアード号は完成間近 明日出発だ 979 01:07:29,083 --> 01:07:31,541 苦楽を共にしてきた 980 01:07:32,000 --> 01:07:34,458 {\an8}仲間と顔を合わせ おそらく 981 01:07:34,875 --> 01:07:39,750 {\an8}最後であると悟るのは 恐ろしいことだ 982 01:07:40,291 --> 01:07:45,041 もし戻らなかったら 彼らは餓死するだろう 983 01:07:54,833 --> 01:08:00,375 12時30分 鳴り響く 歓声の中 ケアード号は出航 984 01:08:06,958 --> 01:08:11,333 意気揚々としたふりで 仲間を送った 985 01:08:11,750 --> 01:08:15,875 心の中では妙な 寂しさを感じていた 986 01:08:26,958 --> 01:08:28,291 寒い 987 01:08:30,333 --> 01:08:31,375 氷が止めている 988 01:08:32,208 --> 01:08:33,208 凍っている 989 01:08:33,208 --> 01:08:35,583 厳寒の中 働いている彼ら 990 01:08:35,583 --> 01:08:37,500 文句も言わずに 991 01:08:37,500 --> 01:08:38,750 探索ダイブ20 残り9日 992 01:08:38,750 --> 01:08:42,291 {\an8}でも彼らは 疲れてきている 993 01:08:56,958 --> 01:09:00,375 {\an8}探索ダイブ21 994 01:09:02,708 --> 01:09:05,708 破片でもいいから来い 995 01:09:06,666 --> 01:09:08,625 矢印が欲しい 996 01:09:10,916 --> 01:09:13,666 {\an8}探索ダイブ23 997 01:09:22,500 --> 01:09:23,833 見つからない 998 01:09:23,833 --> 01:09:28,833 気温は今後 数日で崩れ落ち 999 01:09:28,833 --> 01:09:30,750 捜索中止になる 1000 01:09:30,750 --> 01:09:34,000 探索ダイブ25 残り6日 1001 01:09:35,250 --> 01:09:37,541 意気消沈しそうだね 1002 01:09:37,541 --> 01:09:38,833 そうだね 1003 01:09:40,375 --> 01:09:43,416 これで一区切りにする? 1004 01:09:43,750 --> 01:09:44,750 おしまい 1005 01:09:45,541 --> 01:09:47,041 なかったね 1006 01:09:49,666 --> 01:09:53,000 希望が大きく 膨らんだところで 1007 01:09:53,000 --> 01:09:57,375 あごに右フックを 食らったようにダウン 1008 01:10:00,208 --> 01:10:01,750 もう日数がないよね? 1009 01:10:01,750 --> 01:10:02,833 うん 1010 01:10:19,083 --> 01:10:21,250 4月24日 隊長が出発 1011 01:10:21,750 --> 01:10:23,041 ちょうど—— 1012 01:10:23,750 --> 01:10:27,500 翌日 エレファント島は 氷に囲まれた 1013 01:10:28,458 --> 01:10:30,458 タイミング良かった 1014 01:10:37,583 --> 01:10:40,166 {\an8}5月のホーン岬の 南の海は 1015 01:10:40,166 --> 01:10:44,625 {\an8}世界で最も 暴風雨の多い海域だ 1016 01:10:50,916 --> 01:10:53,958 船は小さく 海は大きかったので 1017 01:10:53,958 --> 01:10:58,666 帆は波の頂上で 小さく羽ばたいた 1018 01:11:03,041 --> 01:11:07,833 {\an8}大海原が打ち寄せ すべてに水を注ぐ 1019 01:11:07,833 --> 01:11:10,875 滝の下にいるようだった 1020 01:11:15,125 --> 01:11:19,166 次第に水に浸かっていた 足がむくみ 1021 01:11:19,166 --> 01:11:22,666 白くなり 感覚がなくなった 1022 01:11:26,125 --> 01:11:29,458 エレファント島では 22人が待機 1023 01:11:29,458 --> 01:11:31,375 我々しか救出できない 1024 01:11:32,791 --> 01:11:35,125 彼らの苦境はひどかった 1025 01:11:37,166 --> 01:11:40,291 {\an8}小屋は狭くて 暗くて汚かった 1026 01:11:40,708 --> 01:11:42,500 {\an8}我々も暗くて汚かった 1027 01:11:42,916 --> 01:11:44,750 {\an8}パンもビスケットもなく 1028 01:11:44,750 --> 01:11:48,083 アザラシなどが 島に現れない日が 1029 01:11:48,083 --> 01:11:49,416 続くこともあった 1030 01:11:51,166 --> 01:11:54,291 これ程の飢餓で 生き延びた人は 1031 01:11:54,291 --> 01:11:55,541 他にいないだろう 1032 01:11:58,000 --> 01:12:00,916 もう我慢の限界だ 1033 01:12:02,125 --> 01:12:04,791 {\an8}ケアード号が無事に到着し 1034 01:12:04,791 --> 01:12:06,750 {\an8}救援を祈るのみ 1035 01:12:14,791 --> 01:12:18,208 ワースリーが島までを指示 1036 01:12:20,375 --> 01:12:22,583 島を通過した場合 1037 01:12:23,000 --> 01:12:26,583 {\an8}何千キロも先の アフリカまで何もない 1038 01:12:26,583 --> 01:12:29,250 {\an8}南大西洋上で死ぬだろう 1039 01:12:34,333 --> 01:12:35,958 夜 舵を握ると 1040 01:12:35,958 --> 01:12:39,000 {\an8}突然 澄んだ空が見えた 1041 01:12:40,416 --> 01:12:43,333 {\an8}他の男たちに知らせた 1042 01:12:43,750 --> 01:12:46,125 すると私が見たものは 1043 01:12:46,125 --> 01:12:49,166 巨大な波の白い頂上だった 1044 01:12:49,833 --> 01:12:52,916 “頼むからつかまってくれ〟 1045 01:12:54,083 --> 01:12:57,333 こんな大きな波は 見たことなかった 1046 01:13:15,333 --> 01:13:19,166 半分浸水したが ボートは乗り切った 1047 01:13:20,625 --> 01:13:23,541 必死で水をくみ出した 1048 01:13:25,000 --> 01:13:26,500 午前3時まで 1049 01:13:26,500 --> 01:13:29,958 限界まで冷え切っていたが 1050 01:13:30,458 --> 01:13:34,083 その後 温かい飲み物に ありつけた 1051 01:13:39,333 --> 01:13:42,208 明るい兆しが見え始めた 1052 01:13:42,208 --> 01:13:44,541 陸から離れない鳥を発見 1053 01:13:46,208 --> 01:13:50,791 午後1時 サウスジョージアの 峰を見た 1054 01:13:53,958 --> 01:13:57,625 しかし到着すると ミスに気付いた 1055 01:13:58,125 --> 01:14:00,041 捕鯨基地がある 1056 01:14:00,041 --> 01:14:02,208 反対側に着きたかった 1057 01:14:03,541 --> 01:14:07,291 ヴィンセントらは 死の淵にいた 1058 01:14:07,291 --> 01:14:10,666 島を一周できる状態ではない 1059 01:14:11,458 --> 01:14:15,000 薄明かりの中で立ち止まった 1060 01:14:15,000 --> 01:14:16,583 暗い沿岸に行けない 1061 01:14:18,375 --> 01:14:20,750 突然 風が上陸し 1062 01:14:20,750 --> 01:14:24,583 並外れた強風になった 1063 01:14:33,541 --> 01:14:35,125 勢いで帆柱が曲がり 1064 01:14:35,125 --> 01:14:37,541 折れる直前だった 1065 01:14:39,666 --> 01:14:42,166 両舷の鋼板が開閉し 1066 01:14:42,166 --> 01:14:45,125 水が船内に吹き込んだ 1067 01:14:49,166 --> 01:14:51,833 生存確率は低い 1068 01:14:52,541 --> 01:14:56,125 終わりが近いことを 感じていた 1069 01:15:02,583 --> 01:15:07,083 事態が最悪に思われたその時 事態は一変 1070 01:15:08,416 --> 01:15:09,958 風が突然変化 1071 01:15:12,000 --> 01:15:14,333 成功と失敗を分ける線と 1072 01:15:14,333 --> 01:15:17,083 {\an8}災難から安全への転回に 1073 01:15:18,000 --> 01:15:22,541 {\an8}私はしばしば 驚嘆してきた 1074 01:15:25,583 --> 01:15:28,416 5月10日 岩を通り抜け—— 1075 01:15:29,041 --> 01:15:31,833 やっとの思いで上陸した 1076 01:15:32,750 --> 01:15:35,833 海のままでは 確実に死んでいた 1077 01:15:41,833 --> 01:15:43,333 今のところ... 1078 01:15:44,541 --> 01:15:45,541 微妙だ 1079 01:15:45,541 --> 01:15:46,625 そうだ 1080 01:15:47,666 --> 01:15:51,000 水色の線が調査した場所 1081 01:15:51,333 --> 01:15:54,083 残りの広いエリアは 南水路だ 1082 01:15:54,083 --> 01:15:57,000 だから次のダイブは おそらくこのブロックだ 1083 01:15:57,000 --> 01:15:58,750 そして東に移動し始める 1084 01:15:59,416 --> 01:16:02,166 そしたら? もっと南へ行くのか? 1085 01:16:02,166 --> 01:16:03,791 今のところ 1086 01:16:03,791 --> 01:16:05,625 指示はボックスの調査だ 1087 01:16:05,625 --> 01:16:07,416 ボックスの調査 1088 01:16:09,291 --> 01:16:13,208 {\an8}探索ダイブ26 残り6日 1089 01:16:13,208 --> 01:16:15,333 このダイブで 1090 01:16:15,333 --> 01:16:16,708 船を見つける 1091 01:16:20,458 --> 01:16:22,708 あと数日しかない 1092 01:16:22,708 --> 01:16:25,791 冬が来る 乗船者全員の中で 1093 01:16:25,791 --> 01:16:28,375 {\an8}ワースリーがどうやって 1094 01:16:28,375 --> 01:16:33,041 {\an8}沈没位置を知ったのか 議論し始めた 1095 01:16:33,458 --> 01:16:35,291 彼は推定しただけ 1096 01:16:35,708 --> 01:16:39,125 彼は3日前まで 位置確認ができず 1097 01:16:39,125 --> 01:16:41,333 船が沈没した翌日から 1098 01:16:41,333 --> 01:16:44,708 次の情報を得ることができた 1099 01:16:44,708 --> 01:16:48,958 その間の漂流方向は? それが課題だった 1100 01:16:57,958 --> 01:17:00,166 このデータを使用すると 1101 01:17:00,166 --> 01:17:02,833 さっき思いついた 1102 01:17:02,833 --> 01:17:06,541 欧州の一大プロジェクトで 1103 01:17:07,125 --> 01:17:09,666 気象台データなどに基づき 1104 01:17:09,666 --> 01:17:12,041 過去の気候と気象を計算 1105 01:17:12,041 --> 01:17:14,708 11月21日頃 船が 1106 01:17:15,125 --> 01:17:19,750 たどったであろう 漂流軌道を計算した 1107 01:17:20,166 --> 01:17:21,666 沈没地点は 1108 01:17:21,666 --> 01:17:25,250 ボックス南側の端になる 1109 01:17:25,666 --> 01:17:28,791 さらにジョンと私は 1110 01:17:28,791 --> 01:17:33,708 ハッセーの気象観測を 調べることにした 1111 01:17:33,708 --> 01:17:35,208 その日のだ 1112 01:17:36,125 --> 01:17:39,250 ハッセーの観察はすごいが 1113 01:17:39,250 --> 01:17:42,416 情報不足なので 再解析のモデルに 1114 01:17:42,416 --> 01:17:44,583 データを放り込んだ 1115 01:17:44,583 --> 01:17:47,250 気象モデルを逆算したものだ 1116 01:17:47,708 --> 01:17:52,500 そこで18~22日の間 エンデュアランス号は 1117 01:17:52,500 --> 01:17:55,750 南下したと確信がある 1118 01:17:55,750 --> 01:17:59,000 当時は観察手段がなかった 1119 01:17:59,000 --> 01:18:01,416 捜索エリアの南側は 1120 01:18:01,416 --> 01:18:03,708 もともと探査対象だ 1121 01:18:03,708 --> 01:18:05,166 ニコ 静かだね 1122 01:18:06,500 --> 01:18:08,875 取り込んでいるんだね 1123 01:18:09,416 --> 01:18:11,375 古いコンピューターだ 1124 01:18:11,375 --> 01:18:13,833 画面がフリーズする 1125 01:18:15,833 --> 01:18:17,375 {\an8}探索ダイブ28 残り5日 1126 01:18:17,375 --> 01:18:18,541 {\an8}いいか? 1127 01:18:20,000 --> 01:18:22,625 海中作業の観点からすると 1128 01:18:23,208 --> 01:18:28,916 なぜ1年前ではなく 今になってこのようなことが 1129 01:18:29,416 --> 01:18:30,708 発覚したのか疑問だ 1130 01:18:33,208 --> 01:18:34,708 残り30%で 1131 01:18:34,708 --> 01:18:37,791 今になっての 素晴らしい予測 1132 01:18:37,791 --> 01:18:41,416 すでに調査した場所ではない 1133 01:18:41,416 --> 01:18:43,041 まだの場所か 1134 01:18:43,041 --> 01:18:45,333 それ以外の場所だ 1135 01:18:45,750 --> 01:18:49,166 そんな予測は俺でもできる 1136 01:18:49,166 --> 01:18:51,000 大学に行ったのは 1137 01:18:51,000 --> 01:18:54,583 カクテルに合う氷を 学ぶためではない 1138 01:19:04,583 --> 01:19:07,083 現在の完成割合は? 1139 01:19:08,166 --> 01:19:09,708 73% 1140 01:19:10,125 --> 01:19:12,041 場所が減ってきた 1141 01:19:14,833 --> 01:19:17,916 漂流予報が出たため 1142 01:19:17,916 --> 01:19:22,166 残骸場とリンクさせる 必要がある 1143 01:19:22,166 --> 01:19:27,291 沈没船の残骸範囲に 漂流モデルを適用すると 1144 01:19:27,291 --> 01:19:31,958 船はここからここまでの どこかにある 1145 01:19:31,958 --> 01:19:34,791 でもこの範囲は調査済み 1146 01:19:34,791 --> 01:19:37,541 その小さな場所を除くと 1147 01:19:37,541 --> 01:19:38,708 ここ以外はね 1148 01:19:38,708 --> 01:19:41,000 だからここを探す 1149 01:19:44,750 --> 01:19:46,875 日が経てば経つほど 余計に思う 1150 01:19:46,875 --> 01:19:51,458 シャクルトンに関わって あきらめる選択肢はない 1151 01:20:01,833 --> 01:20:05,791 シャクルトンは 孤立した島の 1152 01:20:06,208 --> 01:20:08,541 無人島側にいた 1153 01:20:09,458 --> 01:20:11,958 捕鯨基地に回る必要があった 1154 01:20:14,750 --> 01:20:18,708 マクニッシュらの状態を見て 1155 01:20:18,708 --> 01:20:20,791 海へ出る案は断念 1156 01:20:22,583 --> 01:20:25,625 {\an8}代替案は島の横断だった 1157 01:20:26,208 --> 01:20:29,583 {\an8}誰も渡ったことが なかった 1158 01:20:30,083 --> 01:20:32,875 {\an8}捕鯨船員も 近寄らなかった 1159 01:20:32,875 --> 01:20:34,958 ストロムネス 捕鯨基地 1160 01:20:34,958 --> 01:20:36,833 山越えが瀕死の男らの 1161 01:20:36,833 --> 01:20:39,750 決死の賭けだと知っていた 1162 01:20:43,208 --> 01:20:45,208 二人を連行する 1163 01:20:45,833 --> 01:20:49,541 協議の結果 寝袋を置いて 1164 01:20:49,958 --> 01:20:52,750 軽装な行軍を決めた 1165 01:20:55,125 --> 01:20:58,666 {\an8}3日分の食料を 首からかけ 1166 01:20:58,666 --> 01:21:02,125 {\an8}古いランプと 氷を削る斧と 1167 01:21:02,125 --> 01:21:05,875 コンパスと 島の青写真地図を持参 1168 01:21:07,000 --> 01:21:09,875 大工が靴底にビスを打ち 1169 01:21:09,875 --> 01:21:13,541 氷上でのグリップ力を 高めた 1170 01:21:16,166 --> 01:21:19,666 天候が回復次第 止まらずに行軍開始 1171 01:21:28,166 --> 01:21:30,083 エレファント島は—— 1172 01:21:30,916 --> 01:21:32,333 苦しい生活だった 1173 01:21:33,708 --> 01:21:36,000 最後の食事まで 1174 01:21:36,000 --> 01:21:38,750 あとわずかという時 1175 01:21:39,625 --> 01:21:42,416 アザラシなどが現れ 1176 01:21:42,416 --> 01:21:45,208 食いつなげることができた 1177 01:21:50,541 --> 01:21:53,500 今日 ブラックボローの 1178 01:21:53,916 --> 01:21:56,541 左足のすべての指を切断 1179 01:21:58,000 --> 01:22:00,666 器具の滅菌はうまくいった 1180 01:22:01,583 --> 01:22:04,166 滅菌された服はなかった 1181 01:22:04,583 --> 01:22:06,666 ベスト一枚になった 1182 01:22:08,333 --> 01:22:10,958 手術に立ち会ったが 1183 01:22:10,958 --> 01:22:12,791 興味深かった 1184 01:22:14,291 --> 01:22:16,083 奴は立派に振る舞い 1185 01:22:16,833 --> 01:22:18,708 無事に終わった 1186 01:22:26,291 --> 01:22:30,833 5月19日金曜の午前2時 天気は良く 1187 01:22:30,833 --> 01:22:33,583 {\an8}月が燦然と輝いていた 1188 01:22:34,583 --> 01:22:37,541 隊長が開始の言葉をかけた 1189 01:22:39,583 --> 01:22:42,000 シャクルトンは道を切り開き 1190 01:22:42,375 --> 01:22:44,041 後ろが楽になるよう 1191 01:22:44,041 --> 01:22:46,500 雪の中 先導を切った 1192 01:22:48,250 --> 01:22:52,916 2時間の登山後 海抜750メートルに到達 1193 01:22:55,166 --> 01:22:59,125 月明かりが内地の ひどい状況を示した 1194 01:23:03,166 --> 01:23:05,458 日の光が差し込むと 1195 01:23:06,125 --> 01:23:08,083 霧が晴れてきた 1196 01:23:09,458 --> 01:23:11,250 霧が完全に晴れた時 1197 01:23:11,250 --> 01:23:16,125 凍った湖だと思っていたのは 海の一部だと 1198 01:23:16,125 --> 01:23:17,958 分かり落胆した 1199 01:23:19,208 --> 01:23:21,958 そこで3時間かけて登った 1200 01:23:21,958 --> 01:23:24,250 長い坂道を引き返した 1201 01:23:25,875 --> 01:23:30,166 隊長は不機嫌に “次に進むぞ〟と言った 1202 01:23:32,166 --> 01:23:34,250 これは3回起こった 1203 01:23:38,750 --> 01:23:41,625 20時間以上も行軍し 1204 01:23:42,083 --> 01:23:44,458 食事のためだけに止まった 1205 01:23:49,083 --> 01:23:52,833 クリーンと ワースリーが 休憩中 1206 01:23:52,833 --> 01:23:54,375 眠りに落ちた 1207 01:23:54,375 --> 01:23:56,750 隊長も眠りたかったが 1208 01:23:56,750 --> 01:23:59,333 死を意味すると知っていた 1209 01:24:01,166 --> 01:24:03,875 5分後彼らを起こした 1210 01:24:04,416 --> 01:24:06,875 30分寝ていたと伝え 1211 01:24:07,583 --> 01:24:09,458 再出発を促した 1212 01:24:12,458 --> 01:24:15,416 そして5月19日の夜 1213 01:24:15,416 --> 01:24:18,708 高い山で 死ぬことを悟った 1214 01:24:18,708 --> 01:24:21,208 あまりに寒くむき出しだった 1215 01:24:22,916 --> 01:24:24,583 厳しい状況だ 1216 01:24:25,208 --> 01:24:28,791 霧が退路を断り 暗闇が前進を覆った 1217 01:24:29,458 --> 01:24:31,666 続けても無駄だった 1218 01:24:33,041 --> 01:24:36,125 “リスクを冒す 滑るぞ〟 1219 01:24:36,833 --> 01:24:38,000 と隊長が言った 1220 01:24:40,416 --> 01:24:45,041 断崖絶壁を滑り降りて 何があるのか? 1221 01:24:46,833 --> 01:24:49,166 でもそれしかなかった 1222 01:24:53,916 --> 01:24:56,250 シャクルトンは座り 1223 01:24:56,750 --> 01:24:58,291 後ろに座った 1224 01:24:58,291 --> 01:25:02,083 クリーンも同様にし 繋がった 1225 01:25:03,208 --> 01:25:04,708 キックオフ 1226 01:25:06,000 --> 01:25:08,750 宇宙まで飛んでいるようだ 1227 01:25:10,583 --> 01:25:13,083 未知の世界へと滑り落ちた 1228 01:25:26,083 --> 01:25:27,833 雪山でゴールした 1229 01:25:28,416 --> 01:25:32,083 2~3分で1.5キロを やっつけた 1230 01:25:33,500 --> 01:25:36,625 立ち上がり握手を交わした 1231 01:25:37,833 --> 01:25:41,541 “次はやめよう〟と 隊長は言った 1232 01:25:46,791 --> 01:25:50,916 午前6時半 汽笛の音を 聞いた気がした 1233 01:25:52,125 --> 01:25:53,875 確信がなかった 1234 01:25:56,291 --> 01:25:59,166 7時に熱心に耳を傾けた 1235 01:25:59,750 --> 01:26:01,708 山の向こう側で 1236 01:26:01,708 --> 01:26:06,291 静まり返った朝の空気の中 捕鯨工場の 1237 01:26:06,291 --> 01:26:09,083 汽笛の音が聞こえた 1238 01:26:09,666 --> 01:26:11,083 {\an8}1916年5月 659日目 1239 01:26:11,083 --> 01:26:13,208 {\an8}約2年ぶりに聞いた 1240 01:26:13,208 --> 01:26:15,708 {\an8}文明の合図だった 1241 01:26:19,250 --> 01:26:21,041 旧友のソーレ船長は 1242 01:26:21,041 --> 01:26:23,541 2年前ストロムネス湾に 1243 01:26:23,541 --> 01:26:26,625 到着時 もてなしてくれた 1244 01:26:26,625 --> 01:26:30,416 だが今は気づかなかった 1245 01:26:32,208 --> 01:26:35,083 シャクルトンだと伝えた 1246 01:26:35,666 --> 01:26:39,375 大喜びし すぐ家に案内してくれた 1247 01:26:39,916 --> 01:26:42,416 風呂に入り ヒゲを剃り 1248 01:26:42,875 --> 01:26:45,375 人間に戻ることができた 1249 01:26:49,041 --> 01:26:52,250 翌日ワースリーが 小型蒸気船で 1250 01:26:52,250 --> 01:26:56,625 島の西側にいた 他の3人を迎えに行った 1251 01:26:58,208 --> 01:27:01,208 火曜日 同じ捕鯨船で出発 1252 01:27:01,208 --> 01:27:04,458 エレファント島にいる 仲間のため 1253 01:27:06,166 --> 01:27:09,500 島の北約百キロ地点で 流氷に遭遇 1254 01:27:10,666 --> 01:27:13,041 無防備な鋼鉄製の捕鯨船を 1255 01:27:13,041 --> 01:27:16,791 強行突破させるのは自殺行為 1256 01:27:18,750 --> 01:27:21,250 失敗は認めたくないが 1257 01:27:21,916 --> 01:27:23,916 事実の直視は必要 1258 01:27:31,333 --> 01:27:34,416 {\an8}探索ダイブ30 残り4日 1259 01:27:35,625 --> 01:27:37,083 エンジン開始 1260 01:27:37,416 --> 01:27:38,541 了解 1261 01:27:45,416 --> 01:27:46,500 今日こそだ 1262 01:27:48,208 --> 01:27:49,833 でも明日かな 1263 01:28:03,458 --> 01:28:06,041 船はまだ行方不明 1264 01:28:06,541 --> 01:28:10,333 でもまだ5ボックス残ってる 1265 01:28:13,416 --> 01:28:17,083 {\an8}次の任務はD10とD9 1266 01:28:26,666 --> 01:28:29,125 氷が動かなければ 1267 01:28:29,750 --> 01:28:30,875 うまくいくかも 1268 01:28:31,500 --> 01:28:32,583 まるで... 1269 01:28:33,708 --> 01:28:35,208 もうちょっと 1270 01:28:35,666 --> 01:28:36,750 そうそう 1271 01:28:37,666 --> 01:28:38,750 来い 1272 01:28:40,333 --> 01:28:44,708 もっと来い 1273 01:28:45,416 --> 01:28:46,500 高さがある 1274 01:28:47,166 --> 01:28:50,166 少し高さがある 1275 01:28:50,166 --> 01:28:51,666 調査のニコ 1276 01:28:51,666 --> 01:28:52,750 どうぞ 1277 01:28:52,750 --> 01:28:55,208 調査室まで来れます? 1278 01:28:55,500 --> 01:28:56,500 はい 1279 01:28:56,500 --> 01:28:59,833 エンデュアランス号だ 1280 01:29:02,500 --> 01:29:03,500 やあ 1281 01:29:03,500 --> 01:29:05,875 おはよう 元気? 1282 01:29:05,875 --> 01:29:08,000 元気 良い一日だ 1283 01:29:10,458 --> 01:29:11,708 さあどうぞ 友よ 1284 01:29:12,250 --> 01:29:14,625 美しいね 1285 01:29:15,791 --> 01:29:18,250 カメラでダイブすることを 勧める 1286 01:29:18,250 --> 01:29:19,500 確認だ 1287 01:29:21,875 --> 01:29:23,916 ジョン ニコだ 1288 01:29:24,833 --> 01:29:26,000 ニコ どうぞ 1289 01:29:26,958 --> 01:29:28,958 操舵室に来れる? 1290 01:29:28,958 --> 01:29:32,875 メンスンも一緒に連れてきて 1291 01:29:32,875 --> 01:29:34,125 すぐ行く 1292 01:29:34,666 --> 01:29:37,500 メンスンも一緒にお願い 1293 01:29:46,833 --> 01:29:51,041 シャクルトンは計4度も 1294 01:29:51,041 --> 01:29:53,541 島の仲間の救出を試みた 1295 01:29:54,125 --> 01:29:57,625 嵐と凍った海によって 引き返された 1296 01:29:59,291 --> 01:30:02,541 この期間の消耗と損耗は ひどかった 1297 01:30:03,250 --> 01:30:06,416 {\an8}4ヵ月間 顔に深いしわが現れ 1298 01:30:06,416 --> 01:30:09,583 白髪になるのを見ていた 1299 01:30:11,791 --> 01:30:15,791 4回目の試行で チリ政府が援助 1300 01:30:16,416 --> 01:30:19,750 小型蒸気船 イェルチョ号を貸出 1301 01:30:21,416 --> 01:30:23,416 神は我々に味方した 1302 01:30:24,375 --> 01:30:28,500 島に近づくと氷が割れていた 1303 01:30:36,375 --> 01:30:41,416 古いアザラシの骨 海藻 カサガイの豪華な食事時 1304 01:30:41,833 --> 01:30:45,583 外の当直の者たちが 突然叫んだ 1305 01:30:45,583 --> 01:30:48,208 “ワイルド!船だ!〟 1306 01:30:48,208 --> 01:30:49,708 “照明弾は?〟 1307 01:30:51,041 --> 01:30:54,916 食事のことを忘れ 入口に急行した 1308 01:30:55,458 --> 01:30:58,166 横から出るものもいた 1309 01:30:58,583 --> 01:31:00,791 食事はひっくり返された 1310 01:31:02,666 --> 01:31:06,375 一斉に砂浜に行き 大声で叫んだ 1311 01:31:06,875 --> 01:31:10,250 シャクルトンは双眼鏡で 人数確認 1312 01:31:11,375 --> 01:31:14,458 全員数え終わって 1313 01:31:14,458 --> 01:31:17,333 初めて彼は安心した 1314 01:31:18,750 --> 01:31:22,208 眼鏡をケースに戻し 私に向いた 1315 01:31:22,708 --> 01:31:27,291 月並みな表現だが 目の前に立つ彼は 1316 01:31:27,291 --> 01:31:29,041 急に老け込んだ 1317 01:31:35,875 --> 01:31:38,083 今日こそだと思った 1318 01:31:38,083 --> 01:31:39,333 感じる 1319 01:31:40,666 --> 01:31:42,291 毎日言ってるよ 1320 01:31:45,416 --> 01:31:47,125 楽しかった? 1321 01:31:47,125 --> 01:31:49,208 やあ ニコ 1322 01:31:49,916 --> 01:31:51,958 メンスン ジョン 1323 01:31:51,958 --> 01:31:54,125 エンデュアランスだ 1324 01:31:54,666 --> 01:31:55,750 やった! 1325 01:31:58,000 --> 01:32:00,125 本当に素晴らしい 1326 01:32:00,125 --> 01:32:01,458 やったぞ! 1327 01:32:02,458 --> 01:32:05,791 さっきメンスンに言ってた 1328 01:32:05,791 --> 01:32:09,250 今日はいい日になるって 1329 01:32:09,250 --> 01:32:10,333 表情からして 1330 01:32:10,333 --> 01:32:13,708 AUVを失くしたと思ったよ 1331 01:32:14,791 --> 01:32:15,875 大きなキス 1332 01:32:20,291 --> 01:32:21,291 やったぞ 1333 01:32:23,583 --> 01:32:24,791 おはよう! 1334 01:32:24,791 --> 01:32:27,708 美しい !なんてこと 信じられない! 1335 01:32:27,708 --> 01:32:31,750 AUVは海底から 最初の画像を送信した 1336 01:32:31,750 --> 01:32:34,750 船はそのままの形だ 1337 01:32:34,750 --> 01:32:36,916 驚くべき発見だ 1338 01:32:36,916 --> 01:32:38,750 エンデュアランス号発見 1339 01:32:38,750 --> 01:32:41,166 {\an8}最も驚くべき発見だ 1340 01:32:41,166 --> 01:32:44,541 {\an8}エンデュアランス号 海面下3008mで発見 1341 01:32:45,083 --> 01:32:47,166 美しい 1342 01:32:48,083 --> 01:32:50,833 {\an8}一生に一度の発見 1343 01:32:55,291 --> 01:32:59,708 {\an8}現代最大の深海の謎の ひとつがついに解明 1344 01:33:00,458 --> 01:33:05,125 祖母は とても誇りに思うだろう 1345 01:33:05,541 --> 01:33:10,541 私がしていることの一部は 祖母からの 1346 01:33:10,541 --> 01:33:14,250 インスピレーションなのだ 1347 01:33:20,250 --> 01:33:23,791 {\an8}1916年 765日目 1348 01:33:23,791 --> 01:33:27,458 我々が受けた歓迎を 決して忘れない 1349 01:33:28,416 --> 01:33:33,041 チリの人の声援に 必死で返答した 1350 01:33:34,500 --> 01:33:37,583 上陸後の熱心な歓迎で 1351 01:33:37,583 --> 01:33:40,375 海に突き落とされそうだった 1352 01:33:43,291 --> 01:33:46,875 {\an8}シャクルトン最後の 南極探検は失敗 1353 01:33:48,291 --> 01:33:50,500 {\an8}しかし輝かしい失敗 1354 01:33:51,666 --> 01:33:53,958 シャクルトンのキャビン 1355 01:33:53,958 --> 01:33:55,125 そこだ 1356 01:33:57,333 --> 01:33:59,083 羅針盤がある 1357 01:33:59,083 --> 01:34:02,166 コンパスのガードも見える 1358 01:34:02,166 --> 01:34:03,791 {\an8}マグカップ 1359 01:34:03,791 --> 01:34:05,166 {\an8}皿 1360 01:34:05,166 --> 01:34:06,708 {\an8}信号拳銃だ 1361 01:34:06,708 --> 01:34:08,041 {\an8}そうだ 1362 01:34:08,041 --> 01:34:09,666 {\an8}ブーツだ 1363 01:34:09,666 --> 01:34:11,875 バックルもある 1364 01:34:11,875 --> 01:34:16,166 {\an8}おそらくワイルドの ブーツだ 1365 01:34:16,166 --> 01:34:18,291 {\an8}まったく同じだね? 1366 01:34:20,125 --> 01:34:22,458 チームが誇りだね ニコ 1367 01:34:22,458 --> 01:34:25,375 これは素晴らしい 1368 01:34:28,708 --> 01:34:31,791 シャクルトンによると 人は極地に行くと 1369 01:34:31,791 --> 01:34:35,083 魔法にかけられたような 気分になり 1370 01:34:35,541 --> 01:34:37,333 永遠に変わってしまう 1371 01:34:53,750 --> 01:34:56,250 {\an8}南極で暗い日々を 過ごした 1372 01:34:57,083 --> 01:35:01,541 {\an8}苦しい努力 苦闘 暗い努力と不安の日々を 1373 01:35:02,000 --> 01:35:04,250 {\an8}生き抜いてきた 1374 01:35:05,083 --> 01:35:09,291 {\an8}英雄的な行為を 必要としない日々で 1375 01:35:09,291 --> 01:35:15,083 {\an8}魂が正しいと告げる 根気強い努力の日々だ 1376 01:35:17,625 --> 01:35:20,125 {\an8}私は何度も自然に戻る 1377 01:35:20,666 --> 01:35:24,083 {\an8}最終的には 自然が勝つだろう 1378 01:35:25,708 --> 01:35:30,166 {\an8}不可能に近いことに 挑戦する魅力がある 1379 01:35:41,291 --> 01:35:44,083 彼らが戻った時 戦争は激化 1380 01:35:45,208 --> 01:35:49,166 脚光を浴びるのは 適切じゃなかった 1381 01:35:51,875 --> 01:35:55,583 ほぼ全員が すぐに軍務に就いた 1382 01:35:56,791 --> 01:35:59,291 {\an8}悲劇的にも2人は死亡 1383 01:36:00,166 --> 01:36:02,583 {\an8}その他 重傷者が数人 1384 01:36:06,250 --> 01:36:09,666 {\an8}シャクルトンも軍に入隊 1385 01:36:07,958 --> 01:36:11,875 シャクルトン 英国海軍に入隊 1386 01:36:11,875 --> 01:36:15,041 {\an8}戦争終結後 彼の時代が来た 1387 01:36:15,041 --> 01:36:17,250 {\an8}講演を開始し—— 1388 01:36:17,750 --> 01:36:21,166 {\an8}公開映画も 大成功を収めた 1389 01:36:25,458 --> 01:36:27,791 シャクルトンはまた探検へ 1390 01:36:27,791 --> 01:36:30,750 1921年サウスジョージア島へ 1391 01:36:30,750 --> 01:36:34,000 しかし翌年 心臓発作で死去 1392 01:36:36,166 --> 01:36:39,291 {\an8}サウスジョージア 1393 01:36:39,625 --> 01:36:43,500 シャクルトンは着手したこと 1394 01:36:43,500 --> 01:36:45,916 どれも達成できなかった 1395 01:36:45,916 --> 01:36:47,500 事実であった 1396 01:36:47,916 --> 01:36:50,625 しかし彼は 1397 01:36:50,625 --> 01:36:54,291 限界を押し広げる 人間の衝動を 1398 01:36:54,291 --> 01:36:58,166 象徴するものであった 1399 01:36:58,166 --> 01:37:00,333 常に次なるものを求めて 1400 01:37:00,333 --> 01:37:02,791 常に限界を求めて 1401 01:37:02,791 --> 01:37:04,291 それがシャクルトン 1402 01:37:05,208 --> 01:37:08,875 1922年3月5日 彼はここに埋葬され 1403 01:37:09,250 --> 01:37:13,333 ちょうど百年後の 2022年3月5日 1404 01:37:13,333 --> 01:37:17,291 エンデュアランス号を ウェッデル海底で発見 1405 01:37:18,958 --> 01:37:21,708 アーネスト卿は我々が 1406 01:37:21,708 --> 01:37:25,958 成し遂げたことに驚き おそらく嫉妬する 1407 01:37:25,958 --> 01:37:30,666 チームの努力をたたえ 拍手喝采を送るだろう 1408 01:37:31,791 --> 01:37:33,583 ここを離れる際 1409 01:37:33,583 --> 01:37:35,500 成功を振り返り 1410 01:37:35,500 --> 01:37:38,458 信頼と協力で どんなことも 1411 01:37:38,458 --> 01:37:42,333 乗り越えられると覚えていて 1412 01:37:45,208 --> 01:37:52,166 {\an8}3Dレーザースキャン 深度3008メートル 1413 01:37:54,666 --> 01:37:56,125 {\an8}そのままの状態 1414 01:37:56,125 --> 01:37:59,541 {\an8}国際条約によって 保護されている 1415 01:38:08,291 --> 01:38:09,708 {\an8}英国映画協会は 1416 01:38:09,708 --> 01:38:11,708 {\an8}ハーレーの フィルムを復元 1417 01:38:11,708 --> 01:38:14,458 {\an8}初のデジタルカラー処理 1418 01:38:23,083 --> 01:38:24,666 {\an8}乗組員の証言は 1419 01:38:24,666 --> 01:38:26,625 {\an8}記録などから直接引用 1420 01:38:26,625 --> 01:38:30,333 {\an8}AI技術により 本人らの声を再現 1421 01:38:41,416 --> 01:38:43,000 {\an8}劇的再現を使用 1422 01:38:43,000 --> 01:38:46,208 一部はオリジナル 一部は既存作品 1423 01:43:02,458 --> 01:43:04,458 日本語字幕 宗宮由佳