1 00:00:09,676 --> 00:00:14,346 ‎アメリカと聞いて ‎何を想像するだろう 2 00:00:18,560 --> 00:00:20,730 ‎痛烈なヒットだ 3 00:00:31,322 --> 00:00:36,242 ‎思い浮かぶ言葉は ‎正義 自由 平等? 4 00:00:36,327 --> 00:00:38,457 ‎それとも市民権? 5 00:00:38,538 --> 00:00:40,958 ‎市民となった皆さん 6 00:00:41,041 --> 00:00:45,551 ‎なんと素晴らしい道を ‎歩んできたのでしょう 7 00:00:45,628 --> 00:00:51,718 ‎アメリカの根幹にあるのは ‎自由や平等といった概念だ 8 00:00:52,218 --> 00:00:56,558 ‎その定義を巡り ‎人々は命懸けで闘った 9 00:00:57,140 --> 00:00:59,480 ‎では真の定義とは? 10 00:00:59,559 --> 00:01:00,689 ‎NETFLIX ‎オリジナルドキュメンタリー 11 00:01:00,685 --> 00:01:01,435 ‎NETFLIX ‎オリジナルドキュメンタリー 望みは? 12 00:01:01,436 --> 00:01:01,516 ‎NETFLIX ‎オリジナルドキュメンタリー 13 00:01:01,519 --> 00:01:01,979 ‎NETFLIX ‎オリジナルドキュメンタリー 正義だ 14 00:01:01,978 --> 00:01:02,398 正義だ 15 00:01:02,479 --> 00:01:03,059 ‎いつ? 16 00:01:03,146 --> 00:01:03,896 ‎今だ 17 00:01:03,980 --> 00:01:08,690 ‎今のアメリカは ‎自由への闘いの産物であり 18 00:01:08,777 --> 00:01:13,987 ‎その理念を貫くのが ‎私たちの日々の課題だ 19 00:01:14,074 --> 00:01:16,494 ‎憲法修正第14条… 20 00:01:16,576 --> 00:01:19,496 ‎女性にも適用すべきよ 21 00:01:19,579 --> 00:01:24,999 ‎修正第14条は 法廷で最も ‎引用された修正条項だ 22 00:01:25,668 --> 00:01:29,758 ‎その妥当性は ‎批准時から揺るぎないが 23 00:01:29,839 --> 00:01:32,629 ‎なじみが薄いのも事実 24 00:01:32,717 --> 00:01:36,717 S・イフィル 法的防衛教育基金 会長 一般の人々も 修正第1条について 25 00:01:36,805 --> 00:01:38,515 ‎堂々と議論してる 26 00:01:39,140 --> 00:01:43,940 ‎修正第2条を ‎最も重視する人々もいるわ 27 00:01:44,020 --> 00:01:49,940 ‎でもアメリカ国民として ‎私たちが自覚や誇りを持ち 28 00:01:50,026 --> 00:01:52,196 ‎自由を実感できるのは ‎なぜか? 29 00:01:52,195 --> 00:01:54,065 ‎自由を実感できるのは ‎なぜか? "愛" 30 00:01:54,155 --> 00:01:58,115 ‎答えは修正第14条の中にある 31 00:01:58,201 --> 00:02:03,001 ‎この事実を伝えるのが ‎本番組の目的だ 32 00:02:03,081 --> 00:02:03,921 ‎用意 33 00:02:05,875 --> 00:02:06,915 ‎アクション 34 00:02:07,710 --> 00:02:10,800 ‎私たちのアメリカの歩み 35 00:02:10,880 --> 00:02:12,090 ‎合衆国憲法 ‎修正第14条の物語だ 36 00:02:12,090 --> 00:02:14,680 ‎合衆国憲法 ‎修正第14条の物語だ 修正第14条 37 00:02:14,676 --> 00:02:15,796 修正第14条 38 00:02:21,766 --> 00:02:24,516 アメリカ合衆国憲法 修正第14条 39 00:02:24,519 --> 00:02:27,019 アメリカ合衆国憲法 修正第14条 ‎修正第14条を ‎覚えているだろうか 40 00:02:27,021 --> 00:02:28,481 ‎修正第14条を ‎覚えているだろうか 41 00:02:28,565 --> 00:02:31,895 ‎"アメリカの約束"の ‎核心部だ 42 00:02:31,985 --> 00:02:33,645 ‎内容は次のとおり 43 00:02:33,736 --> 00:02:38,156 ‎この国で生まれた者は ‎皆がアメリカ市民 44 00:02:38,241 --> 00:02:44,001 ‎法の下では すべての市民が ‎平等に保護される 45 00:02:44,080 --> 00:02:48,380 ‎皆が等しい権利を持ち ‎法的保護を受け 46 00:02:48,459 --> 00:02:54,509 ‎適正な法的手続きなしには ‎誰もその権利を奪えない 47 00:02:54,591 --> 00:02:56,471 ‎いわば国民は― 48 00:02:56,551 --> 00:03:00,181 ‎同じチームに属する ‎対等な選手だ 49 00:03:00,263 --> 00:03:04,273 ‎この実にシンプルで ‎革命的な概念が 50 00:03:04,350 --> 00:03:07,150 ‎アメリカンドリームの原点だ 51 00:03:10,481 --> 00:03:11,571 第14条がなければ 米国民になれなかった 52 00:03:11,566 --> 00:03:14,436 第14条がなければ 米国民になれなかった M・ナイ 歴史家 53 00:03:15,862 --> 00:03:17,162 "新婚" 結婚の平等は今も 実現していないだろう 54 00:03:17,155 --> 00:03:17,485 結婚の平等は今も 実現していないだろう 55 00:03:17,488 --> 00:03:20,658 結婚の平等は今も 実現していないだろう J・オバーゲフェル 公民権運動家 56 00:03:20,742 --> 00:03:21,242 "平等保護 第14条を肉付け" 57 00:03:21,242 --> 00:03:23,082 "平等保護 第14条を肉付け" 白人の夫とは― 58 00:03:23,161 --> 00:03:25,251 K・ブリッジズ 教授 結婚できなかったと 思うわ 59 00:03:25,246 --> 00:03:26,826 結婚できなかったと 思うわ 60 00:03:27,415 --> 00:03:32,045 ‎修正第14条が ‎国民に保障しているのは 61 00:03:32,128 --> 00:03:34,128 ‎平等な社会だ 62 00:03:35,089 --> 00:03:37,089 ‎私の家族は― 63 00:03:37,175 --> 00:03:41,715 ‎フィラデルフィアで ‎格差に苦しむこともあった 64 00:03:41,804 --> 00:03:44,564 ‎それでも両親や祖父母は 65 00:03:44,641 --> 00:03:47,981 ‎アメリカの約束を ‎固く信じていた 66 00:03:48,770 --> 00:03:52,940 ‎第14条が ‎成功への架け橋となるのを 67 00:03:53,024 --> 00:03:54,864 ‎私は肌で感じた 68 00:03:54,943 --> 00:04:00,113 ‎憲法修正第14条の要は ‎合衆国市民の定義だ 69 00:04:01,824 --> 00:04:03,334 ‎この定義が― 70 00:04:03,409 --> 00:04:06,869 ‎私たちに必要な権利を ‎保障している 71 00:04:06,955 --> 00:04:09,115 ‎"合衆国市民" 72 00:04:10,041 --> 00:04:11,581 ‎説明のため― 73 00:04:12,335 --> 00:04:15,955 ‎修正第14条の制定前に戻ろう 74 00:04:16,047 --> 00:04:18,837 ‎奴隷制度があった時代だ 75 00:04:19,467 --> 00:04:22,847 ‎物語の主役は ‎フレデリック・ダグラス 76 00:04:24,097 --> 00:04:29,347 ‎名前は知ってるだろう ‎アフロがイケてる偉人だ 77 00:04:31,938 --> 00:04:34,688 ‎彼は奴隷として生まれた 78 00:04:34,774 --> 00:04:39,824 ‎アメリカに奴隷制が根付き ‎200年ほど経った頃だ 79 00:04:44,867 --> 00:04:48,957 ‎少年時代の彼は ‎自由や改革とは無縁 80 00:04:50,540 --> 00:04:56,170 ‎だが勇敢にも法を破り ‎独学で読み書きを学ぶ 81 00:04:56,921 --> 00:04:59,801 ‎最初の脱走には失敗するも― 82 00:05:00,967 --> 00:05:02,467 ‎諦めない 83 00:05:02,552 --> 00:05:04,512 ‎20歳になった時― 84 00:05:05,221 --> 00:05:07,811 ‎無事 ニューヨークへ 85 00:05:09,017 --> 00:05:10,387 1838年 ダグラス 脱出 ‎彼を呼ぼう 86 00:05:10,393 --> 00:05:12,273 1838年 ダグラス 脱出 87 00:05:12,854 --> 00:05:15,364 F・ダグラス 88 00:05:15,440 --> 00:05:19,360 1838年 奴隷制度廃止論者 89 00:05:19,902 --> 00:05:22,532 ‎"ニューヨークは最高だ" 90 00:05:24,741 --> 00:05:29,121 ‎"足早に行き交う人々 ‎輝くブロードウェイ" 91 00:05:31,164 --> 00:05:33,174 ‎"夢見た世界だ" 92 00:05:35,501 --> 00:05:38,251 ‎"これが自由州か" 93 00:05:41,049 --> 00:05:42,049 ‎"すごい" 94 00:05:42,550 --> 00:05:47,430 ‎奴隷制度から逃れ ‎マンハッタンに着いた時 95 00:05:47,513 --> 00:05:48,063 彼は天にも昇る 思いだったろう 96 00:05:48,056 --> 00:05:51,346 彼は天にも昇る 思いだったろう D・ブライト 歴史家 97 00:05:51,434 --> 00:05:54,524 ‎人生で初めて自由を味わった 98 00:05:54,604 --> 00:06:00,114 ‎奴隷の生活から抜け出し ‎ついに自由になったんだ 99 00:06:03,196 --> 00:06:06,736 ‎それから彼は ‎ある男に再会する 100 00:06:06,824 --> 00:06:07,334 メリーランド州で 知り会った奴隷だ 101 00:06:07,325 --> 00:06:10,235 メリーランド州で 知り会った奴隷だ C・ボナー 歴史家 102 00:06:10,244 --> 00:06:11,334 メリーランド州で 知り会った奴隷だ 103 00:06:11,412 --> 00:06:13,582 ‎名前はジェイク 104 00:06:13,664 --> 00:06:15,254 ‎彼は言う 105 00:06:15,333 --> 00:06:19,593 ‎"俺は生まれ変わった ‎今はウィリアムだ" 106 00:06:19,670 --> 00:06:24,380 ‎そしてダグラスに警告する ‎"誰も信用するな" 107 00:06:25,385 --> 00:06:27,295 ‎"人は裏切る" 108 00:06:30,515 --> 00:06:34,345 ‎"奴隷狩りがいるから ‎気をつけろ" 109 00:06:34,435 --> 00:06:36,305 ‎"気を抜くな"とね 110 00:06:36,896 --> 00:06:40,976 ‎当時は奴隷狩りという ‎仕組みがあった 111 00:06:41,067 --> 00:06:41,817 "奴隷捕獲者に注意" 112 00:06:41,818 --> 00:06:43,068 "奴隷捕獲者に注意" ‎ダグラスも賞金首だ 113 00:06:43,069 --> 00:06:45,029 ‎ダグラスも賞金首だ 114 00:06:45,113 --> 00:06:45,613 "賞金200ドル" 115 00:06:45,613 --> 00:06:46,993 "賞金200ドル" ‎奴隷所有者は ‎資産‎奪還のため 116 00:06:46,989 --> 00:06:47,069 ‎奴隷所有者は ‎資産‎奪還のため 117 00:06:47,073 --> 00:06:49,033 ‎奴隷所有者は ‎資産‎奪還のため "謝礼金50ドル" 118 00:06:49,117 --> 00:06:50,487 ‎合法的に捕獲者を ‎送り込むことができた "50セント" 119 00:06:50,493 --> 00:06:53,373 ‎合法的に捕獲者を ‎送り込むことができた 120 00:06:53,454 --> 00:06:57,634 ‎生身の人間に ‎値段がつけられたんだ 121 00:06:59,085 --> 00:07:00,995 ‎ダグラスは悟る 122 00:07:02,255 --> 00:07:04,255 ‎まだ自由じゃないと 123 00:07:07,093 --> 00:07:12,143 ‎だが社会的にも法的にも ‎市民でないからと言って 124 00:07:12,223 --> 00:07:17,733 ‎生涯 その権利を ‎主張できないわけではない 125 00:07:18,938 --> 00:07:23,608 ‎ダグラスは市民として ‎あらゆる権利を主張した 126 00:07:23,693 --> 00:07:27,453 ‎たとえ法律で ‎否定されていようともね 127 00:07:27,905 --> 00:07:30,315 ‎第‎14‎条の制定前― 128 00:07:30,408 --> 00:07:33,368 M・S・ジョーンズ 歴史家 未解決の 非情な問いがあった 129 00:07:33,369 --> 00:07:33,739 未解決の 非情な問いがあった 130 00:07:33,828 --> 00:07:35,958 ‎"合衆国市民とは?" 131 00:07:38,958 --> 00:07:43,498 ‎市民権はアフリカ系の ‎アメリカ人にとって 132 00:07:44,046 --> 00:07:47,876 ‎論争の種となる厄介な問題よ 133 00:07:48,176 --> 00:07:51,046 ‎市民権は権利を持つ権利 134 00:07:51,137 --> 00:07:54,517 ‎今の私たちには参政権がある 135 00:07:54,599 --> 00:07:58,309 M・アダムズ 教授 政府に要求する権利 政府から守られる権利も 136 00:07:58,311 --> 00:07:59,561 政府に要求する権利 政府から守られる権利も 137 00:07:59,645 --> 00:08:04,645 ‎当然だと思ってることは ‎すべて法の恩恵よ 138 00:08:04,734 --> 00:08:06,904 侵害行為から身を守り 訴えを起こせる 139 00:08:06,903 --> 00:08:09,363 侵害行為から身を守り 訴えを起こせる M・F・ベリー 公民権運動家/学者 140 00:08:09,447 --> 00:08:13,777 ‎市民でなければ ‎その権利を行使できない 141 00:08:15,536 --> 00:08:18,116 "一日中 花を摘み 花綱を作り続けた" 142 00:08:18,122 --> 00:08:20,672 "一日中 花を摘み 花綱を作り続けた" H・ジェイコブズ 作家/元奴隷 143 00:08:20,666 --> 00:08:20,746 H・ジェイコブズ 作家/元奴隷 144 00:08:20,750 --> 00:08:24,880 H・ジェイコブズ 作家/元奴隷 "すぐ横には 父の亡きがらが" 145 00:08:25,421 --> 00:08:28,171 "私の所有者は無関心" 146 00:08:28,758 --> 00:08:31,258 ‎"彼にとって父は物同然" 147 00:08:31,886 --> 00:08:35,596 ‎"しかも私に ‎悪影響を与えたらしい" 148 00:08:36,182 --> 00:08:38,982 ‎"人間らしく育てたから" 149 00:08:39,936 --> 00:08:43,306 ‎"罰当たりな奴隷であり" 150 00:08:43,814 --> 00:08:48,824 ‎"生意気で危険だと ‎見なされていた" 151 00:08:49,570 --> 00:08:52,910 ‎"奴隷の人生とは何か" 152 00:08:53,449 --> 00:08:57,199 ‎"法や慣習に ‎守られることなく" 153 00:08:58,079 --> 00:09:01,539 ‎"法により ‎動産として扱われる" 154 00:09:02,291 --> 00:09:05,591 ‎"他者に支配される人生だ" 155 00:09:09,215 --> 00:09:13,585 ‎市民権は白人の特権だと ‎主張する人もいた 156 00:09:13,678 --> 00:09:16,508 ‎合衆国市民の定義に― 157 00:09:16,597 --> 00:09:17,097 そもそも有色人種は 含まれていないと 158 00:09:17,098 --> 00:09:20,308 そもそも有色人種は 含まれていないと A・ダス 教授 159 00:09:20,309 --> 00:09:20,809 そもそも有色人種は 含まれていないと 160 00:09:22,019 --> 00:09:26,819 ‎建国の父は市民権について ‎熟慮しなかった 161 00:09:27,775 --> 00:09:32,275 制定当初の憲法に 市民権の記載はない 162 00:09:32,363 --> 00:09:35,743 市民になるための条件や 163 00:09:35,825 --> 00:09:38,735 定義が存在しないんだ G・エップス 法律学教授 164 00:09:38,828 --> 00:09:44,828 ‎人種差別が はびこったのは ‎市民の定義がないからよ 165 00:09:45,501 --> 00:09:51,971 ‎万人が平等という理念の下 ‎合衆国憲法は制定された 166 00:09:52,049 --> 00:09:53,589 憲法に崇高な目標を 含めたのは分かるけど 167 00:09:53,593 --> 00:09:56,933 憲法に崇高な目標を 含めたのは分かるけど V・グプタ 司法省 168 00:09:56,929 --> 00:09:57,009 V・グプタ 司法省 169 00:09:57,013 --> 00:09:57,933 V・グプタ 司法省 現実は正反対よ 170 00:09:57,930 --> 00:09:59,060 現実は正反対よ 171 00:10:00,141 --> 00:10:05,981 ‎合衆国憲法は自由について ‎それらしく語ってるけど 172 00:10:06,063 --> 00:10:09,033 ‎五分の三条項が含まれてる 173 00:10:09,108 --> 00:10:13,198 ‎"下院議員の数は ‎自由人の総数に基づく" 174 00:10:13,279 --> 00:10:14,279 ‎これはいい 175 00:10:14,363 --> 00:10:20,083 ‎"ただし先住民は除き ‎他は5分の3人と数える" 176 00:10:21,329 --> 00:10:25,209 ‎他っていうのがアフリカ系だ 177 00:10:25,291 --> 00:10:27,751 ‎5分の3人って何だ 178 00:10:27,835 --> 00:10:30,545 ‎人間に満たないと? 179 00:10:30,630 --> 00:10:32,260 ‎なぜ こうなった 180 00:10:32,340 --> 00:10:35,260 ‎南部は議員を多く出すため 181 00:10:35,343 --> 00:10:39,183 ‎市民権のない奴隷も ‎数に入れたんだ 182 00:10:39,764 --> 00:10:42,224 ‎これが独立戦争の結果? 183 00:10:42,308 --> 00:10:44,978 ‎皮肉にも程があるだろ 184 00:10:45,061 --> 00:10:48,611 ‎16代までの大統領は ‎奴隷主ばかり 185 00:10:49,649 --> 00:10:52,319 ‎そりゃ奴隷制が続く 186 00:10:52,401 --> 00:10:55,031 ‎しかも奴隷所有者たちは 187 00:10:55,112 --> 00:11:00,992 ‎奴隷を動産とすることが ‎法で認められてると主張した 188 00:11:01,077 --> 00:11:02,787 アメリカの根底には 独立宣言と奴隷制がある 189 00:11:02,787 --> 00:11:06,207 アメリカの根底には 独立宣言と奴隷制がある K・S・ラフマン 教授 190 00:11:06,290 --> 00:11:12,210 ‎奴隷は倫理的には市民で ‎人間としての尊厳がある 191 00:11:12,296 --> 00:11:14,376 ‎だが法的には違う 192 00:11:16,425 --> 00:11:20,005 ‎ダグラスを含む ‎奴隷廃止論者は 193 00:11:20,096 --> 00:11:26,476 ‎奴隷も市民であるという ‎急進的な考えを抱いていた 194 00:11:28,604 --> 00:11:29,984 ‎彼らの計画は? 195 00:11:31,399 --> 00:11:35,899 ‎国民を奮い立たせ ‎賛同を得ようとした 196 00:11:35,986 --> 00:11:39,366 ‎自由黒人の ‎フランシス・ハーパーは 197 00:11:39,448 --> 00:11:40,068 弾圧の実態を 随筆や詩で広めた 198 00:11:40,074 --> 00:11:43,874 弾圧の実態を 随筆や詩で広めた F・E・W・ハーパー 199 00:11:43,953 --> 00:11:47,833 "私たちは皆 人類という仲間だ" 1866年 "人類は皆 仲間だ" 200 00:11:47,832 --> 00:11:47,922 1866年 "人類は皆 仲間だ" 201 00:11:47,915 --> 00:11:50,915 1866年 "人類は皆 仲間だ" "弱者を踏みにじる 社会は―" 202 00:11:50,918 --> 00:11:51,668 "弱者を踏みにじる 社会は―" 203 00:11:51,752 --> 00:11:54,422 ‎"その報いを受けるだろう" 204 00:11:54,505 --> 00:11:59,085 マリア・スチュワートは 奴隷廃止論について講演 205 00:11:59,176 --> 00:12:00,006 "人間は 肌の色ではなく―" 206 00:12:00,010 --> 00:12:02,720 "人間は 肌の色ではなく―" M・スチュワート 1835年 207 00:12:02,722 --> 00:12:02,812 M・スチュワート 1835年 208 00:12:02,805 --> 00:12:06,015 M・スチュワート 1835年 "信条で 判断されるべきだ" 209 00:12:06,100 --> 00:12:07,100 ハリエットと 弟のジョンは 210 00:12:07,101 --> 00:12:08,981 ハリエットと 弟のジョンは H・ジェイコブズ 211 00:12:08,978 --> 00:12:09,058 H・ジェイコブズ 212 00:12:09,061 --> 00:12:10,061 H・ジェイコブズ 奴隷の経験をつづり 国民に行動を呼びかけた 213 00:12:10,062 --> 00:12:14,782 奴隷の経験をつづり 国民に行動を呼びかけた 214 00:12:14,859 --> 00:12:15,939 "万人は平等で 不可侵の権利を有する" 215 00:12:15,943 --> 00:12:17,863 "万人は平等で 不可侵の権利を有する" J・S・ジェイコブズ 216 00:12:17,862 --> 00:12:17,952 "万人は平等で 不可侵の権利を有する" 217 00:12:17,945 --> 00:12:19,775 "万人は平等で 不可侵の権利を有する" 1861年 「奴隷の真実」 218 00:12:19,780 --> 00:12:20,450 1861年 「奴隷の真実」 219 00:12:20,531 --> 00:12:22,531 "黒人の権利は?" 220 00:12:23,743 --> 00:12:24,913 "私も人間であり 兄弟のはずでは?" 221 00:12:24,910 --> 00:12:28,580 "私も人間であり 兄弟のはずでは?" 奴隷制廃止運動は 実に興味深い 222 00:12:28,664 --> 00:12:31,464 活動内容は多岐に渡った G・エップス 法律学教授 223 00:12:31,459 --> 00:12:31,879 活動内容は多岐に渡った 224 00:12:33,711 --> 00:12:34,591 H・タブマン 225 00:12:34,587 --> 00:12:35,457 H・タブマン ある反奴隷制団体は 226 00:12:35,463 --> 00:12:35,553 ある反奴隷制団体は 227 00:12:35,546 --> 00:12:37,086 ある反奴隷制団体は W・L・ガリソン 228 00:12:37,173 --> 00:12:38,673 S・H・フェアウェザー 憲法は奴隷制の 元凶であると考えた 229 00:12:38,674 --> 00:12:41,094 憲法は奴隷制の 元凶であると考えた 230 00:12:41,177 --> 00:12:45,847 ‎死に神との契約や ‎地獄の協定とさえ言い 231 00:12:45,931 --> 00:12:51,561 ‎憲法の廃止と合衆国の解体が ‎必要だと訴えていた 232 00:12:52,480 --> 00:12:54,190 ‎別の団体もあった 233 00:12:54,273 --> 00:12:58,323 ‎代表的存在が ‎フレデリック・ダグラスだ 234 00:12:58,903 --> 00:13:01,163 ダグラスは 自伝を出版した 235 00:13:01,155 --> 00:13:01,905 ダグラスは 自伝を出版した M・S・ジョーンズ 歴史家 236 00:13:01,906 --> 00:13:01,986 M・S・ジョーンズ 歴史家 237 00:13:01,989 --> 00:13:03,779 M・S・ジョーンズ 歴史家 かなり危険な試みよ 238 00:13:03,783 --> 00:13:04,703 かなり危険な試みよ 239 00:13:04,784 --> 00:13:08,704 ‎逃亡者が ‎自分のことを公にするには 240 00:13:08,788 --> 00:13:11,078 ‎相当な覚悟がいる 241 00:13:11,749 --> 00:13:15,709 ‎彼は法的には ‎まだ自由人ではなく 242 00:13:15,795 --> 00:13:19,665 ‎懸賞金がかけられた ‎奴隷だった 243 00:13:19,757 --> 00:13:20,967 「アメリカの 奴隷制を生きる」 244 00:13:20,966 --> 00:13:22,676 「アメリカの 奴隷制を生きる」 あの自伝は 世界中で読まれた 245 00:13:22,676 --> 00:13:22,756 あの自伝は 世界中で読まれた 246 00:13:22,760 --> 00:13:24,390 あの自伝は 世界中で読まれた "フレデリック・ ダグラス" 247 00:13:24,386 --> 00:13:24,966 "フレデリック・ ダグラス" 248 00:13:25,054 --> 00:13:26,394 ‎不朽の名作だ 249 00:13:27,973 --> 00:13:32,693 ‎当時 ダグラスのような ‎黒人が求められていた 250 00:13:32,770 --> 00:13:36,480 奴隷について 人的側面から― S・イフィル 法的防衛教育基金 会長 251 00:13:36,565 --> 00:13:40,145 ‎実体験を語れる人が ‎必要だったの 252 00:13:40,736 --> 00:13:42,986 ‎彼はよく言っていた 253 00:13:43,072 --> 00:13:48,872 ‎最大の恐怖は肉体ではなく ‎心をむしばまれることだと 254 00:13:48,953 --> 00:13:54,383 ‎生まれながらの自由人と ‎奴隷がいるという思想が 255 00:13:54,458 --> 00:13:57,548 ‎人々の心に根付いていた 256 00:13:59,964 --> 00:14:05,644 ‎1作目の自伝の中で ‎彼は繰り返し自問している 257 00:14:06,262 --> 00:14:07,852 ‎"なぜ奴隷なんだ" 258 00:14:09,682 --> 00:14:14,062 ‎はるか昔から ‎奴隷たちは問い続けてきた 259 00:14:14,645 --> 00:14:17,055 ‎白人の子供たちは 260 00:14:17,147 --> 00:14:19,777 ‎自由な環境で育ち ‎本を読める 261 00:14:19,859 --> 00:14:24,949 ‎自由に学び 旅もできる ‎なぜ自分は違う? 262 00:14:30,786 --> 00:14:35,416 ‎残忍な奴隷制や ‎労働搾取を経験した彼は 263 00:14:35,499 --> 00:14:38,789 ‎立ち向かおうと心に決める 264 00:14:42,339 --> 00:14:46,139 ‎世界各地を周って ‎奴隷について語り 265 00:14:46,218 --> 00:14:48,848 ‎自由の重要性を訴えた 266 00:14:48,929 --> 00:14:51,599 ‎講演に人生を捧げたの 267 00:14:52,099 --> 00:14:54,599 ‎演説の才能があった 268 00:14:54,685 --> 00:14:57,265 ‎19世紀を代表する弁士だ 269 00:15:00,482 --> 00:15:03,742 ‎南部の奴隷制擁護論者は 270 00:15:03,819 --> 00:15:08,029 ‎彼が よその国の役者だと ‎デマを広めた 271 00:15:08,115 --> 00:15:11,155 ‎そのくらい雄弁だったんだ 272 00:15:11,243 --> 00:15:14,543 ‎原稿は自分で書いた 273 00:15:16,332 --> 00:15:19,962 ‎1848年から ‎世間の注目を集めた 274 00:15:20,044 --> 00:15:22,094 ‎発行した新聞は "フレデリック・ ダグラス紙" 275 00:15:22,171 --> 00:15:24,721 "ノース・スター" ‎白人の廃止論者の間で ‎たちまち大人気に 276 00:15:24,715 --> 00:15:26,335 ‎白人の廃止論者の間で ‎たちまち大人気に 277 00:15:26,425 --> 00:15:30,005 ‎人々はダグラスを見て言った 278 00:15:30,095 --> 00:15:33,635 ‎"奴隷から市民に ‎進化を遂げてる"とね 279 00:15:36,727 --> 00:15:42,607 ‎1852年 彼はおそらく ‎世界一有名な黒人だった 280 00:15:45,027 --> 00:15:48,737 ‎奴隷制廃止運動の ‎指針を決めるのは 281 00:15:48,822 --> 00:15:52,492 ‎自分の発言だと理解していた 282 00:15:53,911 --> 00:15:58,541 ‎"憲法は奴隷を禁じ ‎自由を守る文書だ" 283 00:15:58,624 --> 00:15:59,254 "我ら人民" 284 00:15:59,249 --> 00:16:00,749 "我ら人民" ‎そう主張した 285 00:16:00,834 --> 00:16:02,634 ‎革命により ‎独立を勝ち取った国に 286 00:16:02,628 --> 00:16:04,958 ‎革命により ‎独立を勝ち取った国に "憲法第1条" 287 00:16:05,047 --> 00:16:10,677 ‎奴隷制度が存在するのは ‎あるまじきことだと考えた 288 00:16:11,679 --> 00:16:14,849 ‎ダグラスいわく ‎建国の父らは― 289 00:16:14,932 --> 00:16:15,472 奴隷制を 法制化したのではない 290 00:16:15,474 --> 00:16:18,604 奴隷制を 法制化したのではない K・G・ムハンマド 歴史家 291 00:16:18,686 --> 00:16:22,936 ‎彼らが制定した ‎アメリカ合衆国憲法は 292 00:16:23,023 --> 00:16:28,073 ‎全国民の自治権と自由 ‎人権を保障するものだ 293 00:16:28,153 --> 00:16:31,243 ‎ダグラスは ‎自分のような黒人も 294 00:16:31,323 --> 00:16:35,913 ‎国家の構成員であると ‎固く信じていた 295 00:16:44,378 --> 00:16:45,128 「奴隷にとっての 7月4日」 296 00:16:45,129 --> 00:16:48,589 「奴隷にとっての 7月4日」 ‎ロチェスター ‎婦人奴隷制反対協会は 297 00:16:48,674 --> 00:16:52,344 ‎ダグラスに ‎独立記念日の演説を依頼 298 00:16:52,845 --> 00:16:58,345 ‎600人がコリンシャン ‎ホールに集まった 299 00:17:00,769 --> 00:17:05,019 ‎彼は 会場にいる ‎600人の聴衆だけでなく 300 00:17:05,107 --> 00:17:08,607 ‎未来を生きる我々にも ‎語りかけた 301 00:17:09,445 --> 00:17:10,775 ‎説明しよう 302 00:17:10,863 --> 00:17:13,493 ‎聴衆の大半が白人だ 303 00:17:13,574 --> 00:17:18,834 ‎彼らは基本的に ‎ダグラスの意見に賛成だった 304 00:17:18,912 --> 00:17:23,292 ‎だが彼にとって ‎理論的に同意することと 305 00:17:23,375 --> 00:17:27,415 ‎心の底から ‎理解することは違った 306 00:17:28,172 --> 00:17:31,052 ‎実状を伝えるために 307 00:17:31,592 --> 00:17:36,102 ‎ダグラスは自らの体験を ‎語ることにした 308 00:17:37,097 --> 00:17:38,887 ‎1852年の演説だ 309 00:17:40,225 --> 00:17:41,725 ‎面白くなるよ 310 00:17:47,149 --> 00:17:48,439 ‎"皆さん" 311 00:17:49,985 --> 00:17:53,105 ‎"独立宣言の署名者は ‎勇敢だ" 312 00:17:53,697 --> 00:17:56,987 ‎"彼らが偉業を ‎成し遂げたから" 313 00:17:57,785 --> 00:17:59,825 ‎"今がある" 314 00:17:59,953 --> 00:18:03,963 ‎彼は独立記念日について ‎穏やかに語り 315 00:18:04,041 --> 00:18:07,631 ‎建国の父たちを褒め称えた 316 00:18:07,711 --> 00:18:10,341 D・ブライト 歴史家 素晴らしい国を築いたと 317 00:18:10,923 --> 00:18:12,933 ‎和やかな幕開けだ 318 00:18:14,635 --> 00:18:17,385 ‎だが急に口調を変える 319 00:18:18,347 --> 00:18:20,807 ‎"なぜ私が呼ばれた?" 320 00:18:23,060 --> 00:18:27,940 ‎"独立記念日は白人のものだ ‎私は関係ない" 321 00:18:29,900 --> 00:18:33,240 ‎"あなた方は祝えばいい" 322 00:18:35,280 --> 00:18:36,530 ‎"私は嘆く" 323 00:18:37,741 --> 00:18:42,331 ‎"私をバカにしたくて ‎ここに呼んだのか?" 324 00:18:45,082 --> 00:18:49,042 ‎それから彼は ‎南部の奴隷売買が 325 00:18:49,128 --> 00:18:54,128 ‎いかに恐ろしく ‎おぞましいかを語り続けた 326 00:18:56,969 --> 00:18:59,599 ‎聴衆の感覚に訴えたんだ 327 00:19:00,305 --> 00:19:03,515 ‎奴隷船の船倉に漂う悪臭 328 00:19:05,018 --> 00:19:09,648 ‎我が子が売り飛ばされ ‎母親が泣き叫ぶ声 329 00:19:10,566 --> 00:19:15,066 ‎非道な奴隷制の実態を ‎生々しく伝えた 330 00:19:15,154 --> 00:19:18,324 ‎"自由を奪い ‎無給で働かせる" 331 00:19:18,407 --> 00:19:21,617 ‎"棒で叩き むちを打つ" 332 00:19:21,702 --> 00:19:24,162 ‎"歯を折り 肌を焼く" 333 00:19:24,746 --> 00:19:29,996 ‎"君らのうたう自由や平等 ‎説教や感謝祭は偽善だ" 334 00:19:30,627 --> 00:19:32,417 ‎"アメリカほど―" 335 00:19:32,504 --> 00:19:37,094 ‎"凄惨で血生臭い罪を ‎重ねている国はない" 336 00:19:43,682 --> 00:19:46,192 ‎彼は聴衆にこう言った 337 00:19:46,852 --> 00:19:51,442 ‎"私の立場をもっと ‎理解しなければ" 338 00:19:51,523 --> 00:19:54,033 ‎"奴隷制に対峙できない" 339 00:19:54,109 --> 00:20:00,119 ‎"私は解放されて14年経つが ‎奴隷制は続いている" 340 00:20:00,199 --> 00:20:03,369 ‎"ここは自由の国であり―" 341 00:20:04,369 --> 00:20:06,659 ‎"皆が平等なはずでは?" 342 00:20:08,123 --> 00:20:11,423 ‎"奴隷制がある限り ‎虚偽の国だ" 343 00:20:11,501 --> 00:20:13,001 ‎"この国は―" 344 00:20:13,086 --> 00:20:17,336 ‎"過去も この先も ‎約束を破ろうとしている" 345 00:20:22,012 --> 00:20:26,022 ‎"それでも私は ‎絶望していない" 346 00:20:27,809 --> 00:20:32,149 ‎"奴隷制は必ず ‎終わる運命にある" 347 00:20:35,025 --> 00:20:36,355 ‎"信じよう" 348 00:20:47,079 --> 00:20:50,119 ‎ダグラスには ‎市民の自覚がある 349 00:20:50,207 --> 00:20:54,997 でも重要なのは政府が 認めているかどうか M・アダムズ 法科大学院 教授 350 00:20:55,087 --> 00:20:58,587 ‎アフリカ系 ‎アメリカ人の多くは 351 00:20:58,674 --> 00:21:03,854 ‎自分が市民で 祖国は ‎アメリカだと思っている 352 00:21:03,929 --> 00:21:07,099 ‎問題は国の判断よ 353 00:21:07,182 --> 00:21:10,892 ‎白い大理石に覆われた ‎合衆国最高裁判所 354 00:21:11,478 --> 00:21:13,608 ‎法の下では皆平等 355 00:21:14,147 --> 00:21:19,067 ‎憲法の文言は ‎すべてが明解とは言えない 356 00:21:19,152 --> 00:21:21,782 ‎だから最高裁がある 357 00:21:21,863 --> 00:21:24,413 ‎その任務の1つは 358 00:21:24,491 --> 00:21:30,001 ‎憲法の内容をかみ砕いて ‎国民に遵守させることだ 359 00:21:30,080 --> 00:21:35,460 ‎第3の政府機関であり ‎司法府を統括している 360 00:21:35,544 --> 00:21:41,764 ‎では 最高裁は "市民"を ‎どう定義したのか 361 00:21:43,719 --> 00:21:47,969 ‎1857年 ドレッド・スコット ‎対サンフォード 362 00:21:48,056 --> 00:21:49,426 あれは史上 一二を争う 劣悪な最高裁判決だ 363 00:21:49,433 --> 00:21:53,603 あれは史上 一二を争う 劣悪な最高裁判決だ S・ブライヤー 最高裁判事 364 00:21:54,521 --> 00:21:57,361 ‎原告は奴隷のスコット 365 00:21:57,441 --> 00:22:02,281 ‎その主人は 彼を連れ ‎奴隷州のミズーリから 366 00:22:02,362 --> 00:22:05,162 ‎自由州のウィスコンシンへ 367 00:22:05,240 --> 00:22:07,910 ‎のちにミズーリに戻り死去 368 00:22:07,993 --> 00:22:12,333 ‎スコットは自由州に ‎居住したのだから― 369 00:22:12,414 --> 00:22:18,634 ‎自分は所有物ではなく ‎自由市民だと最高裁に提訴 370 00:22:18,712 --> 00:22:21,722 ‎スコットの主張が通れば 371 00:22:21,798 --> 00:22:26,138 ‎奴隷が市民になる道が ‎開けるだろう 372 00:22:26,219 --> 00:22:29,349 ‎退けられたら ‎道は閉ざされる 373 00:22:30,349 --> 00:22:31,729 R・B・トーニー 最高裁長官 374 00:22:31,725 --> 00:22:34,635 R・B・トーニー 最高裁長官 "そもそも黒人らは" 375 00:22:34,728 --> 00:22:38,688 "憲法の「市民」に 含まれていない" 376 00:22:38,774 --> 00:22:43,114 ‎"よって市民に与えられる ‎権利や特権を―" 377 00:22:43,195 --> 00:22:45,565 ‎"一切 主張できない" 378 00:22:45,655 --> 00:22:49,985 "1787年に 憲法を起草した時" 379 00:22:50,077 --> 00:22:54,247 "建国の父らは 何を意図したのか?" 380 00:22:54,331 --> 00:22:57,881 G・エップス 法律学教授 トーニー最高裁長官は こう言った 381 00:22:57,959 --> 00:23:02,669 ‎"黒人を国民に ‎含めるつもりなどなかった" 382 00:23:02,756 --> 00:23:05,796 ‎"憲法に明記しなかったのは" 383 00:23:05,884 --> 00:23:09,644 ‎"当然 皆が同意見だと ‎思ったからだ" 384 00:23:09,721 --> 00:23:14,481 ‎"100年以上 下層民と ‎見なされてきた黒人は" 385 00:23:14,559 --> 00:23:17,479 ‎"白人と関わるべきでない" 386 00:23:17,562 --> 00:23:22,442 ‎"劣等な存在の彼らに ‎白人同等の権利はない" 387 00:23:25,612 --> 00:23:26,952 本当に おぞましい発言よね 388 00:23:26,947 --> 00:23:28,907 本当に おぞましい発言よね "ドレッド・ スコット判決" 389 00:23:28,907 --> 00:23:28,987 "ドレッド・ スコット判決" 390 00:23:28,990 --> 00:23:29,700 "ドレッド・ スコット判決" "アフリカ系は 市民じゃない" 391 00:23:29,699 --> 00:23:29,779 "アフリカ系は 市民じゃない" 392 00:23:29,783 --> 00:23:32,083 "アフリカ系は 市民じゃない" M・S・ジョーンズ 歴史家 393 00:23:32,160 --> 00:23:34,250 "今までも この先も" 394 00:23:36,623 --> 00:23:39,583 ‎"自由人であれ奴隷であれ" 395 00:23:39,668 --> 00:23:42,958 B・スティーブンソン EJI創設者 "白人と同等ではなく 市民ではない" 396 00:23:42,963 --> 00:23:44,013 "白人と同等ではなく 市民ではない" 397 00:23:44,089 --> 00:23:46,469 そう言い切ったんだ 398 00:23:47,634 --> 00:23:52,814 ‎黒人のスコットは ‎アメリカの市民ではないから 399 00:23:52,889 --> 00:23:56,349 ‎提訴権すらないという判決だ 400 00:24:01,189 --> 00:24:06,029 ‎ダグラスは"憲法に則り ‎奴隷制を廃止すべきだ"と 401 00:24:06,111 --> 00:24:07,741 ‎主張していた 402 00:24:09,573 --> 00:24:12,413 ‎だが最高裁の判決は真逆 403 00:24:13,326 --> 00:24:18,366 ‎"奴隷制は憲法で ‎全面的に認められている" 404 00:24:18,457 --> 00:24:20,327 ‎そう断言した 405 00:24:21,460 --> 00:24:25,460 ‎市民権は最も重要な権利だ 406 00:24:25,964 --> 00:24:27,724 ‎あの判決によって 407 00:24:27,799 --> 00:24:33,639 ‎ダグラスが国家の一員や ‎市民になる道は閉ざされた 408 00:24:35,724 --> 00:24:40,064 ‎では そのあと ‎どうなったのか 409 00:24:45,066 --> 00:24:47,396 A・リンカーン 第16代大統領 410 00:24:49,029 --> 00:24:53,659 ‎南部は奴隷制を ‎公認しろと言っている 411 00:24:54,826 --> 00:24:56,326 ‎無理な相談だ 412 00:24:56,411 --> 00:25:00,751 リンカーンは スコット判決を非難した "リンカーン ダグラス判事を糾弾" 413 00:25:00,832 --> 00:25:02,422 J・S・ガーセン 教授 あの対応が― 414 00:25:02,501 --> 00:25:06,461 大統領当選の 決め手とも言える 415 00:25:06,546 --> 00:25:10,756 ‎君は最も偉大な大統領になる 416 00:25:11,635 --> 00:25:15,755 ‎奴隷制を巡り ‎国内の対立が深まるのを― 417 00:25:15,847 --> 00:25:18,227 ‎彼は予見していた 418 00:25:18,308 --> 00:25:19,518 "合衆国解体" 419 00:25:24,773 --> 00:25:27,483 ‎1860年 ‎リンカーン 大統領就任 420 00:25:27,567 --> 00:25:29,687 ‎1861年 南北戦争 勃発 421 00:25:30,779 --> 00:25:35,029 ‎リンカーンは ‎奴隷制は悪だと考えていた 422 00:25:35,116 --> 00:25:36,276 ‎だが… 423 00:25:37,661 --> 00:25:43,121 ‎可能なら奴隷を解放せず ‎国を存立させたかった 424 00:25:44,668 --> 00:25:47,998 ‎奴隷制が南北戦争の原因なら 425 00:25:48,088 --> 00:25:52,838 ‎なぜ南部の奴隷を ‎すぐ解放しなかったのか 426 00:25:53,635 --> 00:25:56,925 ‎国家の維持を優先したからだ 427 00:25:57,013 --> 00:26:01,733 ‎南部の州は離脱し ‎南部連合を結成していた 428 00:26:01,810 --> 00:26:06,480 ‎大統領として ‎国の半分を失うのは避けたい 429 00:26:06,565 --> 00:26:08,815 ‎南部を奪還するために 430 00:26:09,359 --> 00:26:12,569 ‎彼は手段を選ばなかった 431 00:26:12,654 --> 00:26:13,614 ‎たとえ黒人を ‎犠牲にしようとも 432 00:26:13,613 --> 00:26:16,163 ‎たとえ黒人を ‎犠牲にしようとも "合衆国を守るべし" 433 00:26:16,866 --> 00:26:21,826 ‎混乱の最中 リンカーンは ‎黒人の主導者たちを― 434 00:26:21,913 --> 00:26:24,333 ‎官邸に呼び寄せた 435 00:26:24,958 --> 00:26:28,128 ‎速記者や報道人も集め 436 00:26:28,211 --> 00:26:32,221 ‎話し合うかと思いきや ‎講義を始めた 437 00:26:33,383 --> 00:26:34,093 "あなた方の人種は 虐げられ苦しんでいる" 438 00:26:34,092 --> 00:26:38,352 "あなた方の人種は 虐げられ苦しんでいる" A・リンカーン 1861年 大統領 439 00:26:38,430 --> 00:26:41,140 ‎"だが解放されても―" 440 00:26:41,224 --> 00:26:47,064 ‎"白人同等の地位は ‎決して得られないだろう" 441 00:26:48,607 --> 00:26:50,777 ‎聞き捨てならない 442 00:26:51,735 --> 00:26:56,815 ‎"君らがいなければ ‎戦争は起こらなかった" 443 00:26:56,906 --> 00:27:02,326 ‎彼は南北戦争の責任を ‎黒人に押しつけたんだ 444 00:27:03,163 --> 00:27:07,713 ‎しかも黒人植民構想に ‎同意させようとした 445 00:27:07,792 --> 00:27:13,012 ‎解放した黒人を国外へ送り ‎植民させる計画だ 446 00:27:13,089 --> 00:27:15,549 ‎"辛らつな意見だが" 447 00:27:15,634 --> 00:27:20,144 ‎"君ら有色人種との共存を ‎嫌がる者もいる" 448 00:27:20,221 --> 00:27:23,021 ‎"互いのため分離しよう" 449 00:27:23,099 --> 00:27:23,929 ‎待って 450 00:27:24,726 --> 00:27:28,896 ‎硬貨に刻印された ‎リンカーンの言葉? 451 00:27:29,856 --> 00:27:31,146 ‎続けて 452 00:27:31,650 --> 00:27:34,110 ‎彼はこう言った 453 00:27:34,194 --> 00:27:37,414 ‎"この国は ‎平等であるべきだが" 454 00:27:37,489 --> 00:27:40,869 ‎"人種平等は ‎夢物語にすぎない" 455 00:27:40,950 --> 00:27:42,950 ‎"計画に賛同しろ"とね 456 00:27:43,036 --> 00:27:47,746 ‎"植民地は中央アメリカを ‎考えている" 457 00:27:47,832 --> 00:27:48,542 ‎何て? 458 00:27:48,625 --> 00:27:55,415 ‎最終的に奴隷解放の父となる ‎先進的で見識のある大統領が 459 00:27:55,507 --> 00:27:59,507 ‎黒人をコスタリカへ ‎送ろうとしていた? 460 00:28:00,387 --> 00:28:01,757 ‎ポルケ(なぜ)‎? 461 00:28:02,305 --> 00:28:05,345 ‎ダグラスは憤慨した 462 00:28:06,393 --> 00:28:10,113 ‎この国に ‎居場所はないのではと― 463 00:28:10,188 --> 00:28:13,688 ‎黒人たちは不安を抱えていた 464 00:28:13,775 --> 00:28:17,275 ‎リンカーンは ‎そこを突いたんだ 465 00:28:17,362 --> 00:28:21,452 ‎市民と認められず ‎追放されるのを― 466 00:28:22,033 --> 00:28:24,663 ‎彼らは恐れていた 467 00:28:24,744 --> 00:28:29,674 ‎ダグラスは反論した ‎"問題は黒人の存在ではない" 468 00:28:29,749 --> 00:28:35,299 ‎"奴隷制と奴隷主の権限 ‎ゆがんだ社会構造こそが" 469 00:28:35,380 --> 00:28:37,050 ‎"戦争の原因だ"とね 470 00:28:41,511 --> 00:28:46,811 ‎これは すべて南北戦争の ‎さなかの出来事だ 471 00:28:51,730 --> 00:28:55,440 ‎あの夏 北軍は劣勢だった 472 00:28:58,903 --> 00:29:02,873 ‎兵を総動員すべき ‎状況だったが 473 00:29:02,949 --> 00:29:08,159 ‎政府は黒人を正規軍に ‎入れることに反対していた 474 00:29:10,081 --> 00:29:11,251 "野蛮人が武器を持てば 白人を虐殺する"とね 475 00:29:11,249 --> 00:29:14,289 "野蛮人が武器を持てば 白人を虐殺する"とね E・フォーナー 歴史家 476 00:29:14,294 --> 00:29:15,344 "野蛮人が武器を持てば 白人を虐殺する"とね 477 00:29:21,468 --> 00:29:23,388 ‎"黒人はお断り?" 478 00:29:25,305 --> 00:29:26,505 ‎"なぜだ" 479 00:29:29,601 --> 00:29:33,771 ‎"将官たちは ‎兵を送れと要請していた" 480 00:29:35,732 --> 00:29:41,032 ‎"私は危機に瀕した国に ‎黒人の解放を求めた" 481 00:29:41,112 --> 00:29:47,292 ‎"白人の自由を守るには ‎解放して 味方につけろと" 482 00:29:47,368 --> 00:29:49,538 "有色人種は戦場へ" 483 00:29:49,621 --> 00:29:51,211 "今しかない" 484 00:29:51,289 --> 00:29:53,079 ‎ダグラスは主張した 485 00:29:53,666 --> 00:29:56,836 ‎"国のために血を流せば" 486 00:29:56,920 --> 00:30:00,920 ‎"黒人も市民としての権利を ‎得られる" 487 00:30:01,007 --> 00:30:02,677 ‎"間違いない"と 488 00:30:03,760 --> 00:30:06,390 ‎国中を回り 演説をした 489 00:30:06,471 --> 00:30:10,391 ‎"南軍を破るには ‎奴隷制を廃止して" 490 00:30:10,475 --> 00:30:14,515 ‎"黒人兵を北軍に ‎加えるしかない"とね 491 00:30:16,064 --> 00:30:18,154 ‎リンカーンを懐柔し 492 00:30:18,233 --> 00:30:21,903 ‎奴隷制との戦いに ‎黒人を加勢させた 493 00:30:23,196 --> 00:30:28,486 ‎彼らは市民権を得るに ‎ふさわしい存在だと― 494 00:30:28,576 --> 00:30:31,496 ‎証明できると確信していた 495 00:30:33,706 --> 00:30:39,046 ‎リンカーンは2人種から成る ‎国家を認めていなかった 496 00:30:39,128 --> 00:30:43,798 ‎だが その考え方は ‎大きく変わり始める 497 00:30:44,676 --> 00:30:48,346 ‎最終的に ‎ダグラスの努力が実り 498 00:30:48,429 --> 00:30:52,889 ‎リンカーンは増兵のため ‎奴隷解放宣言書に署名 499 00:30:52,976 --> 00:30:59,186 ‎解放された南部の奴隷は ‎北軍に加わった 500 00:30:59,274 --> 00:31:03,704 ‎黒人兵は自らの価値を ‎示さねばならない 501 00:31:03,778 --> 00:31:06,358 ‎自由を勝ち取るために 502 00:31:14,080 --> 00:31:15,920 "有色人種よ 立ち上がれ" 503 00:31:17,417 --> 00:31:21,747 ‎奴隷解放宣言は ‎南北戦争の転換点だ 504 00:31:22,547 --> 00:31:28,217 ‎最終的に20万人の黒人が ‎北軍と海軍に加わった 505 00:31:29,679 --> 00:31:32,639 ‎小規模な戦いじゃない 506 00:31:32,724 --> 00:31:37,234 ‎正規軍に加わり ‎南軍と激戦を繰り広げた 507 00:31:38,479 --> 00:31:43,819 ‎奴隷解放宣言は ‎軍令として発布されたんだ 508 00:31:45,528 --> 00:31:50,068 ‎黒人は怠け者で臆病で ‎規律を守れない 509 00:31:50,158 --> 00:31:54,658 ‎そんな烙印を押されていた ‎彼らにとっては 510 00:31:54,746 --> 00:31:58,996 ‎勇姿を見せ ‎汚名をそそぐチャンスだった 511 00:32:03,129 --> 00:32:04,759 "北軍の大勝" 512 00:32:07,967 --> 00:32:09,177 "北軍 またも勝利" 513 00:32:09,177 --> 00:32:11,677 "北軍 またも勝利" 最前線で戦うことは 514 00:32:11,763 --> 00:32:14,933 ‎黒人にとって ‎大きな意味があった 515 00:32:17,936 --> 00:32:20,976 ‎黒人が軍隊に加わると 516 00:32:21,064 --> 00:32:26,994 ‎彼らを市民と認めなかった ‎北部の人々の態度が変わった 517 00:32:27,070 --> 00:32:32,160 ‎出征した黒人は ‎市民になる権利を得たと― 518 00:32:32,241 --> 00:32:35,241 ‎考えるようになったんだ 519 00:32:35,828 --> 00:32:40,418 ‎ダグラスの2人の息子も ‎歩兵連隊に加わった 520 00:32:42,502 --> 00:32:46,382 ‎彼は絶対的な力の象徴を ‎目にした 521 00:32:46,881 --> 00:32:51,181 ‎黒人のベルトに刻まれた ‎"US"の文字だ 522 00:32:53,262 --> 00:32:57,392 ‎"独立宣言を ‎偽りにしてはならない" 523 00:32:58,559 --> 00:33:01,809 ‎"この戦いの大義は ‎国家再建だ" 524 00:33:02,855 --> 00:33:02,895 国家再建 525 00:33:02,897 --> 00:33:04,267 国家再建 ‎開戦時から ‎ダグラスは言っていた 526 00:33:04,273 --> 00:33:06,533 ‎開戦時から ‎ダグラスは言っていた 527 00:33:06,609 --> 00:33:11,569 ‎"黒人の生活はもちろん ‎国全体を変えたい"とね 528 00:33:11,656 --> 00:33:16,786 ‎"国家の維持より ‎はるかに重要な目的がある" 529 00:33:16,869 --> 00:33:20,959 ‎"それは つまるところ ‎国家の統一だ" 530 00:33:21,833 --> 00:33:27,923 ‎"奴隷制や階級ではなく ‎自由と平等を大原則とする" 531 00:33:28,006 --> 00:33:32,216 ‎彼は戦争の大義と ‎国の指針を定めた 532 00:33:32,301 --> 00:33:37,181 ‎この国は建国文書の信念に ‎従わねばならないと 533 00:33:37,265 --> 00:33:39,345 ‎"奴隷に自由を" 534 00:33:39,434 --> 00:33:43,024 ‎南部連合を破るだけでなく 535 00:33:43,104 --> 00:33:47,114 ‎新たに平等な国家を ‎築くのがゴールだ 536 00:33:50,778 --> 00:33:54,068 ‎南北戦争において ‎耐え難いのは 537 00:33:54,157 --> 00:33:57,447 ‎犠牲者数に向き合うことだ 538 00:33:58,286 --> 00:34:02,826 ‎リンカーンは ‎理由付けをしないといけない 539 00:34:02,915 --> 00:34:05,035 1863年 奴隷解放宣言 540 00:34:05,501 --> 00:34:07,301 同年 ゲティスバーグ演説 541 00:34:07,295 --> 00:34:09,255 同年 ゲティスバーグ演説 ‎"我々の父祖は" 542 00:34:09,338 --> 00:34:14,508 ‎"87年前 自由の精神に則り ‎新しい国家を築いた" 543 00:34:15,720 --> 00:34:19,600 ‎"人は皆 ‎平等であると信じて" 544 00:34:20,892 --> 00:34:23,142 ‎ゲティスバーグ演説は 545 00:34:23,227 --> 00:34:26,767 ‎ダグラスの言葉を ‎反映している 546 00:34:27,356 --> 00:34:31,396 ‎奴隷解放を ‎戦争の目的としたんだ 547 00:34:31,944 --> 00:34:35,824 ‎"神の下 ‎この国に新たな自由を" 548 00:34:36,365 --> 00:34:39,575 ‎有名な ‎"新たな自由の誕生"の節は 549 00:34:40,244 --> 00:34:43,964 ‎開戦時からダグラスが ‎言っていたことだ 550 00:34:44,415 --> 00:34:47,535 ‎"新たな自由の誕生" ‎という表現は 551 00:34:47,627 --> 00:34:53,047 ‎ダグラスが語っていた ‎"国家再建"と相通ずる 552 00:34:53,132 --> 00:34:57,262 ‎南北戦争を始まりと ‎捉えているんだ 553 00:34:57,345 --> 00:35:02,175 ‎"人民の人民による ‎人民のための政治を―" 554 00:35:03,392 --> 00:35:05,652 ‎"絶やしてはならない" 555 00:35:06,938 --> 00:35:08,438 ‎演説を通して 556 00:35:08,523 --> 00:35:12,943 ‎彼自身も戦争の悲惨さや ‎犠牲に向き合えた 557 00:35:13,027 --> 00:35:16,777 ‎あれが国家維持のための ‎戦いなら 558 00:35:16,864 --> 00:35:19,244 ‎犠牲が大きすぎた 559 00:35:19,325 --> 00:35:23,495 ‎だが黒人の自由のための ‎戦いならば― 560 00:35:24,163 --> 00:35:27,133 ‎意味があったかもしれない 561 00:35:29,961 --> 00:35:36,051 ‎この時からリンカーンは ‎非常に魅力的な人物になる 562 00:35:37,301 --> 00:35:39,551 ‎劇的に変化するんだ 563 00:35:40,346 --> 00:35:46,886 ‎植民構想を提唱していた彼が ‎黒人の未来を語り始める 564 00:35:48,604 --> 00:35:52,324 ‎ダグラスと ‎認め合うようになった 565 00:35:54,986 --> 00:36:00,366 ‎両者とも立志伝中の人で ‎正規の教育を受けていない 566 00:36:02,243 --> 00:36:07,623 ‎自らの機知や思想により ‎名声を勝ち取ってきた 567 00:36:07,707 --> 00:36:10,957 ‎どんな役目も完璧に果たす 568 00:36:11,043 --> 00:36:15,173 ‎そういう意味で ‎気質が似ている 569 00:36:15,673 --> 00:36:18,973 ‎ダグラスは黒人の未来のため 570 00:36:19,051 --> 00:36:22,721 ‎リンカーンと協力できると ‎信じていた 571 00:36:22,805 --> 00:36:25,215 ‎1863年 ゲティスバーグ演説 572 00:36:25,308 --> 00:36:27,598 ‎1861年~1865年 南北戦争 573 00:36:27,685 --> 00:36:31,975 ‎1865年 南北戦争 終戦 574 00:36:32,064 --> 00:36:34,194 ‎1865年4月9日 575 00:36:34,275 --> 00:36:37,735 ‎南部連合の ‎リー軍司令官は降伏 576 00:36:38,279 --> 00:36:41,369 ‎南北戦争は終わりを迎えた 577 00:36:42,992 --> 00:36:47,872 ‎ダグラスは選ばれし ‎社会活動の提唱者だ 578 00:36:48,706 --> 00:36:53,586 ‎彼は柔軟な代弁者である ‎リンカーンと出会い 579 00:36:53,669 --> 00:36:56,919 ‎ともに偉業を成し遂げた 580 00:36:57,465 --> 00:36:59,005 ‎だが その直後 581 00:36:59,091 --> 00:37:03,181 ‎2人の関係は ‎無情にも引き裂かれた 582 00:37:04,847 --> 00:37:10,227 ‎南部の降伏を祝う演説で ‎リンカーンはこう言った 583 00:37:10,311 --> 00:37:11,561 "北軍に加わった黒人に 投票権を与えるべきだ" 584 00:37:11,562 --> 00:37:13,732 "北軍に加わった黒人に 投票権を与えるべきだ" G・マグリオッカ 教授 585 00:37:13,731 --> 00:37:15,651 "北軍に加わった黒人に 投票権を与えるべきだ" 586 00:37:16,150 --> 00:37:20,280 ‎聴衆の中にはジョン・ ‎ウィルクス・ブースがいた 587 00:37:21,072 --> 00:37:26,792 ‎彼は平等に市民権を ‎付与するという案に憤慨して 588 00:37:26,869 --> 00:37:28,369 ‎友人に言った 589 00:37:28,454 --> 00:37:31,424 ‎"彼の演説は これが最後だ" 590 00:37:31,499 --> 00:37:35,039 "大統領 射殺" 591 00:38:00,236 --> 00:38:05,236 ‎暗殺の8ヵ月後 ‎憲法修正第13条が批准された 592 00:38:05,866 --> 00:38:07,736 ‎奴隷制が廃止され 593 00:38:07,827 --> 00:38:11,657 ‎すべての奴隷が ‎永久に自由となった 594 00:38:11,747 --> 00:38:14,457 ‎だが これで完結ではない 595 00:38:15,209 --> 00:38:19,129 ‎リンカーン暗殺は ‎凄惨な悲劇だが 596 00:38:19,213 --> 00:38:21,973 真の悲劇は 後任の大統領 K・S・ラフマン 教授 597 00:38:21,966 --> 00:38:22,046 K・S・ラフマン 教授 598 00:38:22,049 --> 00:38:22,929 K・S・ラフマン 教授 アンドリュー・ ジョンソンだ 599 00:38:22,925 --> 00:38:24,755 アンドリュー・ ジョンソンだ 600 00:38:28,264 --> 00:38:28,974 A・ジョンソン 1865年 大統領 601 00:38:28,973 --> 00:38:31,273 A・ジョンソン 1865年 大統領 "ここは白人の国" 602 00:38:31,267 --> 00:38:31,347 A・ジョンソン 1865年 大統領 603 00:38:31,350 --> 00:38:32,980 A・ジョンソン 1865年 大統領 "私が大統領である限り 白人のために統治する" 604 00:38:32,977 --> 00:38:36,727 "私が大統領である限り 白人のために統治する" 605 00:38:38,149 --> 00:38:42,489 ‎彼は復古的で偏屈な ‎人種差別者よ 606 00:38:42,570 --> 00:38:44,910 ‎リンカーンとは正反対 607 00:38:45,448 --> 00:38:47,738 ‎大決起集会を好み 608 00:38:47,825 --> 00:38:51,155 ‎演説で自分のことを ‎長々と語る 609 00:38:51,245 --> 00:38:55,325 ‎あの類いの政治家は ‎歴史上 何人もいた 610 00:38:57,084 --> 00:38:59,634 ‎大統領に就任するや― 611 00:38:59,712 --> 00:39:04,682 ‎市民権の希薄化防止が ‎目標だと言ってのけた 612 00:39:05,259 --> 00:39:09,509 ‎ダグラスは彼に会うため ‎官邸を訪れた 613 00:39:09,597 --> 00:39:10,807 ‎最悪な瞬間だ 614 00:39:10,890 --> 00:39:15,850 ‎アンドリュー・ジョンソンは ‎明らかに上から目線だった 615 00:39:15,936 --> 00:39:18,186 ‎黒人は謝意を示せと 616 00:39:18,272 --> 00:39:22,572 ‎"私は奴隷を買い ‎所有したが 売ってない" 617 00:39:22,651 --> 00:39:25,821 ‎"彼らとの関係が ‎切れた今―" 618 00:39:25,905 --> 00:39:29,195 ‎"主従関係は ‎分からないだろ" 619 00:39:29,700 --> 00:39:33,910 ‎面会後に ‎ジョンソンは秘書に言った 620 00:39:34,455 --> 00:39:36,205 A・ジョンソン 1865年 大統領 "ダグラスめ" 621 00:39:36,207 --> 00:39:37,327 A・ジョンソン 1865年 大統領 622 00:39:37,333 --> 00:39:40,463 A・ジョンソン 1865年 大統領 "あいつも今に 白人に盾突くぞ" 623 00:39:40,461 --> 00:39:41,961 "あいつも今に 白人に盾突くぞ" 624 00:39:43,255 --> 00:39:46,175 ‎当然ながらジョンソンは 625 00:39:46,258 --> 00:39:51,428 ‎奴隷だった人々の権利行使を ‎支援しなかった 626 00:39:53,933 --> 00:39:56,063 ‎彼は人種差別者だが 627 00:39:56,143 --> 00:40:00,023 ‎奴隷制が廃止された以上 ‎問題はないはず 628 00:40:00,106 --> 00:40:04,356 ‎黒人が憎いなら ‎自分が連邦を去るべきだ 629 00:40:05,486 --> 00:40:06,276 ‎待てよ 630 00:40:06,362 --> 00:40:10,162 ‎解放されても ‎市民権のない黒人は 631 00:40:10,241 --> 00:40:13,541 ‎自由を侵されても ‎対抗できない 632 00:40:13,619 --> 00:40:15,409 ‎第13条の通過後 633 00:40:15,496 --> 00:40:18,916 ‎南部の州議会は ‎ブラック・コードを制定 634 00:40:18,999 --> 00:40:20,669 テレビドラマの タイトルみたいだが "黒人規制法" 635 00:40:20,668 --> 00:40:22,628 テレビドラマの タイトルみたいだが 636 00:40:22,711 --> 00:40:24,131 ‎そうじゃない 637 00:40:24,839 --> 00:40:26,339 ‎法律の話だ 638 00:40:26,424 --> 00:40:28,224 ‎白人の雇い主は 639 00:40:28,300 --> 00:40:32,760 ‎黒人労働者にだけ ‎年間契約を強いた 640 00:40:32,847 --> 00:40:38,557 ‎さらに農民と使用人を除き ‎最大100ドルの‎就職費‎を徴収 641 00:40:38,644 --> 00:40:41,364 ‎しかも労働力確保のため 642 00:40:41,439 --> 00:40:44,609 ‎黒人の子供まで ‎"見習い"にした 643 00:40:45,484 --> 00:40:46,994 ‎北部は激怒 644 00:40:47,069 --> 00:40:51,699 ‎南部の州議会は ‎奴隷じゃないとシラを切る 645 00:40:51,782 --> 00:40:55,412 ‎"ブラック・コードは ‎まったくの別物だ" 646 00:40:55,494 --> 00:40:57,714 ‎"給料も払ってる"とね 647 00:40:58,205 --> 00:40:58,995 ‎事実だ 648 00:40:59,081 --> 00:41:05,461 ‎でも黒人が規制を破って ‎自由を‎謳歌(おうか)‎しようとしたら? 649 00:41:05,546 --> 00:41:08,296 ‎刑務所に放り込まれて 650 00:41:08,382 --> 00:41:12,552 ‎なんとびっくり ‎無給で労働を強いられる 651 00:41:13,137 --> 00:41:15,557 当時の新聞の見出しは 652 00:41:16,348 --> 00:41:19,938 "サウスカロライナ州で 奴隷制復活" 653 00:41:20,019 --> 00:41:21,229 ‎ひどいだろ 654 00:41:21,312 --> 00:41:25,152 ‎黒人は自由のために戦い ‎勝ったのに 655 00:41:25,232 --> 00:41:26,732 ‎なぜこうなる 656 00:41:29,945 --> 00:41:34,525 ‎第13条で解決しないなら ‎どうすればいい? 657 00:41:35,826 --> 00:41:40,036 ‎オハイオ州の議員 ‎ジョン・ビンガムの出番だ 658 00:41:40,539 --> 00:41:44,749 ‎彼の信念は ‎"万人に真の自由を" 659 00:41:44,835 --> 00:41:47,245 "黒人(ニガー)という言葉は 誤って使われている" 660 00:41:47,254 --> 00:41:49,094 "黒人(ニガー)という言葉は 誤って使われている" J・ビンガム オハイオ州 下院議員 661 00:41:49,089 --> 00:41:49,169 J・ビンガム オハイオ州 下院議員 662 00:41:49,173 --> 00:41:51,803 J・ビンガム オハイオ州 下院議員 "私にとっては 肌の色でなく" 663 00:41:51,800 --> 00:41:52,260 "私にとっては 肌の色でなく" 664 00:41:52,343 --> 00:41:57,103 ‎"ある種の人間の ‎魂の色を意味する言葉だ" 665 00:41:58,349 --> 00:42:04,149 ‎"無力な人々を制圧して ‎奴隷の地位におとしめる" 666 00:42:04,730 --> 00:42:09,650 ‎"そんな奴隷主どもは ‎肌こそ真っ白だが" 667 00:42:10,236 --> 00:42:12,106 ‎"本当のニガーだ" 668 00:42:13,989 --> 00:42:15,569 彼は南部の状況を見て マズいと思った 669 00:42:15,574 --> 00:42:18,204 彼は南部の状況を見て マズいと思った K・ブリッジズ 教授 670 00:42:18,202 --> 00:42:18,622 彼は南部の状況を見て マズいと思った 671 00:42:19,203 --> 00:42:21,583 ‎"何とかしなくては" 672 00:42:21,664 --> 00:42:24,334 ‎"憲法を改正して" 673 00:42:24,959 --> 00:42:27,669 ‎"万人に平等な市民権を ‎与えよう"とね 674 00:42:28,254 --> 00:42:33,844 ‎ビンガムは率先して ‎修正第14条について議論し 675 00:42:33,926 --> 00:42:35,386 ‎骨子を定めた 676 00:42:38,264 --> 00:42:40,394 ‎ビンガムの目標は 677 00:42:40,474 --> 00:42:44,024 ‎ダグラスの ‎7月4日の演説内容と同じ 678 00:42:44,520 --> 00:42:47,860 ‎アメリカを ‎約束を守る国に変え 679 00:42:48,357 --> 00:42:51,937 ‎憲法において ‎市民権を拡大する 680 00:42:52,027 --> 00:42:55,157 ‎スコット判決の過ちを正し 681 00:42:55,239 --> 00:42:59,199 ‎万人の平等保護を ‎憲法に明文化する 682 00:42:59,702 --> 00:43:02,002 ‎誰も侵害しないように 683 00:43:02,079 --> 00:43:04,829 ‎そのためにビンガムは 684 00:43:04,915 --> 00:43:10,085 ‎急進派の共和党民らと ‎修正第14条を起草 685 00:43:10,170 --> 00:43:15,380 ‎黒人が持てなかった権利を ‎含めて 批准を目指した 686 00:43:15,884 --> 00:43:21,644 ‎自分たちが成立させないと ‎後任者に棄却されかねない 687 00:43:21,724 --> 00:43:25,104 ‎修正条を通すのは大変だが 688 00:43:25,185 --> 00:43:28,225 ‎成立すれば削除も難しい 689 00:43:28,314 --> 00:43:29,904 ‎1866年 修正第14条 提案 690 00:43:32,610 --> 00:43:34,950 ‎通過条件は28州の承認 691 00:43:35,696 --> 00:43:37,446 ‎1866年 承認6州 692 00:43:38,282 --> 00:43:39,832 ‎1867年 承認22州 693 00:43:40,701 --> 00:43:42,371 ‎1868年 承認28州 694 00:43:42,453 --> 00:43:43,373 ‎ビンガムの勝利だ 695 00:43:43,370 --> 00:43:45,000 ‎ビンガムの勝利だ 1868年 憲法に追加 696 00:43:45,080 --> 00:43:50,000 ‎1868年 修正第14条は ‎正式に憲法に組み込まれた 697 00:43:52,546 --> 00:43:56,626 ‎これはアメリカが ‎万人の平等のため 698 00:43:56,717 --> 00:43:59,217 ‎取り組むという証しだ 699 00:44:03,432 --> 00:44:07,562 ‎"アメリカで生まれた者 ‎帰化した者" 700 00:44:07,645 --> 00:44:13,025 ‎"その司法権に属する者は ‎皆が合衆国の市民であり" 701 00:44:13,108 --> 00:44:15,148 ‎"居住州の市民だ" 702 00:44:15,944 --> 00:44:18,864 ‎この文言は実に印象的だ 703 00:44:18,947 --> 00:44:21,487 ‎"アメリカで生まれた者" 704 00:44:22,034 --> 00:44:23,994 ‎他の制約はない 705 00:44:24,078 --> 00:44:26,958 ‎白人とも書かれていない "市民" 706 00:44:27,039 --> 00:44:32,089 ‎ということは ‎アフリカ系も合衆国の市民だ 707 00:44:34,004 --> 00:44:38,054 ‎"市民の特権や免除権を ‎制限する法を作り" 708 00:44:38,133 --> 00:44:41,103 ‎"強制してはならない" 709 00:44:41,178 --> 00:44:44,808 ‎修正第1条から8条にあたる ‎権利章典に定められた権利を "権利章典" 710 00:44:44,807 --> 00:44:47,347 ‎修正第1条から8条にあたる ‎権利章典に定められた権利を 711 00:44:47,434 --> 00:44:52,564 ‎州政府と連邦政府に対し ‎全市民が持っているんだ 712 00:44:52,648 --> 00:44:57,528 ‎"法の適正手続きなしに ‎個人の生命 自由 財産を" 713 00:44:57,611 --> 00:44:59,741 ‎"奪ってはならない" 714 00:45:00,406 --> 00:45:04,156 黒人たちは 南北戦争の前から― 715 00:45:04,243 --> 00:45:09,373 ‎望みをかなえ 身を守るため ‎法に頼ろうとしていた 716 00:45:09,456 --> 00:45:14,746 ‎その権利が修正第14条で ‎正式に認められたんだ 717 00:45:15,796 --> 00:45:19,166 ‎"司法権の範囲で ‎法の平等保護を" 718 00:45:19,258 --> 00:45:22,088 ‎"否定してはならない" 719 00:45:29,226 --> 00:45:32,556 ‎市民権が明確に定義された 720 00:45:32,646 --> 00:45:37,776 ‎出生時から100パーセント ‎無条件に与えられる権利だ 721 00:45:37,860 --> 00:45:40,860 R・ウィルソン 作家/政治戦略家 アメリカで産声を あげたら市民だ 722 00:45:40,863 --> 00:45:41,453 アメリカで産声を あげたら市民だ 723 00:45:41,530 --> 00:45:47,080 ‎この国で生まれた者は ‎あらゆる自由を持ち― 724 00:45:47,619 --> 00:45:50,499 ‎市民として保護される 725 00:45:51,415 --> 00:45:53,875 ‎アメリカで生まれても― 726 00:45:53,959 --> 00:45:58,959 ‎黒人を市民と認めなかった ‎スコット判決は覆った 727 00:45:59,465 --> 00:46:02,045 第14条は極めて重要よ 728 00:46:02,050 --> 00:46:02,550 第14条は極めて重要よ K・L・エルナンデス 歴史家 729 00:46:02,551 --> 00:46:02,631 K・L・エルナンデス 歴史家 730 00:46:02,634 --> 00:46:04,684 K・L・エルナンデス 歴史家 アメリカが 白人男性の国から― 731 00:46:04,678 --> 00:46:07,468 アメリカが 白人男性の国から― 732 00:46:07,556 --> 00:46:13,096 ‎多様性あふれる民主国家に ‎変わる道が開けた 733 00:46:14,062 --> 00:46:18,902 ‎さらに修正第14条には ‎憲法として初めて 734 00:46:18,984 --> 00:46:21,614 ‎"平等"の文字が登場した 735 00:46:24,364 --> 00:46:26,994 ‎正式に明文化されたの 736 00:46:27,910 --> 00:46:32,710 ‎アメリカが誕生したのは ‎1776年ではない 737 00:46:32,790 --> 00:46:36,920 ‎近代憲法の修正第14条が ‎通過した時だ 738 00:46:37,002 --> 00:46:41,552 ‎"アメリカ合衆国 ‎憲法修正第14条" 739 00:46:42,508 --> 00:46:45,508 ‎ダグラスらは修正第14条が 740 00:46:45,594 --> 00:46:48,894 ‎国家法の効力を ‎変えたと感じた 741 00:46:48,972 --> 00:46:54,192 ‎批判の声もなくはなかったが ‎大勢が喜び祝った 742 00:46:56,939 --> 00:46:59,069 ‎希望に満ちた瞬間だ 743 00:46:59,942 --> 00:47:05,662 ‎正式に市民と認められた ‎黒人たちは歓喜に沸いた 744 00:47:06,281 --> 00:47:11,871 ‎修正第14条が成立して ‎期待に胸が膨らんだはずよ 745 00:47:11,954 --> 00:47:16,464 ‎破綻したプロジェクトを ‎リセットするみたいに 746 00:47:16,959 --> 00:47:20,339 ‎アメリカが真の姿へと変わる 747 00:47:20,420 --> 00:47:24,090 ‎最大の成果は ‎黒人教育の発展だ 748 00:47:24,925 --> 00:47:28,675 ‎南部の人々は ‎識字能力向上のため 749 00:47:28,762 --> 00:47:31,602 ‎自らの教育機関を設立した 750 00:47:31,682 --> 00:47:35,772 ‎かつては無一文だった ‎黒人たちが 751 00:47:35,853 --> 00:47:40,523 ‎教育のため ‎数百万ドルを投資したんだ 752 00:47:47,281 --> 00:47:52,161 ‎"フレデリック・ダグラス" ‎私には祈りのような響きよ 753 00:47:52,911 --> 00:47:57,751 ‎彼の反骨精神や行動力は ‎称賛に値する 754 00:47:57,833 --> 00:48:04,093 ‎黒人を解放しただけでなく ‎完全な市民権をもたらした 755 00:48:04,172 --> 00:48:07,052 ‎本当に偉大な人物よ 756 00:48:11,138 --> 00:48:13,598 ‎"まるで新世界だ" 757 00:48:16,935 --> 00:48:19,015 ‎"誰が想像した?" 758 00:48:20,606 --> 00:48:24,856 ‎"奴隷解放 ‎正義と自由の大勝" 759 00:48:24,943 --> 00:48:27,743 ‎"公民権法案に投票権" 760 00:48:28,655 --> 00:48:32,575 ‎"所有物として ‎蔑視された人々が" 761 00:48:33,535 --> 00:48:39,415 ‎"今は法の下で ‎人間として尊重されている" 762 00:48:44,671 --> 00:48:46,421 ‎フレデリック・ダグラス 763 00:48:47,799 --> 00:48:49,429 ‎奴隷 764 00:48:49,927 --> 00:48:50,797 ‎逃亡者 765 00:48:51,303 --> 00:48:52,973 ‎自由な非市民 766 00:48:53,597 --> 00:48:54,427 ‎市民 767 00:48:55,515 --> 00:48:57,805 ‎彼の歩みは続く 768 00:48:58,185 --> 00:48:59,975 ‎長い生涯を通じ 769 00:49:00,062 --> 00:49:05,442 ‎アメリカの黒人や女性 ‎移民の権利を擁護し続けた 770 00:49:05,525 --> 00:49:09,235 ‎彼の闘いは ‎後世に影響を与える 771 00:49:11,031 --> 00:49:12,121 ‎今日にも 772 00:49:21,917 --> 00:49:27,257 ‎撤去されているのは ‎ロジャー・B・トーニーの銅像 773 00:49:27,339 --> 00:49:29,629 ‎金曜未明の映像です 774 00:49:39,351 --> 00:49:43,561 劣等な彼らに 白人同等の権利はないと 775 00:49:43,647 --> 00:49:45,267 彼は述べた C・トーニー3世 R・B・トーニーの子孫 776 00:49:45,273 --> 00:49:48,243 C・トーニー3世 R・B・トーニーの子孫 777 00:49:48,235 --> 00:49:49,525 C・トーニー3世 R・B・トーニーの子孫 あの晩 許しを請うと… 778 00:49:49,528 --> 00:49:51,028 あの晩 許しを請うと… 779 00:49:51,113 --> 00:49:51,913 L・ジャクソン D・スコットの子孫 780 00:49:51,905 --> 00:49:54,445 L・ジャクソン D・スコットの子孫 スコット家は 受け入れた 781 00:49:54,449 --> 00:49:55,199 L・ジャクソン D・スコットの子孫 782 00:49:55,200 --> 00:49:57,080 L・ジャクソン D・スコットの子孫 うちの家族の中には 783 00:49:57,077 --> 00:49:57,577 うちの家族の中には 784 00:49:57,661 --> 00:50:01,121 会うのを ためらう人もいた 785 00:50:01,206 --> 00:50:07,046 ‎でも思いがけず ‎トーニー家から謝罪を受けた 786 00:50:07,546 --> 00:50:10,336 ‎いとこは涙を浮かべてたわ 787 00:50:10,424 --> 00:50:14,594 ‎互いを理解して ‎関係を築けたら― 788 00:50:14,678 --> 00:50:17,638 ‎他のことも可能になる 789 00:50:19,224 --> 00:50:20,644 "息ができない" 790 00:50:20,726 --> 00:50:21,596 "聞いて" 791 00:50:21,685 --> 00:50:22,685 "同性愛" 792 00:50:23,979 --> 00:50:24,939 "市民だ" 793 00:50:25,022 --> 00:50:25,982 "男女平等" 794 00:50:29,026 --> 00:50:32,776 私たちが和解できたら あなたもできる 795 00:50:36,116 --> 00:50:40,746 ‎アメリカでは平等や正義が ‎よく話題に上る 796 00:50:42,622 --> 00:50:46,172 ‎忠誠の誓いにも ‎含まれる言葉だ "法の下の平等な正義" 797 00:50:46,793 --> 00:50:51,423 ‎その実現のために ‎修正第14条が作られた 798 00:50:52,382 --> 00:50:53,552 ‎だが国民は 799 00:50:54,217 --> 00:50:59,467 ‎真の平等を受け入れる ‎準備ができていなかった 800 00:51:00,307 --> 00:51:04,977 ‎人種平等という偽の教えを ‎受け入れないと誓う 801 00:51:06,897 --> 00:51:08,817 ‎正義なくして平和なし 802 00:51:11,526 --> 00:51:15,526 ‎自分の言葉に ‎忠実であれと言いたい 803 00:51:20,327 --> 00:51:24,117 ‎修正第14条は批准後すぐ ‎批判の的に 804 00:51:24,206 --> 00:51:27,496 ‎法廷や街角 歴史本でもだ 805 00:51:28,001 --> 00:51:31,461 ‎私たちが ‎14条に馴染みがないのは 806 00:51:31,963 --> 00:51:36,843 ‎知られまいと必死で ‎闘った人々がいるからだ 807 00:55:00,672 --> 00:55:05,682 ‎日本語字幕 村上 あい