1 00:00:06,960 --> 00:00:10,040 ‎NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 2 00:00:25,600 --> 00:00:30,360 ‎地球には数百万種の生物が ‎生息しています 3 00:00:34,640 --> 00:00:38,280 ‎地球外にも生物は ‎いるのでしょうか? 4 00:00:43,360 --> 00:00:46,800 ‎太陽系の外でも ‎数千もの惑星が 5 00:00:46,880 --> 00:00:48,880 ‎発見されています 6 00:00:51,800 --> 00:00:55,040 ‎さらに数兆あると ‎考えられています 7 00:00:59,400 --> 00:01:02,920 ‎わずか一部にでも ‎生物がいれば 8 00:01:04,040 --> 00:01:08,800 ‎宇宙は生命に満ちていると ‎言えるでしょう 9 00:01:18,840 --> 00:01:22,200 ‎どんな生物も ‎求めるものは同じ 10 00:01:25,160 --> 00:01:26,240 ‎食べ物と… 11 00:01:32,880 --> 00:01:34,120 ‎繁殖と… 12 00:01:38,840 --> 00:01:39,680 ‎進化です 13 00:01:43,520 --> 00:01:49,000 ‎地球上の生命の法則を ‎宇宙にも応用すれば‎― 14 00:01:50,680 --> 00:01:55,000 ‎想像することができます 15 00:01:55,840 --> 00:01:58,120 ‎地球外生物の世界を 16 00:02:26,880 --> 00:02:30,480 ‎私たちが知る惑星の多くは‎― 17 00:02:31,960 --> 00:02:35,560 ‎生物には過酷すぎるように ‎思えます 18 00:02:37,320 --> 00:02:41,480 ‎しかし驚くべき場所にも ‎生命は根づきます 19 00:02:44,760 --> 00:02:48,800 ‎母は私が宇宙人だと ‎言っていました 20 00:02:50,720 --> 00:02:55,040 ‎幼い頃から宇宙のことばかり ‎考えていたから 21 00:02:57,920 --> 00:03:01,440 ‎ずっと宇宙に行くのが ‎夢でした 22 00:03:08,720 --> 00:03:13,800 ‎エチオピア ダナキル‎窪地(くぼち) 23 00:03:15,800 --> 00:03:17,360 ‎すごいわ 24 00:03:18,400 --> 00:03:22,640 ケンダ・リンチ 宇宙生物学者 25 00:03:23,160 --> 00:03:26,040 ‎こんな場所は初めて 26 00:03:27,480 --> 00:03:31,040 ‎きっと他の惑星は ‎こんな感じよ 27 00:03:31,360 --> 00:03:33,000 ‎本当に すごい 28 00:03:34,280 --> 00:03:35,520 ‎感動しちゃう 29 00:03:40,480 --> 00:03:45,400 ‎現地では“地獄の門”と ‎呼ばれるダナキル窪地 30 00:03:48,760 --> 00:03:52,840 ‎海抜マイナス120メートルの ‎火山地帯で‎― 31 00:03:54,760 --> 00:03:57,520 ‎地球で最も暑い場所です 32 00:04:00,920 --> 00:04:04,360 ‎79度… 82度… 33 00:04:04,960 --> 00:04:07,480 ‎最高温度は87度ね 34 00:04:12,840 --> 00:04:15,160 ‎ここに生物が存在するなら 35 00:04:16,640 --> 00:04:20,920 ‎宇宙の至る所に ‎存在する可能性があります 36 00:04:24,440 --> 00:04:28,720 ‎他の惑星の生物も ‎生命維持に必要な‎― 37 00:04:29,240 --> 00:04:32,200 ‎特徴を備えているはず 38 00:04:32,640 --> 00:04:35,920 ‎そこには必ず制約があります 39 00:04:37,120 --> 00:04:39,560 ‎生物を形作る細胞は 40 00:04:39,640 --> 00:04:44,520 ‎生体活動に必要な ‎生体分子を含んでいます 41 00:04:44,600 --> 00:04:49,800 ‎そのおかげで細胞が機能し ‎生物が生きられるのです 42 00:04:50,240 --> 00:04:56,760 ‎大事なのは 生命の仕組みや ‎死を招く要素を知ることです 43 00:05:01,960 --> 00:05:03,280 ‎最近まで‎― 44 00:05:03,360 --> 00:05:07,720 ‎ダナキル窪地に 生物は ‎いないとされていました 45 00:05:10,360 --> 00:05:16,560 ‎しかし 宇宙生物学者らは ‎単細胞微生物を探しに来ます 46 00:05:18,560 --> 00:05:20,920 ‎極限環境微生物です 47 00:05:34,520 --> 00:05:39,880 ‎微生物は非常に小さいため ‎湖の水を採取して‎― 48 00:05:39,960 --> 00:05:42,840 ‎顕微鏡でのぞいても ‎見えません 49 00:05:50,120 --> 00:05:53,640 ‎極限環境微生物を ‎見つけるには 50 00:05:54,840 --> 00:05:58,680 ‎DNAの痕跡を探すしか ‎ありません 51 00:06:00,080 --> 00:06:03,080 ‎使うのは携帯用の分析装置 52 00:06:05,640 --> 00:06:08,920 ‎小型で温度変化にも弱いのに 53 00:06:09,120 --> 00:06:12,280 ‎ここは世界一暑い場所です 54 00:06:13,440 --> 00:06:15,640 ‎冷却材を使えば 55 00:06:15,720 --> 00:06:18,920 ‎こうして分析できます 56 00:06:21,640 --> 00:06:22,640 ‎成功よ 57 00:06:24,400 --> 00:06:26,880 ‎シーケンシングです 58 00:06:27,480 --> 00:06:29,920 ‎配列が検出されました 59 00:06:30,640 --> 00:06:32,920 ‎DNAがある証です 60 00:06:34,720 --> 00:06:35,560 ‎大成功 61 00:06:38,160 --> 00:06:41,200 ‎ダナキルのような ‎強酸性の水質でも 62 00:06:41,280 --> 00:06:46,280 ‎極限環境微生物が ‎生きられると分かりました 63 00:06:48,800 --> 00:06:53,320 ‎彼らは微生物界の ‎スーパーヒーローです 64 00:06:53,400 --> 00:06:57,840 ‎こうした過酷な環境で ‎生き残るための 65 00:06:57,920 --> 00:07:01,240 ‎彼らの生存戦略には ‎驚かされます 66 00:07:04,520 --> 00:07:09,800 ‎ここでの生物発見は ‎興味深い可能性を広げます 67 00:07:10,680 --> 00:07:15,840 ‎しかし どこでも生きられる ‎生物もいるのです 68 00:07:19,000 --> 00:07:22,520 ‎たとえ宇宙の果てでも 69 00:07:31,720 --> 00:07:33,600 ‎これは赤色‎矮星(わいせい) 70 00:07:39,440 --> 00:07:42,680 ‎この銀河では ‎ありふれた恒星です 71 00:07:56,120 --> 00:07:57,920 ‎この架空の惑星は 72 00:07:58,000 --> 00:08:03,720 ‎恒星に近すぎるため 重力で ‎自転が固定されています 73 00:08:06,040 --> 00:08:09,640 ‎常に同じ面が ‎恒星に向いているのです 74 00:08:18,720 --> 00:08:20,800 ‎惑星ヤヌスです 75 00:08:29,640 --> 00:08:33,720 ‎この過酷な環境に 生物は ‎どう適応するのか 76 00:08:40,200 --> 00:08:45,640 ‎この惑星の片側は ‎常に日が照るしゃく熱の砂漠 77 00:08:51,040 --> 00:08:56,120 ‎裏側は常に夜が続く ‎凍りついた影の世界です 78 00:09:03,720 --> 00:09:09,240 ‎2つの世界の間では ‎たそがれが永遠に続きます 79 00:09:18,240 --> 00:09:22,120 ‎氷の世界から流れ込む ‎冷たい水が 80 00:09:22,840 --> 00:09:25,600 ‎侵食してできた峡谷です 81 00:09:28,440 --> 00:09:34,160 ‎最も穏やかな この地帯でも ‎ほとんど植物は見られません 82 00:09:39,920 --> 00:09:42,160 ‎しかし 渓谷の奥地には 83 00:09:42,240 --> 00:09:45,120 ‎5本足の驚くべき生物が 84 00:09:46,840 --> 00:09:48,360 ‎ペンタポッドです 85 00:09:52,920 --> 00:09:57,920 ‎猫ほどの大きさで ‎この惑星の主要な生物です 86 00:09:59,840 --> 00:10:02,840 ‎どんな環境にも適応します 87 00:10:10,440 --> 00:10:14,880 ‎極寒の世界では ‎ずんぐりした毛深い姿に 88 00:10:20,640 --> 00:10:25,920 ‎酷暑の世界では無毛で ‎体は細く身軽に動きます 89 00:10:27,640 --> 00:10:33,240 ‎ペンタポッドは生きるために ‎どんな姿にもなれるのです 90 00:10:42,240 --> 00:10:46,960 ‎地球の生物も ‎環境に合わせて進化します 91 00:10:51,000 --> 00:10:54,320 ‎特に適応力が高い生物も 92 00:11:00,840 --> 00:11:05,520 ‎トリニダード島 アリマ渓谷 93 00:11:08,320 --> 00:11:13,080 ‎この小道は ‎とても整然としています 94 00:11:13,160 --> 00:11:17,280 ‎動物か人間が作った道に ‎見えますが‎― 95 00:11:17,960 --> 00:11:19,520 ‎アリの道です 96 00:11:22,200 --> 00:11:24,040 ‎ハキリアリです 97 00:11:27,160 --> 00:11:28,480 今は まばらですが 98 00:11:28,480 --> 00:11:28,960 今は まばらですが マグダレナ・ソルジャー 昆虫学者 99 00:11:28,960 --> 00:11:29,040 マグダレナ・ソルジャー 昆虫学者 100 00:11:29,040 --> 00:11:32,680 マグダレナ・ソルジャー 昆虫学者 夜にはアリたちで 大混雑します 101 00:11:32,680 --> 00:11:32,760 マグダレナ・ソルジャー 昆虫学者 102 00:11:32,760 --> 00:11:34,880 マグダレナ・ソルジャー 昆虫学者 行列を成して 巣へ葉を運ぶのです 103 00:11:34,880 --> 00:11:36,480 行列を成して 巣へ葉を運ぶのです 104 00:11:48,720 --> 00:11:49,680 ‎すごい 105 00:11:50,480 --> 00:11:51,720 ‎見てください 106 00:11:54,440 --> 00:11:56,720 ‎ハキリアリの巣です 107 00:11:58,840 --> 00:12:03,760 ‎コロニーの中心では ‎多くのことが起きています 108 00:12:07,560 --> 00:12:11,680 ‎ハキリアリは ‎複数の階級に分かれます 109 00:12:12,960 --> 00:12:14,480 ‎兵隊アリや‎― 110 00:12:15,440 --> 00:12:18,920 ‎働きアリや女王アリもいます 111 00:12:19,000 --> 00:12:24,560 ‎産卵するのは コロニーに ‎1匹しかいない女王アリです 112 00:12:27,240 --> 00:12:31,200 ‎コロニーを支えているのは ‎労働部門 113 00:12:33,280 --> 00:12:36,040 ‎階級ごとに役割が異なり 114 00:12:36,200 --> 00:12:39,240 ‎形や大きさもさまざまです 115 00:12:43,520 --> 00:12:48,320 ‎兵隊アリと小さな働きアリを ‎捕まえました 116 00:12:48,640 --> 00:12:52,960 ‎この働きアリは ‎最小の部類に入ります 117 00:12:53,040 --> 00:12:58,560 ‎兵隊アリは力が強く ‎つかんでいるのも一苦労です 118 00:12:58,640 --> 00:13:01,440 ‎激しく抵抗しています 119 00:13:02,120 --> 00:13:04,240 ‎こんなに違う2匹が 120 00:13:04,320 --> 00:13:08,720 ‎同じ幼虫だったなんて ‎信じられません 121 00:13:12,120 --> 00:13:15,760 ‎コロニーのアリは ‎血縁集団で‎― 122 00:13:17,440 --> 00:13:19,880 ‎遺伝子も ほぼ共通です 123 00:13:21,720 --> 00:13:27,440 ‎しかし 成長に伴い ‎遺伝子の選別が起こります 124 00:13:28,280 --> 00:13:30,600 ‎違いを生むのは食事の量 125 00:13:32,440 --> 00:13:37,720 ‎誰もが働きアリにも ‎兵隊アリにもなれるのです 126 00:13:41,680 --> 00:13:46,680 ‎同一の種から異なる形態に ‎分化する能力は‎― 127 00:13:47,040 --> 00:13:52,920 ‎ポリフェニズムと呼ばれ ‎“多形”を意味します 128 00:14:01,040 --> 00:14:05,640 ‎私が避けていたことを ‎クモが しでかしました 129 00:14:05,720 --> 00:14:10,080 ‎ハキリアリの行列に ‎乱入したのです 130 00:14:10,480 --> 00:14:13,000 ‎マズいことになります 131 00:14:13,800 --> 00:14:18,160 ‎兵隊アリの顎が ‎いかに強力か分かるでしょう 132 00:14:18,920 --> 00:14:21,640 ‎コロニーを脅かす者を 133 00:14:22,520 --> 00:14:26,280 ‎排除するのが ‎兵隊アリの仕事です 134 00:14:34,560 --> 00:14:35,720 ‎すごい 135 00:14:42,800 --> 00:14:44,640 ‎私も攻撃されてます 136 00:14:45,360 --> 00:14:46,280 ‎痛い! 137 00:14:46,800 --> 00:14:48,760 ‎襲ってきました 138 00:14:54,240 --> 00:15:01,200 ‎アリのように 素早く ‎環境に応じて変化できれば 139 00:15:01,280 --> 00:15:06,360 ‎生存に有利なだけでなく ‎生息域の覇者にもなれます 140 00:15:15,920 --> 00:15:19,080 ‎温度範囲 141 00:15:21,840 --> 00:15:26,560 ‎ヤヌスのペンタポッドは ‎ポリフェニズムの達人です 142 00:15:29,920 --> 00:15:34,120 ‎アリのように ‎多様な形に変異できます 143 00:15:37,120 --> 00:15:40,160 ‎でも生まれた場所は皆同じ 144 00:15:42,840 --> 00:15:44,400 ‎中間地帯です 145 00:15:52,600 --> 00:15:55,600 ‎繁殖を控えた成獣2匹です 146 00:15:58,120 --> 00:16:01,400 ‎彼らは雄でも雌でもあります 147 00:16:02,680 --> 00:16:04,200 ‎雌雄同体です 148 00:16:06,080 --> 00:16:08,560 ‎どちらも子を産めるので 149 00:16:09,840 --> 00:16:12,360 ‎繁殖の成功率は2倍に 150 00:16:27,880 --> 00:16:33,000 ‎交尾を終えたペンタポッドは ‎渓谷の巣を去り‎― 151 00:16:36,320 --> 00:16:39,080 ‎高い場所へ登ります 152 00:16:41,360 --> 00:16:43,440 ‎産卵に備えるのです 153 00:16:51,240 --> 00:16:52,240 ‎頂上では 154 00:16:52,600 --> 00:16:57,800 ‎2つの極限地帯の間で ‎常に風が吹き荒れています 155 00:17:09,520 --> 00:17:14,920 ‎でも 風のおかげで ‎幼生を各地へ飛ばせるのです 156 00:17:19,240 --> 00:17:22,880 ‎こうして星全体に ‎コロニーを形成します 157 00:17:35,320 --> 00:17:38,840 ‎しゃく熱地帯では ‎水は希少です 158 00:17:42,280 --> 00:17:45,440 ‎日陰でしか得られません 159 00:17:55,920 --> 00:17:59,200 ‎食べ物がなければ別の場所へ 160 00:18:10,240 --> 00:18:14,640 ‎5本足で どの方向へも ‎軽快に移動し‎― 161 00:18:17,320 --> 00:18:21,800 ‎10個の目で ‎獲物を目ざとく見つけます 162 00:18:30,200 --> 00:18:31,800 ‎獲物に気付くと 163 00:18:32,800 --> 00:18:35,320 ‎触覚で あさります 164 00:18:41,360 --> 00:18:45,080 ‎どんな機会も ‎無駄にはできません 165 00:18:57,200 --> 00:19:01,400 ‎アメリカ ネバダ州 ‎バレー・オブ・ファイアー 166 00:19:02,840 --> 00:19:05,600 ‎砂漠の暮らしは過酷です 167 00:19:06,640 --> 00:19:09,080 ‎生き残れるのは強者だけ 168 00:19:10,840 --> 00:19:14,600 ‎自然界で ‎最もたくましい生物は‎― 169 00:19:15,840 --> 00:19:17,120 ‎サソリです 170 00:19:23,880 --> 00:19:25,080 ‎どう? 171 00:19:25,160 --> 00:19:26,320 ‎いないな 172 00:19:32,040 --> 00:19:37,160 ‎最初のサソリの記憶は ‎僕が10歳の時のことだ 173 00:19:37,240 --> 00:19:39,640 ‎巨大なサソリがいた 174 00:19:41,240 --> 00:19:45,520 ‎“ママ!”と叫ぶと ‎母親が来て… 175 00:19:45,880 --> 00:19:46,560 〝どうしたの?〞と 176 00:19:46,560 --> 00:19:47,880 〝どうしたの?〞と カルロス・S・ロペス 進化生物学者 177 00:19:47,880 --> 00:19:47,960 カルロス・S・ロペス 進化生物学者 178 00:19:47,960 --> 00:19:50,840 カルロス・S・ロペス 進化生物学者 天井のサソリを 指差して 179 00:19:50,840 --> 00:19:50,920 カルロス・S・ロペス 進化生物学者 180 00:19:50,920 --> 00:19:52,600 カルロス・S・ロペス 進化生物学者 食われると言った 181 00:19:53,280 --> 00:19:57,360 ‎すると母は ‎“ただのサソリよ”と 182 00:19:58,560 --> 00:20:01,760 ‎さすがはメキシコ人の母親だ 183 00:20:01,840 --> 00:20:08,040 ‎サンダルで天井のサソリを ‎叩きつぶした 184 00:20:17,440 --> 00:20:22,720 ‎そんなカルロスも ‎今ではサソリの専門家になり 185 00:20:24,120 --> 00:20:26,880 ‎サソリの毒を研究中です 186 00:20:28,720 --> 00:20:30,520 ‎夜に探すのは‎― 187 00:20:30,600 --> 00:20:35,960 ‎ブラックライトを当てると ‎サソリが光るからだ 188 00:20:36,600 --> 00:20:39,600 ‎表皮中の ‎タンパク質の影響でね 189 00:20:40,640 --> 00:20:43,400 ‎このサソリを見てみよう 190 00:20:47,640 --> 00:20:49,320 ‎すごいぞ 191 00:20:49,400 --> 00:20:50,560 ‎大漁だな 192 00:20:51,160 --> 00:20:52,360 ‎すばらしい 193 00:20:55,920 --> 00:21:00,720 ‎サソリは400万年前から ‎ほぼ変化していません 194 00:21:01,720 --> 00:21:05,000 ‎完璧に砂漠に適応しています 195 00:21:06,240 --> 00:21:10,640 ‎サソリの代謝速度は ‎とても遅い 196 00:21:11,400 --> 00:21:15,560 ‎飲まず食わずでも ‎長期間 生きられる 197 00:21:16,920 --> 00:21:22,920 ‎ある種類では 何も食べずに ‎1年間も生き続けた 198 00:21:24,160 --> 00:21:27,960 ‎生きるのに必要な ‎最低限のエネルギーで 199 00:21:28,040 --> 00:21:30,720 ‎やりくりするんだ 200 00:21:32,320 --> 00:21:36,920 ‎次に食べ物にありつく ‎チャンスが来たら 201 00:21:37,000 --> 00:21:38,640 ‎絶対に逃せない 202 00:21:40,160 --> 00:21:45,880 ‎だから 獲物をしとめる ‎多様な武器を発達させた 203 00:21:47,000 --> 00:21:49,760 ‎中でも特筆すべきは‎― 204 00:21:51,320 --> 00:21:52,040 ‎毒だ 205 00:22:09,760 --> 00:22:12,040 ‎サソリの毒を調べるには 206 00:22:12,680 --> 00:22:16,520 ‎尾の毒腺から ‎毒を抽出する必要があります 207 00:22:18,720 --> 00:22:25,240 ‎毒にはミネラルや塩や ‎さまざまな機能を持つ‎― 208 00:22:25,320 --> 00:22:29,120 ‎数百種のタンパク質が ‎含まれてる 209 00:22:30,240 --> 00:22:32,480 ‎できるだけ手早く 210 00:22:34,720 --> 00:22:38,320 ‎筋肉に電気を流して刺激する 211 00:22:40,920 --> 00:22:44,280 ‎抽出できる毒は ごく微量だ 212 00:22:44,360 --> 00:22:46,160 ‎わずか1滴さ 213 00:22:46,600 --> 00:22:50,040 ‎貴重な1滴だから慎重に扱う 214 00:22:52,200 --> 00:22:54,240 ‎優しくマッサージを 215 00:22:54,320 --> 00:22:57,040 ‎1滴 出てきたぞ 216 00:22:58,440 --> 00:22:59,600 ‎成功だ 217 00:22:59,680 --> 00:23:01,600 ‎毒が抽出できた 218 00:23:02,560 --> 00:23:05,760 ‎でも ほんの微量だ 219 00:23:06,760 --> 00:23:08,040 ‎見える? 220 00:23:08,600 --> 00:23:11,000 ‎1滴の水のようだ 221 00:23:21,480 --> 00:23:24,240 ‎毒は強力な武器です 222 00:23:24,640 --> 00:23:28,560 ‎は虫類や昆虫や魚も ‎毒を使います 223 00:23:30,320 --> 00:23:34,880 ‎毒は30回以上も ‎別々に進化を遂げてきました 224 00:23:38,920 --> 00:23:42,760 ‎地球で進化した頻度が ‎高いほど 225 00:23:44,240 --> 00:23:48,040 ‎他の惑星に存在する ‎可能性も濃厚に 226 00:24:01,520 --> 00:24:03,400 ‎ヤヌスの砂漠では‎― 227 00:24:03,840 --> 00:24:06,920 ‎ペンタポッドが ‎毒で狩りをします 228 00:24:16,600 --> 00:24:19,360 ‎単独での狩りには危険も 229 00:24:31,320 --> 00:24:34,800 ‎最強の毒を持つ捕食者でさえ 230 00:24:35,440 --> 00:24:37,200 ‎多勢に無勢です 231 00:24:54,520 --> 00:24:58,800 ‎極寒地帯の暮らしも ‎楽ではありません 232 00:25:03,000 --> 00:25:07,480 ‎太陽のエネルギーが届かない ‎暗闇で‎― 233 00:25:09,880 --> 00:25:12,320 ‎生きられるのでしょうか 234 00:25:22,280 --> 00:25:26,880 ‎地球の ほぼ全ての生物は ‎太陽に依存しています 235 00:25:29,680 --> 00:25:32,960 ‎植物は太陽光を栄養に変換し 236 00:25:34,120 --> 00:25:36,680 ‎他の生物の糧になります 237 00:25:39,520 --> 00:25:42,400 ‎しかし光が届かなくても 238 00:25:42,480 --> 00:25:46,240 ‎生物が進化した場所が ‎あるのです 239 00:25:47,200 --> 00:25:51,280 ‎メキシコ ‎ヴィラ・ルース洞窟 240 00:25:57,000 --> 00:26:03,200 ‎こうした洞窟に入る時は ‎未知の環境だと肝に銘じます 241 00:26:03,280 --> 00:26:04,400 ‎少し曇る 242 00:26:04,480 --> 00:26:05,360 ‎ああ 243 00:26:05,440 --> 00:26:08,040 ‎死と隣り合わせです 244 00:26:09,160 --> 00:26:10,320 この洞窟には― 245 00:26:10,320 --> 00:26:11,320 この洞窟には― ダイアナ・ノーサップ 微生物学者 246 00:26:11,320 --> 00:26:11,640 ダイアナ・ノーサップ 微生物学者 247 00:26:11,640 --> 00:26:14,760 ダイアナ・ノーサップ 微生物学者 硫化水素が多く 非常に危険です 248 00:26:15,920 --> 00:26:17,920 ‎吸い込めば死にます 249 00:26:18,000 --> 00:26:18,960 ‎いい? 250 00:26:19,720 --> 00:26:24,080 ‎夫は安全管理者として ‎同行します 251 00:26:26,040 --> 00:26:30,920 ‎“もう外に出るぞ”と ‎遠慮せずに言えるから 252 00:26:48,960 --> 00:26:53,800 ‎ヴィラ・ルース洞窟は ‎迷路のような‎鍾乳洞(しょうにゅうどう)‎です 253 00:26:57,680 --> 00:27:01,920 ‎地中から湧き上がる ‎硫化水素が‎― 254 00:27:04,040 --> 00:27:10,480 ‎酸素と混じり合うことで ‎水を乳白色に濁らせています 255 00:27:13,720 --> 00:27:16,960 ‎これほど過酷な環境でも‎― 256 00:27:17,480 --> 00:27:20,240 ‎繁栄する生物がいました 257 00:27:25,520 --> 00:27:27,040 ‎スノッタイト 258 00:27:30,280 --> 00:27:33,040 ‎滴状の細菌の集合体です 259 00:27:38,040 --> 00:27:42,280 ‎1つの集合体には ‎無数の微生物が含まれます 260 00:27:44,080 --> 00:27:46,880 ‎彼らは光合成をしません 261 00:27:47,520 --> 00:27:50,960 ‎硫化水素を取り込み‎― 262 00:27:52,160 --> 00:27:55,760 ‎エネルギー源にするのです 263 00:28:01,000 --> 00:28:02,720 ‎さあ 点火して 264 00:28:04,280 --> 00:28:06,120 ‎これで殺菌完了 265 00:28:07,480 --> 00:28:09,760 ‎キャップを閉めて 266 00:28:13,800 --> 00:28:15,640 ‎次は これを 267 00:28:16,400 --> 00:28:17,360 ‎いいわ 268 00:28:18,400 --> 00:28:20,680 ‎1つ採れました 269 00:28:23,520 --> 00:28:26,240 ‎世界屈指のスノッタイトです 270 00:28:27,200 --> 00:28:31,720 ‎酸性度が ‎車のバッテリー液より高い 271 00:28:36,320 --> 00:28:42,320 ‎スノッタイトを栄養源に ‎1つの生態系が生まれました 272 00:28:44,400 --> 00:28:47,520 ‎生涯を暗闇で過ごす ‎生物たちです 273 00:28:55,160 --> 00:28:56,160 ‎見える? 274 00:28:58,120 --> 00:28:58,960 ‎ああ 275 00:29:00,360 --> 00:29:03,200 ‎とても大きいのがいる 276 00:29:05,040 --> 00:29:09,680 ‎水に落ちた ‎白い筋状のスノッタイトを 277 00:29:10,240 --> 00:29:12,240 ‎魚が追っています 278 00:29:13,840 --> 00:29:17,720 ‎あそこに白いのが見えますよ 279 00:29:18,320 --> 00:29:20,960 ‎ほら 魚が食べた 280 00:29:24,920 --> 00:29:28,080 ‎暗闇の生物に関する研究は 281 00:29:28,160 --> 00:29:33,920 ‎地球外の生物を探す ‎手がかりを与えてくれます 282 00:29:34,360 --> 00:29:40,640 ‎思いもよらない場所に ‎生物がいると分かったのです 283 00:29:43,280 --> 00:29:44,320 ‎25だわ 284 00:29:44,400 --> 00:29:45,280 ‎25だな 285 00:29:45,640 --> 00:29:47,200 ‎かなり高いぞ 286 00:29:47,280 --> 00:29:50,320 ‎もう外に出た方がいい? 287 00:30:04,840 --> 00:30:08,200 ‎生物にはエネルギーが ‎必要です 288 00:30:10,040 --> 00:30:14,280 ‎ヤヌスの片面では ‎恒星の光がエネルギー源に 289 00:30:17,640 --> 00:30:22,080 ‎裏側では地底から ‎エネルギーを得ます 290 00:30:29,000 --> 00:30:31,000 ‎地熱活動です 291 00:30:35,720 --> 00:30:39,720 ‎火山の圧力で ‎水が地表に吹き出すと 292 00:30:40,480 --> 00:30:43,000 ‎新たな命が生まれます 293 00:30:45,040 --> 00:30:48,200 ‎それを合図に集まる ‎ペンタポッド 294 00:31:01,560 --> 00:31:06,120 ‎目当ては 吹き出し口付近に ‎現れるグラブです 295 00:31:10,200 --> 00:31:11,920 ‎狩りは難航します 296 00:31:17,720 --> 00:31:20,760 ‎防衛能力を発達させた ‎グラブは 297 00:31:21,160 --> 00:31:25,040 ‎飛び跳ねて発光し ‎仲間に警告します 298 00:31:27,320 --> 00:31:29,920 ‎生きるための団結です 299 00:31:46,120 --> 00:31:52,640 ‎地球にも発光することにより ‎信号を送る生物が存在します 300 00:31:54,920 --> 00:32:00,440 ‎アメリカ ペンシルベニア州 ‎アラゲイニー国立森林公園 301 00:32:01,520 --> 00:32:04,880 ‎光っているのはホタルです 302 00:32:07,080 --> 00:32:10,080 ‎日没と同時に姿を現します 303 00:32:11,240 --> 00:32:12,960 火の粉のように 304 00:32:12,960 --> 00:32:13,120 火の粉のように アヴァロン・ オーウェンズ 昆虫学者 305 00:32:13,120 --> 00:32:13,200 アヴァロン・ オーウェンズ 昆虫学者 306 00:32:13,200 --> 00:32:16,760 アヴァロン・ オーウェンズ 昆虫学者 暗くなるほど 美しさが増します 307 00:32:26,040 --> 00:32:29,000 ‎ホタルの発光は伝達信号です 308 00:32:30,000 --> 00:32:33,280 ‎自ら発光して交信する動物は 309 00:32:33,360 --> 00:32:35,640 ‎陸上ではホタルだけ 310 00:32:39,280 --> 00:32:42,800 ‎ホタルは捕食者への ‎警告手段として 311 00:32:42,880 --> 00:32:44,960 ‎発光を身に付けました 312 00:32:45,640 --> 00:32:50,400 ‎毒があるので近寄るな ‎というサインです 313 00:32:53,800 --> 00:32:58,240 ‎異性と出会うためにも ‎発光信号が使われます 314 00:33:01,720 --> 00:33:07,480 ‎ホタルは腹部の発光器で ‎光を生み出します 315 00:33:08,280 --> 00:33:15,000 ‎この器官が持つ酵素が ‎酸素と反応し光を生むのです 316 00:33:15,080 --> 00:33:20,720 ‎発光器への酸素の流れを ‎調節することで 点滅して 317 00:33:20,800 --> 00:33:27,000 ‎仲間とコミュニケーションを ‎取っているのです 318 00:33:35,520 --> 00:33:39,720 ‎雄が飛び回って ‎アピールしています 319 00:33:39,800 --> 00:33:43,160 ‎“僕を見てくれ”ってね 320 00:33:46,040 --> 00:33:49,120 ‎雌は地上から見ていて‎― 321 00:33:51,480 --> 00:33:54,920 ‎気に入った雄に ‎点滅で応えます 322 00:33:57,840 --> 00:34:03,360 ‎すると雄が降りてきて ‎点滅し合い交尾するのです 323 00:34:04,160 --> 00:34:05,600 ‎この光は‎― 324 00:34:05,880 --> 00:34:10,600 ‎男女が誘い合う ‎ダンスパーティーなんです 325 00:34:13,360 --> 00:34:18,240 ‎どの種にも暗闇で仲間を ‎見つける信号があります 326 00:34:20,320 --> 00:34:24,480 ‎光による会話は ‎本来 危険を伴います 327 00:34:26,440 --> 00:34:31,200 ‎中には偽の信号を出す種も ‎存在するのです 328 00:34:34,880 --> 00:34:39,720 ‎これは捕食種である ‎雌のフォツルスです 329 00:34:39,800 --> 00:34:43,040 ‎他種の雄を誘惑して ‎食べるので 330 00:34:43,120 --> 00:34:46,960 ‎“‎魔性の女(ファム・ファタール)‎”とも ‎呼ばれています 331 00:34:47,719 --> 00:34:52,559 ‎偽の発光信号を使って ‎雄と雌の会話を乗っ取り 332 00:34:52,639 --> 00:34:54,399 ‎利用するのです 333 00:34:56,320 --> 00:34:59,200 ‎発光器の形が違うので 334 00:34:59,400 --> 00:35:02,600 ‎捕食種だと分かります 335 00:35:03,600 --> 00:35:08,080 ‎イコール記号のように ‎2本だけが光るのです 336 00:35:08,520 --> 00:35:12,160 ‎雄が雌を求めて発光すると 337 00:35:12,240 --> 00:35:17,920 ‎同種の雌のふりをして ‎雄に発光して返します 338 00:35:18,000 --> 00:35:24,280 ‎別種の雌の光り方をまねて ‎雄をおびき寄せるのですが‎― 339 00:35:25,360 --> 00:35:28,200 ‎目的は交尾ではなく捕食です 340 00:35:30,400 --> 00:35:34,560 ‎非常に残酷な食べ方をします 341 00:35:39,400 --> 00:35:44,160 ‎これは捕食者による擬態の ‎典型的な例です 342 00:35:48,120 --> 00:35:51,640 ‎別の種の行動を ‎模倣する習性… 343 00:35:52,840 --> 00:35:54,680 ‎殺すための擬態です 344 00:35:58,960 --> 00:36:03,720 ‎だまし合いは動物界では ‎珍しくありません 345 00:36:04,680 --> 00:36:08,080 ‎どの惑星でも ‎見られるでしょう 346 00:36:23,000 --> 00:36:27,320 ‎ヤヌスの生物グラブは ‎発光して身を守ります 347 00:36:32,040 --> 00:36:35,640 ‎しかし 発光信号に ‎悪用の危機が 348 00:36:47,040 --> 00:36:52,920 ‎ペンタポッドが 捕食した ‎グラブの発光物質を吸収し‎― 349 00:36:56,120 --> 00:36:58,800 ‎偽の警告信号を発したのです 350 00:37:04,640 --> 00:37:08,640 ‎本能的に ‎光から飛び退くグラブたち 351 00:37:10,520 --> 00:37:12,840 ‎でも これはワナです 352 00:37:15,840 --> 00:37:19,120 ‎ペンタポッドの思うつぼに 353 00:37:24,120 --> 00:37:29,200 ‎やはり 生き残りの秘けつは ‎適応力なのです 354 00:37:42,440 --> 00:37:44,960 ‎ヤヌスの生物にとって 355 00:37:45,240 --> 00:37:49,480 ‎生きるのに不可欠なものが ‎1つあります 356 00:37:52,920 --> 00:37:56,920 ‎どの地帯の生物にも ‎欠かせないもの 357 00:37:59,920 --> 00:38:00,680 ‎水です 358 00:38:12,800 --> 00:38:17,480 ‎アイスランド ‎クヴェーリル地熱地帯 359 00:38:20,200 --> 00:38:23,480 ‎「3匹のクマ」の話は有名だ 360 00:38:26,440 --> 00:38:30,280 ‎少女がクマの家で ‎おかゆを食べようとする 361 00:38:33,680 --> 00:38:35,400 ‎1皿目は熱すぎる 362 00:38:39,640 --> 00:38:41,920 ‎2皿目は冷たすぎる 363 00:38:46,440 --> 00:38:49,640 ‎3皿目で ようやく満足する 364 00:38:54,840 --> 00:38:56,520 ‎少女は言った 365 00:38:57,200 --> 00:38:58,800 ‎“ちょうどいい” 366 00:39:01,200 --> 00:39:07,440 ‎宇宙に生物がいるとしたら ‎その“ちょうどいい”環境だ 367 00:39:13,640 --> 00:39:19,400 ‎“ちょうどいい”環境とは ‎コレがある場所を意味する 368 00:39:20,280 --> 00:39:20,960 ‎水だ 369 00:39:27,680 --> 00:39:32,480 ‎水は生命に不可欠な物質を ‎世界中に届けます 370 00:39:34,760 --> 00:39:37,280 ‎あらゆる生物の体にも 371 00:39:41,400 --> 00:39:45,200 ‎宇宙で最も重要な物質です 372 00:39:52,960 --> 00:39:54,800 僕たちは水を― 373 00:39:54,880 --> 00:39:56,880 見慣れすぎていて その奇妙さに気づかない 374 00:39:56,880 --> 00:40:00,040 見慣れすぎていて その奇妙さに気づかない ドナト・ジョヴァネッリ 微生物学者 375 00:40:00,040 --> 00:40:00,360 ドナト・ジョヴァネッリ 微生物学者 376 00:40:00,360 --> 00:40:02,440 ドナト・ジョヴァネッリ 微生物学者 水を構成するのは 酸素原子1つと― 377 00:40:02,440 --> 00:40:03,640 水を構成するのは 酸素原子1つと― 378 00:40:05,400 --> 00:40:07,160 水素原子2つだ 379 00:40:08,160 --> 00:40:11,600 ‎元素の性質や ‎結合の法則からして 380 00:40:11,680 --> 00:40:16,720 ‎水素と酸素は それぞれ ‎正と負に帯電する 381 00:40:17,000 --> 00:40:19,440 ‎だから 水分子の水素原子は 382 00:40:19,520 --> 00:40:23,240 ‎隣接する水分子の酸素原子と ‎引き合う 383 00:40:23,680 --> 00:40:27,400 ‎その引き合いが ‎繰り返されると 384 00:40:27,480 --> 00:40:29,400 ‎粘度が生まれる 385 00:40:31,800 --> 00:40:34,320 ‎水分子は水だけでなく 386 00:40:34,720 --> 00:40:38,200 ‎触れた分子なら ‎ほぼ何でも引きつける 387 00:40:41,040 --> 00:40:43,320 ‎他の物質を引きつけ 388 00:40:43,960 --> 00:40:46,720 ‎分解して溶かしてしまう 389 00:40:59,520 --> 00:41:02,320 ‎水は万能の溶媒です 390 00:41:03,440 --> 00:41:08,000 ‎栄養素や化学物質を溶かす ‎独特の性質があります 391 00:41:15,840 --> 00:41:21,800 ‎地球初の生命誕生の舞台は ‎ほぼ確実に陸地ではなく‎― 392 00:41:24,000 --> 00:41:25,120 ‎海中です 393 00:41:31,640 --> 00:41:34,200 ‎原始の深海では‎― 394 00:41:34,280 --> 00:41:37,880 ‎生命のもとになる成分が ‎渦巻いていた 395 00:41:40,360 --> 00:41:43,880 ‎それが凝縮される場が ‎あれば‎― 396 00:41:45,920 --> 00:41:49,680 ‎化学反応が起きて ‎生命が誕生する 397 00:41:52,520 --> 00:41:56,000 ‎考えうる候補は熱水噴出口だ 398 00:41:59,800 --> 00:42:03,120 ‎地中の高温岩体に触れた水が 399 00:42:04,080 --> 00:42:09,280 ‎海底で湧き出して ‎海水中に栄養素を運び込む 400 00:42:11,360 --> 00:42:12,920 ‎生命の気泡だ 401 00:42:17,440 --> 00:42:21,400 ‎水と生命の関係は ‎あまりに密接で 402 00:42:21,920 --> 00:42:28,240 ‎水のない場所に 生物が ‎存在するとは考えられません 403 00:42:37,520 --> 00:42:42,400 ‎生物の驚異的な適応力には ‎度肝を抜かれる 404 00:42:42,600 --> 00:42:46,480 ‎どんな過酷な環境でも ‎結局は水だ 405 00:42:46,560 --> 00:42:49,080 ‎水があれば生物はいる 406 00:43:00,120 --> 00:43:03,120 ‎ヤヌスは水の少ない星です 407 00:43:05,840 --> 00:43:08,360 ‎凍りついてしまうか‎― 408 00:43:11,240 --> 00:43:13,520 ‎蒸発してしまいます 409 00:43:18,240 --> 00:43:23,120 ‎しかし かろうじて存在する ‎わずかな液体の水で‎― 410 00:43:26,320 --> 00:43:31,760 ‎たくましい生物だけが ‎適応し生き残れるのです 411 00:43:42,560 --> 00:43:45,160 ‎NASAの格言にいわく‎― 412 00:43:46,240 --> 00:43:50,440 ‎“生物を見つけたければ ‎水を探せ”です 413 00:43:59,720 --> 00:44:03,200 ‎地球外の環境に ‎生物はどう適応するのか 414 00:44:04,440 --> 00:44:06,720 ‎“太陽”が2つある‎― 415 00:44:09,440 --> 00:44:12,200 ‎地球より高エネルギーの世界 416 00:44:15,840 --> 00:44:19,440 ‎生物には ‎もってこいの惑星です