1 00:00:06,880 --> 00:00:10,080 ‎NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 2 00:00:25,560 --> 00:00:30,320 ‎地球には数百万種の生物が ‎生息しています 3 00:00:34,680 --> 00:00:38,400 ‎地球外にも生物は ‎いるのでしょうか? 4 00:00:45,160 --> 00:00:48,680 ‎宇宙には ‎無数の惑星があります 5 00:00:53,920 --> 00:00:57,360 ‎わずか一部にでも ‎生物がいれば 6 00:00:58,520 --> 00:01:03,280 ‎宇宙は生命に満ちていると ‎言えるでしょう 7 00:01:12,960 --> 00:01:16,640 ‎どんな生物も ‎求めるものは同じ 8 00:01:19,400 --> 00:01:20,680 ‎食べ物と… 9 00:01:27,320 --> 00:01:28,600 ‎繁殖と… 10 00:01:33,280 --> 00:01:34,120 ‎進化です 11 00:01:38,120 --> 00:01:43,200 ‎地球上の生命の法則を ‎宇宙にも応用すれば‎― 12 00:01:45,120 --> 00:01:48,840 ‎想像することができます 13 00:01:50,320 --> 00:01:52,600 ‎地球外生物の世界を 14 00:02:15,720 --> 00:02:19,360 ‎生命体が存在するには ‎惑星が必要です 15 00:02:20,680 --> 00:02:24,200 ‎宇宙に惑星は ‎いくつあるのでしょうか 16 00:02:28,920 --> 00:02:30,480 ‎太陽系では‎― 17 00:02:31,480 --> 00:02:36,760 ‎太陽の周りを地球や火星や ‎木星が回っています 18 00:02:41,560 --> 00:02:42,880 ‎何世紀も‎― 19 00:02:42,960 --> 00:02:46,360 ‎人類にとって 地球外の ‎惑星の存在は謎でした 20 00:02:46,360 --> 00:02:48,160 ‎人類にとって 地球外の ‎惑星の存在は謎でした 21 00:02:46,360 --> 00:02:48,160 ディディエ・ケロー教授 天体物理学者 22 00:02:48,160 --> 00:02:48,200 ‎人類にとって 地球外の ‎惑星の存在は謎でした 23 00:02:52,120 --> 00:02:53,880 ‎そして24年前‎― 24 00:02:54,560 --> 00:02:55,920 ‎私が発見した 25 00:02:57,280 --> 00:03:01,280 ‎チリ パラナル天文台 26 00:03:02,840 --> 00:03:06,840 ‎ケロー教授は ‎著名な天文物理学者です 27 00:03:09,200 --> 00:03:14,960 ‎太陽系外の惑星を発見し ‎ノーベル賞を受賞しました 28 00:03:18,640 --> 00:03:21,480 ‎発見当時は28歳でした 29 00:03:22,320 --> 00:03:24,560 ‎博士課程の指導教官が 30 00:03:24,960 --> 00:03:28,400 ‎観測装置開発の鍵を ‎与えてくれました 31 00:03:28,680 --> 00:03:32,400 ‎数回の観測で ‎ペガスス座51番星が 32 00:03:32,480 --> 00:03:35,080 ‎妙だと気付いたのです 33 00:03:36,720 --> 00:03:39,040 ‎当初は戸惑いました 34 00:03:40,120 --> 00:03:42,880 ‎てっきり装置の故障かと 35 00:03:44,120 --> 00:03:48,120 ‎どう考えても ‎つじつまが合いません 36 00:03:49,640 --> 00:03:53,480 ‎それが惑星だと ‎認めざるを得ませんでした 37 00:03:58,480 --> 00:04:00,240 ‎あれも惑星です 38 00:04:02,440 --> 00:04:03,920 ‎木星かな 39 00:04:04,480 --> 00:04:05,560 ‎興味深い 40 00:04:12,040 --> 00:04:15,720 ‎遠い惑星は ‎望遠鏡では見えません 41 00:04:15,840 --> 00:04:18,200 ‎発光していないためです 42 00:04:21,200 --> 00:04:24,200 しかし 惑星が 恒星の前を通ると 43 00:04:25,240 --> 00:04:30,760 恒星に惑星の影が落ちて わずかに暗くなります 44 00:04:32,920 --> 00:04:38,720 ‎この明るさの変化により ‎新たな惑星を発見したのです 45 00:04:41,920 --> 00:04:43,080 ‎やあ 諸君 46 00:04:44,000 --> 00:04:48,200 ‎これが今 望遠鏡で ‎見ている映像です 47 00:04:49,240 --> 00:04:52,520 ‎中央にあるのが観測対象です 48 00:04:52,720 --> 00:04:56,680 ‎全域を分析し ‎データを処理すると 49 00:04:56,760 --> 00:05:00,480 ‎運が良ければ ‎このようになります 50 00:05:00,560 --> 00:05:03,200 ‎この わずかな減少から 51 00:05:03,280 --> 00:05:06,800 ‎周回する惑星があると ‎分かるのです 52 00:05:10,960 --> 00:05:14,560 ‎宇宙には無数の惑星が ‎あります 53 00:05:17,720 --> 00:05:21,640 ‎さまざまな生物が ‎存在するはずです 54 00:05:22,240 --> 00:05:27,520 ‎これが地球だとしましょう 55 00:05:28,120 --> 00:05:33,440 ‎1メートルが ‎20光年だとします 56 00:05:33,840 --> 00:05:37,040 ‎地球から40光年のところに 57 00:05:37,120 --> 00:05:42,560 ‎最初の惑星が発見された ‎ペガスス座51番星があります 58 00:05:44,000 --> 00:05:48,840 ‎このライトは 惑星があると ‎判明した恒星です 59 00:05:51,320 --> 00:05:53,000 ‎その後 数年で‎― 60 00:05:53,440 --> 00:05:56,160 ‎次々と惑星が発見されました 61 00:05:57,400 --> 00:05:59,640 ‎惑星が いっぱい 62 00:06:03,360 --> 00:06:04,920 ‎壮観ですね 63 00:06:06,240 --> 00:06:10,240 ‎見渡すかぎり ‎恒星と惑星だらけです 64 00:06:17,000 --> 00:06:21,880 ‎太陽系の外にある惑星は ‎太陽系外惑星と呼ばれ‎― 65 00:06:26,480 --> 00:06:32,880 ‎発見数は4000を超え ‎今も発見され続けています 66 00:06:41,200 --> 00:06:46,800 ‎恒星には必ず惑星があると ‎考えられるようになりました 67 00:06:48,960 --> 00:06:55,120 ‎つまり 宇宙には膨大な数の ‎惑星があることを意味します 68 00:06:59,920 --> 00:07:03,840 ‎地球上の砂の粒よりも ‎多くの惑星です 69 00:07:05,840 --> 00:07:10,360 ‎生命体が進化する ‎巨大なキャンバスです 70 00:07:18,120 --> 00:07:21,120 ‎距離にも度肝を抜かれます 71 00:07:22,720 --> 00:07:26,920 ‎最も近い系外惑星でも ‎数十兆キロ離れています 72 00:07:29,720 --> 00:07:35,000 ‎どの星も地球と同様に ‎ある力の影響を受けます 73 00:07:37,200 --> 00:07:38,200 ‎重力です 74 00:07:46,160 --> 00:07:52,440 ‎地球の倍の質量と重力を持つ ‎惑星を想像してみましょう 75 00:07:56,000 --> 00:07:58,360 ‎架空の惑星 アトラスです 76 00:08:03,120 --> 00:08:06,640 ‎生物は ‎どう進化するのでしょう 77 00:08:17,880 --> 00:08:22,000 ‎重力に引き寄せられ ‎植物は高く伸びません 78 00:08:24,120 --> 00:08:27,520 ‎それでも種子は空を舞います 79 00:08:29,560 --> 00:08:32,600 ‎重力が非常に大きいので‎― 80 00:08:33,159 --> 00:08:36,479 ‎空気中の分子の密度が ‎高いためです 81 00:08:38,240 --> 00:08:43,280 ‎高密度の大気のおかげで ‎種子が浮遊できるのです 82 00:08:53,520 --> 00:08:55,200 ‎種子を食べるのは 83 00:08:56,160 --> 00:08:58,160 ‎スカイグレイザー 84 00:09:03,120 --> 00:09:06,640 ‎6つの翼で ‎高密度の大気に乗る‎― 85 00:09:07,040 --> 00:09:09,640 ‎巨大な草食生物です 86 00:09:21,160 --> 00:09:26,440 ‎地球の2倍の重力下では ‎体重も2倍になります 87 00:09:29,400 --> 00:09:31,920 ‎それでも落ちないのは 88 00:09:32,320 --> 00:09:36,840 ‎高密度の大気に ‎支えられているためです 89 00:09:43,640 --> 00:09:46,160 ‎アトラスでも地球でも 90 00:09:46,600 --> 00:09:50,880 ‎重力に打ち勝たなければ ‎飛べません 91 00:09:53,960 --> 00:09:57,320 ‎イタリア ガルダ湖 92 00:09:59,320 --> 00:10:03,400 ‎重力と私は ‎複雑な関係にあると言えます 93 00:10:04,720 --> 00:10:09,080 ‎浮き上がろうとすれば ‎下に引っ張られます 94 00:10:11,920 --> 00:10:15,720 ‎ずっと空を飛ぶことを ‎夢みてきました 95 00:10:23,560 --> 00:10:27,200 体ひとつで空を飛ぶ パラグライダーは 96 00:10:27,200 --> 00:10:27,920 体ひとつで空を飛ぶ パラグライダーは F・グラツィアーノ パラグライダー操縦士 97 00:10:27,920 --> 00:10:28,000 F・グラツィアーノ パラグライダー操縦士 98 00:10:28,000 --> 00:10:29,680 F・グラツィアーノ パラグライダー操縦士 実にシンプルです 99 00:10:29,680 --> 00:10:30,360 F・グラツィアーノ パラグライダー操縦士 100 00:10:32,040 --> 00:10:34,640 ‎スカイグレイザーのように 101 00:10:35,120 --> 00:10:38,400 ‎翼で揚力を生み出します 102 00:10:42,000 --> 00:10:45,000 ‎しかし 大気の密度が低い ‎地球で‎― 103 00:10:46,640 --> 00:10:49,880 ‎飛び続けるのは一苦労です 104 00:10:54,080 --> 00:10:56,880 ‎実は空気も物質なのです 105 00:10:58,520 --> 00:11:00,120 ‎飛んでいると 106 00:11:00,520 --> 00:11:05,320 ‎空気が山肌を移動する ‎流体だと実感します 107 00:11:08,720 --> 00:11:12,360 ‎高密度の大気では ‎全く違う感覚でしょう 108 00:11:13,040 --> 00:11:17,120 ‎何もしなくても ‎ずっと浮いていられます 109 00:11:20,160 --> 00:11:24,240 ‎高度を上げるには ‎サーマルと呼ばれる‎― 110 00:11:25,080 --> 00:11:27,160 ‎上昇気流が便利です 111 00:11:29,120 --> 00:11:33,400 ‎サーマルはエレベーターに ‎似ています 112 00:11:36,520 --> 00:11:38,080 ‎みるみる上へ 113 00:11:38,160 --> 00:11:39,600 ‎捉えたぞ 114 00:11:43,720 --> 00:11:46,240 ‎自然の力で上昇します 115 00:11:50,040 --> 00:11:54,880 ‎鳥が旋回して上昇していたら ‎サーマルがある証です 116 00:11:55,680 --> 00:11:58,120 ‎だから鳥を観察します 117 00:12:02,440 --> 00:12:07,640 ‎下に引く重力と ‎押し上げる大気を実感します 118 00:12:08,320 --> 00:12:10,800 ‎体重を使って加速し 119 00:12:10,880 --> 00:12:15,880 ‎そのスピードで ‎さらなる推進力を生むのです 120 00:12:34,680 --> 00:12:38,320 ‎重力はアトラスの半分ですが 121 00:12:39,120 --> 00:12:42,920 ‎その分 大気の密度も低く ‎揚力も劣ります 122 00:12:45,240 --> 00:12:48,520 ‎そのため いつか落下します 123 00:13:02,000 --> 00:13:05,040 ‎大気密度 124 00:13:10,680 --> 00:13:14,760 ‎スカイグレイザーは ‎地面に降りません 125 00:13:18,840 --> 00:13:22,600 ‎前後の翼で方向を操って ‎推進し‎― 126 00:13:25,480 --> 00:13:28,800 ‎中央の長い翼で ‎サーマルを捉えます 127 00:13:32,080 --> 00:13:33,720 ‎体重が重くても 128 00:13:34,440 --> 00:13:40,200 ‎密度の高い大気のおかげで ‎空中で生活できるのです 129 00:13:45,080 --> 00:13:48,680 ‎しかし 空も安全では ‎ありません 130 00:13:50,600 --> 00:13:55,040 ‎地球と同様に 草食種を狙う ‎捕食者がいるのです 131 00:13:57,360 --> 00:14:02,120 ‎水素を作る細菌を使って ‎空気袋を膨らませ 132 00:14:02,520 --> 00:14:04,520 ‎空へ飛び立ちます 133 00:14:15,040 --> 00:14:17,800 ‎単体では歯が立ちません 134 00:14:20,440 --> 00:14:22,600 ‎そのため 群れで‎― 135 00:14:24,400 --> 00:14:27,760 ‎はぐれた獲物を狙うのです 136 00:14:38,520 --> 00:14:41,920 ‎獲物を見つけると ‎気体を吐き出し‎― 137 00:14:44,440 --> 00:14:46,640 ‎上から襲いかかります 138 00:14:56,960 --> 00:14:59,080 ‎地球最速の捕食者も 139 00:14:59,160 --> 00:15:01,320 ‎同じ手を使います 140 00:15:04,640 --> 00:15:11,360 ‎ハヤブサの捕食本能と ‎圧倒的な速さに興味がある 141 00:15:16,320 --> 00:15:18,360 ‎速さを利用する天才だ 142 00:15:24,000 --> 00:15:27,240 ‎一流の狩りを見ていると… 143 00:15:31,520 --> 00:15:33,520 ‎最高の気分になる 144 00:15:35,800 --> 00:15:40,080 ‎ワイオミング州 ‎ウィンド・リバー・バレー 145 00:15:43,720 --> 00:15:46,600 ヴァへ・ アラヴァーディアン タカ使い 146 00:15:43,720 --> 00:15:46,600 ‎現在 30羽ほどを飼育中だ 147 00:15:47,400 --> 00:15:49,680 ‎どの鳥も性格が違う 148 00:15:50,760 --> 00:15:55,760 ‎ハヤブサの魅力は ‎生物としての完璧さにある 149 00:16:05,440 --> 00:16:07,720 ‎深い絆を感じてる 150 00:16:07,800 --> 00:16:09,800 ‎少なくとも僕はね 151 00:16:10,000 --> 00:16:14,160 ‎チームの一員くらいには ‎思ってくれてるはず 152 00:16:16,560 --> 00:16:22,160 ‎ヴァへは飼育下で繁殖した ‎ハヤブサに狩りを教えます 153 00:16:27,320 --> 00:16:31,600 ‎彼らは生まれながらに ‎一流の捕食者だ 154 00:16:34,440 --> 00:16:38,600 ‎僕らは その本能を ‎呼び覚ますだけさ 155 00:16:47,240 --> 00:16:49,240 ‎最初はルアー訓練から 156 00:16:49,320 --> 00:16:50,480 ‎さあ 行け 157 00:16:54,640 --> 00:16:57,000 ‎ルアーを鳥の前方に振り 158 00:16:57,560 --> 00:17:03,080 ‎目と足の動きを合わせ ‎獲物をつかむ動作をさせる 159 00:17:03,920 --> 00:17:06,920 ‎つかむ直前にルアーを引き 160 00:17:07,400 --> 00:17:10,360 ‎再び高く飛び上がらせる 161 00:17:11,280 --> 00:17:15,200 ‎できるだけ垂直に ‎降下させることを目指す 162 00:17:18,440 --> 00:17:22,200 ‎この練習が ‎狩り本番に役立つんだ 163 00:17:30,440 --> 00:17:35,200 ‎十分に訓練できたら ‎生きた獲物を使います 164 00:17:36,600 --> 00:17:38,120 ‎レース鳩です 165 00:17:41,200 --> 00:17:44,360 ‎ハヤブサは ‎鳩に追いつけません 166 00:17:45,560 --> 00:17:49,920 ‎重力を使って降下するのが ‎確実な方法です 167 00:17:55,840 --> 00:17:58,360 ‎チャンスを確信すると 168 00:17:59,560 --> 00:18:01,280 ‎翼を畳みこむ 169 00:18:04,640 --> 00:18:07,400 ‎しずく型の姿勢になって 170 00:18:08,920 --> 00:18:10,240 ‎急降下する 171 00:18:12,480 --> 00:18:15,000 ‎獲物が受ける衝撃は‎― 172 00:18:16,000 --> 00:18:19,800 ‎大砲の弾が命中するのと ‎変わらない 173 00:18:27,440 --> 00:18:31,040 ‎訓練で鳩が捕まることは ‎ありません 174 00:18:31,520 --> 00:18:35,400 ‎十分な高度から ‎降下させないためです 175 00:18:38,480 --> 00:18:40,240 ‎実際の狩りでは 176 00:18:40,520 --> 00:18:45,800 ‎もっと高くから降下し ‎確実に獲物をしとめます 177 00:18:51,520 --> 00:18:55,120 ‎重力加速度 178 00:19:06,440 --> 00:19:08,720 ‎狩りの始まりです 179 00:19:23,840 --> 00:19:25,600 ‎翼を広げて‎― 180 00:19:25,680 --> 00:19:27,200 ‎減速させます 181 00:19:28,800 --> 00:19:33,680 ‎バランスを崩し落ちてゆく ‎スカイグレイザー 182 00:19:42,720 --> 00:19:46,880 ‎しかし 今回の獲物は ‎手に余りました 183 00:19:53,560 --> 00:19:56,040 ‎今日の狩りは失敗です 184 00:20:07,920 --> 00:20:10,960 ‎安全な高さまで上昇し‎― 185 00:20:12,440 --> 00:20:13,960 ‎傷を癒します 186 00:20:19,440 --> 00:20:23,240 ‎しかし 若い雌には ‎別の客人が 187 00:20:25,680 --> 00:20:29,400 ‎交尾相手を求める雄たちです 188 00:20:36,640 --> 00:20:42,280 ‎本来なら 大きすぎる尾は ‎飛行の邪魔になります 189 00:20:43,640 --> 00:20:47,520 ‎でも 雌にとっては ‎雄の生命力の証 190 00:20:51,520 --> 00:20:57,040 ‎最初に追いついた雄だけが ‎遺伝子を残せるのです 191 00:21:04,720 --> 00:21:07,480 ‎その原理は地球でも同じ 192 00:21:08,760 --> 00:21:10,360 ‎空の上でも‎― 193 00:21:11,280 --> 00:21:12,720 ‎地上でも 194 00:21:15,960 --> 00:21:18,960 ‎雄は雌をめぐって戦います 195 00:21:24,200 --> 00:21:27,600 ‎テレビで昆虫の映像を ‎見ている人は 196 00:21:27,680 --> 00:21:32,800 ‎僕たちがジャングルや川で ‎撮影してると思ってる 197 00:21:33,120 --> 00:21:39,600 ‎じっと座って 甲虫の交尾や ‎戦いの瞬間を待っているとね 198 00:21:42,440 --> 00:21:43,440 ‎実際は違う 199 00:21:45,240 --> 00:21:48,880 イングランド コッツウォルズ 200 00:21:48,880 --> 00:21:49,920 イングランド コッツウォルズ 201 00:21:48,880 --> 00:21:49,920 ‎これは僕の実家に隣接する ‎ボロい物置小屋だ 202 00:21:49,920 --> 00:21:51,440 ‎これは僕の実家に隣接する ‎ボロい物置小屋だ 203 00:21:51,440 --> 00:21:54,160 ‎これは僕の実家に隣接する ‎ボロい物置小屋だ 204 00:21:51,440 --> 00:21:54,160 ロバート・ ホリングワース カメラマン 205 00:21:54,160 --> 00:21:54,520 ロバート・ ホリングワース カメラマン 206 00:21:55,640 --> 00:21:58,680 ‎実家での撮影は快適だよ 207 00:21:58,760 --> 00:22:02,880 ‎夕食もおいしいし ‎お茶も出てくる 208 00:22:03,920 --> 00:22:05,360 ‎母さん 見て 209 00:22:06,280 --> 00:22:07,600 ‎すごい 210 00:22:08,600 --> 00:22:10,200 ‎この虫は? 211 00:22:10,320 --> 00:22:12,120 ‎カブトムシだ 212 00:22:13,640 --> 00:22:17,040 ‎雄には立派な角があるが ‎雌にはない 213 00:22:17,120 --> 00:22:22,720 ‎雌は大きな角を持つ雄を ‎配偶者に選ぶ性質がある 214 00:22:24,320 --> 00:22:25,600 ‎交尾のたびに 215 00:22:25,680 --> 00:22:30,560 ‎前回の相手より ‎大きな角を持つ雄を選ぶ 216 00:22:30,840 --> 00:22:34,000 ‎角の大きな雄が ‎遺伝子を残すから 217 00:22:34,320 --> 00:22:37,400 ‎世代ごとに角が大きくなる 218 00:22:39,280 --> 00:22:40,160 ‎どこ? 219 00:22:40,240 --> 00:22:43,520 ‎もう1匹の雄に向き合わせて 220 00:22:44,440 --> 00:22:46,080 ‎早速 始まった 221 00:22:49,880 --> 00:22:55,160 ‎カブトムシの角は ‎スカイグレイザーの尾と同じ 222 00:22:57,920 --> 00:23:00,680 ‎性的競争のための進化です 223 00:23:21,280 --> 00:23:22,840 ‎また勝ったな 224 00:23:28,560 --> 00:23:29,520 ‎いいぞ 225 00:23:29,600 --> 00:23:32,040 ‎交尾の瞬間が撮れる 226 00:23:35,640 --> 00:23:36,760 ‎1 2 3 227 00:23:37,960 --> 00:23:38,760 ‎いい? 228 00:23:41,520 --> 00:23:42,680 ‎それを中に? 229 00:23:48,000 --> 00:23:52,200 ‎雌に認められる方法は ‎戦いだけではありません 230 00:23:53,240 --> 00:23:57,680 ‎優れた身体能力を誇示して ‎雌を誘う昆虫も 231 00:24:00,520 --> 00:24:03,800 ‎カメラの右側から雄が行くよ 232 00:24:06,440 --> 00:24:08,080 ‎おっと 失敗だ 233 00:24:09,200 --> 00:24:11,600 ‎シュモクバエです 234 00:24:14,760 --> 00:24:17,080 ‎実に興味深い昆虫だ 235 00:24:17,520 --> 00:24:21,640 ‎左右に伸びた柄の先に ‎巨大な目がついている 236 00:24:22,680 --> 00:24:26,480 ‎雄も雌も目が飛び出ているが 237 00:24:26,680 --> 00:24:29,360 ‎雄の柄のほうが長い 238 00:24:32,040 --> 00:24:34,800 ‎2匹の雄が向かい合って 239 00:24:34,960 --> 00:24:38,480 ‎ダンスをするような ‎行動を取る 240 00:24:44,640 --> 00:24:49,160 ‎どちらの柄のほうが立派か ‎勝負するんだ 241 00:24:51,080 --> 00:24:53,000 ‎にらみ合ってる 242 00:24:57,520 --> 00:25:01,040 ‎勝者は残り 敗者は退散する 243 00:25:03,280 --> 00:25:07,880 ‎勝者は雌と交尾する ‎資格を得る 244 00:25:08,280 --> 00:25:11,000 ‎より長い柄の遺伝子が 245 00:25:11,080 --> 00:25:14,080 ‎受け継がれていく仕組みだ 246 00:25:15,720 --> 00:25:17,600 ‎決定的瞬間だ 247 00:25:18,120 --> 00:25:19,400 ‎すばらしい 248 00:25:25,160 --> 00:25:28,280 ‎じっくり撮れるのは珍しい 249 00:25:34,880 --> 00:25:39,120 ‎雄が これほど長い柄を ‎発達させたのは 250 00:25:39,440 --> 00:25:43,000 ‎雌へのアピールになるからだ 251 00:25:43,080 --> 00:25:49,520 ‎不必要な部位を発達させる ‎余裕がある有望な雄だとね 252 00:25:51,720 --> 00:25:57,080 ‎天敵に捕食されることなく ‎生き残りながら 253 00:25:57,480 --> 00:26:01,840 ‎頭に 不必要に立派な角を ‎生やす余力もある 254 00:26:01,920 --> 00:26:04,880 ‎まさに理想の繁殖相手だ 255 00:26:19,040 --> 00:26:20,280 ‎アトラスでは 256 00:26:20,360 --> 00:26:26,360 ‎スカイグレイザーの長い尾が ‎理想的な繁殖相手の証です 257 00:26:28,200 --> 00:26:30,960 ‎長いほど雌に選ばれます 258 00:26:37,720 --> 00:26:41,360 ‎しかし 空中では ‎産卵できません 259 00:26:46,880 --> 00:26:49,080 ‎母親は地上に降ります 260 00:26:53,120 --> 00:26:58,400 ‎重力と重い体のせいで ‎二度と空へは戻れません 261 00:27:04,200 --> 00:27:08,280 ‎自分の命と引き換えに ‎新たな命を生むのです 262 00:27:22,200 --> 00:27:25,960 ‎母親の死骸のそばで ‎子は育ちます 263 00:27:29,320 --> 00:27:33,320 ‎いよいよ空へ飛び立つ時が ‎来ました 264 00:27:41,560 --> 00:27:44,440 ‎しかし 腐食生物が ‎狙っています 265 00:27:45,600 --> 00:27:50,440 ‎骨がないため ‎形の定まらない生物です 266 00:27:55,920 --> 00:28:00,200 ‎獲物を包み込んで ‎溶かしてしまいます 267 00:28:11,040 --> 00:28:17,240 ‎生まれたばかりですが ‎すでに絶体絶命の危機です 268 00:28:20,840 --> 00:28:24,160 ‎もう後戻りはできません 269 00:28:38,920 --> 00:28:42,480 ‎南アフリカ カラハリ砂漠 270 00:28:48,200 --> 00:28:53,080 ‎地球でも 幼い動物たちが ‎生き残るのは‎― 271 00:28:53,560 --> 00:28:55,160 ‎至難の技です 272 00:28:59,120 --> 00:29:04,000 ‎ミーアキャットの6割が ‎生後1年以内に死にます 273 00:29:06,320 --> 00:29:09,080 ‎幼いミーアキャットは‎― 274 00:29:09,400 --> 00:29:12,040 ‎多くの危険に直面します 275 00:29:12,680 --> 00:29:13,720 ‎生後しばらくは ‎襲われやすいのです 276 00:29:13,720 --> 00:29:16,680 ‎生後しばらくは ‎襲われやすいのです 277 00:29:13,720 --> 00:29:16,680 カースティ・マクラウド 生態学者 278 00:29:19,920 --> 00:29:23,640 ‎特に危険なのは ‎巣穴から出て1〜2ヵ月 279 00:29:25,920 --> 00:29:29,520 ‎常に捕食者が狙っています 280 00:29:34,840 --> 00:29:40,120 ‎ミーアキャットの子供を ‎捕食するヘビもいます 281 00:30:03,360 --> 00:30:06,640 ‎幼子も群れの中では ‎安全です‎が 282 00:30:07,320 --> 00:30:10,480 ‎群れを はぐれれば無力です 283 00:30:15,840 --> 00:30:18,680 ‎サソリの脅威もあります 284 00:30:24,560 --> 00:30:27,400 ‎子供には戦う力がなく‎― 285 00:30:27,800 --> 00:30:31,120 ‎サソリとの戦い方も ‎知りません 286 00:30:34,200 --> 00:30:36,720 ‎でも いつかは必ず‎― 287 00:30:38,640 --> 00:30:42,040 ‎倒し方を学ばねばなりません 288 00:30:49,640 --> 00:30:54,920 ‎初めてサソリと遭遇して ‎自力で対処するのは‎― 289 00:30:56,640 --> 00:30:59,000 ‎とても怖いでしょう 290 00:31:00,800 --> 00:31:03,440 ‎まさに正念場です 291 00:31:28,080 --> 00:31:32,440 ‎サソリ狩りの通過儀礼を ‎突破すれば‎― 292 00:31:33,280 --> 00:31:39,280 ‎自力で餌をとれるようになり ‎群れに貢献できます 293 00:31:40,880 --> 00:31:45,320 ‎未熟で か弱い存在を ‎卒業し‎― 294 00:31:45,400 --> 00:31:48,600 ‎大人への第一歩を ‎踏み出すのです 295 00:31:57,600 --> 00:32:00,960 ‎大人に1歩近づいたとは言え 296 00:32:01,160 --> 00:32:04,040 ‎決して安泰ではありません 297 00:32:05,160 --> 00:32:07,680 ‎今後も さまざまな危険から 298 00:32:07,760 --> 00:32:11,280 ‎身を守る方法を ‎学ぶ必要があります 299 00:32:23,240 --> 00:32:29,000 ‎幼いスカイグレイザーたちに ‎選択の余地はありません 300 00:32:31,280 --> 00:32:33,280 ‎飛ぶ時が来ました 301 00:33:03,160 --> 00:33:06,040 ‎空も安全ではありません 302 00:33:14,160 --> 00:33:18,760 ‎アトラスでは ‎生き残れるか否かは運次第 303 00:33:27,000 --> 00:33:31,160 ‎命は次の世代へと ‎つながれました 304 00:33:34,640 --> 00:33:36,400 ‎少なくとも今は 305 00:33:41,680 --> 00:33:47,000 ‎アトラスの大きな重力は ‎小惑星の衝突を招きます 306 00:33:55,120 --> 00:33:57,400 ‎多くは燃え尽きます 307 00:33:59,160 --> 00:34:02,840 ‎しかし 巨大な小惑星が ‎衝突すれば 308 00:34:05,120 --> 00:34:08,560 ‎生態系は ‎リセットされるでしょう 309 00:34:18,360 --> 00:34:21,760 ‎アトラスより ‎重力が小さい地球では 310 00:34:21,840 --> 00:34:24,480 ‎小惑星の衝突も まれです 311 00:34:27,320 --> 00:34:31,560 ‎しかし 衝突すれば ‎甚大な被害をもたらします 312 00:34:36,400 --> 00:34:38,680 ‎ここはユカタン半島 313 00:34:42,440 --> 00:34:46,280 ‎約7万平方キロの ‎熱帯雨林です 314 00:34:49,120 --> 00:34:54,600 ‎セノーテと呼ばれる陥没穴が ‎数多く見られます 315 00:34:55,560 --> 00:34:59,320 ‎メキシコ ユカタン半島 316 00:35:08,040 --> 00:35:12,680 ‎セノーテは ‎巨大な地中洞窟の入り口です 317 00:35:15,080 --> 00:35:18,760 ‎地表に川がない ‎ユカタン半島では 318 00:35:19,280 --> 00:35:23,040 ‎唯一の水源は ‎こうした地中湖のみ 319 00:35:30,080 --> 00:35:31,040 ‎セノーテの興味深い点は ‎その分布です 320 00:35:31,040 --> 00:35:34,320 ‎セノーテの興味深い点は ‎その分布です 321 00:35:31,040 --> 00:35:34,320 トーマス・アイリフ 海洋生物学者 322 00:35:34,320 --> 00:35:34,400 トーマス・アイリフ 海洋生物学者 323 00:35:34,400 --> 00:35:36,080 トーマス・アイリフ 海洋生物学者 324 00:35:34,400 --> 00:35:36,080 ‎半島全体には1万以上の ‎セノーテがあります 325 00:35:36,080 --> 00:35:39,440 ‎半島全体には1万以上の ‎セノーテがあります 326 00:35:40,200 --> 00:35:42,000 ‎でも 北東端では… 327 00:35:45,360 --> 00:35:49,680 ‎きれいな半円上に ‎分布しているのです 328 00:35:50,160 --> 00:35:54,440 ‎この半円を ‎メキシコ湾上へ伸ばすと… 329 00:35:57,880 --> 00:36:02,800 ‎小惑星の衝突でできた ‎クレーターと思われる‎― 330 00:36:02,880 --> 00:36:06,000 ‎完全な円が現れるのです 331 00:36:07,800 --> 00:36:10,000 ‎6500万年前‎― 332 00:36:10,080 --> 00:36:13,720 ‎重力が太陽系に ‎小惑星を引き寄せました 333 00:36:16,440 --> 00:36:18,520 ‎それが地球に衝突し 334 00:36:18,600 --> 00:36:22,760 ‎地球上の生物の75%を ‎絶滅させたのです 335 00:36:33,920 --> 00:36:37,320 ‎小惑星衝突で生じた破片は 336 00:36:38,120 --> 00:36:41,160 ‎2年間も日光を遮りました 337 00:36:44,560 --> 00:36:47,480 ‎世界は闇に包まれました 338 00:36:48,680 --> 00:36:50,200 ‎死の世界です 339 00:36:54,320 --> 00:36:59,280 ‎巨大小惑星が衝突すれば ‎アトラスも同じ運命に 340 00:37:01,080 --> 00:37:04,440 ‎セノーテの環境は過酷です 341 00:37:06,320 --> 00:37:10,000 ‎6500万年前の地球のようにね 342 00:37:12,240 --> 00:37:17,040 ‎絶滅を逃れるのに ‎不可欠な性質とは? 343 00:37:27,760 --> 00:37:28,800 ‎何かいる 344 00:37:39,640 --> 00:37:42,800 ‎ワニは たくましい動物です 345 00:37:44,720 --> 00:37:48,000 ‎水中でも陸上でも ‎生きられて‎― 346 00:37:50,320 --> 00:37:54,680 ‎雑食なので餌にも困りません 347 00:37:56,400 --> 00:37:58,160 ‎何でも食べます 348 00:38:00,400 --> 00:38:04,560 ‎とにかく食べられれば ‎何でもいいのです 349 00:38:09,720 --> 00:38:15,600 ‎このセノーテに落ちれば ‎出口はありません 350 00:38:16,920 --> 00:38:20,920 ‎あのワニは ‎この環境に適応しました 351 00:38:22,360 --> 00:38:24,160 ‎絶滅を免れたのです 352 00:38:26,920 --> 00:38:32,440 ‎変わり続ける世界では ‎ジェネラリストが有利です 353 00:38:46,400 --> 00:38:49,400 ‎アトラスに ‎小惑星が衝突すれば 354 00:38:49,640 --> 00:38:53,000 ‎スカイグレイザーや ‎捕食者は終わりです 355 00:38:59,360 --> 00:39:02,800 ‎特化型の彼らは ‎変化に適応できません 356 00:39:08,040 --> 00:39:11,840 ‎この星のジェネラリストは ‎腐食生物 357 00:39:13,000 --> 00:39:16,240 ‎ワニのように雑食で‎― 358 00:39:17,360 --> 00:39:19,480 ‎どこでも生きられます 359 00:39:23,640 --> 00:39:26,520 ‎重力の大きい ‎この架空の星で‎― 360 00:39:26,920 --> 00:39:30,360 ‎生き残るのは ‎彼らかもしれません 361 00:39:43,360 --> 00:39:47,240 ‎地球外の環境に ‎生物はどう適応するのか 362 00:39:48,320 --> 00:39:49,920 ‎彼らが住むのは 363 00:39:50,560 --> 00:39:55,680 ‎しゃく熱の砂漠や ‎凍りついた影の世界 364 00:39:57,720 --> 00:40:00,640 ‎まさに極限の世界です