1 00:00:13,972 --> 00:00:16,732 ‎ほかのどの曲よりも‎― 2 00:00:16,808 --> 00:00:21,058 ‎孤独を感じていたときに ‎書いた曲だ 3 00:00:24,149 --> 00:00:29,449 ‎迷っていたけど ‎きっと大丈夫だと思った 4 00:00:30,780 --> 00:00:31,990 ‎大丈夫 5 00:00:39,539 --> 00:00:43,419 ‎T・レズナーは1988年 ‎NIN(ナイン・インチ・ネイルズ)‎として活動開始 6 00:00:44,753 --> 00:00:49,513 ‎2作目はダークな ‎コンセプトアルバムで‎― 7 00:00:49,591 --> 00:00:51,051 ‎2位を記録 8 00:00:52,761 --> 00:00:56,011 ‎“‎Hurt(ハート)‎”はアルバム最後の曲 9 00:00:57,974 --> 00:01:03,944 ‎がれきの周りを歩き ‎回想するような感覚だ 10 00:01:06,274 --> 00:01:10,904 ‎数年後‎J(ジョニー)‎・キャッシュの ‎カバーも大ヒット 11 00:01:11,446 --> 00:01:15,576 彼は メンバーの A・ロスとともに― 12 00:01:15,658 --> 00:01:17,078 今や著名な作曲家 13 00:01:17,077 --> 00:01:17,787 今や著名な作曲家 「ワッチメン」 14 00:01:17,786 --> 00:01:18,406 「ワッチメン」 15 00:01:18,411 --> 00:01:19,121 「ワッチメン」 だが数十年前― 16 00:01:19,120 --> 00:01:20,160 だが数十年前― 17 00:01:20,246 --> 00:01:24,786 ‎彼は作品作りで ‎自身の暗闇を探っていた 18 00:01:28,379 --> 00:01:31,629 ‎「音楽を紡ぐ者」へようこそ 19 00:01:32,425 --> 00:01:35,045 ‎NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 20 00:01:45,396 --> 00:01:49,436 幼いころは あまり幸せではなく― 21 00:01:49,526 --> 00:01:52,316 たいてい孤独だった 22 00:01:53,571 --> 00:01:59,741 ‎ペンシルベニアの郊外で ‎外の広い世界に‎― 23 00:02:00,703 --> 00:02:01,873 ‎憧れた 24 00:02:01,955 --> 00:02:07,785 ‎ピンク・フロイドなどを聴き ‎安心感を覚えた 25 00:02:07,877 --> 00:02:11,917 ‎その音楽の謎を ひもとき‎― 26 00:02:12,006 --> 00:02:14,796 ‎自分の感情に映し出せる 27 00:02:14,884 --> 00:02:20,564 ‎まるで僕のために ‎書かれた曲のように感じた 28 00:02:21,683 --> 00:02:22,773 「ザ・ウォール」 ピンク・フロイド 29 00:02:22,767 --> 00:02:25,517 「ザ・ウォール」 ピンク・フロイド 孤独と痛みに 共感できて― 30 00:02:25,520 --> 00:02:26,310 孤独と痛みに 共感できて― 31 00:02:26,396 --> 00:02:27,226 ‎感情移入した 32 00:02:27,230 --> 00:02:28,110 ‎感情移入した 「ザ・ウォール」 ピンク・フロイド 33 00:02:28,106 --> 00:02:28,726 「ザ・ウォール」 ピンク・フロイド 34 00:02:28,731 --> 00:02:31,731 「ザ・ウォール」 ピンク・フロイド ‎その暗号を解明したかった 35 00:02:31,734 --> 00:02:32,154 「ザ・ウォール」 ピンク・フロイド 36 00:02:33,194 --> 00:02:38,204 ‎ピアノの ‎クラシックの曲も覚えたが‎― 37 00:02:38,283 --> 00:02:43,793 ‎自分が演奏したい曲を ‎作るようになった 38 00:02:44,581 --> 00:02:51,051 ‎まるで別の言語のように ‎何かを紡ぎ出せる気がした 39 00:02:52,172 --> 00:02:57,762 ‎最初は ‎好きな曲の模倣をしたが‎― 40 00:02:57,844 --> 00:03:01,104 ‎曲作りに向き合うことは‎― 41 00:03:02,182 --> 00:03:04,772 ‎避けていたんだ 42 00:03:04,851 --> 00:03:09,901 ‎自分の内面を引き出す ‎実験となった 43 00:03:10,982 --> 00:03:15,202 初ライブ クリーブランド 1989年 44 00:03:15,278 --> 00:03:17,528 感情の解放になった 45 00:03:17,614 --> 00:03:19,244 ‎悲しみや自暴 46 00:03:19,908 --> 00:03:24,658 ‎それらを ‎何か美しいものに変えていく 47 00:03:25,705 --> 00:03:30,205 ‎危険で ‎守られている気はしなかった 48 00:03:30,293 --> 00:03:32,803 ‎むき出しの感情だ 49 00:03:36,966 --> 00:03:40,886 ‎それは予想外に反響があった 50 00:03:44,849 --> 00:03:48,229 ‎1作目では長いツアーをした 51 00:03:50,647 --> 00:03:53,647 ‎メインストリームを避け‎― 52 00:03:55,735 --> 00:03:59,945 ‎世間に合わせるより ‎合わせさせた 53 00:04:00,865 --> 00:04:04,365 ‎だがレーベルと問題があり‎― 54 00:04:04,452 --> 00:04:09,792 ‎2作目を作る上で ‎周りの意見が気になった 55 00:04:09,874 --> 00:04:12,134 ‎何かに似せるべきか 56 00:04:12,210 --> 00:04:17,840 ‎自分が正しいと思うことを ‎何が何でも貫くべきだ 57 00:04:19,759 --> 00:04:24,309 ‎作品のイメージと ‎題名(タイトル)‎は決まっていた 58 00:04:24,389 --> 00:04:25,889 ザ・ダウンワード・ スパイラル 59 00:04:25,890 --> 00:04:28,640 ザ・ダウンワード・ スパイラル ‎物語を入念に練り‎― 60 00:04:28,726 --> 00:04:33,976 ‎タイムラインも書き ‎物語の筋書きができた 61 00:04:36,192 --> 00:04:41,242 ‎セックスやドラッグで ‎自暴自棄に走り‎― 62 00:04:41,322 --> 00:04:44,702 ‎それらに救済を求め‎― 63 00:04:44,784 --> 00:04:49,124 ‎目的と理由を ‎探そうとする人物の物語 64 00:04:51,374 --> 00:04:55,254 ‎アルバムの物語の結末は‎― 65 00:04:55,336 --> 00:05:01,466 ‎抽象的になり始め ‎幻覚的でさえある 66 00:05:01,551 --> 00:05:04,391 ‎錯乱状態は収まらない 67 00:05:09,267 --> 00:05:12,227 ‎“‎Hurt(ハート)‎”は あと知恵だ 68 00:05:12,312 --> 00:05:16,732 ‎アルバムの最後につけた ‎終結部だ 69 00:05:16,816 --> 00:05:22,736 ‎喪失感や後悔や切望を ‎反映している 70 00:05:22,822 --> 00:05:26,872 ‎作品全体を ‎力強く感じさせる曲だ 71 00:05:27,785 --> 00:05:33,955 ‎デモテープを入手したが ‎完成音源とはかなり違う 72 00:05:34,542 --> 00:05:39,552 ‎最終的なアレンジと違って ‎全編ピアノだ 73 00:05:43,885 --> 00:05:47,845 ピアノ デモ音源 74 00:05:52,685 --> 00:05:54,055 ‎作曲はピアノ? 75 00:05:54,687 --> 00:05:57,567 ‎ピアノは一番よく分かる 76 00:05:59,359 --> 00:06:04,989 ‎ただピアノの前に座って ‎思いつくまま歌った 77 00:06:05,948 --> 00:06:08,448 ‎ピアノバラードより‎― 78 00:06:09,035 --> 00:06:15,575 ‎アコースティックで ‎崩壊した印象にしたかった 79 00:06:16,584 --> 00:06:18,844 アコースティック ギター 80 00:06:18,836 --> 00:06:20,376 アコースティック ギター よく聴かないと 分からない 81 00:06:20,380 --> 00:06:21,880 よく聴かないと 分からない 82 00:06:23,633 --> 00:06:27,013 ‎それが逆にいいと思った 83 00:06:30,556 --> 00:06:34,056 ‎曲全体をとおして ‎揺らぎがある 84 00:06:34,143 --> 00:06:37,193 ‎発見された録音みたいに 85 00:06:37,772 --> 00:06:39,522 ‎何かが崩壊し‎― 86 00:06:39,607 --> 00:06:44,277 ‎ほこりまみれの中 ‎自信を喪失する感覚だ 87 00:06:47,532 --> 00:06:48,282 ‎痛みに意識を集中する 88 00:06:48,282 --> 00:06:50,622 ‎痛みに意識を集中する ボーカル 89 00:06:50,618 --> 00:06:52,198 ボーカル 90 00:06:52,870 --> 00:06:56,080 ‎それが唯一の現実 91 00:06:57,333 --> 00:07:00,633 ‎久しぶりに聴いたよ 92 00:07:00,711 --> 00:07:05,051 ‎針が穴をえぐっていく 93 00:07:06,217 --> 00:07:07,547 ‎声は? 94 00:07:07,635 --> 00:07:09,545 ‎ピッチが悪いね 95 00:07:10,179 --> 00:07:12,429 ‎小声で歌ってる 96 00:07:12,515 --> 00:07:19,145 ‎歌を意識しすぎてしまい ‎何度もテイクを重ねたあとだ 97 00:07:20,022 --> 00:07:24,652 ‎小声で ‎偽りのないように歌ってる 98 00:07:25,403 --> 00:07:30,623 ‎感情をむきだしにして ‎妙な恥じらいもある 99 00:07:31,117 --> 00:07:34,197 ‎でも何かが違っていた 100 00:07:35,204 --> 00:07:40,424 ‎デヴィッド・ボウイみたいに ‎歌えたらと思った 101 00:07:40,960 --> 00:07:45,050 ‎近寄りがたい印象を与え‎― 102 00:07:45,131 --> 00:07:47,881 ‎音楽の中に隠れたかった 103 00:07:47,967 --> 00:07:52,677 ‎そこで ‎ボーカルを下げてみたんだ 104 00:07:52,763 --> 00:07:54,433 当時の彼は 今とは別人だ 105 00:07:54,432 --> 00:07:56,102 当時の彼は 今とは別人だ アラン・モルダー ミキサー 106 00:07:56,100 --> 00:07:57,140 アラン・モルダー ミキサー 107 00:07:57,143 --> 00:07:58,193 アラン・モルダー ミキサー ‎歌詞が‎― 108 00:07:58,186 --> 00:07:58,226 ‎歌詞が‎― 109 00:08:00,062 --> 00:08:01,982 ‎胸に刺さった 110 00:08:03,065 --> 00:08:07,195 ‎彼の繊細な部分を ‎見せたんだろう 111 00:08:07,278 --> 00:08:09,028 ‎だが ‎彼は見事にその弱さを‎― 112 00:08:09,030 --> 00:08:10,740 ‎だが ‎彼は見事にその弱さを‎― フラッド 共同プロデューサー 113 00:08:10,740 --> 00:08:11,870 フラッド 共同プロデューサー 114 00:08:11,866 --> 00:08:12,906 フラッド 共同プロデューサー ‎みずから表現した 115 00:08:12,909 --> 00:08:14,159 ‎みずから表現した 116 00:08:14,243 --> 00:08:18,333 ‎彼は ‎歌詞を非常に大事にしている 117 00:08:18,414 --> 00:08:20,634 ‎最も大事なものだ 118 00:08:20,708 --> 00:08:24,458 ‎いつも歌詞を見せて ‎曲を聴かせる 119 00:08:24,545 --> 00:08:27,255 ‎歌詞が曲の根本にある 120 00:08:28,466 --> 00:08:34,466 ‎痛みに意識を集中する 121 00:08:36,349 --> 00:08:40,269 ‎それが唯一の現実 122 00:08:41,062 --> 00:08:44,192 ‎声が片側にパンされてる 123 00:08:44,273 --> 00:08:46,983 ‎声を隠したかったんだ 124 00:08:47,610 --> 00:08:52,780 ‎すべてを手に入れられる 125 00:08:52,865 --> 00:08:58,285 ‎俺の泥だらけの帝国 126 00:08:58,371 --> 00:09:00,331 ‎音を汚したね 127 00:09:01,249 --> 00:09:03,629 ‎聴きづらい音にした 128 00:09:03,709 --> 00:09:08,419 ‎よく聴き入らないと ‎分からないようにね 129 00:09:08,506 --> 00:09:13,796 ‎今でも胸に残る ‎歌詞の一部は? 130 00:09:15,471 --> 00:09:19,641 ‎歌詞の話を ‎したくない理由は‎― 131 00:09:19,725 --> 00:09:23,345 ‎自分の意図が ‎明るみに出るから 132 00:09:23,437 --> 00:09:28,067 ‎リスナーの経験や ‎どう感じるかが大事だ 133 00:09:28,150 --> 00:09:29,900 ‎今まで何曲も‎― 134 00:09:29,986 --> 00:09:35,656 ‎音楽ライターに ‎歌詞の意味を決めつけられた 135 00:09:35,741 --> 00:09:39,871 ‎歌詞をどう伝えるか ‎迷ったことは? 136 00:09:40,454 --> 00:09:41,294 ‎何を‎― 137 00:09:41,914 --> 00:09:43,874 ‎言わせる気だ? 138 00:09:44,709 --> 00:09:45,709 ‎歌詞の話 139 00:09:50,423 --> 00:09:54,553 ‎このアルバムを ‎書いていた当時は‎― 140 00:09:54,635 --> 00:09:57,555 ‎自分を見失っていた 141 00:09:59,807 --> 00:10:03,307 ‎部屋で ‎レコードを聴いてた自分 142 00:10:03,853 --> 00:10:06,903 ‎ステージの自分は誰なのか 143 00:10:07,398 --> 00:10:08,978 ‎ブタども! 144 00:10:11,861 --> 00:10:17,831 自分の姿がゆがんで 風刺されていった 145 00:10:18,868 --> 00:10:23,998 ‎それに僕は ‎注目されるのが苦手だった 146 00:10:24,624 --> 00:10:30,424 ‎常に 見捨てられたような ‎悲しみを感じていて‎― 147 00:10:30,504 --> 00:10:35,184 ‎自分はよそ者で ‎居場所がない気がした 148 00:10:35,259 --> 00:10:38,299 ‎意味もなくそう感じた 149 00:10:38,387 --> 00:10:41,347 ‎ビールでも何でも‎― 150 00:10:42,141 --> 00:10:45,651 ‎答えを見つけようと ‎手を出す 151 00:10:45,728 --> 00:10:50,818 ‎気分がよくなり ‎新しい姿に自信が持てる 152 00:10:51,776 --> 00:10:56,736 ‎性格をゆがませる ‎完璧なシナリオだ 153 00:10:56,822 --> 00:10:59,952 ‎人生最高の時間だったよ トレント 泥酔 154 00:10:59,950 --> 00:11:00,030 トレント 泥酔 155 00:11:00,034 --> 00:11:02,244 トレント 泥酔 ‎もう好きにしろ 156 00:11:05,581 --> 00:11:11,421 ‎悲しみを避けて ‎目的と居場所を求めていた 157 00:11:13,547 --> 00:11:17,677 ‎たわ言の王冠をかぶり 158 00:11:19,762 --> 00:11:23,932 ‎偽りのイスに座る 159 00:11:26,060 --> 00:11:29,520 ‎ちぐはぐな思考 160 00:11:31,857 --> 00:11:35,487 ‎それは修復できない 161 00:11:37,655 --> 00:11:38,815 アンビエント・ドローン 162 00:11:38,823 --> 00:11:41,033 アンビエント・ドローン 曲の始まりの音 163 00:11:41,033 --> 00:11:41,663 アンビエント・ドローン 164 00:11:42,284 --> 00:11:43,584 ‎好きな音だ 165 00:11:43,661 --> 00:11:44,541 ‎何の音? 166 00:11:45,037 --> 00:11:50,327 ‎スタジオをチューニングした ‎ココが使った機械 167 00:11:50,418 --> 00:11:56,128 ‎古びたSF風の箱で ‎さまざまな周波数の音を出す 168 00:11:56,966 --> 00:12:00,796 ‎その美しい音を ‎サンプリングした 169 00:12:00,886 --> 00:12:02,386 ‎今もよく使う 170 00:12:04,724 --> 00:12:06,484 ‎別のレイヤー 171 00:12:08,936 --> 00:12:12,186 ‎映画のサウンドデザインで‎― 172 00:12:12,273 --> 00:12:17,283 ‎不快にさせる音を ‎入れ込むことがある 173 00:12:17,361 --> 00:12:19,911 ‎それを表現したかった 174 00:12:22,450 --> 00:12:23,950 「イレイザーヘッド」 175 00:12:23,951 --> 00:12:26,251 「イレイザーヘッド」 D(デヴィッド)・リンチ作品に 影響を受けた 176 00:12:26,245 --> 00:12:27,825 D(デヴィッド)・リンチ作品に 影響を受けた 177 00:12:29,248 --> 00:12:31,458 ‎音楽というより‎― 178 00:12:32,126 --> 00:12:33,876 ‎そのサウンドに 179 00:12:34,879 --> 00:12:37,259 ‎ラジエーターがある 180 00:12:37,339 --> 00:12:40,929 ‎なぜか ‎不快な気分になるのは‎― 181 00:12:41,010 --> 00:12:44,930 ‎そのハミング音が ‎うるさいからだ 182 00:12:45,723 --> 00:12:48,483 ‎不快感のためではなく‎― 183 00:12:48,559 --> 00:12:53,559 ‎物語を伝えるための ‎感情的な舞台設定だ 184 00:12:53,647 --> 00:12:57,277 ‎作品全体に ‎潜在的な(サブリミナル)‎音を入れた 185 00:13:01,489 --> 00:13:04,159 エレキギター 186 00:13:04,158 --> 00:13:05,448 エレキギター ‎サビでは何本ものギターが ‎同じ音を弾いてる 187 00:13:05,451 --> 00:13:09,331 ‎サビでは何本ものギターが ‎同じ音を弾いてる 188 00:13:09,413 --> 00:13:13,503 ‎オープン ‎チューニングにして‎― 189 00:13:14,043 --> 00:13:16,963 ‎何テイクか重ねたんだ 190 00:13:17,046 --> 00:13:21,796 ‎大事なのは ‎不器用で不正確であること 191 00:13:21,884 --> 00:13:24,354 ‎そうすることで‎― 192 00:13:24,428 --> 00:13:28,638 ‎不安定な曲の物語を ‎表現できる 193 00:13:39,151 --> 00:13:41,491 ストリング・サンプル? 194 00:13:41,487 --> 00:13:43,447 ストリング・サンプル? ‎すごく好きな音 195 00:13:43,447 --> 00:13:43,987 ‎すごく好きな音 196 00:13:44,073 --> 00:13:46,913 ‎でも何の音か分からない 197 00:13:49,245 --> 00:13:50,495 ‎この音は‎― 198 00:13:52,498 --> 00:13:55,538 ‎とある技法を思いついた 199 00:13:56,126 --> 00:13:59,166 ‎ある楽器の一音を録音する 200 00:13:59,255 --> 00:14:02,085 ‎これはバイオリンかな… 201 00:14:02,174 --> 00:14:06,684 ‎無限リバーブのように ‎反響(フィード)‎させると‎― 202 00:14:06,762 --> 00:14:11,312 ‎パイプオルガンのような ‎トーンになる 203 00:14:11,976 --> 00:14:17,186 ‎シンセでもなく ‎チューニングも微妙だ 204 00:14:17,273 --> 00:14:19,193 ‎完璧ではなく‎― 205 00:14:20,693 --> 00:14:22,783 ‎人間味のある音だ 206 00:14:22,862 --> 00:14:25,742 ‎これで明かりをともす 207 00:14:26,657 --> 00:14:28,327 ‎水中から‎― 208 00:14:29,201 --> 00:14:33,371 ‎曲のクライマックスに ‎浮上させる 209 00:14:36,709 --> 00:14:40,709 ‎俺は何者に ‎  なってしまったのか 210 00:14:43,424 --> 00:14:46,594 ‎いとしい友よ 211 00:14:47,303 --> 00:14:49,143 ‎ピアノの前で‎― 212 00:14:49,221 --> 00:14:53,481 ‎サビのフレーズが ‎出てきたとき‎― 213 00:14:54,101 --> 00:14:56,351 ‎しっくりきたんだ 214 00:14:56,437 --> 00:14:58,767 ‎今でも鳥肌が立つよ 215 00:15:00,691 --> 00:15:05,201 ‎君はすべてを ‎  手に入れられる 216 00:15:06,280 --> 00:15:08,030 ‎感情を与えたい 217 00:15:08,115 --> 00:15:11,235 ‎すごいギターソロでも‎― 218 00:15:12,453 --> 00:15:14,463 ‎グルーヴでもない 219 00:15:14,538 --> 00:15:18,788 ‎鳥肌が立つことが ‎一番大事なんだ 220 00:15:18,876 --> 00:15:22,456 ‎君に痛みを与える 221 00:15:23,672 --> 00:15:28,182 ‎アートワークも ‎全部完成させた 222 00:15:28,969 --> 00:15:35,309 ‎“ラジオでかけられる ‎シングルはない”と言ったよ 223 00:15:35,392 --> 00:15:36,942 ‎自己満足の‎― 224 00:15:37,853 --> 00:15:40,063 ‎変わった作品だと 225 00:15:40,147 --> 00:15:43,067 ‎でもそれが爆発した 226 00:15:45,069 --> 00:15:48,609 ‎アルバムは ‎1994年3月に発売 227 00:15:48,697 --> 00:15:52,787 ‎高い評価を受け ‎チャート2位を記録 228 00:15:53,911 --> 00:15:57,751 ‎いい曲だが ‎あからさまではない 229 00:15:58,415 --> 00:16:03,835 ‎何度も聴いて ‎やっと分かるような曲だ 230 00:16:05,214 --> 00:16:07,724 ‎ボウイの声に憧れて‎― 231 00:16:08,300 --> 00:16:11,800 ‎この曲を彼と一緒に歌ったね 232 00:16:11,887 --> 00:16:13,307 ‎ああ そうだ 233 00:16:14,932 --> 00:16:18,772 アウトサイド・ツアー 1995年 234 00:16:29,863 --> 00:16:32,663 ‎信じられなかったよ 235 00:16:33,742 --> 00:16:35,912 ‎最高の瞬間だった 236 00:16:41,667 --> 00:16:46,167 ‎憧れのヒーローと ‎ステージに立てた 237 00:16:47,089 --> 00:16:52,009 ‎部屋で書いた曲が ‎美しい声で奏でられた 238 00:16:53,262 --> 00:16:54,262 ‎あれは… 239 00:16:55,097 --> 00:16:56,307 ‎感激した 240 00:17:10,696 --> 00:17:15,326 ‎久しぶりに ‎このバージョンを聴いて‎― 241 00:17:16,994 --> 00:17:17,914 ‎光栄だ 242 00:17:21,874 --> 00:17:26,004 自己破壊(セルフ・デストラクト)ツアー 1994~1996 243 00:17:27,588 --> 00:17:31,378 ‎目標を達成し ‎安心できると思った 244 00:17:31,967 --> 00:17:35,007 ‎実際は苦悩が大きくなった 245 00:17:35,763 --> 00:17:40,853 ‎自分の中の怪物に ‎向き合おうとしてる 246 00:17:40,934 --> 00:17:46,484 ‎音楽表現が一番得意だが ‎それは傷口を開くこと 247 00:17:46,565 --> 00:17:49,775 ‎幸福感と満足感は‎― 248 00:17:49,860 --> 00:17:53,950 ‎すぐ近くにあって ‎つかめそうなのに 249 00:17:57,242 --> 00:18:03,622 ‎このアルバムを通して ‎痛みを消す方法を探っていた 250 00:18:05,709 --> 00:18:11,589 ‎アルバム発表後 ‎数年間 依存症を抱えていた 251 00:18:16,178 --> 00:18:18,718 ‎なぜこんなことに? 252 00:18:23,894 --> 00:18:28,574 ‎作品の主人公の ‎自己破壊の物語は‎― 253 00:18:28,649 --> 00:18:32,189 ‎自分がやっていたことだった 254 00:18:33,445 --> 00:18:36,115 ‎自分の体験の集約だ 255 00:18:38,617 --> 00:18:43,247 ‎数年後 ‎J・キャッシュがカバーした 256 00:18:45,666 --> 00:18:49,916 ジョニー・キャッシュ 〝Hurt(ハート)〞 257 00:18:55,259 --> 00:18:59,929 ‎カバーで ‎歌詞との関係性は変わった? 258 00:19:00,013 --> 00:19:01,273 ‎ある程度 259 00:19:01,348 --> 00:19:07,648 ‎彼の壮絶な人生経験を経て ‎この曲が歌われ‎― 260 00:19:07,729 --> 00:19:10,729 ‎新たな意味合いが生まれた 261 00:19:11,692 --> 00:19:13,242 ‎感慨深かった 262 00:19:34,965 --> 00:19:39,635 ‎当時 作曲家として ‎自信を失っていて‎― 263 00:19:39,720 --> 00:19:42,350 ‎さまよっていたんだ 264 00:19:43,640 --> 00:19:49,400 ‎あの曲が生まれ変わり ‎安心感をもらったんだ 265 00:19:50,647 --> 00:19:53,147 ‎友人の抱擁のように 266 00:19:56,820 --> 00:19:58,490 ‎20代のころ‎― 267 00:19:58,572 --> 00:20:03,242 ‎50代までこれを ‎続けるかと聞かれたら‎― 268 00:20:03,327 --> 00:20:05,657 ‎明言はできなかった 269 00:20:07,206 --> 00:20:09,326 ‎“もちろん”ってね 270 00:20:10,959 --> 00:20:16,049 ‎この曲は毎回 ‎コンサートの最後に歌ってる 271 00:20:19,134 --> 00:20:21,474 ‎幾度となく歌って‎― 272 00:20:22,346 --> 00:20:24,806 ‎毎回 違う歌い方だ 273 00:20:29,895 --> 00:20:32,435 ‎深呼吸して振り返る 274 00:20:33,523 --> 00:20:34,823 ‎今の自分を 275 00:20:56,880 --> 00:21:00,300 ‎ライブで何度も歌ってきて‎― 276 00:21:01,134 --> 00:21:05,014 ‎毎回 ‎そのときの気分を覚えてる 277 00:21:06,723 --> 00:21:11,733 ‎静かに歌い ‎人々と つながれる気がする 278 00:21:12,521 --> 00:21:16,021 ‎人前が苦手な人間として… 279 00:21:17,943 --> 00:21:19,363 ‎強力な曲だ 280 00:21:23,699 --> 00:21:26,119 ‎曲をお聴きください 281 00:26:28,587 --> 00:26:33,587 日本語字幕 エンゲルマン 里恵