1 00:00:25,150 --> 00:00:28,236 アフリカ南部のボツワナ 2 00:00:28,695 --> 00:00:32,157 アフリカゾウの   約3分の1が生息し 3 00:00:32,282 --> 00:00:36,828 今でもゾウが広大な地を 自由に歩き回れる——  4 00:00:36,953 --> 00:00:39,289 地球最後の地です 5 00:00:42,834 --> 00:00:46,046 ディズニーネイチャーでは 6 00:00:46,171 --> 00:00:49,466 ゾウの大移動を描いています 7 00:00:55,638 --> 00:00:59,726 その舞台裏では  撮影クルーもまた 8 00:00:59,851 --> 00:01:04,189 ゾウを追って       往復1500キロを超える—— 9 00:01:04,314 --> 00:01:07,150 過酷な長旅をしていました 10 00:01:15,325 --> 00:01:17,285 大移動を追うことで 11 00:01:17,410 --> 00:01:23,500 類まれな生き物の新しい面を クルーは発見しました    12 00:01:24,125 --> 00:01:27,504 この作品を 制作する理由は—— 13 00:01:26,669 --> 00:01:32,634 監督 マーク・リンフィールド 14 00:01:27,629 --> 00:01:32,634 ゾウの大移動を捉えた 作品は珍しいからです 15 00:01:34,135 --> 00:01:39,557 旅の試練がゾウの     すばらしい面を引き出すし 16 00:01:40,058 --> 00:01:43,311 旅自体も壮大で 見ごたえがある 17 00:01:43,436 --> 00:01:47,357 ゾウは3~5か国を 移動しますが    18 00:01:47,482 --> 00:01:51,111 豊かな自然が広がっています 19 00:01:51,236 --> 00:01:55,323 見たことのない世界を 目にするでしょう   20 00:01:55,990 --> 00:02:01,329 アフリカ南部3分の1を 占めるカラハリ砂漠   21 00:02:03,289 --> 00:02:04,999 最初の課題は—— 22 00:02:05,125 --> 00:02:09,087 広大な地で       ゾウを見つけることです 23 00:02:10,171 --> 00:02:14,843 毎年 ゾウが集まる特別な 場所があります      24 00:02:15,760 --> 00:02:21,266 雨季の水が砂漠に流れ     形成されるオカバンゴ・デルタ 25 00:02:21,391 --> 00:02:24,519 ここが旅の出発点です 26 00:02:30,984 --> 00:02:37,031   メイキング映像     ~ゾウの足跡を追って~ 27 00:02:40,577 --> 00:02:44,414 ゾウより先を行きたい 制作チームが——   28 00:02:44,706 --> 00:02:48,835 迎えたのが       マイク・ホールディング 29 00:02:48,960 --> 00:02:52,630 20年以上        この地を撮影しています 30 00:02:53,923 --> 00:02:56,718 彼の役目はゾウの撮影に加え 31 00:02:56,843 --> 00:03:01,306 大がかりな旅の移動態勢を 整えることです      32 00:03:10,773 --> 00:03:13,818 捜索範囲は1万平方キロ 33 00:03:13,943 --> 00:03:18,239 水辺や島が        あちこちにある湿地帯で—— 34 00:03:18,364 --> 00:03:22,619 動物を見つけるのは 至難の業です    35 00:03:23,077 --> 00:03:26,539 我々が空から    観察しているのは—— 36 00:03:26,664 --> 00:03:29,167 水が流れる方向です 37 00:03:29,292 --> 00:03:32,170 動きが変わっている 場所には 38 00:03:29,292 --> 00:03:35,089 カメラマン マイク・ホールディング 39 00:03:32,295 --> 00:03:35,089 動物が集まっています 40 00:03:38,218 --> 00:03:40,220 ずっと見ていたい 41 00:03:40,345 --> 00:03:43,640 デルタの上空を飛ぶのは 最高だ         42 00:03:44,682 --> 00:03:48,728 オカバンゴは     空から眺めるに尽きる 43 00:03:48,853 --> 00:03:51,022 スケールを感じるし 44 00:03:51,147 --> 00:03:55,360 手つかずの自然は美しく 圧巻です        45 00:03:59,697 --> 00:04:03,534 まずはキャンプの  設営場所を探します 46 00:04:03,660 --> 00:04:07,872 条件はゾウの群れに近く 車で行ける場所     47 00:04:08,957 --> 00:04:12,877 道路はなく       詳細な地図もありません 48 00:04:13,002 --> 00:04:18,383 よってルートを決めるのに 飛行機は便利です     49 00:04:18,508 --> 00:04:21,844 どの方向へ進み どの川を渡るか 50 00:04:21,970 --> 00:04:24,847 どこが深いのか見られます 51 00:04:25,640 --> 00:04:30,228 でも この辺は水が多く 車での移動は大変です  52 00:04:30,603 --> 00:04:35,400 クルーがキャンプ地に  たどり着くまでには—— 53 00:04:35,525 --> 00:04:38,611 困難が待ち受けているはず 54 00:04:41,864 --> 00:04:47,578 デルタの真ん中にクルーと   約5トンの機材を運ぶには—— 55 00:04:47,704 --> 00:04:51,249 本格的な特注車両が必要です 56 00:05:06,306 --> 00:05:10,601   いかめしい車の呼び名は 〝沼のトラック〞    57 00:05:13,354 --> 00:05:19,610 初日の任務はデルタの中心に キャンプを設営すること   58 00:05:20,528 --> 00:05:25,491 フィールドガイド クリントン・エドワーズ 59 00:05:20,945 --> 00:05:22,363 行こう 60 00:05:22,822 --> 00:05:24,657 冒険の始まりだ 61 00:05:34,208 --> 00:05:39,881 町から約20キロ離れた デルタの一番南です 62 00:05:35,626 --> 00:05:39,881 フィールドガイド プレスリー・ムベハ 63 00:05:45,970 --> 00:05:49,557 〝沼のトラック〞の   実力が試されます  64 00:05:49,682 --> 00:05:53,936 今日は あと4回 水場を渡ります  65 00:05:54,270 --> 00:05:55,688 今のが一番 浅い 66 00:05:57,774 --> 00:06:03,529 一番 深い所では水圧で  ギアが動かせないと聞いた 67 00:06:03,654 --> 00:06:07,241 つまり水位は… この辺だ 68 00:06:03,654 --> 00:06:07,533 フィールドガイド ダンカン・ロウルズ 69 00:06:13,456 --> 00:06:16,959 深い時は       6輪駆動車で引っ張る 70 00:06:17,585 --> 00:06:21,839 車を全部つないで  ヘビのようにします 71 00:06:23,674 --> 00:06:25,718 エンジンは停止 72 00:06:26,511 --> 00:06:29,806 排気口をふさいで 荷物はルーフへ  73 00:06:29,931 --> 00:06:31,557 トラックが引っ張る 74 00:06:31,682 --> 00:06:33,059 どんな感じ? 75 00:06:33,309 --> 00:06:34,477 失敗したら? 76 00:06:35,937 --> 00:06:37,688 嫌な質問だ 77 00:06:51,411 --> 00:06:53,454 おっと 泳がないと 78 00:06:53,579 --> 00:06:55,373 完全に水の中だ 79 00:07:00,336 --> 00:07:03,172 その動きは何? ふざけてるの? 80 00:07:03,297 --> 00:07:05,466 よう いいね 81 00:07:09,053 --> 00:07:12,265 すごいね 今のは冒険だった 82 00:07:14,142 --> 00:07:16,894 ガタガタ でも平気さ 83 00:07:19,897 --> 00:07:22,984 仲間がキャンプ地へ急ぐ中 84 00:07:23,109 --> 00:07:27,738 カメラマンのマーティンと ガイドのプレスリーは   85 00:07:27,864 --> 00:07:30,158 途中で車を止めました 86 00:07:32,702 --> 00:07:35,997 突然 ゾウの家族が現れます 87 00:07:36,122 --> 00:07:39,876 興奮した様子ですが なぜでしょう    88 00:07:40,835 --> 00:07:46,090 カメラマン マーティン・コルベック 89 00:07:41,836 --> 00:07:43,713 大騒ぎです 90 00:07:46,382 --> 00:07:49,051 すごく興奮しています 91 00:07:49,177 --> 00:07:50,470 すごいな 92 00:07:54,891 --> 00:07:57,685 理由が明らかになります 93 00:08:00,271 --> 00:08:05,902 生まれたばかりの赤ちゃんだ うまく歩けない       94 00:08:06,027 --> 00:08:10,072 生まれてから     3~4時間くらいかな 95 00:08:11,741 --> 00:08:13,493 生まれたてです 96 00:08:13,618 --> 00:08:16,746 感動的だ 可愛らしい 97 00:08:19,373 --> 00:08:24,128 経験を生かし        ゾウを邪魔せずに撮影します 98 00:08:26,005 --> 00:08:29,550 大きなオスが   立ちはだかってる 99 00:08:30,593 --> 00:08:33,346 大丈夫だよ 心配ない 100 00:08:34,430 --> 00:08:38,059 それに草丈が高いのが 困ります       101 00:08:38,184 --> 00:08:40,853 赤ちゃんが見えにくい 102 00:08:42,897 --> 00:08:45,816 このオスは本当に厄介者だ 103 00:08:47,527 --> 00:08:50,571 母親は         オスを疎ましがりますが 104 00:08:50,696 --> 00:08:56,410 車を警戒する様子はなく 幸先のいいスタートです 105 00:08:59,956 --> 00:09:01,499 落ち着いて 106 00:09:02,333 --> 00:09:04,502 まだ興奮してる 107 00:09:05,336 --> 00:09:07,630 群れは車の後ろに 108 00:09:08,422 --> 00:09:14,136 母親が車を盾に このオスを 遠ざけようとしています   109 00:09:17,348 --> 00:09:19,183 赤ちゃんゾウだ 110 00:09:19,308 --> 00:09:22,103 可愛いな 見てください 111 00:09:24,772 --> 00:09:27,483 耳がピンクがかってる 112 00:09:27,817 --> 00:09:30,278 目はピンクじゃない 113 00:09:32,613 --> 00:09:36,242 へその緒が    まだついています 114 00:09:37,827 --> 00:09:39,745 ほら 見て 115 00:09:40,413 --> 00:09:42,373 幸運なスタートです 116 00:09:42,498 --> 00:09:46,085 キャンプ設営前から ゾウに遭遇し    117 00:09:46,877 --> 00:09:50,756 赤ちゃんゾウの第一歩を 捉えました       118 00:09:56,554 --> 00:10:00,891 前を行くクルーは    不運に遭遇していました 119 00:10:01,475 --> 00:10:05,104 今は3台が     立ち往生しています 120 00:10:06,105 --> 00:10:10,901 5分前 けん引ロープが外れ 真ん中の1台が横転     121 00:10:11,235 --> 00:10:13,863 いら立たしい状況だが… 122 00:10:14,905 --> 00:10:18,451 やるしかない   ゾウを追うためだ 123 00:10:18,701 --> 00:10:20,620 そうだ 押せ 押せ 124 00:10:23,789 --> 00:10:26,375 15時間 走り続けた後 125 00:10:26,500 --> 00:10:31,672 先頭の車は マイクが選んだ キャンプ設営地へ到着    126 00:10:32,548 --> 00:10:36,969 これから6週間     過ごすことになる島です 127 00:10:37,303 --> 00:10:43,351 マイクが飛行機で見つけて GPS座標を教えてくれた 128 00:10:46,896 --> 00:10:52,401 設営は済みましたが     後れを取ったクルーが日中に 129 00:10:53,069 --> 00:10:55,112 到着できるでしょうか 130 00:10:55,529 --> 00:10:57,406 母さん 愛してるよ 131 00:11:01,452 --> 00:11:06,582 残りの50キロ 何が起きるか 見当がつきません       132 00:11:09,585 --> 00:11:15,049 50キロ進むのにかかる時間は 1時間か または1日か    133 00:11:16,676 --> 00:11:19,887 抜け出すためウィンチを使う 134 00:11:20,012 --> 00:11:20,846 よし 135 00:11:20,971 --> 00:11:23,933 巻き戻すとネジが出てくる 136 00:11:24,058 --> 00:11:24,767 見える? 137 00:11:24,892 --> 00:11:27,019 そこにケーブルを 138 00:11:28,312 --> 00:11:32,274 いったん全部 外して 金属を加工する    139 00:11:33,067 --> 00:11:37,238 幸い指先は器用なので 取り付けは成功    140 00:11:38,322 --> 00:11:40,825 どうかな 報われるか 141 00:11:47,206 --> 00:11:50,084 やはり1日 かかりそうです 142 00:11:50,209 --> 00:11:51,460 いいぞ 143 00:11:51,919 --> 00:11:53,170 どうだ? 144 00:11:55,715 --> 00:11:58,759 最後の2台が ついに到着 145 00:11:58,884 --> 00:12:04,181 今回の挑戦の大変さを   初日から実感させられます 146 00:12:09,478 --> 00:12:13,315 赤ちゃんの撮影に   喜ぶマーティンですが 147 00:12:13,566 --> 00:12:17,528 すぐに群れが     消え去ったことを懸念 148 00:12:19,196 --> 00:12:23,576 ゾウを見失わない方法を 考えねばなりません   149 00:12:24,869 --> 00:12:29,540 幸い助っ人が      こちらに向かっています 150 00:12:33,377 --> 00:12:38,090 マイク・チェースは   ゾウの個体数を調査し 151 00:12:38,215 --> 00:12:42,219 カラハリ砂漠の      ゾウの移動を追う生態学者 152 00:12:43,387 --> 00:12:48,225 姿を確認          木の前にいて南に向かってる 153 00:12:50,811 --> 00:12:53,355 祖先がボツワナ人なので 154 00:12:53,481 --> 00:12:57,443 この地に帰属意識を 持っていて 155 00:12:55,858 --> 00:13:00,404 国境なきゾウ保護活動 理事/創設者 マイク・チェース博士 156 00:12:57,735 --> 00:13:00,988 ゾウとの絆を 感じています 157 00:13:01,113 --> 00:13:04,909 世界最大の      陸上動物であるゾウに 158 00:13:05,034 --> 00:13:09,789 興味をかき立てられ 魅了され続けてきた 159 00:13:12,792 --> 00:13:17,004 彼は野生のゾウの 調査だけではなく 160 00:13:17,129 --> 00:13:22,009 孤児となった子ゾウを 保護する活動を    161 00:13:22,134 --> 00:13:26,472 パートナーのケリーと 行っています     162 00:13:31,644 --> 00:13:35,022 孤児のゾウを見て  地元の子たちが—— 163 00:13:35,147 --> 00:13:40,528 野生動物の保護に      関心を抱くことを期待します 164 00:13:44,156 --> 00:13:46,158 ゾウの保護活動に—— 165 00:13:46,283 --> 00:13:50,454 携わっている人は 想像以上に少ない 166 00:13:50,830 --> 00:13:56,252 ゾウの未来を守る一員に なれて私は恵まれてる  167 00:13:56,377 --> 00:13:59,922 活動に喜びを   見いだしています 168 00:14:00,047 --> 00:14:01,465 ゾウを捜そう 169 00:14:01,590 --> 00:14:02,842 いざ 空へ 170 00:14:03,509 --> 00:14:06,720 情熱を共有する2人のマイク 171 00:14:06,846 --> 00:14:12,393 今日は長距離を旅する群れを 捜しに行きます       172 00:14:13,352 --> 00:14:18,399 ボツワナのゾウによる長旅は あまり知られていない    173 00:14:18,524 --> 00:14:24,613 ボツワナのゾウは ずっと 国内にいるとは限りません 174 00:14:24,738 --> 00:14:29,743 国境を越えるのに      パスポートも要りませんから 175 00:14:29,869 --> 00:14:35,207 発信機のデータを追跡すると ゾウはボツワナを出て    176 00:14:35,332 --> 00:14:38,168 ナミビア ザンビア アンゴラへ     177 00:14:38,294 --> 00:14:42,339 驚くほど行動範囲が 広いことが分かる  178 00:14:42,840 --> 00:14:46,385 ゾウに取り付けた発信機の データが——       179 00:14:46,510 --> 00:14:48,804 撮影の手助けになるはず 180 00:14:49,555 --> 00:14:54,226 発信機のついたメスの リーダーを捜してる  181 00:14:54,602 --> 00:14:56,896 乾季には この辺にいて 182 00:14:57,021 --> 00:15:00,900 他の群れと合流し   大きな集団になってる 183 00:15:01,025 --> 00:15:02,860 捜してみよう 184 00:15:03,110 --> 00:15:08,073 追跡アンテナで電波を  受信できるといいんだが 185 00:15:09,783 --> 00:15:12,244 まだ何も聞こえない 186 00:15:12,745 --> 00:15:15,039 姿が見えるといいね 187 00:15:17,499 --> 00:15:18,959 聞こえる? 188 00:15:20,210 --> 00:15:22,671 間違いなく反応してる 189 00:15:23,422 --> 00:15:27,301 大群は           作品のオープニングに使える 190 00:15:27,426 --> 00:15:33,140 そこから1つの群れに   焦点を当てて追っていこう 191 00:15:33,265 --> 00:15:37,144 目当ての群れの一員を 見つけたい      192 00:15:39,813 --> 00:15:42,066 反応が大きくなった 193 00:15:46,862 --> 00:15:48,656 やった いたぞ 194 00:15:50,115 --> 00:15:51,450 よかった 195 00:15:52,034 --> 00:15:57,039 この群れは しばらく  集まって過ごすだろう 196 00:15:57,164 --> 00:15:59,875 1~2か月は一緒にいる 197 00:16:00,000 --> 00:16:04,713 近づきやすい場所ではないが 何とかしよう        198 00:16:06,590 --> 00:16:09,051 よかった 君のおかげだ 199 00:16:10,970 --> 00:16:14,306 この地はゾウが  数百年前と同様—— 200 00:16:14,598 --> 00:16:19,228 自由に動き回れる   地球最後の場所なんだ 201 00:16:19,353 --> 00:16:23,190 理由は単純に  土地が広いから 202 00:16:23,315 --> 00:16:26,902 行動範囲は     ほぼ26万平方キロ 203 00:16:27,194 --> 00:16:29,655 だから捜すのは難しい 204 00:16:29,780 --> 00:16:30,864 だろうな 205 00:16:30,990 --> 00:16:33,993 発信機つきのゾウが 約300頭いて   206 00:16:34,118 --> 00:16:39,206 今いる場所や    旅のルートが分かる 207 00:16:39,331 --> 00:16:41,208 更新の頻度は? 208 00:16:41,583 --> 00:16:43,752 1時間に1度だ 209 00:16:43,877 --> 00:16:45,379 居場所が分かる? 210 00:16:45,504 --> 00:16:46,588 そのとおり 211 00:16:46,714 --> 00:16:47,631 何してる? 212 00:16:47,756 --> 00:16:48,716 始めよう 213 00:16:48,841 --> 00:16:50,175 何を待ってる? 214 00:16:50,300 --> 00:16:54,138 ネットにつながってれば 案内できる       215 00:16:54,263 --> 00:16:55,389 すばらしい 216 00:16:55,723 --> 00:16:57,016 やるぞ 217 00:17:00,686 --> 00:17:05,065 ゾウは1か月に1000キロ 移動できます        218 00:17:05,399 --> 00:17:08,777 車では行けない場所を通る 219 00:17:13,699 --> 00:17:14,450 いいね 220 00:17:14,575 --> 00:17:17,786 大自然を旅するのは大変です 221 00:17:17,911 --> 00:17:20,539 砂地に沼地 深い川 222 00:17:21,623 --> 00:17:24,043 茂みも行く手を阻む 223 00:17:24,376 --> 00:17:27,755 ゾウにとっても危険な旅路を 224 00:17:27,880 --> 00:17:32,760 撮影しながらついていくのは 難しい挑戦です       225 00:17:35,846 --> 00:17:39,266 初めはボートから 撮影しましたが  226 00:17:39,391 --> 00:17:43,854 ゾウはすぐ追えない場所へ 移動しました       227 00:17:45,230 --> 00:17:50,277 ゾウが進むのは       車では行きにくい場所ばかり 228 00:17:51,195 --> 00:17:52,446 カメラが 229 00:17:52,571 --> 00:17:56,909 そのため          よくドローンを飛ばしました 230 00:17:57,034 --> 00:18:00,370 距離がある場合は ヘリコプターも  231 00:18:00,496 --> 00:18:04,750 あらゆる技術を使って 群れを追いました   232 00:18:17,554 --> 00:18:19,681 あそこだ どうぞ 233 00:18:23,602 --> 00:18:29,942 空からは動物によって水路が 形作られる様子が見られます 234 00:18:36,990 --> 00:18:41,787 ゾウを水中から撮る必要が ありますが        235 00:18:42,079 --> 00:18:45,707 この地ならではの危険も あります        236 00:18:47,501 --> 00:18:48,752 デカいワニ 237 00:18:49,670 --> 00:18:50,462 ワニだ 238 00:18:50,587 --> 00:18:51,880 ああ 大物だ 239 00:18:52,673 --> 00:18:55,175 岸にデカいのがいた 240 00:18:55,300 --> 00:18:57,094 4~5メートルかな 241 00:18:59,054 --> 00:19:02,307 水中カメラマン       ロジャー・ホロックスは—— 242 00:19:02,432 --> 00:19:06,019 この潜水の       危険性を熟知しています 243 00:19:07,229 --> 00:19:12,442 この細い水路を形作っている カバやゾウに——      244 00:19:12,568 --> 00:19:15,362 いつ出くわすか分かりません 245 00:19:20,033 --> 00:19:23,245 ロジャーは助手と共に潜り 246 00:19:23,370 --> 00:19:26,498 マイクが船上から監視します 247 00:19:35,674 --> 00:19:39,052 デルタで潜った時 圧倒されるのは—— 248 00:19:39,178 --> 00:19:43,432 カバが通った道が   きれいにできてること 249 00:19:43,765 --> 00:19:46,935 水草にも目を奪われます 250 00:19:47,060 --> 00:19:51,773 複雑に絡み合い      自然のままで色彩も見事だ 251 00:19:56,987 --> 00:19:59,323 カバやゾウが その体で—— 252 00:19:59,448 --> 00:20:04,036 通り道を作って    水路が出来上がります 253 00:20:05,495 --> 00:20:11,418 我々はカバが作った水路を こうして泳げるのです   254 00:20:11,543 --> 00:20:14,046 体の巨大さが分かります 255 00:20:26,892 --> 00:20:31,188 制作陣が求めるのは 美しい水中の映像です 256 00:20:28,185 --> 00:20:32,481 水中カメラマン ロジャー・ホロックス 257 00:20:31,313 --> 00:20:34,566 ボートで 泥が巻き上がるため 258 00:20:34,691 --> 00:20:38,111 我々が前に出て 撮る必要がある 259 00:20:38,362 --> 00:20:41,031 先が分からないので 260 00:20:41,156 --> 00:20:45,244 ここで潜るのは    かなり危険な仕事です 261 00:20:45,369 --> 00:20:50,332 近くに何がいるか    見当もつきませんからね 262 00:20:53,377 --> 00:20:57,589 きれいだが         何がいるか分からなくて怖い 263 00:20:58,006 --> 00:20:59,883 他とは違う 264 00:21:00,884 --> 00:21:05,555 ボートの音を聞いた動物が 潜ると          265 00:21:05,681 --> 00:21:10,519 狭い水路で突然出くわし 噛まれる可能性がある  266 00:21:10,644 --> 00:21:13,855 お互いに不幸な状況です 267 00:21:52,686 --> 00:21:55,314 深い所では水が濁ってた 268 00:21:55,439 --> 00:22:00,110 ロジャーの後ろにいたら 突然 ワニが現れて   269 00:22:00,235 --> 00:22:04,406 ロジャーに教えたら 彼がワニを追い始めた 270 00:22:02,029 --> 00:22:07,284 ダイブアシスタント マチュー・ヴァン・ ゲーテム 271 00:22:04,531 --> 00:22:07,284 突然のことで驚いたよ 272 00:22:09,619 --> 00:22:11,580 視界が悪いから—— 273 00:22:11,913 --> 00:22:15,167 ワニは        こっちが見えなかった 274 00:22:15,292 --> 00:22:18,670 水が澄むまで   ここには潜らない 275 00:22:20,339 --> 00:22:23,133 今日の報酬は倍にすべきだ 276 00:22:23,258 --> 00:22:24,593 危険手当 277 00:22:35,187 --> 00:22:37,814 毎日 撮影しているうちに 278 00:22:37,939 --> 00:22:43,737 ゾウの愛らしい振る舞いに クルーは心を奪われます  279 00:22:45,072 --> 00:22:49,284 ゾウには人間と同様 個性があります 280 00:22:48,408 --> 00:22:53,163 製作補 タニア・ジェンキンス 281 00:22:49,409 --> 00:22:51,286 ケンカするおばさん 282 00:22:51,411 --> 00:22:56,291 虚勢を張る若者や 突進のマネをする子供 283 00:22:56,416 --> 00:22:59,294 1頭1頭 見分けられます 284 00:23:02,422 --> 00:23:04,383 遊び心があります 285 00:23:09,304 --> 00:23:14,267 動物に遊び心があるなんて 妙に聞こえるけど     286 00:23:14,393 --> 00:23:16,895 私は そう確信してる 287 00:23:20,941 --> 00:23:24,903 イボイノシシや空想の敵と 追いかけっこ       288 00:23:26,321 --> 00:23:29,699 茂みに隠れて不意打ち攻撃 289 00:23:30,117 --> 00:23:32,702 遊び心を感じます 290 00:23:33,870 --> 00:23:37,207 時々 力を抜いて走るんです 291 00:23:37,332 --> 00:23:39,835 耳や鼻をブラブラさせて 292 00:23:41,503 --> 00:23:45,507 ゾウには        ユーモアのセンスがある 293 00:23:48,385 --> 00:23:50,470 序盤で好きなのは—— 294 00:23:50,595 --> 00:23:54,933 子供のゾウが       動物を追い回すシーンです 295 00:23:55,058 --> 00:23:57,519 いたずらっ子みたいで 296 00:23:57,644 --> 00:24:01,815 個性が          よく表れている瞬間でした 297 00:24:03,108 --> 00:24:05,777 ゾウの友達のほうが多い 298 00:24:05,902 --> 00:24:10,407 優しく 愛情深く 賢く 一緒にいて楽しいからね 299 00:24:10,991 --> 00:24:12,617 そんな人はいない 300 00:24:12,742 --> 00:24:15,912 だからゾウと過ごしたいんだ 301 00:24:16,037 --> 00:24:18,457 一部の友人を除いて 302 00:24:24,713 --> 00:24:30,760 キャンプへの予期せぬ客の 来訪も思い出の1つです  303 00:24:34,639 --> 00:24:37,017 木が揺れる音で起きると 304 00:24:37,225 --> 00:24:40,854 ゾウ2頭が       ヤシの実を落としていた 305 00:24:41,813 --> 00:24:45,775 食べる物は違うが 一緒に朝食です  306 00:24:47,110 --> 00:24:49,196 コーヒーを飲みに来たら 307 00:24:49,321 --> 00:24:53,783 ゾウが木を揺らしていて 仰天しました      308 00:24:53,909 --> 00:24:55,994 かなり騒がしい 309 00:24:58,747 --> 00:25:02,751 実が豊富なので    当分ここで過ごすはず 310 00:25:03,126 --> 00:25:05,795 ゾウがご近所さんとはね 311 00:25:11,218 --> 00:25:13,678 ショウガみたいな味 312 00:25:13,053 --> 00:25:18,099 フィールドガイド プレスリー・ムベハ 313 00:25:13,803 --> 00:25:18,475 前にも食べたけど この実を全部 食べると 314 00:25:18,850 --> 00:25:21,102 口の中が乾きます 315 00:25:21,770 --> 00:25:25,482 レインツリーの葉を食べてる 316 00:25:26,024 --> 00:25:28,026 もう実はありません 317 00:25:28,151 --> 00:25:33,740 1頭が食べ尽くしたので  別の1頭はツイてなかった 318 00:25:34,074 --> 00:25:38,161 私は22年間     ガイドをしているので 319 00:25:38,286 --> 00:25:41,414 動物の習性は知っています 320 00:25:41,540 --> 00:25:46,586 このゾウは穏やかなので こんなに近づける    321 00:25:48,004 --> 00:25:50,465 発電機がついてるのに 322 00:25:50,590 --> 00:25:53,927 気にせず近づいてきました 323 00:25:54,052 --> 00:25:58,181 そのうちキャンプの真ん中に 来るかも          324 00:25:58,306 --> 00:26:00,433 そうなれば問題です 325 00:26:00,559 --> 00:26:03,186 散り散りに逃げないと 326 00:26:08,775 --> 00:26:14,531 数日後 歓迎できない客も  キャンプにやってきました 327 00:26:22,497 --> 00:26:26,042 日中 ライオンの群れを 見つけました      328 00:26:26,167 --> 00:26:29,671 メスが3頭に幼い子供が7頭 329 00:26:29,796 --> 00:26:33,383 発見後すぐ     狩りが始まりました 330 00:26:46,271 --> 00:26:48,315 キャンプ地はすぐそこ 331 00:26:49,316 --> 00:26:54,654 シマウマとヌーは群れで   集まったが まだ近くにいる 332 00:26:54,779 --> 00:26:59,784 メスライオンの決意は固く また挑戦するはず     333 00:27:05,624 --> 00:27:08,168 今度はキャンプ地へ 334 00:27:10,587 --> 00:27:14,507 キャンプ地で      ライオンが狩りをしてる 335 00:27:17,218 --> 00:27:18,887 聞こえるか? 336 00:27:19,012 --> 00:27:20,388 ええ どうぞ 337 00:27:20,639 --> 00:27:22,223 アルフレッドと車に? 338 00:27:22,349 --> 00:27:24,142 もう乗ってる 339 00:27:24,267 --> 00:27:27,937 動物が         キャンプを抜けていった 340 00:27:28,063 --> 00:27:29,397 ライオンは? 341 00:27:29,731 --> 00:27:33,026 そのまま動かず よく見張ってて 342 00:27:33,610 --> 00:27:35,362 突然 現れるかも 343 00:27:38,782 --> 00:27:40,241 あれはインパラ 344 00:27:40,367 --> 00:27:43,244 あそこにいた ライオンよ 345 00:27:48,625 --> 00:27:50,543 車内からだと—— 346 00:27:50,669 --> 00:27:53,296 見えるのは横と正面だけ 347 00:27:53,421 --> 00:27:56,841 後ろは 見えなかったんです 348 00:27:55,799 --> 00:28:00,595 フィールドアシスタント ダニエル・スピッツァー 349 00:27:56,966 --> 00:28:02,222 箱の中で小窓からしか 外を見られない感覚で 350 00:28:02,347 --> 00:28:04,015 それが怖かった 351 00:28:04,140 --> 00:28:09,312 ライオンが すぐ後ろや  車の下にいても分からない 352 00:28:09,437 --> 00:28:12,732 それは本当に… 恐怖でした 353 00:28:13,316 --> 00:28:15,193 そのまま車内に 354 00:28:15,819 --> 00:28:18,446 了解 状況を報告して 355 00:28:20,115 --> 00:28:21,700 よし… 356 00:28:22,909 --> 00:28:27,622 ライオンはまだ       この辺りにいるはずだけど… 357 00:28:28,039 --> 00:28:29,749 姿は見えない 358 00:28:29,874 --> 00:28:34,129 だから車内で    続報を待ってるけど 359 00:28:34,254 --> 00:28:36,548 もし見失ったら—— 360 00:28:36,965 --> 00:28:38,508 出られない 361 00:28:41,219 --> 00:28:42,721 あそこにいる 362 00:28:45,724 --> 00:28:49,769 今 ライオンが キャンプから出てきた 363 00:28:50,103 --> 00:28:53,523 こっちで10頭全部 確認できてる 364 00:28:54,524 --> 00:28:56,651 そっちは安全だ 365 00:28:56,901 --> 00:28:59,446 ライオンたちは島を越えて 366 00:28:59,946 --> 00:29:03,283 仕留めたインパラを 今 食べてる 367 00:29:05,368 --> 00:29:08,621 分かった もう少し車にいる 368 00:29:09,914 --> 00:29:13,543 出るタイミングは また知らせる 369 00:29:13,793 --> 00:29:17,589 こっちに来て ライオンを確認するか? 370 00:29:19,132 --> 00:29:20,550 心配でした 371 00:29:22,886 --> 00:29:26,514 突然 ライオンの群れが 現れた         372 00:29:29,017 --> 00:29:31,811 2人が歩いてた時にね 373 00:29:31,936 --> 00:29:35,732 簡単に           殺されていたかもしれません 374 00:29:39,986 --> 00:29:46,201 乾季が進むにつれデルタは 危険で過酷な土地へと変化 375 00:29:46,326 --> 00:29:50,789 水路は 流砂や        粘り気のある泥に変わります 376 00:29:51,790 --> 00:29:55,293 毎年 デルタは干上がり ゾウは移動       377 00:29:55,418 --> 00:29:59,297 水たまりは       ネバネバの泥と化します 378 00:30:02,509 --> 00:30:04,761 ゾウは参っています 379 00:30:04,886 --> 00:30:07,055 食べ物も水もなく—— 380 00:30:07,180 --> 00:30:09,516 心身共に弱っています 381 00:30:10,642 --> 00:30:15,772 つらかったのは 泥に  はまった子供の撮影です 382 00:30:22,237 --> 00:30:26,324 事態が急変し      命に関わる問題になった 383 00:30:26,908 --> 00:30:31,120 この子は        泥で身動きが取れません 384 00:30:32,247 --> 00:30:38,169 新米の母親が助けることは 不可能だと思いました   385 00:30:38,294 --> 00:30:41,339 しかし経験豊富なリーダーが 386 00:30:41,464 --> 00:30:44,884 冷静に         やるべきことをやります 387 00:30:45,009 --> 00:30:49,097 20年 ゾウを追ってきて 初めて見ました      388 00:30:49,222 --> 00:30:52,892 リーダーは       まず気道を確保しようと 389 00:30:53,017 --> 00:30:58,106 頭を持ち上げ 自分の鼻で 子供の鼻の泥を落とし   390 00:30:58,398 --> 00:31:01,109 呼吸できるよう掃除した 391 00:31:01,234 --> 00:31:02,861 驚きました 392 00:31:04,821 --> 00:31:08,908 次は子供を      泥から脱出させないと 393 00:31:11,286 --> 00:31:15,582 危機的状況を撮影するのは つらいものです      394 00:31:15,957 --> 00:31:19,419 子供は助からないと感じてた 395 00:31:19,794 --> 00:31:20,712 絶対に 396 00:31:24,173 --> 00:31:28,469 弱る子供には       抜け出すすべもありません 397 00:31:29,012 --> 00:31:32,390 命を落とすだろうと思った 398 00:31:32,640 --> 00:31:35,310 なのに私は何をしてる? 399 00:31:39,147 --> 00:31:42,567 でも一線を引く必要が あります       400 00:31:42,692 --> 00:31:47,155 この出来事は        我々がいなくても起こること 401 00:31:47,280 --> 00:31:50,033 干渉する立場にはない 402 00:31:50,158 --> 00:31:54,913 ドキュメンタリー制作の 仕事は記録です     403 00:31:55,038 --> 00:31:56,539 子供は助かった 404 00:31:56,664 --> 00:32:00,752 干渉していたら    違う結果になったかも 405 00:32:09,844 --> 00:32:13,389 抜け出した子供は 泥まみれでした  406 00:32:13,514 --> 00:32:17,310 まるでチョコに浸したようです 407 00:32:17,435 --> 00:32:19,979 ゾウの形をした泥の塊 408 00:32:22,273 --> 00:32:24,484 メスのリーダーが—— 409 00:32:24,609 --> 00:32:28,947 機転を利かせて  子供を救いました 410 00:32:31,074 --> 00:32:35,995 リーダーはまた     重要な役割を発揮します 411 00:32:38,623 --> 00:32:41,376 翌日 群れは姿を消しました 412 00:32:41,501 --> 00:32:44,587 マイクが       撮影していたゾウも—— 413 00:32:45,171 --> 00:32:47,173 同じ日に消えた 414 00:32:48,257 --> 00:32:51,094 完全に この地を去りました 415 00:32:51,219 --> 00:32:56,057 つまり それぞれの群れは 同調していて       416 00:32:56,182 --> 00:33:01,229 水が枯渇し始めているので 移動すべきだと      417 00:33:01,354 --> 00:33:05,817 リーダーが気づき    決断を下したのでしょう 418 00:33:05,942 --> 00:33:08,820 リーダーの大きな決断です 419 00:33:13,992 --> 00:33:16,911 この作品で挑戦したいのは—— 420 00:33:17,036 --> 00:33:20,623 ゾウの心のうちに 迫ることです   421 00:33:24,627 --> 00:33:29,048 〝ゾウは忘れない〞という  ことわざは本当です   422 00:33:29,382 --> 00:33:33,219 頭の中に地図があり 道を覚えている   423 00:33:33,344 --> 00:33:36,973 何百年も       受け継がれた情報です 424 00:33:42,395 --> 00:33:46,482 動物を追う時      次の動きを推測できれば 425 00:33:46,607 --> 00:33:49,235 スムーズに進みます 426 00:33:49,736 --> 00:33:52,613 ゾウは追うのが困難です 427 00:33:52,739 --> 00:33:56,743 今までに扱った  どの動物とも違う 428 00:33:56,868 --> 00:34:02,081 ゾウは我々にも      理解できる行動を示します 429 00:34:02,206 --> 00:34:06,669 子供たちへの愛情は 並外れていますし  430 00:34:06,794 --> 00:34:09,422 互いの絆を大事にする 431 00:34:09,547 --> 00:34:14,510 一見 人間と似ていますが やはり全然 違います   432 00:34:14,635 --> 00:34:19,307 撮影する上で       我々の想像が及ばない時も 433 00:34:19,432 --> 00:34:21,684 多々ありました 434 00:34:22,977 --> 00:34:28,107 これまでゾウを追うことしか できなかったクルー     435 00:34:30,526 --> 00:34:34,072 ついに〝先を行く〞撮影法に 挑戦します         436 00:34:35,031 --> 00:34:39,786 空撮に使われる       スタビライザー付きカメラを 437 00:34:39,911 --> 00:34:42,080 車のフロントに設置 438 00:34:42,830 --> 00:34:47,752 走りながら撮影ができ  ゾウに後れを取りません 439 00:34:47,877 --> 00:34:50,838 ヘリコプター用の機材ですが 440 00:34:50,963 --> 00:34:53,007 車に付けることで 441 00:34:53,132 --> 00:34:57,428 僕らの目線の高さから 撮影ができます    442 00:34:59,263 --> 00:35:01,682 ガタガタ揺れていても 443 00:35:00,139 --> 00:35:04,602 カメラマン トム・ウォーカー 444 00:35:01,808 --> 00:35:05,311 映像は滑らかに 撮れているんです 445 00:35:05,436 --> 00:35:11,067 カメラが中心点を軸に   回転して振動を補正します 446 00:35:13,027 --> 00:35:18,825 斬新な撮影法によって    物語の新しい伝え方ができる 447 00:35:18,950 --> 00:35:24,455 何年もの間 三脚を使い 望遠レンズで撮ってきた 448 00:35:20,701 --> 00:35:26,958 カメラマン マイク・ホールディング 449 00:35:24,580 --> 00:35:29,418 移動中に撮れるゾウは 向かってくる姿か—— 450 00:35:29,544 --> 00:35:32,505 遠ざかっていく姿だけ 451 00:35:32,880 --> 00:35:36,509 この機材があれば 可能性は無限だ  452 00:35:36,634 --> 00:35:43,015 今回は砂漠を越えるゾウの 壮大な旅を描く計画なので 453 00:35:43,141 --> 00:35:48,354 我々も一緒に移動できるなら 最高の方法だろう      454 00:35:48,479 --> 00:35:52,525 それにゾウがただ  通り過ぎるだけより 455 00:35:52,650 --> 00:35:57,029 見る側も旅を実感し 引き込まれるはず  456 00:35:58,865 --> 00:36:02,243 新しい撮影法を  編み出した頃—— 457 00:36:02,368 --> 00:36:08,249 ゾウが歩みを速めたので  マイクは飛行機で追います 458 00:36:10,126 --> 00:36:14,338 デルタを出ると      群れは1日50キロ近く歩き 459 00:36:14,463 --> 00:36:18,759 急いで灼熱しゃくねつの砂漠を 抜けようとします  460 00:36:21,262 --> 00:36:25,057 ここ何日か       ゾウの姿を見ていません 461 00:36:25,183 --> 00:36:29,812 最後に見た時        群れが心配な方向へ進んでた 462 00:36:29,937 --> 00:36:34,442 砂漠を出て       町へ向かっているのです 463 00:36:34,567 --> 00:36:38,279 ゾウにとって   いいことではない 464 00:36:38,404 --> 00:36:42,950 そこで知人の研究者と 会う約束をしました  465 00:36:43,075 --> 00:36:47,121 ここに住み         ゾウの移動を観察しています 466 00:36:47,246 --> 00:36:51,083 あの群れが      やってくるかについて 467 00:36:51,209 --> 00:36:55,213 彼らなら何か助言を くれるはずです   468 00:37:06,015 --> 00:37:09,185 出迎えたグラハムとアナは—— 469 00:37:09,310 --> 00:37:14,774 ゾウと共生しゾウへの理解を 改めようとしています    470 00:37:18,027 --> 00:37:23,491 2人の家があるのは     かつてゾウが歩き回った場所 471 00:37:23,616 --> 00:37:27,787 今では多くの人々が 生活しています   472 00:37:28,329 --> 00:37:29,121 ただいま 473 00:37:31,249 --> 00:37:34,001 子育てには大変な場所です 474 00:37:34,126 --> 00:37:38,965 でも娘たちにとっても ワクワクする経験かと 475 00:37:40,299 --> 00:37:43,511 この地へ移ってきた理由は—— 476 00:37:43,636 --> 00:37:47,932 人間とゾウの数が    同じくらいの地域だから 477 00:37:48,057 --> 00:37:52,353 食べ物や土地を巡って 人間とゾウが—— 478 00:37:48,849 --> 00:37:54,563 エコイグジスト 理事 アナ・ソングハースト 博士 479 00:37:52,478 --> 00:37:55,982 頻繁に争い 衝突が起きています 480 00:37:57,316 --> 00:38:03,114 ゾウと共に暮らすのが    どんなことかを理解するには 481 00:38:03,656 --> 00:38:07,618 実際に住んでみるしか 方法がない 482 00:38:04,949 --> 00:38:09,954 エコイグジスト 理事 グラハム・マカロック 博士 483 00:38:07,743 --> 00:38:11,289 1万5千頭のゾウと 一緒にね 484 00:38:12,373 --> 00:38:15,167 ここが私たちの家です 485 00:38:15,293 --> 00:38:18,754 最初はゾウが大好きでした 486 00:38:18,879 --> 00:38:23,718 でも今はゾウが木を倒し 水道管を引っこ抜くと  487 00:38:23,843 --> 00:38:25,761 〝おい 待てよ〞って 488 00:38:25,886 --> 00:38:28,055 全く別の話です 489 00:38:28,472 --> 00:38:33,769 何でも食べる5トンの   草食動物との共存は大変だ 490 00:38:33,894 --> 00:38:38,024 それが1万5000頭いたら 穏やかじゃない       491 00:38:38,482 --> 00:38:42,570 ゾウがよく集まっているのは ここよ           492 00:38:42,695 --> 00:38:44,947 主な〝回廊〞は ここと 493 00:38:45,072 --> 00:38:47,908 こっちと さらにもう1つ 494 00:38:48,034 --> 00:38:50,077 今いる場所がこれ? 495 00:38:50,202 --> 00:38:54,957 ゾウが通りそうな所に 定点カメラを仕掛ける 496 00:38:55,082 --> 00:39:00,254 ここへ群れが向かってるなら 3本のどれかを通る     497 00:39:00,379 --> 00:39:02,089 行ってみよう 498 00:39:04,133 --> 00:39:08,262 現在オカバンゴ・デルタには 住居や畑が——       499 00:39:08,387 --> 00:39:11,432 広がり始めています 500 00:39:13,976 --> 00:39:19,440 古くから使われてきたゾウの 通り道も遮られました    501 00:39:19,982 --> 00:39:23,027 全ルートを記録したところ 502 00:39:23,152 --> 00:39:27,031 他より多く使われたのが 13のルート      503 00:39:27,323 --> 00:39:31,369 その13ルートが   ゾウの回廊といえます 504 00:39:31,494 --> 00:39:34,163 今指しているこの場所よ 505 00:39:34,288 --> 00:39:40,294 回廊はメインのルートから  左右1キロ幅を持たせて設定 506 00:39:40,419 --> 00:39:43,255 土地の地権者は回廊の中に—— 507 00:39:43,381 --> 00:39:47,968 これ以上 畑を      作らないことにしています 508 00:39:49,345 --> 00:39:51,806 道を空けておけば 509 00:39:51,931 --> 00:39:57,353 今後 人やゾウが増えても ゾウの道は確保されて   510 00:39:57,478 --> 00:40:01,607 人は その他の場所で 作物を育てられる   511 00:40:04,944 --> 00:40:07,655 回廊はライフラインだ 512 00:40:07,947 --> 00:40:13,244 食べ物や水のある場所へ 移動できる道は重要です 513 00:40:13,369 --> 00:40:16,872 それを奪うことは ゾウたちを—— 514 00:40:14,286 --> 00:40:19,875 国境なきゾウ保護活動 理事/創設者 マイク・チェース博士 515 00:40:16,997 --> 00:40:20,543 狭い場所に 押し込めるのと同じ 516 00:40:21,001 --> 00:40:24,880 回廊はゾウに自由を 与えています    517 00:40:27,842 --> 00:40:33,973 地上最大の動物には     歩き回れる広大な地が必要だ 518 00:40:35,349 --> 00:40:37,393 ゾウの通り道を—— 519 00:40:37,518 --> 00:40:43,023 確保する取り組みの成果は しっかり出ていました   520 00:40:43,441 --> 00:40:46,152 これほど大きな群れが—— 521 00:40:46,277 --> 00:40:51,031 夜ではなく日中に    見られるのは珍しいです 522 00:40:53,784 --> 00:40:58,205 静かだった回廊は    ゾウで大混雑しています 523 00:41:06,088 --> 00:41:07,339 何百頭も 524 00:41:07,465 --> 00:41:08,507 見ろよ 525 00:41:21,395 --> 00:41:24,607 圧倒されたわ  ものすごい数ね 526 00:41:28,277 --> 00:41:29,320 来たぞ 527 00:41:33,574 --> 00:41:35,075 すごい 528 00:41:37,286 --> 00:41:43,125 回廊があれば人間とゾウは 平和に共存できるでしょう 529 00:41:37,995 --> 00:41:43,125 〝ゾウの回廊〟 530 00:41:43,250 --> 00:41:47,254 ゾウも昼夜を問わず 自由に動けます   531 00:41:52,551 --> 00:41:54,011 大きな群れだ 532 00:41:54,553 --> 00:41:57,181 マイクたちは映像を確認 533 00:41:57,306 --> 00:42:03,479 追ってきた群れも ここを  通過したことが判明します 534 00:42:03,604 --> 00:42:04,855 これも大きい 535 00:42:04,980 --> 00:42:08,150 もう通り過ぎたわけだけど 536 00:42:08,400 --> 00:42:11,111 道をたどって追いかけるか 537 00:42:11,403 --> 00:42:14,156 そうすれば また密着できる 538 00:42:14,281 --> 00:42:16,825 いいね それがいい 539 00:42:20,788 --> 00:42:24,208 マイクは       ジンバブエとの国境へ 540 00:42:24,333 --> 00:42:30,172 残っている水場をつなぐ道が 網目状に広がっています   541 00:42:30,297 --> 00:42:34,301 水場は砂漠を抜けるための 踏み石          542 00:42:34,426 --> 00:42:39,974 荒涼とした砂漠に ゾウが 通ってできた道が続いてる 543 00:42:42,226 --> 00:42:48,190 リーダーも子供も砂漠の熱や 砂ぼこりに苦しんでいて   544 00:42:48,315 --> 00:42:54,530 水場につながっている道か 不確かなまま歩き続けます 545 00:42:54,655 --> 00:42:58,784 数日おきに水が必要なので リスクが高い       546 00:42:58,909 --> 00:43:02,830 だが先祖から       受け継いだ記憶の地図で—— 547 00:43:02,955 --> 00:43:05,416 砂漠を越えていきます 548 00:43:10,087 --> 00:43:13,841 乾季の猛烈な暑さの中 撮影する時は——    549 00:43:13,966 --> 00:43:17,428 水場に先回りして ゾウを待ちます  550 00:43:17,553 --> 00:43:21,015 クルーは        あちこちに散らばり待機 551 00:43:21,515 --> 00:43:27,688 マイクの情報を参考にゾウが 向かう場所を割り出します  552 00:43:32,318 --> 00:43:35,112 旅で様々な出来事を目撃し 553 00:43:35,237 --> 00:43:38,741 ゾウが賢く感情豊かなことを 554 00:43:38,866 --> 00:43:42,161 撮影しながら実感しましたが 555 00:43:42,286 --> 00:43:46,290 感動したのは       マーティンと撮ったシーン 556 00:43:46,415 --> 00:43:50,669 ある時 群れが      ゾウの骨に遭遇したのです 557 00:43:50,794 --> 00:43:53,130 親戚だったのかも 558 00:44:06,935 --> 00:44:11,482 ゾウの振る舞いに    激しく心を打たれました 559 00:44:11,899 --> 00:44:17,196 ゾウたちは これまでと  全く違う様子を示すのです 560 00:44:17,738 --> 00:44:19,698 群れは静まり返り 561 00:44:19,823 --> 00:44:24,286 骨の主要な部分に   そっと触れていきます 562 00:44:24,620 --> 00:44:27,706 それは頭蓋骨ずがいこつや牙 563 00:44:28,123 --> 00:44:29,833 下あご 564 00:44:30,167 --> 00:44:31,960 骨盤 565 00:44:39,677 --> 00:44:43,847 他の動物の骨には   こんな反応はしません 566 00:44:44,306 --> 00:44:48,727 ゾウの骨だと       明確に分かっているのです 567 00:44:50,938 --> 00:44:55,526 すばらしい光景を   目の当たりにしました 568 00:45:02,157 --> 00:45:05,661 他のゾウの骨に  遭遇した群れは—— 569 00:45:05,786 --> 00:45:09,581 優しく骨に触れ  においを嗅ぎます 570 00:45:09,707 --> 00:45:13,585 誰がどう死んだのか 探るようでした   571 00:45:14,461 --> 00:45:17,673 死を悼んでいたのです 572 00:45:17,881 --> 00:45:22,970 お互いへの尊敬や思いやりが 表れていたし        573 00:45:23,095 --> 00:45:25,556 美しくて特別だった 574 00:45:28,934 --> 00:45:34,064 ゾウたちは骨を拾い上げて お互いに渡し       575 00:45:34,189 --> 00:45:37,234 骨の味や      においを感じていた 576 00:45:37,359 --> 00:45:42,364 15分ほど亡きゾウを  しのんでいるようでした 577 00:45:42,489 --> 00:45:44,742 実際は分かりません 578 00:45:44,867 --> 00:45:47,786 でも とても感動的でした 579 00:45:50,456 --> 00:45:53,625 この骨が示しているのは 580 00:45:53,792 --> 00:45:59,047 群れの生存のため     最年長のメスのリーダーに 581 00:45:59,173 --> 00:46:04,386 決して誤った決断は    許されないということです 582 00:46:08,724 --> 00:46:11,810 ゾウは何百キロもの 長旅の末——    583 00:46:11,935 --> 00:46:16,190 アフリカ大陸有数の大河に たどり着きます      584 00:46:18,567 --> 00:46:21,904 ザンベジ川は   まさにゾウの楽園 585 00:46:22,029 --> 00:46:25,741 群れが今後数か月   暮らすのに十分な—— 586 00:46:25,866 --> 00:46:28,786 食べ物と水があります 587 00:46:29,912 --> 00:46:34,333 到着を撮影できる場所に 陣取るクルー      588 00:46:34,458 --> 00:46:41,340 ゾウの旅のハイライトとなる すばらしい景色も収めます  589 00:46:43,842 --> 00:46:48,680 世界三大瀑布ばくふの1つ ビクトリアの滝です 590 00:46:50,599 --> 00:46:55,521 毎秒200万ガロン以上の 水が崖を流れ落ち    591 00:46:56,313 --> 00:47:00,818 〝雷鳴とどろく水煙〞を   作り出します      592 00:47:03,237 --> 00:47:07,908 壮大な滝を捉えるため 空撮を試みます    593 00:47:08,408 --> 00:47:11,912 しかし最先端のドローンを 使っても         594 00:47:12,037 --> 00:47:15,040 神経をすり減らす仕事です 595 00:47:16,250 --> 00:47:19,753 無謀なことを    しようとしています 596 00:47:19,878 --> 00:47:24,466 ドローンは あの島に沿って 谷を下りていき       597 00:47:24,591 --> 00:47:29,304 光の射すところを旋回したら 方向を変え         598 00:47:29,429 --> 00:47:32,683 引きで滝の全景を撮ります 599 00:47:33,433 --> 00:47:36,228 すでに水しぶきが かかってる    600 00:47:36,645 --> 00:47:39,398 滝の上空は もっとすごい 601 00:47:39,731 --> 00:47:44,236 大量の水が流れ落ち  水煙が舞い上がってる 602 00:47:44,361 --> 00:47:48,824 そこにドローンを    突入させるなんて無謀だ 603 00:47:58,584 --> 00:48:03,046 腕のいい操縦士の  ラッセルでも難しい 604 00:48:03,171 --> 00:48:04,131 すごい 605 00:48:04,256 --> 00:48:06,174 光が入ってきた 606 00:48:08,552 --> 00:48:12,598 上昇気流や      下降気流がすごいはず 607 00:48:12,723 --> 00:48:16,518 巻き込まれたら   墜落して終わりです 608 00:48:19,313 --> 00:48:20,814 よし 飛んでる 609 00:48:22,149 --> 00:48:23,400 すごい 610 00:48:23,734 --> 00:48:24,735 よし 611 00:48:30,490 --> 00:48:31,241 戻そう 612 00:48:31,658 --> 00:48:33,285 よく撮れた 613 00:48:33,410 --> 00:48:34,286 よし 614 00:48:45,923 --> 00:48:49,259 滝の空撮で     我々が心配したのは 615 00:48:49,760 --> 00:48:52,471 最新型の高価なドローンが 616 00:48:52,596 --> 00:48:55,933 びしょ濡れになり 故障すること   617 00:48:57,476 --> 00:49:02,773 滝に近づくとプロペラや  電子部品が水しぶきを浴び 618 00:49:02,898 --> 00:49:04,900 ジンバルも機能しない 619 00:49:16,954 --> 00:49:20,874 巨大な滝の上を飛ばすのは 緊張する         620 00:49:21,291 --> 00:49:25,754 厄介なのは        滝から飛び散る水しぶきで 621 00:49:25,879 --> 00:49:28,090 全体が濡れること 622 00:49:28,215 --> 00:49:31,677 下降気流や上昇気流も 問題です       623 00:49:31,802 --> 00:49:35,514 気流は不安定で 予測不可能です 624 00:49:36,431 --> 00:49:41,228 こんなにハラハラする 撮影は他にありません 625 00:49:37,224 --> 00:49:41,228 ドローン操縦士 ラッセル・マクローリン 626 00:49:42,938 --> 00:49:44,439 もう一度やろう 627 00:49:44,690 --> 00:49:46,566 いいぞ すばらしい 628 00:49:49,444 --> 00:49:51,697 そうだ すごい 629 00:49:52,155 --> 00:49:54,032 最高の眺めだ 630 00:49:55,200 --> 00:49:56,660 いいぞ ラッセル 631 00:50:01,123 --> 00:50:02,165 帰還させる 632 00:50:02,582 --> 00:50:04,042 ドローンを戻せ 633 00:50:12,092 --> 00:50:13,427 よくやった 634 00:50:13,552 --> 00:50:16,096 すごい映像が撮れた 635 00:50:16,221 --> 00:50:18,932 ドローンが無事で安心した 636 00:50:19,433 --> 00:50:20,809 やったぜ 637 00:50:21,226 --> 00:50:23,854 ラッセルは緊張したはず 638 00:50:23,979 --> 00:50:29,735 我々の注文は〝8万ドルの  機材を滝に飛ばし落とすな〞 639 00:50:30,235 --> 00:50:33,739 無事に戻れて   いい映像も撮れた 640 00:50:33,864 --> 00:50:38,201 オレンジの光が入った 断崖絶壁のショット  641 00:50:38,326 --> 00:50:42,456 あんなビクトリアの滝は 初めて見ました     642 00:50:47,836 --> 00:50:51,089 2か月後       水はぐっと減りました 643 00:50:51,214 --> 00:50:55,343 群れがオカバンゴ・デルタに 戻り始めます        644 00:50:55,469 --> 00:50:59,973 クルーも再びゾウの足跡を たどる旅へ        645 00:51:08,231 --> 00:51:10,901 再び走り始めるクルー 646 00:51:12,319 --> 00:51:16,865 ザンベジ川を後にし   目指すはワンゲ国立公園 647 00:51:16,990 --> 00:51:19,826 ジンバブエ最大の 動物保護区です  648 00:51:21,078 --> 00:51:25,707 ここでは暑さを避け  群れは夜に移動します 649 00:51:28,085 --> 00:51:32,047 しかし この地は  ライオンの生息地 650 00:51:45,977 --> 00:51:52,359 最新のカメラを使えば    暗闇でもカラーで撮影できる 651 00:51:53,276 --> 00:51:56,571 でも撮れる時間が 限られるので   652 00:51:56,696 --> 00:52:02,035 月の光があるうちに 撮影できるよう祈ってる 653 00:51:58,115 --> 00:52:02,035 カメラマン ギャヴィン・サーストン 654 00:52:11,962 --> 00:52:18,510 我々ガイドも 捕食動物の  夜間の行動を見る機会はない 655 00:52:18,635 --> 00:52:24,141 撮影を通じて夜にライオンを 観察できるのは貴重です   656 00:52:24,266 --> 00:52:30,063 楽しみですが 何が起こるか 分からない不安もあります  657 00:52:31,398 --> 00:52:36,153 暗闇ではゾウの目は   ほとんど見えていません 658 00:52:46,913 --> 00:52:51,376 車に興味を示す     若いライオンはいますが 659 00:52:51,835 --> 00:52:55,088 これほど近づくのは珍しい 660 00:53:12,856 --> 00:53:13,690 おい 661 00:53:14,274 --> 00:53:20,155 冷静さを保つのが大事です 懐中電灯で照らすと——   662 00:53:20,280 --> 00:53:22,490 ライオンは離れました 663 00:53:23,658 --> 00:53:25,577 近づくと こうなる 664 00:53:26,119 --> 00:53:27,829 もう1頭だ 665 00:53:30,832 --> 00:53:34,961 我々が遊び相手じゃないと 分かると         666 00:53:35,086 --> 00:53:38,590 ちょっかいを出さなくなった 667 00:53:42,510 --> 00:53:45,180 カメラに向かってきた時—— 668 00:53:45,597 --> 00:53:50,435 撮ろうとしたが       近すぎて焦点が合わなかった 669 00:53:50,560 --> 00:53:54,689 撮影最短距離は  恐らく80センチ 670 00:53:55,607 --> 00:53:58,276 ドアなしの車なのに 671 00:54:02,405 --> 00:54:04,157 でもライオンは好き 672 00:54:06,117 --> 00:54:07,702 噛まれなければ 673 00:54:10,622 --> 00:54:14,709 2人は毎晩        ライオンを観察しましたが 674 00:54:15,085 --> 00:54:19,464 ライオンはゾウに   興味を示していません 675 00:54:20,423 --> 00:54:26,137 ライオンたちは活動的だと みんな言ってるけど…   676 00:54:27,764 --> 00:54:29,683 ほら 寝返りを 677 00:54:40,652 --> 00:54:43,947 何も変化はなく とても静かです 678 00:54:47,784 --> 00:54:51,037 今のところゾウは安全ですが 679 00:54:51,538 --> 00:54:55,333 古い骨を見ると  油断はできません 680 00:54:58,670 --> 00:55:03,466 昼間ではなく夜間に  撮影することの違いは 681 00:55:03,591 --> 00:55:09,222 捕食者の多くが我々の存在を 警戒しないこと       682 00:55:09,597 --> 00:55:13,601 こちらは         用心しなくてはなりません 683 00:55:13,727 --> 00:55:16,813 それに夜の撮影を 続けていると   684 00:55:16,938 --> 00:55:20,525 体への負担も 大きくなります 685 00:55:17,480 --> 00:55:23,236 フィールドガイド クリントン・エドワーズ 686 00:55:20,650 --> 00:55:23,570 徹夜して昼もついていく 687 00:55:24,321 --> 00:55:26,323 タフな仕事です 688 00:55:31,786 --> 00:55:36,624 夜の撮影では       警戒を怠ってはいけません 689 00:55:37,125 --> 00:55:42,630 我々は3人体制で周囲や 物音に気を配っています 690 00:55:42,756 --> 00:55:45,342 妙な音や捕食者を… 691 00:55:45,467 --> 00:55:46,801 音がする 692 00:55:47,886 --> 00:55:49,763 後ろにライオンが? 693 00:55:52,390 --> 00:55:54,809 音が聞こえた 694 00:55:55,685 --> 00:55:57,771 もしかすると… 695 00:56:03,651 --> 00:56:08,615 ガイドが見張ってくれてると 思っていたが        696 00:56:09,282 --> 00:56:11,951 睡魔に負けたようです 697 00:56:38,019 --> 00:56:43,566 夜は用心すべきだと    言った直後に寝てしまった 698 00:56:43,983 --> 00:56:47,487 ライオンのような いびきをかいてね 699 00:56:56,538 --> 00:56:59,541 ライオンを見張っていても 700 00:56:59,666 --> 00:57:05,755 大自然の中のキャンプは  野生動物と常に隣り合わせ 701 00:57:13,012 --> 00:57:14,973 気づいてなくても… 702 00:57:22,313 --> 00:57:25,316 見られていると 感じたことは? 703 00:57:43,001 --> 00:57:47,464 数日前から姿を      消していたライオンは—— 704 00:57:49,674 --> 00:57:52,135 満月の夜に戻りました 705 00:57:52,427 --> 00:57:54,846 腹を空かせています 706 00:58:00,894 --> 00:58:03,313 戻るのを待ってた 707 00:58:04,314 --> 00:58:07,025 4日間 経ってやっと—— 708 00:58:07,567 --> 00:58:10,028 群れが戻ってきました 709 00:58:24,584 --> 00:58:25,877 身を起こした 710 00:58:31,674 --> 00:58:33,968 ゾウのほうへ向かってる 711 00:58:38,348 --> 00:58:39,224 もう1頭も 712 00:58:43,686 --> 00:58:44,896 始まった 713 00:58:50,485 --> 00:58:52,904 子供に飛びかかった 714 00:58:56,157 --> 00:58:56,783 移動だ 715 00:58:57,242 --> 00:59:00,620 メイキング担当の   カメラマンの映像です 716 00:59:00,745 --> 00:59:05,208 勇敢にも荷台から 撮影を続けました 717 00:59:06,042 --> 00:59:07,085 よし 718 00:59:11,631 --> 00:59:17,512 狩りが始まり2人の様子を 撮影しようとしました   719 00:59:17,637 --> 00:59:22,100 でも私は荷台にいて 周りにはライオン 720 00:59:19,097 --> 00:59:21,975 メイキング・カメラマン ルイス・ラブロム・ ブラウン 721 00:59:22,225 --> 00:59:27,855 しかも取り乱した母親ゾウが 車に向かってきました    722 00:59:33,820 --> 00:59:35,905 こっちに来るぞ 723 00:59:41,869 --> 00:59:43,454 ハラハラした 724 00:59:47,667 --> 00:59:51,588 ライオンが       ゾウを狙い始めた時から 725 00:59:51,713 --> 00:59:55,008 〝殺さないでくれ〞  と願いました   726 00:59:55,133 --> 00:59:58,595 母親ゾウが     振り切れて安心した 727 00:59:58,720 --> 01:00:03,057 8頭ものライオンを  1頭で追い払ったのは 728 01:00:03,182 --> 01:00:05,018 大したものです 729 01:00:18,323 --> 01:00:22,160 翌朝 クルーが    狩りの現場に戻ると 730 01:00:22,285 --> 01:00:25,747 予想どおり      ライオンはいましたが 731 01:00:25,872 --> 01:00:29,876 意外にも         ゾウの群れも近くにいます 732 01:00:33,046 --> 01:00:36,007 騒がしい音がしていました 733 01:00:36,132 --> 01:00:37,967 大混乱です 734 01:00:38,092 --> 01:00:40,511 ゾウが動揺していました 735 01:00:43,348 --> 01:00:45,600 訳が分からなかった 736 01:00:49,646 --> 01:00:52,774 群れは1点を見つめています 737 01:00:53,358 --> 01:00:56,569 リーダーが     横たわっていました 738 01:00:57,904 --> 01:01:01,532 息はありますが 時間の問題です 739 01:01:03,201 --> 01:01:07,163 リーダーと共に     情報や知恵が失われると 740 01:01:07,288 --> 01:01:10,458 群れは         気づいているようでした 741 01:01:12,210 --> 01:01:16,631 間違いなく        最年長のメスのリーダーは 742 01:01:16,756 --> 01:01:21,344 仲間が生き抜くために 必要不可欠です    743 01:01:21,636 --> 01:01:25,932 豊かな経験と知恵で 群れを率います   744 01:01:28,267 --> 01:01:31,813 まれにミスを犯すことも ありますが       745 01:01:31,938 --> 01:01:36,776 いつ どこへ行くべきか よく分かっています   746 01:01:39,195 --> 01:01:43,199 感銘を受けるのは ゾウの関係性です 747 01:01:43,324 --> 01:01:48,830 長く過ごすほど 仲間同士の 関係性が分かります     748 01:01:48,955 --> 01:01:54,168 家族間で何が起こっているか 読み解けるのです      749 01:01:54,669 --> 01:01:57,130 関係性を知ると—— 750 01:01:57,714 --> 01:02:02,593 そのゾウが何を感じているか 分かるようになる      751 01:02:07,473 --> 01:02:09,684 テーマは旅です 752 01:02:09,809 --> 01:02:14,272 アンゴラの高地から  デルタへ流れる水の旅 753 01:02:14,397 --> 01:02:17,817 我々が追っているゾウの旅 754 01:02:17,942 --> 01:02:22,029 でも私が一番     気に入っている旅は—— 755 01:02:22,155 --> 01:02:28,077 撮影当初 群れで2番目に 年長だったメスの物語です 756 01:02:31,956 --> 01:02:33,875 リーダーが死んだ時—— 757 01:02:34,000 --> 01:02:38,629 他の仲間は        そのメスを頼りにしました 758 01:02:38,755 --> 01:02:42,884 経験や教わったことを 思い出しながら    759 01:02:43,009 --> 01:02:48,431 メスは群れをデルタまで 導く必要があったのです 760 01:02:59,901 --> 01:03:06,365 物語の一員を失ったチームは さらなる不運に見舞われます 761 01:03:10,620 --> 01:03:13,456 雨季は まだ2か月先のはず 762 01:03:20,004 --> 01:03:23,466 今はちょっと   不安な気持ちです 763 01:03:23,800 --> 01:03:25,510 でも… 764 01:03:25,927 --> 01:03:31,307 最後には壮大な夕焼けの  シーンを撮ることができた 765 01:03:31,557 --> 01:03:34,227 嵐を背景に歩くゾウの群れ 766 01:03:35,186 --> 01:03:37,230 せめてもの救いです 767 01:03:40,274 --> 01:03:43,319 嵐が強まる中 待っていると 768 01:03:43,444 --> 01:03:46,656 ライオンが動き出しました 769 01:03:47,240 --> 01:03:51,202 これは私が        気に入っている夜のシーン 770 01:03:51,327 --> 01:03:54,080 まるでハロウィーンです 771 01:03:54,205 --> 01:03:59,168 ゾウのそばにいると  突然 嵐がひどくなり 772 01:03:59,293 --> 01:04:02,797 空が… 鳴ってる 空が暗くなって  773 01:04:02,922 --> 01:04:07,510 砂ぼこりが舞い      世界の終わりのようでした 774 01:04:07,635 --> 01:04:10,346 私たちの横にライオンが 775 01:04:10,888 --> 01:04:14,058 つむじ風に紛れて通り過ぎて 776 01:04:14,183 --> 01:04:17,812 ゾウの前に並び    そこでゾウも気づいた 777 01:04:20,940 --> 01:04:25,611 ライオンが攻撃するのか または その逆か    778 01:04:32,285 --> 01:04:34,245 ゾウが前に出ます 779 01:04:35,580 --> 01:04:37,957 ライオンは下がりました 780 01:04:39,375 --> 01:04:42,795 触れられるほど近くに来たが 781 01:04:42,920 --> 01:04:46,716 ライオンはゾウだけを 見つめていた     782 01:04:49,135 --> 01:04:51,262 迫力がすごかった 783 01:04:51,637 --> 01:04:55,057 まさにハロウィーンの夜です 784 01:04:58,019 --> 01:05:00,855 ジンバブエで     雨が降り出した頃—— 785 01:05:00,980 --> 01:05:05,318 すでに大雨が降っていたのが アンゴラの高地       786 01:05:05,443 --> 01:05:07,904 オカバンゴ・デルタの 水源です       787 01:05:21,542 --> 01:05:22,501 数か月後—— 788 01:05:22,627 --> 01:05:27,548 水はボツワナに戻り    再びデルタを潤し始めます 789 01:05:27,673 --> 01:05:31,969 水は1日に1キロ以上も 進んでいくので     790 01:05:32,094 --> 01:05:35,056 先回りする必要があります 791 01:05:35,181 --> 01:05:38,351 上空から当たりをつけました 792 01:05:38,476 --> 01:05:40,645 大きなクレーンを設置し 793 01:05:40,937 --> 01:05:45,316 水が流れ込み あふれる様子を撮れれば 794 01:05:41,520 --> 01:05:46,817 カメラマン ジョナサン・ジョーンズ 795 01:05:41,520 --> 01:05:46,817 カメラマン ジョナサン・ジョーンズ 796 01:05:45,441 --> 01:05:47,068 最高でしょう 797 01:05:47,693 --> 01:05:49,111 よし いくぞ 798 01:05:49,236 --> 01:05:52,573 問題は         もうすぐ日が暮れること 799 01:05:52,698 --> 01:05:55,701 明日でもいいと思ったが 800 01:05:55,826 --> 01:05:58,663 水のスピードを考えると 801 01:05:58,788 --> 01:06:02,416 夜のうちに      水の先頭は抜けていく 802 01:06:02,541 --> 01:06:05,044 だから何としてでも… 803 01:06:05,294 --> 01:06:08,464 明るいうちに収めたいです 804 01:06:09,173 --> 01:06:10,383 ここだ 805 01:06:11,926 --> 01:06:12,635 よし 806 01:06:12,760 --> 01:06:13,719 準備完了 807 01:06:13,844 --> 01:06:16,138 水のスピードが読めない 808 01:06:16,263 --> 01:06:19,767 歩く速さなのか 1時間2~3センチか 809 01:06:16,430 --> 01:06:19,350 助監督 トム・ステファンズ 810 01:06:20,017 --> 01:06:22,436 撮影のチャンスは1回だけ 811 01:06:23,354 --> 01:06:25,147 カメラを前へ 812 01:06:27,316 --> 01:06:28,901 いいぞ そのまま 813 01:06:29,026 --> 01:06:30,528 流れが速い 814 01:06:30,820 --> 01:06:32,029 いいぞ 815 01:06:36,909 --> 01:06:38,119 そのまま 816 01:06:41,080 --> 01:06:44,417 オカバンゴ・デルタの 洪水です       817 01:06:44,667 --> 01:06:48,879 アンゴラから      水がやってくる瞬間を—— 818 01:06:49,005 --> 01:06:50,464 撮影できた 819 01:06:50,589 --> 01:06:54,635 洪水の先頭を捉えるのは 大変です        820 01:06:54,760 --> 01:06:58,681 緊張しましたが すばらしかった 821 01:06:59,140 --> 01:07:04,854 3年の挑戦を経て ついに この瞬間を撮影できました 822 01:07:05,479 --> 01:07:07,815 エキストラの登場です 823 01:07:08,649 --> 01:07:13,571 ここはデルタの縁で ウシが生息する場所 824 01:07:13,696 --> 01:07:16,824 洪水はウシの飲み水となり 825 01:07:16,949 --> 01:07:19,160 農業も支えています 826 01:07:19,577 --> 01:07:23,998 水が来た途端に     ウシが集まり飲み始めた 827 01:07:24,123 --> 01:07:30,212 苦労したけど見事な光景を 撮影できてうれしいです  828 01:07:32,465 --> 01:07:38,804 オカバンゴ・デルタの洪水は 地球有数の壮大な営みで   829 01:07:39,138 --> 01:07:41,640 もどかしい現象です 830 01:07:41,766 --> 01:07:45,436 水は いつ来て どこへ向かうか 831 01:07:45,561 --> 01:07:49,398 地元の専門家に 聞いたとしても 832 01:07:49,523 --> 01:07:52,818 当たった試しが一度もない 833 01:07:55,946 --> 01:08:00,493 洪水が来るたびに   高揚感を覚えるんです 834 01:08:00,618 --> 01:08:02,620 旧友と会うみたいに 835 01:08:04,038 --> 01:08:09,001 荒れ果てた大地が    数週間で楽園へと変わり 836 01:08:09,126 --> 01:08:12,963 青々として      新しい命であふれます 837 01:08:13,506 --> 01:08:16,634 マークたちは飛行機に乗り 838 01:08:16,759 --> 01:08:21,305 デルタが命を吹き返す光景を 撮影します         839 01:08:21,430 --> 01:08:25,142 色彩の豊かさに 目を奪われます 840 01:08:25,267 --> 01:08:28,145 緑やエメラルド 黄土色に黄色  841 01:08:28,270 --> 01:08:31,607 わずか1キロ  移動する間にも 842 01:08:31,732 --> 01:08:34,151 色合いが大きく変わる 843 01:08:39,740 --> 01:08:44,912 空撮の見事な点は      デルタ全体を俯瞰ふかんできること 844 01:08:45,037 --> 01:08:48,707 地上では        一部しか見られませんが 845 01:08:49,041 --> 01:08:51,043 上空から見渡せば 846 01:08:51,168 --> 01:08:57,883 蛇行しながら流れていく水や 集まってくる動物が見られ  847 01:08:58,217 --> 01:09:01,178 全体の様子を把握できます 848 01:09:18,445 --> 01:09:19,947 地上では—— 849 01:09:20,072 --> 01:09:26,078 故郷を目指すゾウを     別のクルーが追っていました 850 01:09:26,203 --> 01:09:28,789 非常に有効だったのは—— 851 01:09:28,914 --> 01:09:32,835 スタビライザー付き カメラでの撮影です 852 01:09:32,960 --> 01:09:36,589 移動中のゾウを撮影できます 853 01:09:36,714 --> 01:09:40,718 今日 我々が     群れと並走していると 854 01:09:40,843 --> 01:09:45,973 後れを取って苦しんでいる 赤ちゃんがいました    855 01:09:51,937 --> 01:09:56,233 すると母親が戻ってきて 赤ちゃんを——      856 01:09:56,358 --> 01:09:59,111 励まし続けたのです 857 01:09:59,236 --> 01:10:02,323 一緒に旅をしてる気になれる 858 01:10:18,547 --> 01:10:20,549 ゾウは衰弱して 859 01:10:20,674 --> 01:10:23,969 暑さの中       ノドはカラカラで空腹 860 01:10:24,094 --> 01:10:25,638 まさに試練です 861 01:11:04,051 --> 01:11:05,594 ゾウの群れが—— 862 01:11:05,719 --> 01:11:11,976 カラハリ砂漠を抜ける   過酷な旅を乗り切れるのは 863 01:11:12,101 --> 01:11:15,312 家族の強い絆のおかげでした 864 01:11:17,940 --> 01:11:20,442 子供が放棄されるのは 865 01:11:20,859 --> 01:11:26,532 農民や密猟者に襲われ    固い絆が壊された時だけです 866 01:11:27,992 --> 01:11:31,412 そんな事態は    防がねばなりません 867 01:11:32,830 --> 01:11:34,540 ゾウは大切です 868 01:11:34,665 --> 01:11:40,212 人間のせいで親を失った ゾウがいたなら 869 01:11:36,667 --> 01:11:42,339 国境なきゾウ保護活動 理事/創設者 マイク・チェース博士 870 01:11:40,337 --> 01:11:44,091 助けてあげるのが 我々の義務です 871 01:11:46,969 --> 01:11:52,182 ボツワナでマイクたちが  管理するゾウの孤児院です 872 01:11:54,601 --> 01:11:56,395 5年にわたり 873 01:11:56,520 --> 01:12:01,942 彼らは大きな子供たちの  育児に試行錯誤しています 874 01:12:02,067 --> 01:12:07,698 特に赤ちゃんのゾウは元々 非常に感受性が強いので  875 01:12:07,823 --> 01:12:13,412 家族とはぐれてしまうと 愛情を必要とします   876 01:12:13,537 --> 01:12:15,914 相手を頼り不安になる 877 01:12:16,290 --> 01:12:18,542 何分かでも離れると 878 01:12:18,667 --> 01:12:23,213 ストレスを感じ       命を落とす可能性もあります 879 01:12:23,339 --> 01:12:27,718 だから我々は      片時もそばを離れません 880 01:12:27,843 --> 01:12:32,431 常に誰かが一緒に眠り 抱きしめます 881 01:12:29,261 --> 01:12:32,431 国境なきゾウ保護活動 理事 ケリー・ランデン 882 01:12:32,556 --> 01:12:35,017 大切なのはスキンシップ 883 01:12:35,142 --> 01:12:37,853 ゾウは触れ合いが好きです 884 01:12:37,978 --> 01:12:43,108 子供たちは絆や愛情を 感じる必要があります 885 01:12:48,822 --> 01:12:53,160 一緒に保護すると   孤児同士で絆を結べる 886 01:12:53,869 --> 01:12:55,954 新しい家族になれて 887 01:12:56,080 --> 01:13:00,167 共に遊び友情を育み 互いに学び合う   888 01:13:00,501 --> 01:13:03,337 我々は手助けをするだけ 889 01:13:03,462 --> 01:13:05,923 そう 鼻を使うんだ 890 01:13:06,048 --> 01:13:07,299 それでいい 891 01:13:07,424 --> 01:13:08,425 あれ見て 892 01:13:08,550 --> 01:13:11,762 密猟や人間との衝突によって 893 01:13:11,887 --> 01:13:16,350 ゾウの子供は群れから はぐれます そして… 894 01:13:17,101 --> 01:13:21,814 子供は自力で生き抜くことが できないのです       895 01:13:23,690 --> 01:13:30,197 ゾウの偉大さを感じる余裕が ボツワナの人にはありません 896 01:13:30,531 --> 01:13:35,536 地元の人々の生活の葛藤を 理解し共感することは   897 01:13:35,661 --> 01:13:41,583 ゾウだけでなく自然界の  未来を守る上で不可欠です 898 01:13:44,670 --> 01:13:49,425 孤児院にいる子供たちが 若い世代に       899 01:13:49,550 --> 01:13:54,346 自然保護の精神を    植えつけてくれることを 900 01:13:54,471 --> 01:13:57,641 我々は期待しているのです 901 01:14:01,687 --> 01:14:04,523 マイクとケリーは今日も—— 902 01:14:04,648 --> 01:14:09,987 ゾウに明るい未来を     もたらすため活動しています 903 01:14:14,575 --> 01:14:16,952 オカバンゴ・デルタでは—— 904 01:14:17,077 --> 01:14:21,957 水の戻った故郷でクルーが 群れの帰りを待ちます   905 01:14:22,875 --> 01:14:28,213 撮影を始めた場所に     1年の長旅を経て戻りました 906 01:14:28,547 --> 01:14:29,381 来たぞ 907 01:14:29,506 --> 01:14:33,343 クルーが         応援しているメンバーです 908 01:14:33,469 --> 01:14:36,763 すごい 大はしゃぎだな 909 01:14:37,306 --> 01:14:38,557 跳ねてる 910 01:14:39,391 --> 01:14:42,269 水しぶきを上げてるぞ 911 01:14:42,394 --> 01:14:45,647 新リーダーは   群れを導きました 912 01:14:46,064 --> 01:14:49,359 赤ちゃんも無事で クルーは大喜び  913 01:14:49,485 --> 01:14:53,530 これは最高の瞬間だ すばらしいよ    914 01:14:53,655 --> 01:14:55,115 すごい 915 01:15:04,082 --> 01:15:05,834 ああ やったな 916 01:15:08,337 --> 01:15:12,633 ゾウの旅を追いながら 私自身も旅をした   917 01:15:12,758 --> 01:15:17,304 忘れがたい瞬間にも 立ち会いました   918 01:15:17,971 --> 01:15:21,725 渇きに苦しむ姿や 赤ちゃんの誕生  919 01:15:21,850 --> 01:15:24,561 老いたゾウの死も見た 920 01:15:24,811 --> 01:15:29,024 期待していたより多くを 学べたと思う      921 01:15:29,149 --> 01:15:33,529 撮影を通して     ゾウの習性を知れたし 922 01:15:33,654 --> 01:15:36,031 魔法のような体験でした 923 01:15:38,325 --> 01:15:41,995 ゾウは子供にも大人にも 愛されてる       924 01:15:42,120 --> 01:15:47,417 30年前 私も      大きな衝撃を受けましたが 925 01:15:47,543 --> 01:15:50,379 ゾウは類まれな動物であり 926 01:15:50,504 --> 01:15:54,091 今後 何世代も  守るべき存在だと 927 01:15:54,216 --> 01:15:58,262 知ってもらえれば  この作品は成功です 928 01:16:04,184 --> 01:16:07,604 ゾウに関して    密猟や象牙取引など 929 01:16:07,729 --> 01:16:10,857 暗い話題が多かったので 930 01:16:10,983 --> 01:16:14,486 ゾウそのものに  光を当てようかと 931 01:16:14,945 --> 01:16:19,783 感情や社会性が豊かで  尊敬に値する生き物です 932 01:16:21,493 --> 01:16:24,830 そしてゾウが昔と変わらず 933 01:16:24,955 --> 01:16:28,959 自由に暮らせる    このすばらしい土地を 934 01:16:29,084 --> 01:16:32,963 守るべきだと    伝えたかったのです 935 01:16:36,341 --> 01:16:39,177 ゾウを救う取り組みの一環で 936 01:16:39,303 --> 01:16:45,350 2人のマイクはボツワナと 近隣国を空から観測し   937 01:16:45,475 --> 01:16:47,894 個体数を調査します 938 01:16:51,982 --> 01:16:53,692 この調査により—— 939 01:16:53,817 --> 01:16:58,280 長期的な変化の傾向が 分かるのです     940 01:16:58,405 --> 01:17:04,036 今 絶滅の危機にある    アフリカゾウの保護活動を 941 01:17:04,161 --> 01:17:07,706 マイクたちは続けています 942 01:17:08,415 --> 01:17:10,876 ここには たくさんいる 943 01:17:11,752 --> 01:17:15,505 でもマークには 教えたくないね 944 01:17:15,631 --> 01:17:19,551 クルーを        連れてこられない場所だ 945 01:17:19,676 --> 01:17:23,430 たどり着くまでに 心臓発作を起こす 946 01:17:23,555 --> 01:17:25,891 だが いい眺めだね 947 01:17:26,475 --> 01:17:29,019 我々2人で楽しむには 948 01:17:29,144 --> 01:17:31,063 君の言ったとおり—— 949 01:17:31,188 --> 01:17:36,234 ここのゾウは 人もカメラも 近寄れない聖地にいる    950 01:17:36,777 --> 01:17:40,322 ゾウにとっては最高の場所だ 951 01:17:40,906 --> 01:17:42,199 美しい 952 01:17:44,326 --> 01:17:46,286 何頭いると思う? 953 01:17:46,411 --> 01:17:48,497 かなり多いようだ 954 01:17:48,622 --> 01:17:52,292 世界有数の       ゾウの密集地域だからね 955 01:17:52,417 --> 01:17:56,630 何千頭も         集まっているかもしれない 956 01:17:57,047 --> 01:17:59,132 ゾウの楽園だな 957 01:17:59,257 --> 01:18:03,136 ゾウがゾウでいるために 残すべき場所      958 01:18:03,553 --> 01:18:06,973 こんな土地を見ると ホッとする     959 01:18:08,517 --> 01:18:11,812 ゾウは窮地に立たされてるが 960 01:18:11,937 --> 01:18:15,899 ボツワナ北部には   歩き回れる場所があり 961 01:18:16,024 --> 01:18:19,069 古くからの通り道もたどれる 962 01:18:19,695 --> 01:18:21,530 見て すばらしい 963 01:18:21,655 --> 01:18:22,781 美しい国だ 964 01:18:37,504 --> 01:18:40,966 ゾウの個体数調査の結果や 965 01:18:41,091 --> 01:18:44,678 保護地域の状況を見る限り 966 01:18:45,429 --> 01:18:48,140 ゾウは局所的に絶滅します 967 01:18:48,974 --> 01:18:54,563 でも私はゾウの最後のとりでで 保護活動ができて幸運です 968 01:18:54,688 --> 01:18:59,401 ここでゾウは       最後の抵抗を見せています 969 01:19:00,902 --> 01:19:06,116 この作品に携われたことに 感謝しています      970 01:19:06,241 --> 01:19:11,538 世界に伝えたいメッセージは ゾウは大切であり      971 01:19:11,663 --> 01:19:15,333 世界最大の生息地を守る上で 972 01:19:15,459 --> 01:19:20,797 皆さんが語ることが     非常に重要だということです 973 01:24:30,190 --> 01:24:32,192 日本版字幕 紺野 玲美子