1 00:00:19,394 --> 00:00:25,608 ‎6万年前 人類は初めて ‎アフリカの外へと移動した 2 00:00:30,697 --> 00:00:33,408 ‎それ以来 私たちは 3 00:00:34,325 --> 00:00:37,162 ‎地球上を旅し続けている 4 00:00:40,040 --> 00:00:43,543 ‎だが旅をするのは ‎人間だけではない 5 00:00:44,711 --> 00:00:46,296 ‎どんな瞬間にも 6 00:00:47,213 --> 00:00:50,467 ‎何十億もの動物が ‎移動している 7 00:00:54,220 --> 00:00:57,932 ‎そしてそれが ‎地球の健康を左右する 8 00:01:03,229 --> 00:01:10,236 ‎OUR PLANET 私たちの地球 II 9 00:01:18,703 --> 00:01:23,666 ‎“移動”は 生き延びるために ‎最も重要な戦略である 10 00:01:28,338 --> 00:01:29,589 ‎食料を求め 11 00:01:32,175 --> 00:01:33,176 ‎子を産み 12 00:01:34,928 --> 00:01:36,471 ‎家を探す 13 00:01:43,561 --> 00:01:46,022 ‎危険はつきまとう 14 00:01:55,115 --> 00:01:58,952 ‎このシリーズでは ‎急速に変化する世界で 15 00:01:59,035 --> 00:02:03,039 ‎動物がたどる途方もない旅を ‎観察しよう 16 00:02:07,460 --> 00:02:11,047 ‎そうすることで気づくだろう 17 00:02:12,132 --> 00:02:14,050 ‎地球に生きる動物は 18 00:02:15,552 --> 00:02:19,055 ‎旅をする自由に ‎依存しているのだ 19 00:02:28,898 --> 00:02:32,735 ‎第1章: 旅する世界 20 00:02:45,165 --> 00:02:49,502 ボツワナのこの土地は 毎年 姿を変える 21 00:02:52,463 --> 00:02:55,300 ‎地面のひびが示すように 22 00:02:55,383 --> 00:02:58,678 ‎3ヵ月前まで ‎ここには水があった 23 00:03:03,766 --> 00:03:06,019 ‎青々と茂っていたが 24 00:03:07,937 --> 00:03:10,773 ‎乾燥して干からびてしまった 25 00:03:19,949 --> 00:03:24,287 ‎動物たちは ‎一斉に移動を始める 26 00:03:39,427 --> 00:03:43,723 ‎アフリカ水牛は ‎残された水を求めて 27 00:03:43,806 --> 00:03:46,517 ‎カラハリ砂漠を横断する 28 00:03:54,192 --> 00:03:58,571 ‎1つに集まり ‎巨大な群れをつくる 29 00:04:09,249 --> 00:04:11,084 ‎アフリカで最大級だ 30 00:04:21,636 --> 00:04:25,390 ‎一行は毎年 ‎同じ場所へ向かう 31 00:04:26,432 --> 00:04:28,977 ‎遠く離れた沼地だ 32 00:04:35,942 --> 00:04:39,195 ‎彼らを待ち構える者がいる 33 00:04:42,949 --> 00:04:46,536 ‎水牛だけを狙う ‎ライオンである 34 00:04:53,084 --> 00:04:55,336 ‎巨大な群れの到来は 35 00:04:55,420 --> 00:04:58,589 ‎1年で最も重要な出来事だ 36 00:05:02,093 --> 00:05:06,306 ‎数週間 彼らは ‎水牛を待ち続けている 37 00:05:09,642 --> 00:05:13,646 ‎地平線を横切るすべてに ‎目を凝らす 38 00:05:37,670 --> 00:05:38,755 ‎ついに来た 39 00:05:52,435 --> 00:05:56,981 ‎大群は角と筋肉の壁となり ‎近づいてくる 40 00:06:10,411 --> 00:06:13,373 ‎ライオンは ‎弱ってる個体を探す 41 00:06:31,224 --> 00:06:32,975 ‎これだろうか 42 00:06:34,018 --> 00:06:35,520 ‎孤独な雄牛 43 00:06:37,313 --> 00:06:39,565 ‎群れから離れていても 44 00:06:39,649 --> 00:06:42,735 ‎体重はライオンの4倍あり 45 00:06:43,319 --> 00:06:46,614 ‎危険な動物であることに ‎変わりはない 46 00:06:49,158 --> 00:06:51,786 ‎慎重に近づいていく 47 00:07:01,295 --> 00:07:05,550 ‎狩りには無関心なふりをして 48 00:07:06,134 --> 00:07:08,761 ‎さりげなく 歩を進める 49 00:07:20,815 --> 00:07:24,110 ‎そして 位置につく 50 00:08:13,409 --> 00:08:16,412 ‎メスが交互に攻撃を開始する 51 00:08:22,084 --> 00:08:23,544 ‎体力を奪う 52 00:08:34,722 --> 00:08:37,934 ‎体重の重いオスも加わる 53 00:09:13,052 --> 00:09:18,724 ‎ライオンの群れは ‎磨き抜かれた技を用いて 54 00:09:19,934 --> 00:09:23,604 ‎手ごわい敵を ‎3分で打ち負かした 55 00:09:33,614 --> 00:09:37,785 ‎ライオンが当てにする ‎水牛の移動は 56 00:09:37,868 --> 00:09:39,704 ‎季節が引き起こす 57 00:09:40,830 --> 00:09:42,540 ‎そして その季節は 58 00:09:43,165 --> 00:09:45,585 ‎地球の公転によって起こる 59 00:09:46,586 --> 00:09:50,298 ‎地球は1年で ‎太陽の周りを1周する 60 00:09:54,093 --> 00:09:57,305 ‎その時 地球の地軸は 61 00:09:57,972 --> 00:10:00,474 ‎23.5度傾いている 62 00:10:03,728 --> 00:10:06,772 ‎その結果 季節が生まれる 63 00:10:09,650 --> 00:10:14,030 ‎北極に注目して ‎その原理を考えてみよう 64 00:10:16,490 --> 00:10:20,077 ‎北極には半年間 ‎太陽が当たらない 65 00:10:20,578 --> 00:10:23,039 ‎だから暗い冬が生じる 66 00:10:27,543 --> 00:10:31,422 ‎だが残りの半年間は ‎太陽が北極側を向き 67 00:10:32,757 --> 00:10:34,717 ‎長い日をもたらす 68 00:10:42,975 --> 00:10:45,311 ‎この1年の周期が 69 00:10:45,394 --> 00:10:48,898 ‎動物の大移動を引き起こす 70 00:10:51,734 --> 00:10:56,864 ‎そして北半球に ‎最大の変化が起きる 71 00:10:59,533 --> 00:11:00,576 ‎春だ 72 00:11:01,535 --> 00:11:08,542 ‎3月 73 00:11:11,045 --> 00:11:15,841 ‎3月下旬 類を見ない速さで ‎日が長くなる 74 00:11:20,554 --> 00:11:24,350 ‎太陽の光が ‎急激に大地を温めるため 75 00:11:26,102 --> 00:11:27,812 ‎豪雨が起きる 76 00:11:30,064 --> 00:11:33,150 ‎突然 北半球は温かくなり 77 00:11:34,360 --> 00:11:35,361 ‎湿度も上がる 78 00:11:37,780 --> 00:11:39,281 ‎植物には最適だ 79 00:11:47,832 --> 00:11:50,459 ‎大地が緑に変わる 80 00:11:50,751 --> 00:11:55,506 スーダン 81 00:11:55,506 --> 00:11:56,173 スーダン ‎植物の成長を ‎ある動物がうまく利用する 82 00:11:56,173 --> 00:11:56,257 ‎植物の成長を ‎ある動物がうまく利用する 83 00:11:56,257 --> 00:12:01,303 ‎植物の成長を ‎ある動物がうまく利用する エチオピア 84 00:12:01,303 --> 00:12:01,721 エチオピア 85 00:12:08,811 --> 00:12:12,606 ‎エチオピアの ‎サバクトビバッタだ 86 00:12:13,315 --> 00:12:17,278 ‎1週間前までは ‎単独で行動していた 87 00:12:21,824 --> 00:12:23,451 ‎だが 今は違う 88 00:12:30,166 --> 00:12:32,710 ‎大量の食料を前に 89 00:12:33,419 --> 00:12:36,672 ‎群れをなして活発に動く 90 00:12:40,384 --> 00:12:41,927 ‎みんなで行進し 91 00:12:42,011 --> 00:12:44,638 ‎10倍の速さで増殖する 92 00:12:54,148 --> 00:12:55,900 ‎爆発的に増え 93 00:12:55,983 --> 00:12:58,194 ‎地面をむき出しにする 94 00:13:02,448 --> 00:13:08,245 ‎さらに食料を求めて ‎一行は前進を続ける 95 00:13:26,514 --> 00:13:28,307 ‎群れは拡大し… 96 00:13:32,728 --> 00:13:34,230 ‎また拡大する 97 00:13:38,651 --> 00:13:41,862 ‎植物は食べ尽くされていく 98 00:13:45,157 --> 00:13:47,159 ‎これはまだ序の口 99 00:13:49,036 --> 00:13:52,289 ‎歩きでは ‎移動距離に限界がある 100 00:13:55,376 --> 00:13:56,502 ‎そのため 101 00:13:58,087 --> 00:14:00,256 ‎バッタは姿を変える 102 00:14:12,226 --> 00:14:14,228 ‎羽を生やすのだ 103 00:14:36,166 --> 00:14:39,086 ‎より一層 食欲を増進させ 104 00:14:39,670 --> 00:14:42,756 ‎みんなで空へと飛び立つ 105 00:14:51,974 --> 00:14:52,850 ‎食べて… 106 00:14:54,852 --> 00:14:56,020 ‎飛ぶ 107 00:15:01,942 --> 00:15:02,902 ‎食べて… 108 00:15:04,945 --> 00:15:05,988 ‎飛ぶ 109 00:15:13,996 --> 00:15:17,207 ‎1つに集まり ‎巨大な群れを形成する 110 00:15:17,750 --> 00:15:20,920 ‎過去70年で最大級である 111 00:15:22,171 --> 00:15:24,173 ‎その数は200億以上 112 00:15:40,648 --> 00:15:43,609 ‎群れ全体が ‎食料にありつくには 113 00:15:43,692 --> 00:15:46,612 ‎より遠くへ ‎早く進むしかない 114 00:15:55,037 --> 00:15:59,458 ‎毎日 100キロメートル ‎移動する 115 00:16:10,970 --> 00:16:11,136 ‎国境をまたいで広がり… 116 00:16:11,136 --> 00:16:13,472 ‎国境をまたいで広がり… スーダン 117 00:16:13,472 --> 00:16:13,555 ‎国境をまたいで広がり… 118 00:16:13,555 --> 00:16:13,973 ‎国境をまたいで広がり… ケニヤ 119 00:16:13,973 --> 00:16:14,640 ケニヤ 120 00:16:14,640 --> 00:16:16,517 ケニヤ ‎驚くべきことに ‎紅海さえも渡っていく 121 00:16:16,517 --> 00:16:16,600 ‎驚くべきことに ‎紅海さえも渡っていく 122 00:16:16,600 --> 00:16:19,186 ‎驚くべきことに ‎紅海さえも渡っていく 紅海 123 00:16:23,857 --> 00:16:26,610 パキスタン 124 00:16:26,694 --> 00:16:27,152 インド 125 00:16:27,152 --> 00:16:29,613 インド ‎初めてヒマラヤ山脈を超え ‎チベット高原にたどり着いた 126 00:16:29,613 --> 00:16:29,697 ‎初めてヒマラヤ山脈を超え ‎チベット高原にたどり着いた 127 00:16:29,697 --> 00:16:32,741 ‎初めてヒマラヤ山脈を超え ‎チベット高原にたどり着いた チベット高原 128 00:16:32,741 --> 00:16:34,410 チベット高原 129 00:16:37,871 --> 00:16:39,498 ‎行く先々で 130 00:16:41,375 --> 00:16:42,960 ‎大混乱を招く 131 00:16:54,346 --> 00:16:57,641 ‎季節が変わり ‎干ばつが起こるまで― 132 00:16:57,725 --> 00:16:58,976 ‎前進を続ける 133 00:17:01,311 --> 00:17:04,023 ‎ついに食料がなくなると 134 00:17:06,817 --> 00:17:08,235 ‎バッタも消える 135 00:17:17,453 --> 00:17:19,496 ‎4月 136 00:17:19,496 --> 00:17:21,540 ‎4月 4月 北極の日は さらに長くなっていく 137 00:17:21,540 --> 00:17:24,293 4月 北極の日は さらに長くなっていく 138 00:17:26,712 --> 00:17:28,714 ‎長く照りつける日光が ‎海水を温める 139 00:17:28,714 --> 00:17:30,799 ‎長く照りつける日光が ‎海水を温める 太平洋 140 00:17:30,799 --> 00:17:31,383 太平洋 141 00:17:31,383 --> 00:17:34,303 太平洋 ‎すると藻が繁殖し ‎急激に食料が豊富になる 142 00:17:34,303 --> 00:17:36,722 ‎すると藻が繁殖し ‎急激に食料が豊富になる 143 00:17:39,600 --> 00:17:42,728 ‎この時 ‎ある動物が旅を始める 144 00:17:51,653 --> 00:17:52,654 ‎真夜中の― 145 00:17:52,738 --> 00:17:55,908 ‎ブリティッシュコロンビアの ‎離島 146 00:17:59,328 --> 00:18:00,370 ‎地面の下で 147 00:18:02,456 --> 00:18:04,041 ‎何かが動く 148 00:18:11,507 --> 00:18:15,886 ‎卵から ふ化したばかりの ‎ウミスズメのヒナだ 149 00:18:17,805 --> 00:18:22,101 ‎早速 危険な旅に ‎出ようとしている 150 00:18:25,729 --> 00:18:27,731 ‎最初の食事もまだ 151 00:18:28,607 --> 00:18:30,609 ‎早急に食料が必要だ 152 00:18:34,196 --> 00:18:35,823 ‎母鳥が呼んでいる 153 00:18:40,619 --> 00:18:44,331 ‎おなかをすかせたヒナは ‎巣穴から出て 154 00:18:46,041 --> 00:18:48,210 ‎親鳥の声を追う 155 00:18:50,587 --> 00:18:53,340 ‎だが今 食べ物を期待すると 156 00:18:54,341 --> 00:18:56,301 ‎落胆することになる 157 00:19:02,141 --> 00:19:07,938 ‎ウミスズメは ‎海を採餌とする海鳥のため― 158 00:19:10,232 --> 00:19:13,026 ‎海まで行く必要がある 159 00:19:15,362 --> 00:19:19,867 ‎まだ飛べないヒナが ‎海まで行くには 160 00:19:20,784 --> 00:19:22,035 ‎歩くしかない 161 00:19:29,585 --> 00:19:33,589 ‎捕食者を避けるために ‎日暮れを待つが 162 00:19:34,381 --> 00:19:37,676 ‎暗くて前がよく見えない 163 00:19:45,267 --> 00:19:48,103 ‎ゴルフボールほどの体には 164 00:19:49,062 --> 00:19:50,981 ‎すべてが障害物となる 165 00:19:56,904 --> 00:20:00,407 ‎行く手を阻むのは ‎高さのない丸太に… 166 00:20:02,534 --> 00:20:04,912 ‎ほんの小さな小川 167 00:20:10,042 --> 00:20:13,921 ‎旅が始まる前に ‎終わってしまうことも… 168 00:20:22,137 --> 00:20:24,306 ‎この子は大丈夫そうだ 169 00:20:28,060 --> 00:20:30,020 ‎ついに海辺へ 170 00:20:31,313 --> 00:20:35,692 ‎今度 陸に戻るのは ‎2年後になるだろう 171 00:20:41,323 --> 00:20:45,077 ‎母鳥を探すため ‎暗闇に呼びかける 172 00:21:00,008 --> 00:21:01,426 ‎再会だ 173 00:21:04,888 --> 00:21:07,516 ‎ヒナは まだ何も食べてない 174 00:21:12,604 --> 00:21:16,149 ‎食料にありつけるまで ‎泳ぎ続ける 175 00:21:17,943 --> 00:21:21,363 ‎その距離は ‎なんと70キロメートル 176 00:21:27,995 --> 00:21:33,583 ‎いよいよここで ‎母鳥が潜り オキアミを捕る 177 00:21:34,793 --> 00:21:37,170 ‎これは つかの間の休憩 178 00:21:39,881 --> 00:21:43,427 ‎さらに1000キロメートル進む 179 00:21:46,430 --> 00:21:51,393 ‎食料が豊かな北の海へ ‎1ヵ月かけて移動するのだ 180 00:21:51,393 --> 00:21:51,810 ‎食料が豊かな北の海へ ‎1ヵ月かけて移動するのだ アラスカ湾 181 00:21:51,810 --> 00:21:53,437 アラスカ湾 182 00:21:53,437 --> 00:21:58,400 アラスカ湾 ‎ふ化したばかりの鳥には ‎長旅である 183 00:22:04,740 --> 00:22:07,743 ‎夏の海は実り豊かなため 184 00:22:08,702 --> 00:22:13,457 ‎ウミスズメはずっと ‎海で過ごすことができる 185 00:22:20,589 --> 00:22:26,053 ‎5月 186 00:22:26,470 --> 00:22:29,431 ‎ハワイの北西 ‎1600キロメートル 187 00:22:29,431 --> 00:22:30,057 ‎ハワイの北西 ‎1600キロメートル ハワイ 188 00:22:30,057 --> 00:22:31,183 ハワイ 189 00:22:31,183 --> 00:22:33,393 ハワイ ‎小さな離島が浮かぶ 190 00:22:33,393 --> 00:22:33,727 ‎小さな離島が浮かぶ 191 00:22:34,561 --> 00:22:35,437 レイサン島 192 00:22:35,437 --> 00:22:36,480 レイサン島 ‎レイサン島だ 193 00:22:36,480 --> 00:22:39,232 レイサン島 194 00:22:40,692 --> 00:22:44,321 ‎ここに生息する ‎世界最大級の海鳥 195 00:22:48,700 --> 00:22:50,911 ‎コアホウドリだ 196 00:22:55,791 --> 00:22:58,543 ‎生後6週間のこのヒナも 197 00:22:58,627 --> 00:23:02,422 ‎驚くほど長い距離を ‎旅するようになる 198 00:23:04,299 --> 00:23:09,513 ‎その距離は 60年の一生で ‎数百万キロメートル 199 00:23:11,181 --> 00:23:15,727 ‎だが生後4ヵ月では ‎まだ飛ぶことができず― 200 00:23:16,561 --> 00:23:18,522 ‎どこへも行けない 201 00:23:23,527 --> 00:23:25,654 ‎ウミスズメと異なり 202 00:23:25,737 --> 00:23:29,491 ‎親鳥が食料を ‎運んでくるのを待つ 203 00:23:32,577 --> 00:23:36,456 ‎だが 食料を探してるのは ‎3000キロメートル先 204 00:23:37,874 --> 00:23:40,252 ‎戻るまで時間がかかる 205 00:23:42,003 --> 00:23:43,880 ‎雨の中でも 206 00:23:47,592 --> 00:23:49,136 ‎強風の中でも 207 00:23:51,721 --> 00:23:53,765 ‎猛暑の中でも 208 00:24:03,316 --> 00:24:06,945 ‎鳥が水平線を横切るたびに ‎希望を抱く 209 00:24:14,119 --> 00:24:15,328 ‎アホウドリだ 210 00:24:18,540 --> 00:24:20,083 ‎だが種類が違う 211 00:24:21,668 --> 00:24:22,961 ‎クロアシアホウドリ 212 00:24:25,297 --> 00:24:28,341 ‎食料を取ってきたようだ 213 00:24:31,386 --> 00:24:34,848 ‎空腹のヒナは ‎運を試してみる 214 00:24:42,272 --> 00:24:46,401 ‎やはり母鳥は ‎我が子を優先する 215 00:24:59,748 --> 00:25:02,167 ‎やっとありついた食料で 216 00:25:03,418 --> 00:25:05,629 ‎命を落とすことがある 217 00:25:08,757 --> 00:25:12,344 ‎島中で ヒナが死んでいる 218 00:25:17,349 --> 00:25:20,685 ‎海には大量のプラスチック 219 00:25:22,020 --> 00:25:26,149 ‎海流によって ‎こんなに離れた島にまで 220 00:25:27,359 --> 00:25:29,694 ‎流れついている 221 00:25:34,783 --> 00:25:38,662 ‎その破片を食料と間違えて 222 00:25:38,745 --> 00:25:42,916 ‎親鳥が子に与えてしまうのだ 223 00:25:47,629 --> 00:25:52,717 ‎島にいるすべてのヒナが ‎プラスチックを食べている 224 00:25:55,220 --> 00:25:58,640 ‎食べすぎたヒナは死に至る 225 00:26:04,396 --> 00:26:07,607 ‎コアホウドリは ‎危機に‎瀕(ひん)‎している 226 00:26:09,484 --> 00:26:13,238 ‎プラスチックの摂取量が ‎他の海鳥より多く 227 00:26:14,573 --> 00:26:17,242 ‎年々 事態は悪化している 228 00:26:28,795 --> 00:26:31,840 ‎3週間ほど経ってようやく― 229 00:26:34,050 --> 00:26:36,511 ‎父鳥が戻ってきた 230 00:26:46,187 --> 00:26:48,523 ‎離れていた父子が 231 00:26:50,275 --> 00:26:52,861 ‎再び絆を深めていく 232 00:27:02,996 --> 00:27:07,000 ‎父がくれる最後の食事 ‎かもしれない 233 00:27:09,419 --> 00:27:12,964 ‎おそらく ‎プラスチックを含んでいる 234 00:27:26,978 --> 00:27:31,149 ‎父鳥は太平洋へと戻っていく 235 00:27:32,984 --> 00:27:35,570 ‎はたして ヒナの運命は… 236 00:27:38,990 --> 00:27:41,409 ‎まだどうなるか分からない 237 00:27:44,788 --> 00:27:46,581 ‎通常 アホウドリは 238 00:27:46,665 --> 00:27:50,960 ‎消化しづらいイカの ‎くちばしや骨を吐き出す 239 00:27:55,006 --> 00:28:00,595 ‎だが ライターや ‎ボトルのふたは難しい 240 00:28:13,024 --> 00:28:14,234 ‎このヒナは 241 00:28:16,152 --> 00:28:17,487 ‎助かった 242 00:28:21,825 --> 00:28:26,579 ‎これでまた ‎一歩 離陸に近づいた 243 00:28:28,456 --> 00:28:31,084 ‎数週間後 いい風が吹けば 244 00:28:31,167 --> 00:28:37,757 ‎長距離を旅する渡り鳥として ‎いよいよデビューできる 245 00:28:43,513 --> 00:28:44,931 北極圏 246 00:28:44,931 --> 00:28:47,851 北極圏 ‎地軸が傾いていることで 247 00:28:47,851 --> 00:28:47,934 北極圏 248 00:28:47,934 --> 00:28:50,520 北極圏 ‎最も影響を受ける場所がある 249 00:28:50,520 --> 00:28:50,979 ‎最も影響を受ける場所がある 250 00:28:52,856 --> 00:28:57,110 ‎6月 251 00:28:57,110 --> 00:28:58,695 ‎6月 夏の北極だ 252 00:28:58,695 --> 00:28:59,070 夏の北極だ 253 00:29:01,781 --> 00:29:07,871 ‎太陽が北極を向き始め ‎日光が24時間降り注ぐと 254 00:29:08,371 --> 00:29:11,082 ‎海を覆う氷が解けていく 255 00:29:23,928 --> 00:29:29,350 ‎生き残るには ‎変化に適応する必要がある 256 00:29:59,881 --> 00:30:03,760 ‎この北極グマの住み家は ‎毎年 変わり 257 00:30:04,344 --> 00:30:07,055 ‎1箇所に留まれない 258 00:30:11,184 --> 00:30:14,562 ‎そのため ‎数千キロメートルを歩き 259 00:30:14,646 --> 00:30:16,231 ‎アザラシを探す 260 00:30:28,785 --> 00:30:32,247 ‎だが夏になり ‎氷が解け始めると 261 00:30:33,623 --> 00:30:35,959 ‎歩く時間は減っていき 262 00:30:39,838 --> 00:30:41,506 ‎泳ぐ時間が増える 263 00:30:48,012 --> 00:30:51,099 ‎今は1日およそ8時間 264 00:31:01,568 --> 00:31:05,697 ‎30キロメートル先から ‎獲物を見つけ出す 265 00:31:09,534 --> 00:31:13,955 ‎アゴヒゲアザラシの居場所も ‎嗅ぎつけた 266 00:31:27,510 --> 00:31:30,263 ‎危険に気がつかないアザラシ 267 00:31:32,557 --> 00:31:35,351 ‎北極グマは忍び寄る 268 00:32:16,601 --> 00:32:20,730 ‎水中からの攻撃は ‎成功率が低くなる 269 00:32:42,669 --> 00:32:45,588 ‎三度目の正直となるか 270 00:33:38,891 --> 00:33:40,435 ‎まだこの北極グマは 271 00:33:40,518 --> 00:33:44,272 ‎海からうまく ‎襲いかかることができない 272 00:33:46,274 --> 00:33:48,359 ‎だが 今後はもっと 273 00:33:49,444 --> 00:33:52,905 ‎その技術が重要になってくる 274 00:33:58,536 --> 00:34:00,455 ‎温暖化は進んでいる 275 00:34:06,919 --> 00:34:12,050 ‎北極はどこよりも ‎その影響を受けている 276 00:34:16,054 --> 00:34:22,769 ‎今年 気温は ‎摂氏38度まで上昇した 277 00:34:26,564 --> 00:34:29,442 ‎海氷が解ける速度も進む 278 00:34:32,862 --> 00:34:36,991 ‎北極にいる動物は ‎大きな影響を受けている 279 00:34:47,251 --> 00:34:52,548 ‎セイウチの繁殖に必要なのは ‎大陸棚と 280 00:34:54,175 --> 00:34:55,843 ‎豊富なアサリ 281 00:34:57,011 --> 00:35:00,765 ‎そして休息を取るための流氷 282 00:35:10,983 --> 00:35:14,195 ‎だが 流氷は減っている 283 00:35:17,448 --> 00:35:21,119 ‎夏が来るたびに ‎状況は悪化する 284 00:35:22,787 --> 00:35:25,456 ‎新米の母には なおさらだ 285 00:35:30,586 --> 00:35:35,466 ‎3日前 出産のために ‎群れから離れることになった 286 00:35:38,469 --> 00:35:42,014 ‎それ以来ずっと ‎子どもと一緒にいる 287 00:35:53,985 --> 00:35:57,530 ‎授乳中は2倍の食料が必要だ 288 00:35:59,115 --> 00:36:03,286 ‎だが食事中も ‎赤ん坊を放っておけない 289 00:36:05,997 --> 00:36:08,875 ‎子守をしてくれる仲間を 290 00:36:09,792 --> 00:36:12,253 ‎探さなければならない 291 00:36:20,678 --> 00:36:24,140 ‎セイウチは ‎生まれた日から泳げる 292 00:36:28,561 --> 00:36:31,606 ‎だが遠くまでは行けない 293 00:36:35,151 --> 00:36:37,403 ‎初めてとなる旅では 294 00:36:38,529 --> 00:36:40,364 ‎おんぶしてもらう 295 00:36:53,419 --> 00:36:55,630 ‎毎年 流氷が減るため 296 00:36:55,713 --> 00:36:58,341 ‎泳ぐ距離は長くなる 297 00:37:03,137 --> 00:37:06,766 ‎仲間が見つかるまで ‎母も食事ができない 298 00:37:15,274 --> 00:37:17,401 ‎仲間を見つけても 299 00:37:17,944 --> 00:37:22,114 ‎登れる高さの氷でないと ‎意味がない 300 00:37:26,869 --> 00:37:27,954 ‎高すぎる 301 00:37:43,010 --> 00:37:44,720 ‎今度は登れそうだ 302 00:37:51,102 --> 00:37:53,854 ‎適度な高さの氷が少ないと 303 00:37:53,938 --> 00:37:56,482 ‎競争率が高くなる 304 00:38:17,461 --> 00:38:20,715 ‎歓迎されなかったようだ 305 00:38:32,226 --> 00:38:36,147 ‎十分な場所があっても ‎仲間がいなければ 306 00:38:36,230 --> 00:38:40,401 ‎赤ん坊と離れて ‎食事をとることができない 307 00:38:51,662 --> 00:38:53,789 ‎仲間を探し続ける 308 00:38:56,375 --> 00:39:00,171 ‎子どもは あと3年母を頼る 309 00:39:02,631 --> 00:39:06,510 ‎どこへ行くにも ‎一緒についていく 310 00:39:11,682 --> 00:39:16,312 ‎10年後には ‎海氷は消滅するかもしれない 311 00:39:24,403 --> 00:39:28,783 ‎そうなれば ‎北極圏を移動する動物たちは 312 00:39:29,367 --> 00:39:31,619 ‎行き場を失うだろう 313 00:39:46,801 --> 00:39:52,348 ‎6月の下旬 北極は ‎傾斜の影響を最大限に受け 314 00:39:53,224 --> 00:39:56,936 ‎他の季節より ‎最も日の光を受ける 315 00:39:58,270 --> 00:40:04,193 ‎それが太平洋の一角に ‎最高のごちそうをもたらす 316 00:40:12,368 --> 00:40:15,496 ‎6ヵ月間 ‎アラスカのベーリング海は 317 00:40:15,579 --> 00:40:18,040 ‎活気がなく静かだった 318 00:40:32,596 --> 00:40:34,682 ‎だが 6月になると― 319 00:40:37,184 --> 00:40:39,395 ‎すべてが変わる 320 00:40:43,482 --> 00:40:48,195 ‎ザトウクジラが ‎1ヵ月の回遊から戻るのだ 321 00:40:52,283 --> 00:40:55,995 ‎1年間で最も重要な時を ‎過ごすために 322 00:40:58,414 --> 00:40:59,999 ‎その数は数千頭 323 00:41:03,002 --> 00:41:07,256 ‎太平洋を渡るのは ‎クジラだけじゃない 324 00:41:09,884 --> 00:41:13,095 ‎ハイイロミズナギドリだ 325 00:41:17,099 --> 00:41:20,686 ‎1日1000キロメートルを ‎休みなく飛ぶ 326 00:41:21,312 --> 00:41:23,063 ニュージーランド 327 00:41:23,063 --> 00:41:23,731 ニュージーランド ‎この海鳥は ‎地球の反対側からやって来る 328 00:41:23,731 --> 00:41:27,109 ‎この海鳥は ‎地球の反対側からやって来る 329 00:41:27,109 --> 00:41:27,943 ‎この海鳥は ‎地球の反対側からやって来る 赤道 330 00:41:27,943 --> 00:41:30,529 赤道 331 00:41:30,529 --> 00:41:31,906 赤道 ‎6万5000キロメートル 332 00:41:31,906 --> 00:41:32,907 ‎6万5000キロメートル 333 00:41:33,282 --> 00:41:33,407 太平洋 334 00:41:33,407 --> 00:41:36,911 太平洋 ‎動物の移動距離としては ‎最長だろう 335 00:41:36,994 --> 00:41:39,830 ベーリング海 336 00:41:43,584 --> 00:41:46,212 ‎100万羽がクジラに加わる 337 00:41:54,345 --> 00:41:56,430 ‎目的は食料の確保 338 00:42:06,690 --> 00:42:10,986 ‎地球上で最も迫力のある ‎生命の集いだ 339 00:42:15,824 --> 00:42:21,205 ‎5ヵ月前の日照時間は ‎1日7時間だった 340 00:42:23,958 --> 00:42:26,627 ‎今は17時間にも及ぶ 341 00:42:29,171 --> 00:42:32,508 ‎その結果 ‎プランクトンとオキアミが 342 00:42:32,591 --> 00:42:34,218 ‎爆発的に増える 343 00:42:36,387 --> 00:42:41,517 ‎クジラが1年で唯一 ‎食料にありつける季節だ 344 00:42:43,644 --> 00:42:44,603 ‎夏の間は 345 00:42:45,604 --> 00:42:49,775 ‎1回で900トンの食料を ‎飲み込むことができる 346 00:42:59,410 --> 00:43:03,539 ‎90日間は ‎好きなだけ食べられるのだ 347 00:43:09,295 --> 00:43:11,297 ‎すぐに日は短くなり 348 00:43:11,797 --> 00:43:14,466 ‎ごちそうもなくなる 349 00:43:16,385 --> 00:43:19,305 ‎みんな 南へと戻っていく 350 00:43:22,141 --> 00:43:25,853 ‎地球の傾きがもたらす ‎動物の移動は 351 00:43:25,936 --> 00:43:29,064 ‎壮大だが一瞬である 352 00:43:33,193 --> 00:43:35,779 ‎夏の1ヵ月が終わると 353 00:43:36,280 --> 00:43:39,825 太平洋 ‎北太平洋の気温が ‎最高点に達する 354 00:43:39,825 --> 00:43:41,201 太平洋 355 00:43:45,497 --> 00:43:48,542 ‎海の捕食者が変化を察し 356 00:43:48,626 --> 00:43:50,669 ‎進路を変える 357 00:44:01,597 --> 00:44:02,931 ‎メスのイタチザメは 358 00:44:03,432 --> 00:44:07,394 ‎太平洋を横断し ‎1000キロメートルの旅に出る 359 00:44:14,526 --> 00:44:16,987 ‎地球の磁場を利用して 360 00:44:18,113 --> 00:44:21,367 ‎目的地へと ‎一直線に向かっていく 361 00:44:25,412 --> 00:44:27,414 ‎行き先はレイサン島だ 362 00:44:30,042 --> 00:44:31,710 ‎彼女だけじゃない 363 00:44:36,090 --> 00:44:40,844 ‎サメのなかでもイタチザメは ‎長い距離を移動する 364 00:44:43,389 --> 00:44:47,643 ‎狙う動物の種類も ‎多岐にわたる 365 00:44:49,269 --> 00:44:52,523 ‎そのなかには鳥も含まれる 366 00:44:58,904 --> 00:45:02,449 ‎2週間前 ‎親鳥が海へ出ていってから 367 00:45:02,533 --> 00:45:06,787 ‎コアホウドリのヒナは ‎何も食べてない 368 00:45:10,582 --> 00:45:15,045 ‎食べるためには ‎飛び立たたなければならない 369 00:45:18,882 --> 00:45:23,679 ‎体が大きいため ‎風の力を利用する必要がある 370 00:45:26,265 --> 00:45:28,642 ‎その時は 今に訪れる 371 00:45:33,856 --> 00:45:39,570 ‎7月は海面温度が上がり ‎熱帯暴風雨が発生する 372 00:45:43,991 --> 00:45:46,744 ‎レイサン島に風をもたらし 373 00:45:47,911 --> 00:45:51,373 ‎ヒナの背中をあと押しする 374 00:45:58,922 --> 00:46:01,049 ‎そよ風は吹き続け 375 00:46:02,134 --> 00:46:05,804 ‎ついにコアホウドリを ‎持ち上げる 376 00:46:10,017 --> 00:46:14,646 ‎いつも先に飛び立つのは ‎クロアシアホウドリ 377 00:46:30,204 --> 00:46:33,290 ‎最初は長い距離を飛べない 378 00:46:37,920 --> 00:46:40,881 ‎最後になることもある 379 00:46:52,309 --> 00:46:55,687 ‎イタチザメがやって来た 380 00:47:12,621 --> 00:47:14,498 ‎かなりの強敵だ 381 00:47:27,261 --> 00:47:32,015 ‎コアホウドリのヒナは ‎委縮してしまう 382 00:47:33,559 --> 00:47:34,518 ‎それでも 383 00:47:35,894 --> 00:47:36,770 ‎飛ぶしかない 384 00:47:46,905 --> 00:47:48,907 ‎一度 外洋へ出たら 385 00:47:49,491 --> 00:47:53,453 ‎次 陸に戻るのは ‎5年後かもしれない 386 00:47:55,706 --> 00:47:58,584 ‎失敗したら終わりだ 387 00:48:07,843 --> 00:48:10,596 ‎果敢に挑む時が来た 388 00:48:13,974 --> 00:48:16,894 ‎今こそ飛び立つ時だ 389 00:49:45,691 --> 00:49:48,568 ‎日本語字幕 原 茉未