1 00:00:13,513 --> 00:00:18,852 ‎1000キロメートルを行進した ‎100万頭のヌーは 2 00:00:18,935 --> 00:00:22,772 ‎旅における最大の難所に ‎差しかかる 3 00:00:25,442 --> 00:00:27,610 ‎タンザニアのマラ川だ 4 00:00:34,659 --> 00:00:36,745 ‎一緒のシマウマには 5 00:00:36,828 --> 00:00:39,456 ‎子どもと一緒のメスもいる 6 00:00:47,088 --> 00:00:48,506 ‎彼らを待つのは… 7 00:00:51,676 --> 00:00:52,677 ‎ワニ 8 00:01:03,354 --> 00:01:07,067 ‎小さいほど ‎助かるチャンスは低い 9 00:01:11,488 --> 00:01:13,740 ‎一番小さいのはこの子 10 00:01:21,164 --> 00:01:24,167 ‎できるだけ母に近づく 11 00:01:24,834 --> 00:01:28,755 ‎はぐれてしまうと ‎生き残れない 12 00:01:34,219 --> 00:01:35,970 ‎一生懸命 あとを追う 13 00:01:45,105 --> 00:01:46,856 ‎キックしかできない 14 00:01:48,483 --> 00:01:50,985 ‎ワニは襲いかかる 15 00:02:08,419 --> 00:02:11,923 ‎ワニの気が散っている間に 16 00:02:12,423 --> 00:02:15,385 ‎母の元へ行くことができた 17 00:02:17,178 --> 00:02:21,224 ‎地球上 最大規模の群れは ‎行進し続ける 18 00:02:34,612 --> 00:02:41,578 ‎OUR PLANET 私たちの地球 II 19 00:02:43,246 --> 00:02:46,749 ‎第3章: 新しい命 20 00:02:53,923 --> 00:02:59,137 ‎10‎月 21 00:02:59,137 --> 00:03:00,847 ‎10‎月 いい人生のスタートを 子どもに与えるため― 22 00:03:00,847 --> 00:03:02,807 いい人生のスタートを 子どもに与えるため― 23 00:03:03,474 --> 00:03:06,561 驚くべき旅をする 動物がいる 24 00:03:08,104 --> 00:03:12,358 ‎重要なのは 行き先ではなく ‎“いつ行くか”だ 25 00:03:15,862 --> 00:03:18,406 ‎メキシコ太平洋岸 26 00:03:28,416 --> 00:03:30,710 ‎砂浜には何の気配もない 27 00:03:35,340 --> 00:03:37,300 ‎だが砂の下では 28 00:03:37,884 --> 00:03:40,845 ‎数千の動物が動いている 29 00:03:52,190 --> 00:03:54,609 ‎産まれたばかりの ‎ヒメウミガメ 30 00:03:59,030 --> 00:04:04,118 ‎10月の砂は ‎出ていくのに適温になる 31 00:04:07,247 --> 00:04:09,207 ‎顔を出して… 32 00:04:10,500 --> 00:04:11,834 ‎動かない 33 00:04:16,673 --> 00:04:19,384 ‎できる限り注目は避けたい 34 00:04:22,220 --> 00:04:23,763 ‎仲間を待つ 35 00:04:27,934 --> 00:04:32,981 ‎これから危険な旅に ‎出ようとしてるところだ 36 00:04:35,650 --> 00:04:38,486 ‎仲間と一緒のほうがいい 37 00:04:59,841 --> 00:05:01,175 ‎捕食者には― 38 00:05:04,012 --> 00:05:06,389 ‎年に1度のごちそうだ 39 00:05:17,567 --> 00:05:21,195 ‎子ガメの半分は ‎食べられてしまう 40 00:05:23,114 --> 00:05:26,743 ‎それでも ‎子ガメの数は相当多いため 41 00:05:26,826 --> 00:05:29,412 ‎捕食者は追いつけない 42 00:05:30,538 --> 00:05:34,292 ‎海まで行くチャンスは ‎この時しかない 43 00:06:21,506 --> 00:06:23,341 ‎潮が引いた 44 00:06:28,971 --> 00:06:33,059 ‎小さな子ガメには ‎危険がさらに増す 45 00:06:36,020 --> 00:06:38,815 ‎仲間を追いかけるしかない 46 00:06:55,206 --> 00:06:57,166 ‎浅瀬にたどり着いた 47 00:07:00,586 --> 00:07:03,047 ‎まだ安全ではない 48 00:07:16,436 --> 00:07:21,315 ‎生き残った子ガメは ‎その後24時間 泳ぎ続ける 49 00:07:21,399 --> 00:07:23,276 ‎人生最大の力泳だ 50 00:07:25,403 --> 00:07:30,199 ‎旅の間 子ガメには ‎地球の磁場が刻み込まれる 51 00:07:31,826 --> 00:07:36,581 ‎繁殖の時には ‎それを頼りに戻ってくるのだ 52 00:07:42,378 --> 00:07:45,006 ‎ヒメウミガメは ‎最初の15年を太平洋で過ごす 53 00:07:45,006 --> 00:07:48,009 ‎ヒメウミガメは ‎最初の15年を太平洋で過ごす 太平洋 54 00:07:48,009 --> 00:07:48,468 太平洋 55 00:07:48,551 --> 00:07:48,634 南アメリカ 56 00:07:48,634 --> 00:07:51,053 南アメリカ ‎ひとりで食べ 成長する 57 00:07:51,053 --> 00:07:52,263 南アメリカ 58 00:07:52,263 --> 00:07:52,930 南アメリカ ‎それぞれが ‎何十万キロメートルを旅する 59 00:07:52,930 --> 00:07:55,683 ‎それぞれが ‎何十万キロメートルを旅する 60 00:07:56,309 --> 00:07:59,145 ‎そしてある日 ‎行き先を変える 61 00:08:01,606 --> 00:08:05,860 ‎長い道のりを戻り ‎生まれた海へと帰るのだ 62 00:08:10,615 --> 00:08:15,453 ‎この十代のカメは ‎10年以上ぶりに 63 00:08:16,078 --> 00:08:18,581 ‎同じ種の仲間に会った 64 00:08:26,506 --> 00:08:28,716 ‎25万匹のヒメウミガメ 65 00:08:31,511 --> 00:08:34,472 ‎最大規模のカメの集いだ 66 00:08:53,824 --> 00:08:55,576 ‎ここで交尾をして 67 00:08:55,660 --> 00:08:57,912 ‎砂浜に行き 卵を産む 68 00:09:07,964 --> 00:09:10,466 ‎もう子どもではないが 69 00:09:11,467 --> 00:09:14,387 ‎浅瀬に行くのは今も怖い 70 00:09:51,424 --> 00:09:52,383 ‎陸だ 71 00:09:53,968 --> 00:09:57,263 ‎この感触は15年ぶりに味わう 72 00:09:59,515 --> 00:10:02,977 ‎彼女には ‎急いでやることがある 73 00:10:08,316 --> 00:10:10,818 ‎すぐ卵を産むために 74 00:10:11,652 --> 00:10:13,863 ‎巣を掘るのだ 75 00:10:18,284 --> 00:10:22,288 ‎満潮線に産めば水浸しになる 76 00:10:23,372 --> 00:10:26,834 ‎水辺から離れると干からびる 77 00:10:28,753 --> 00:10:31,839 ‎人気があるのは その間だ 78 00:10:38,888 --> 00:10:41,223 ‎数千匹ほどが集まる 79 00:10:41,974 --> 00:10:44,727 ‎産み落とされた卵の8割が 80 00:10:44,810 --> 00:10:49,315 ‎別のメスによって ‎誤って割られてしまう 81 00:10:57,865 --> 00:10:59,367 ‎それでも― 82 00:11:00,910 --> 00:11:05,081 ‎無事に数百万個の卵が ‎砂の奥深くに残される 83 00:11:11,003 --> 00:11:13,172 ‎100個ほどの卵を産んで 84 00:11:14,298 --> 00:11:17,259 ‎彼女の仕事は終わった 85 00:11:20,054 --> 00:11:23,057 ‎だが 来年の同じ時期に 86 00:11:23,140 --> 00:11:27,103 ‎また卵を産むため ‎この海に戻ってくる 87 00:11:28,771 --> 00:11:32,316 ‎生きている限り ‎毎年 ずっと繰り返す 88 00:11:38,239 --> 00:11:42,785 南大西洋 89 00:11:42,785 --> 00:11:45,204 南大西洋 ‎繁殖のための旅は ‎何千年も ほぼ変わってない 90 00:11:45,204 --> 00:11:48,124 ‎繁殖のための旅は ‎何千年も ほぼ変わってない 91 00:11:54,380 --> 00:11:58,342 ‎南アメリカの東 ‎大西洋の離れた場所に 92 00:11:58,426 --> 00:12:00,469 ‎フォークランド諸島がある 93 00:12:10,855 --> 00:12:15,526 ‎何千年も前からここで ‎ゾウアザラシは繁殖してきた 94 00:12:18,779 --> 00:12:23,117 ‎10月下旬の砂浜には ‎子アザラシしかいない 95 00:12:25,035 --> 00:12:29,623 ‎母たちは数週間前に ‎出ていってしまった 96 00:12:34,795 --> 00:12:37,131 ‎数日後には彼らも海へ出て 97 00:12:37,214 --> 00:12:41,093 ‎深海を放浪する生活を始める 98 00:12:46,599 --> 00:12:49,560 ‎だが まだ泳ぎ方を知らない 99 00:12:54,857 --> 00:12:57,485 ‎浅瀬の守られた場所は 100 00:12:57,568 --> 00:13:00,446 ‎泳ぎ方を習うのに最適だ 101 00:13:12,500 --> 00:13:14,877 ‎すぐ海に慣れる 102 00:13:19,131 --> 00:13:22,468 ‎泳ぎ方は本能的に分かるが 103 00:13:23,219 --> 00:13:27,223 ‎まだ海の恐ろしさを知らない 104 00:13:33,229 --> 00:13:34,104 ‎シャチだ 105 00:13:35,064 --> 00:13:36,232 ‎強暴である 106 00:13:43,739 --> 00:13:46,492 ‎ただの通りすがりじゃない 107 00:13:47,451 --> 00:13:52,581 ‎この時期を狙って ‎わざわざこの海へやって来た 108 00:13:56,502 --> 00:13:59,421 ‎20年前 ‎リーダーのメスシャチが 109 00:13:59,505 --> 00:14:01,924 ‎この場所を見つけた 110 00:14:03,050 --> 00:14:07,346 ‎潮が満ちれば ‎子アザラシを捕まえられる 111 00:14:13,853 --> 00:14:16,063 ‎シャチはその時を待つ 112 00:14:19,024 --> 00:14:20,860 ‎タイミングを誤ると 113 00:14:20,943 --> 00:14:23,445 ‎岩場に閉じこめられる 114 00:14:32,329 --> 00:14:33,998 ‎半分満ちれば 115 00:14:34,081 --> 00:14:37,751 ‎攻撃を仕掛けるのに ‎十分な深さになる 116 00:14:53,893 --> 00:14:56,604 ‎子アザラシは ‎脅威に気づかない 117 00:14:58,230 --> 00:15:00,733 ‎シャチは真正面から狙う 118 00:15:16,165 --> 00:15:21,921 ‎水中にいる時を狙いたいが ‎まだ深さが足りない 119 00:15:25,341 --> 00:15:26,467 ‎間違えれば 120 00:15:27,676 --> 00:15:29,136 ‎動けなくなる 121 00:15:35,809 --> 00:15:38,187 ‎子アザラシはすぐそこ 122 00:15:42,316 --> 00:15:44,902 ‎狙いを定め 時期を待つ 123 00:15:46,153 --> 00:15:49,031 ‎1頭が襲える近さにいる 124 00:16:14,515 --> 00:16:18,352 ‎捕まえても ‎殺さずに沖へ運ぶ 125 00:16:24,817 --> 00:16:28,862 ‎このような狩りをするのは ‎このメスだけ 126 00:16:31,240 --> 00:16:34,410 ‎家族のためにやってるのだ 127 00:16:39,164 --> 00:16:42,584 ‎子アザラシは ‎数時間生かされたまま 128 00:16:48,716 --> 00:16:52,219 ‎ゾウアザラシの繁殖活動を 129 00:16:52,302 --> 00:16:55,055 ‎シャチは利用している 130 00:16:56,974 --> 00:16:59,643 ‎彼らがいつ戻るのか― 131 00:17:00,227 --> 00:17:03,981 ‎その時期を ‎正確に把握しているのだ 132 00:17:20,122 --> 00:17:22,791 ‎安全な繁殖のために 133 00:17:23,459 --> 00:17:25,878 ‎混雑を避ける動物がいる 134 00:17:33,010 --> 00:17:38,724 ‎ニュージーランドは ‎人間が最後に定住した大陸だ 135 00:17:46,106 --> 00:17:48,734 ‎ポリネシア人はここまで 136 00:17:48,817 --> 00:17:51,820 ‎数千キロメートルも ‎海を渡ってきた 137 00:17:53,030 --> 00:17:55,949 ‎もちろん動物も同じだ 138 00:18:01,205 --> 00:18:05,751 ‎このような場所に ‎6000キロメートルをかけて 139 00:18:05,834 --> 00:18:08,629 ‎毎年 やって来る動物がいる 140 00:18:09,588 --> 00:18:12,508 ‎そして島で最も静かな場所へ 141 00:18:26,063 --> 00:18:27,397 ‎内気で― 142 00:18:27,898 --> 00:18:29,191 ‎神秘的 143 00:18:40,494 --> 00:18:43,372 ‎フィヨルドランドの ‎キマユペンギンだ 144 00:18:44,373 --> 00:18:46,333 ‎森に住んでいる 145 00:18:47,751 --> 00:18:50,462 ‎父が生後8週間のヒナを育て 146 00:18:51,547 --> 00:18:55,217 ‎母は海で食料を探している 147 00:18:56,677 --> 00:19:00,472 ‎父が頼りなければ ‎母に見捨てられる 148 00:19:07,771 --> 00:19:10,691 ‎ペンギンの離婚率は高い 149 00:19:14,111 --> 00:19:16,655 ‎敵を追い払わなくては 150 00:19:22,536 --> 00:19:27,249 ‎母は食料集めに奔走し ‎やっと戻ってきた 151 00:19:30,335 --> 00:19:32,754 ‎陸に戻るのも ひと苦労だ 152 00:19:41,805 --> 00:19:43,891 ‎タイミングが重要となる 153 00:19:51,481 --> 00:19:52,649 ‎おしい 154 00:20:10,542 --> 00:20:11,710 ‎よくやった 155 00:20:14,713 --> 00:20:16,256 ‎空腹のヒナのため 156 00:20:17,257 --> 00:20:19,551 ‎大きな岩を登り… 157 00:20:20,677 --> 00:20:21,595 ‎根をまたぎ 158 00:20:22,846 --> 00:20:24,014 ‎渓谷を横切る 159 00:20:39,029 --> 00:20:42,699 ‎これがペンギンのデリバリー 160 00:20:46,912 --> 00:20:49,623 ‎うらやましそうに ‎父が見つめる 161 00:20:53,877 --> 00:20:57,506 ‎ヒナは成長するほど ‎食欲も旺盛になる 162 00:20:59,508 --> 00:21:01,468 ‎母は我が子のために 163 00:21:01,551 --> 00:21:05,347 ‎森の障害物コースを再び走る 164 00:21:06,515 --> 00:21:07,766 ‎もう一度 165 00:21:09,434 --> 00:21:10,727 ‎またもう一度 166 00:21:22,364 --> 00:21:23,865 ‎子育てのために 167 00:21:23,949 --> 00:21:28,870 ‎マラソンの距離を歩き ‎1000キロメートル以上を泳ぐ 168 00:21:30,163 --> 00:21:33,834 ‎体重は半分くらいまで落ちる 169 00:21:38,380 --> 00:21:40,716 ‎それでも やめはしない 170 00:22:00,610 --> 00:22:03,739 ‎10週間が経てば ようやく― 171 00:22:04,823 --> 00:22:06,658 ‎役目も終わる 172 00:22:09,536 --> 00:22:12,205 ‎デリバリーを卒業すると 173 00:22:12,289 --> 00:22:15,292 ‎空腹のヒナは海へ向かう 174 00:22:19,963 --> 00:22:22,674 ‎沖には豊富な食料がある 175 00:22:23,675 --> 00:22:26,887 ‎だが不思議なことに ‎ヒナは仲間と 176 00:22:26,970 --> 00:22:31,933 ‎何千キロメートルもかけ ‎南極大陸の方へと向かう 177 00:22:32,017 --> 00:22:33,602 ニュージーランド 178 00:22:33,602 --> 00:22:37,481 ニュージーランド ‎ペンギンによる ‎最も長い旅と考えられる 179 00:22:37,981 --> 00:22:39,191 ‎おそらく ‎何の意味もない旅だ 180 00:22:39,191 --> 00:22:40,776 ‎おそらく ‎何の意味もない旅だ 南洋 181 00:22:40,776 --> 00:22:41,777 南洋 182 00:22:41,860 --> 00:22:45,280 南極 183 00:22:45,364 --> 00:22:49,242 ‎200万年前 ‎唯一 食料があったこの地に 184 00:22:49,326 --> 00:22:52,120 ‎先祖が来たのが始まりだろう 185 00:22:52,871 --> 00:22:55,791 ‎習慣は破ることができない 186 00:23:01,963 --> 00:23:05,384 ‎11月 187 00:23:05,467 --> 00:23:06,551 ‎11月 日の光が増え ‎インド洋が温められると 188 00:23:06,551 --> 00:23:11,098 ‎11月 日の光が増え ‎インド洋が温められると クリスマス島 インド洋 189 00:23:11,098 --> 00:23:11,181 クリスマス島 インド洋 190 00:23:11,181 --> 00:23:13,517 クリスマス島 インド洋 ‎モンスーンが始まる 191 00:23:13,517 --> 00:23:13,683 ‎モンスーンが始まる 192 00:23:15,227 --> 00:23:18,146 ‎通り道には ‎クリスマス島がある 193 00:23:21,149 --> 00:23:25,946 ‎湿度が上がると ‎眠っていた大軍が目覚める 194 00:23:37,833 --> 00:23:42,587 ‎クリスマスアカガニは ‎今や島全体に生息している 195 00:23:44,464 --> 00:23:48,093 ‎だが エラが乾燥すると ‎呼吸ができない 196 00:23:49,010 --> 00:23:51,805 ‎卵を産むのも海の中だ 197 00:23:53,932 --> 00:23:59,563 ‎20万年前から続くように ‎今年も海岸まで移動を始める 198 00:24:01,940 --> 00:24:05,026 ‎はるか昔とは ‎多くのことが異なる 199 00:24:12,242 --> 00:24:14,578 ‎だが 救いの手が現れる 200 00:24:29,092 --> 00:24:32,554 ‎地元の人が橋も作ってくれた 201 00:24:32,637 --> 00:24:36,725 ‎カニの速度でも ‎せわしい道を渡れる 202 00:24:38,101 --> 00:24:40,979 ‎案内役となるのは地下道だ 203 00:24:46,735 --> 00:24:51,114 ‎下弦の月の満潮に ‎間に合うよう速度を上げる 204 00:24:55,702 --> 00:24:59,915 ‎ひと晩で400万匹のカニが ‎海岸へたどり着く 205 00:25:08,381 --> 00:25:12,802 ‎メスはそれぞれ ‎10万個の卵を海の中に産む 206 00:25:25,857 --> 00:25:30,111 ‎卵はすぐに ふ化して ‎自由に泳ぐ幼生になる 207 00:25:34,032 --> 00:25:39,120 ‎ほぼ毎年 多くの幼生は ‎食べられてしまうか― 208 00:25:39,788 --> 00:25:41,540 ‎海に流されてしまう 209 00:25:44,292 --> 00:25:45,627 ‎運が良ければ 210 00:25:45,710 --> 00:25:50,924 ‎翌月の下弦の月の満潮時に ‎海岸へ押し戻される 211 00:25:53,635 --> 00:25:57,722 南大西洋 212 00:25:57,806 --> 00:26:00,183 ‎さらに数千キロメートル南で 213 00:26:00,267 --> 00:26:02,978 ‎ある旅が始まろうとしている 214 00:26:08,400 --> 00:26:12,988 ‎11月下旬 ‎世界の果てでは 夏が始まる 215 00:26:15,490 --> 00:26:20,120 ‎アメリカ大陸の最南端 ‎パタゴニア 216 00:26:26,418 --> 00:26:30,922 ‎こんな南の最果てに ‎唯一住む陸上の捕食者がいる 217 00:26:33,592 --> 00:26:34,551 ‎ピューマだ 218 00:26:41,099 --> 00:26:42,642 ‎彼はマチート 219 00:26:43,351 --> 00:26:44,728 ‎灰色をしてる 220 00:26:46,062 --> 00:26:50,609 ‎1歳になり これから ‎人生最大の試練に挑む 221 00:26:51,985 --> 00:26:53,403 ‎本人は知らない 222 00:27:02,370 --> 00:27:04,623 ‎マチートの姉 ニ—ニャだ 223 00:27:05,248 --> 00:27:07,834 ‎姉弟は縄張りを探すため 224 00:27:07,917 --> 00:27:10,795 ‎この年で別れることになる 225 00:27:21,348 --> 00:27:23,391 ‎オス間の競争は激しく 226 00:27:23,475 --> 00:27:27,646 ‎マチートは姉より ‎遠くへ行く必要がある 227 00:27:31,441 --> 00:27:34,986 ‎まずは狩りの方法を学ぶ 228 00:27:44,829 --> 00:27:46,206 ‎ふたりの母も 229 00:27:47,540 --> 00:27:49,542 ‎試練を迎えている 230 00:27:52,545 --> 00:27:55,548 ‎3倍ほど大きい ‎大人のグアナコを 231 00:27:56,174 --> 00:27:58,343 ‎捕まえようとしている 232 00:28:00,595 --> 00:28:02,055 ‎だが母は熟練者だ 233 00:28:04,933 --> 00:28:06,935 ‎近くで観察する姉弟 234 00:28:15,360 --> 00:28:19,072 ‎仕留めるため ‎数メートル内に近づく 235 00:28:46,307 --> 00:28:49,894 ‎抵抗されても ‎追いかけて捕まえる 236 00:29:19,591 --> 00:29:23,052 ‎姉弟はタダの食事を ‎ありがたく頬張る 237 00:29:24,095 --> 00:29:27,766 ‎このような楽な暮らしは ‎もうじき終わる 238 00:29:34,022 --> 00:29:36,983 ‎母は子のために ‎できることはやった 239 00:29:40,737 --> 00:29:42,363 ‎1歳を迎えたら 240 00:29:42,447 --> 00:29:45,492 ‎縄張りから出ていかせる 241 00:29:54,793 --> 00:29:57,045 ‎旅立つ時が来た 242 00:30:07,055 --> 00:30:10,850 ‎数週間 姉弟は共に旅をする 243 00:30:11,726 --> 00:30:14,854 ‎だがすぐに ‎別れなければならない 244 00:30:16,606 --> 00:30:18,274 ‎メスのニーニャは 245 00:30:18,358 --> 00:30:21,653 ‎母の近くに住むことが ‎許される 246 00:30:23,363 --> 00:30:25,824 ‎マチートは違う 247 00:30:30,870 --> 00:30:33,373 ‎オスの縄張りは広いため 248 00:30:33,456 --> 00:30:38,253 ‎数百キロメートルを移動して ‎十分な場所を探す 249 00:30:49,597 --> 00:30:51,724 ‎生まれて初めて 250 00:30:52,642 --> 00:30:54,227 ‎ひとりになった 251 00:31:01,442 --> 00:31:03,111 ‎数週間経つと 252 00:31:03,736 --> 00:31:05,154 ‎飢え始める 253 00:31:15,874 --> 00:31:17,333 ‎狩りは見てきた 254 00:31:18,334 --> 00:31:20,420 ‎だが 習得できてるか? 255 00:31:31,806 --> 00:31:32,849 ‎ダメだ 256 00:31:37,103 --> 00:31:39,772 ‎獲物を探すため 歩き続ける 257 00:31:40,815 --> 00:31:44,652 ‎慣れない土地の奥深くへ 258 00:31:52,285 --> 00:31:54,996 ‎歩みを止めることはない 259 00:31:57,373 --> 00:32:01,753 ‎紛れもなく ‎獲物の血のにおいがした 260 00:32:10,470 --> 00:32:11,846 ‎捕らえたのは 261 00:32:14,390 --> 00:32:16,100 ‎大きなオスだ 262 00:32:46,673 --> 00:32:48,967 ‎マチートの2倍はある 263 00:32:52,804 --> 00:32:55,056 ‎2秒で‎殺(や)‎られるだろう 264 00:33:05,441 --> 00:33:08,361 ‎だが空腹すぎて諦められない 265 00:33:26,879 --> 00:33:29,424 ‎すると驚くことが起こった 266 00:33:30,675 --> 00:33:32,719 ‎大人のピューマは 267 00:33:33,302 --> 00:33:36,514 ‎捕らえた獲物を譲ったのだ 268 00:33:38,850 --> 00:33:42,145 ‎マチートの勇気が ‎幸運をもたらした 269 00:33:43,688 --> 00:33:46,774 ‎だが 旅は始まったばかり 270 00:33:52,572 --> 00:33:55,658 ‎オスのピューマは速く ‎遠くへ進む 271 00:33:56,492 --> 00:34:00,830 ‎そのため個々の生活は ‎あまり知られてない 272 00:34:06,002 --> 00:34:10,006 ‎1年目を生き抜く者は ‎わずかであろう 273 00:34:12,675 --> 00:34:15,386 ‎マチートはどうだろうか 274 00:34:23,436 --> 00:34:26,898 ‎12月 275 00:34:33,863 --> 00:34:35,740 ‎今日はクリスマスイブ 276 00:34:35,823 --> 00:34:39,494 ‎クリスマス島の海岸は ‎真っ赤だ 277 00:34:42,872 --> 00:34:44,207 ‎10年に一度 278 00:34:44,707 --> 00:34:48,544 ‎海流がアカガニを ‎うまく海岸に送り戻す 279 00:34:50,797 --> 00:34:53,633 ‎これは史上最大級の多さだ 280 00:34:55,426 --> 00:34:57,470 ‎数十億がサンゴに群がり… 281 00:35:04,352 --> 00:35:06,062 ‎周りを困惑させる 282 00:35:07,939 --> 00:35:10,525 ‎乾燥した陸に戻ろうと― 283 00:35:11,567 --> 00:35:13,236 ‎あらゆる手を使う 284 00:35:17,698 --> 00:35:21,077 ‎両親がいた森へ行けば安全だ 285 00:35:21,160 --> 00:35:25,581 ‎それはほんの ‎2キロメートル先 286 00:35:26,999 --> 00:35:30,378 ‎だが両親は ‎こんなに小さくなかった 287 00:35:33,464 --> 00:35:37,135 ‎ウェットスーツのような ‎殻を脱ぎ捨てる 288 00:35:37,218 --> 00:35:39,929 ‎これで呼吸がしやすくなった 289 00:35:43,891 --> 00:35:44,725 ‎出発だ 290 00:35:45,434 --> 00:35:47,770 ‎海岸を出る前から― 291 00:35:50,398 --> 00:35:53,317 ‎予想外の攻撃を受ける 292 00:35:58,865 --> 00:35:59,824 ‎母さん? 293 00:36:04,912 --> 00:36:10,084 ‎大人のアカガニは ‎子どもに優しくないようだ 294 00:36:12,753 --> 00:36:15,798 ‎急いで海岸を離れる 295 00:36:20,052 --> 00:36:23,598 ‎防波堤を ‎登らなければならない 296 00:36:25,558 --> 00:36:29,103 ‎カニにとっては ‎高層ビルと同じくらい恐怖だ 297 00:36:35,526 --> 00:36:39,030 ‎頂上に着いたら ‎町をこそこそと‎這(は)‎う 298 00:36:46,078 --> 00:36:52,001 ‎だが 数十億匹で移動すれば ‎人目を避けるのは難しい 299 00:37:09,852 --> 00:37:12,605 ‎とても小さい者にとって 300 00:37:12,688 --> 00:37:14,649 ‎世界はとても危険だ 301 00:37:16,025 --> 00:37:18,277 ‎足元に気を配る 302 00:37:25,910 --> 00:37:27,411 ‎森が見えた 303 00:37:27,495 --> 00:37:29,455 ‎すぐそこは安全だ 304 00:37:30,539 --> 00:37:32,416 ‎安心するのは早い 305 00:37:36,337 --> 00:37:38,297 ‎アシナガキアリは 306 00:37:39,590 --> 00:37:41,509 ‎カニを捕食する 307 00:37:45,012 --> 00:37:46,639 ‎切り抜けられれば 308 00:37:47,390 --> 00:37:49,892 ‎クリスマスを家で過ごせる 309 00:37:53,771 --> 00:37:57,733 ‎今後5年は ‎ここで食べて 成長する 310 00:37:58,484 --> 00:38:01,612 ‎その後 海へと戻って 311 00:38:02,238 --> 00:38:05,032 ‎自分の子どもを産む 312 00:38:12,206 --> 00:38:14,750 ‎最も難しい旅になるのは 313 00:38:14,834 --> 00:38:17,253 ‎いつだって初めての旅だ 314 00:38:18,713 --> 00:38:21,382 ‎特に重圧がかかる動物もいる 315 00:38:26,971 --> 00:38:28,931 ‎若いアネハヅルは 316 00:38:29,015 --> 00:38:32,893 ‎鳥の“渡り”のなかでも ‎最も過酷な旅に出る 317 00:38:37,481 --> 00:38:39,567 ‎冬を過ごすために 318 00:38:39,650 --> 00:38:43,404 ‎極寒のモンゴルから ‎インドへと南に向かう 319 00:38:45,781 --> 00:38:49,076 ‎昔はそれほど ‎過酷ではなかった 320 00:38:55,583 --> 00:38:56,125 モンゴル 321 00:38:56,125 --> 00:39:00,588 モンゴル ‎4500万年前 この一帯は ‎比較的 平らだった 322 00:39:00,588 --> 00:39:01,255 ‎4500万年前 この一帯は ‎比較的 平らだった 323 00:39:02,340 --> 00:39:03,507 ‎だが 大陸が移動し ‎衝突した結果― 324 00:39:03,507 --> 00:39:06,344 ‎だが 大陸が移動し ‎衝突した結果― インド 325 00:39:06,344 --> 00:39:06,427 インド 326 00:39:06,427 --> 00:39:10,181 インド ‎地球上で最高峰の山脈を ‎生みだした 327 00:39:10,181 --> 00:39:10,348 ‎地球上で最高峰の山脈を ‎生みだした 328 00:39:11,724 --> 00:39:12,933 ‎ヒマラヤだ 329 00:39:19,648 --> 00:39:24,862 ‎今は標高8000メートルまで ‎上昇して横断する 330 00:39:27,823 --> 00:39:31,660 ‎上空へ行くほど ‎酸素は薄くなる 331 00:39:40,378 --> 00:39:43,172 ‎体力を消耗し ‎攻撃されやすくなる 332 00:39:50,679 --> 00:39:55,351 ‎谷から吹き上がる ‎温かい空気に持ち上げられ 333 00:39:55,976 --> 00:39:58,354 ‎イヌワシが舞い上がる 334 00:40:12,243 --> 00:40:14,995 ‎そしてツルに飛び込む 335 00:40:32,012 --> 00:40:34,014 ‎ツルの体は大きいため 336 00:40:34,098 --> 00:40:36,058 ‎ワシはペアで動く 337 00:40:49,238 --> 00:40:50,823 ‎このヒナの旅は 338 00:40:52,450 --> 00:40:53,951 ‎最初で最後になった 339 00:41:10,885 --> 00:41:13,804 ‎より低く安全な飛路もある 340 00:41:14,972 --> 00:41:20,019 ‎だが ツルは本能的に ‎同じ道をたどってしまうのだ 341 00:41:32,031 --> 00:41:33,115 ‎最近まで 342 00:41:33,657 --> 00:41:38,996 ‎アネハヅルは乱獲され ‎餌場の消失にも苦しんでいた 343 00:41:46,795 --> 00:41:53,010 ‎北インドにある小さな村が ‎その状況を変えた 344 00:42:12,613 --> 00:42:14,156 ‎キチャンの人が 345 00:42:14,740 --> 00:42:17,785 ‎餌を与え 保護し始めたのだ 346 00:42:34,927 --> 00:42:38,180 ‎年々 飛来するツルが増える 347 00:42:46,897 --> 00:42:50,734 ‎毎年1万5000羽が ‎キチャンを訪れる 348 00:42:54,029 --> 00:42:58,075 ‎これほど圧巻の種の集いは ‎他にないだろう 349 00:43:01,412 --> 00:43:07,585 ‎地球上 最高峰の山脈を越え ‎無事にヒナたちも旅を終えた 350 00:43:08,502 --> 00:43:10,296 ‎また来年まで 351 00:43:20,097 --> 00:43:22,099 ‎変わりゆく世界で 352 00:43:22,182 --> 00:43:25,978 ‎動物たちは ‎人間の助けを必要としている 353 00:43:29,231 --> 00:43:31,275 ‎雲南省の熱帯雨林には 354 00:43:31,358 --> 00:43:35,988 ‎絶滅の危機にある ‎野生のゾウが生息している 355 00:43:53,297 --> 00:43:55,132 ‎2020年3月 356 00:43:56,008 --> 00:44:00,888 ‎森は記録的な干ばつに ‎見舞われた 357 00:44:03,265 --> 00:44:04,725 ‎木は枯れ 358 00:44:06,060 --> 00:44:07,978 ‎象は飢えていた 359 00:44:15,444 --> 00:44:18,322 ‎もうじき 子どもが生まれる 360 00:44:21,909 --> 00:44:24,745 ‎一家は移動することにした 361 00:44:27,831 --> 00:44:31,001 ‎これは普通の旅ではない 362 00:44:33,212 --> 00:44:36,715 ‎世界の人は ‎こう思っただろう 363 00:44:39,551 --> 00:44:42,596 ‎“陸上動物で ‎最大級のゾウが” 364 00:44:43,806 --> 00:44:45,849 ‎“最も人口の多い中国で” 365 00:44:47,601 --> 00:44:50,688 ‎“住む場所を探している” 366 00:44:57,361 --> 00:44:59,071 ‎一家は北へ向かった 367 00:44:59,154 --> 00:45:03,492 ‎住んでいた森とは ‎まったく異なる場所だ 368 00:45:05,119 --> 00:45:06,787 中国 南部の森 369 00:45:06,787 --> 00:45:08,539 中国 南部の森 ‎8ヵ月間も ‎見知らぬ土地をさまよったが 370 00:45:08,539 --> 00:45:10,582 ‎8ヵ月間も ‎見知らぬ土地をさまよったが 371 00:45:11,208 --> 00:45:13,419 ‎定住地を見つけられない 372 00:45:15,087 --> 00:45:19,007 ‎子どもは移動中に生まれた 373 00:45:22,094 --> 00:45:25,055 ‎ゾウには とても珍しい 374 00:45:27,683 --> 00:45:31,019 ‎赤ちゃんには過酷な生活だ 375 00:45:34,857 --> 00:45:39,486 ‎17頭の家族になって ‎旅を続けていく 376 00:45:51,749 --> 00:45:57,129 ‎歩き方を覚えたばかりの ‎ゾウには試練の連続だ 377 00:46:00,424 --> 00:46:01,717 ‎傾斜も 378 00:46:02,634 --> 00:46:03,719 ‎かなり強い 379 00:46:11,393 --> 00:46:15,147 ‎さらに ‎400キロメートル進んだ 380 00:46:18,233 --> 00:46:20,360 ‎北へ進んでいくほど 381 00:46:21,195 --> 00:46:22,905 ‎環境に適さない 382 00:46:28,452 --> 00:46:29,828 ‎水も食料も 383 00:46:31,497 --> 00:46:33,499 ‎盗むしかない 384 00:46:38,587 --> 00:46:40,172 ‎だが驚いたことに 385 00:46:41,256 --> 00:46:43,467 ‎人々は追い払う代わりに 386 00:46:44,593 --> 00:46:46,887 ‎安全な道を作ってあげた 387 00:46:48,931 --> 00:46:51,308 ‎そして略奪も許した 388 00:47:01,276 --> 00:47:03,237 ‎1年ほど移動を続け 389 00:47:03,904 --> 00:47:05,489 ‎限界に達した 390 00:47:13,956 --> 00:47:16,458 ‎通常 ゾウは立ったまま寝る 391 00:47:16,542 --> 00:47:21,171 ‎横になるほど ‎疲れ果てていたのだろう 392 00:47:26,885 --> 00:47:29,638 ‎人間が地球を変え続ければ 393 00:47:30,305 --> 00:47:31,890 ‎多くの動物が 394 00:47:31,974 --> 00:47:35,727 ‎このような旅を ‎強いられることになる 395 00:47:46,363 --> 00:47:48,991 ‎ゾウが取った次の行動は 396 00:47:49,074 --> 00:47:51,702 ‎さらに驚くべきものだった 397 00:49:23,377 --> 00:49:26,254 ‎日本語字幕 原 茉未