1 00:00:01,335 --> 00:00:03,711 アルケニー族よ ここは我らの村だ 2 00:00:03,879 --> 00:00:06,048 一丸となって敵に向かうぞ 3 00:00:06,215 --> 00:00:07,132 岩壁を崩せ! 4 00:00:13,722 --> 00:00:17,226 冬の終わり 女が 村に迷い込んできました 5 00:00:17,351 --> 00:00:19,186 身ごもっていましたが― 6 00:00:19,311 --> 00:00:21,813 父親を明かしませんでした 7 00:00:22,564 --> 00:00:23,941 ジャーラマレル 8 00:00:24,066 --> 00:00:25,692 お捜しの異端者では? 9 00:00:27,319 --> 00:00:28,862 魔術師狩りが来る 10 00:00:29,071 --> 00:00:29,821 逃げ場はない 11 00:00:29,988 --> 00:00:33,158 実は1つあるんだ 12 00:00:35,744 --> 00:00:36,828 ジャーラマレルが― 13 00:00:36,995 --> 00:00:39,540 生き延びて 子孫を産ませた 14 00:00:39,706 --> 00:00:41,250 子供を捜し出し― 15 00:00:42,835 --> 00:00:44,253 連れてこさせろ 16 00:02:00,329 --> 00:02:03,374 暗闇の世界 17 00:04:40,239 --> 00:04:42,783 どこだ 生きててくれ 18 00:05:15,900 --> 00:05:18,152 俺が相手だ 19 00:05:18,903 --> 00:05:20,154 こっちだ 20 00:05:21,781 --> 00:05:22,907 おい 21 00:05:26,410 --> 00:05:27,536 こっちだ 22 00:05:29,205 --> 00:05:30,331 来るがいい 23 00:06:13,666 --> 00:06:14,542 誰だ 24 00:06:15,001 --> 00:06:16,544 答えろ 25 00:06:16,836 --> 00:06:18,713 我が子は無事だな 26 00:06:21,007 --> 00:06:22,300 ジャーラマレル 27 00:06:24,176 --> 00:06:25,136 お前か? 28 00:06:32,435 --> 00:06:33,060 ああ 29 00:06:37,982 --> 00:06:39,567 子供を奪いに来た? 30 00:06:39,734 --> 00:06:40,484 違う 31 00:06:40,901 --> 00:06:43,988 私は逃亡の身だ 使命もある 32 00:06:44,322 --> 00:06:46,240 2人を頼む 33 00:06:48,951 --> 00:06:53,497 聖域にたどり着いたな 見守っていたぞ 34 00:06:54,832 --> 00:06:56,584 熊を倒せてよかった 35 00:06:57,668 --> 00:06:59,420 もう他に熊はいない 36 00:07:09,680 --> 00:07:11,349 双子は 神の贈り物だ 37 00:07:11,933 --> 00:07:13,851 大切に育ててくれ 38 00:07:16,812 --> 00:07:17,897 手を出して 39 00:07:24,195 --> 00:07:25,029 これは… 40 00:07:25,696 --> 00:07:26,781 何だ? 41 00:07:27,490 --> 00:07:30,493 滝の隣に小さな洞穴がある 42 00:07:30,660 --> 00:07:33,162 その中に箱を残した 43 00:07:33,371 --> 00:07:35,873 これは その鍵だ 44 00:07:36,707 --> 00:07:38,042 パリスに伝言を 45 00:07:38,334 --> 00:07:41,462 箱の中身は 子への贈り物だと 46 00:07:42,463 --> 00:07:46,676 2人が12歳になったら 箱を開けてくれ 47 00:07:46,842 --> 00:07:48,135 中身は? 48 00:07:50,429 --> 00:07:51,555 “知識”だ 49 00:07:52,723 --> 00:07:57,645 祖先の時代より豊かな 新世界を開いてくれる 50 00:08:05,403 --> 00:08:06,570 いつの日か–– 51 00:08:07,321 --> 00:08:08,698 再会しよう 52 00:08:23,254 --> 00:08:27,383 2人を“ハニワ”と “コフン”と名づけてくれ 53 00:08:29,302 --> 00:08:30,803 再会はいつだ? 54 00:08:30,970 --> 00:08:32,430 答えは箱の中に 55 00:08:32,638 --> 00:08:33,598 待て 56 00:08:34,098 --> 00:08:35,266 ジャーラマレル 57 00:08:38,227 --> 00:08:39,437 ジャーラマレル! 58 00:08:43,065 --> 00:08:44,275 ジャーラマレル 59 00:08:49,280 --> 00:08:50,364 ジャーラマレル! 60 00:09:13,137 --> 00:09:17,725 ババ・ヴォスが 魔術師の名を呼んでた 61 00:09:24,606 --> 00:09:26,524 腹が立たないのか? 62 00:09:27,485 --> 00:09:29,654 この世に掟はないのか 63 00:09:29,820 --> 00:09:32,322 ここに掟などない 64 00:09:33,365 --> 00:09:35,493 ババが族長よ 従わないと 65 00:09:35,659 --> 00:09:40,122 何を言ってる 従うべき相手は神だ 66 00:09:40,456 --> 00:09:42,667 神には見捨てられた 67 00:09:42,833 --> 00:09:48,089 ババとパリスが俺の母 つまり あんたの姉妹を–– 68 00:09:48,923 --> 00:09:53,344 糾弾した揚げ句 火刑に処したんだぞ 69 00:09:53,469 --> 00:09:59,433 ババのような 過去をひた隠しにする男が–– 70 00:09:59,558 --> 00:10:03,688 族長になることに 疑問を呈したからだ 71 00:10:05,147 --> 00:10:10,695 奴らは真実が暴かれるのを恐れ 母を火あぶりにした 72 00:10:11,696 --> 00:10:16,200 神は決して お許しにならないだろう 73 00:10:18,077 --> 00:10:20,204 たとえ神が許しても–– 74 00:10:22,248 --> 00:10:24,041 俺は許さない 75 00:10:32,675 --> 00:10:33,884 どこにいたの? 76 00:10:36,887 --> 00:10:38,222 ババ・ヴォス? 77 00:10:42,018 --> 00:10:43,060 どうしたの 78 00:10:44,937 --> 00:10:46,230 話して 79 00:10:48,399 --> 00:10:49,817 座ってくれ 80 00:10:50,067 --> 00:10:50,901 なぜ? 81 00:10:52,612 --> 00:10:56,240 ジャーラマレルに会った 82 00:12:26,831 --> 00:12:29,417 “倒れた幹の端にいる”と 83 00:12:42,972 --> 00:12:48,269 シャドーが村にいるなんて ただの伝説では? 84 00:12:48,394 --> 00:12:51,272 真の姿は 誰も知らないけど–– 85 00:12:51,564 --> 00:12:53,691 シャドーは確かにいる 86 00:12:54,692 --> 00:12:59,864 祭壇に置いた彼女への伝言は 持ち去られてた 87 00:13:00,364 --> 00:13:02,450 存在を知るすべは? 88 00:13:03,034 --> 00:13:05,703 私にも分からないわ 89 00:13:06,037 --> 00:13:09,540 彼女に委ねれば きっとうまくいく 90 00:13:10,374 --> 00:13:12,168 なぜ“彼女”と? 91 00:13:12,293 --> 00:13:15,671 シャドーは女に決まってる 92 00:13:15,838 --> 00:13:17,381 その正体は? 93 00:13:18,215 --> 00:13:20,551 きっと毎日 話してる相手よ 94 00:13:21,928 --> 00:13:24,221 でも姿を隠せる 95 00:13:24,555 --> 00:13:27,642 話してるのに姿がない? 96 00:13:28,893 --> 00:13:32,813 慎重に動くから アユーラにも聞こえず–– 97 00:13:33,230 --> 00:13:37,068 思考を止めるから 予見者も感づかない 98 00:13:37,193 --> 00:13:40,988 誰にも 気づかれることがないの 99 00:13:41,739 --> 00:13:44,158 犬も彼女を石だと思う 100 00:13:49,747 --> 00:13:50,706 彼女だわ 101 00:13:53,709 --> 00:13:54,919 シャドー 102 00:13:56,253 --> 00:13:57,421 初めまして 103 00:14:03,928 --> 00:14:04,929 シャドー 104 00:14:05,721 --> 00:14:10,601 ある者を偵察し 様子を報告してほしいの 105 00:14:13,980 --> 00:14:16,274 まず敬意を示さねば 106 00:14:17,942 --> 00:14:19,068 動かないで 107 00:14:24,323 --> 00:14:27,285 シャドー 引き受けてくれる? 108 00:14:32,373 --> 00:14:33,457 今のは肯定? 109 00:14:34,750 --> 00:14:37,712 肯定なら2回 否定なら1回 鳴らして 110 00:14:41,132 --> 00:14:44,969 偵察してほしい相手は パリスよ 111 00:14:45,303 --> 00:14:49,640 魔術師だという証拠が欲しいの できる? 112 00:14:57,481 --> 00:14:59,817 魔術師を偵察できる? 113 00:15:11,996 --> 00:15:13,497 あなたへの報酬は? 114 00:15:17,627 --> 00:15:18,669 シャドー? 115 00:15:31,015 --> 00:15:32,558 新世界ですって? 116 00:15:35,353 --> 00:15:38,522 今の世界が破壊されるわ 117 00:15:40,066 --> 00:15:41,692 ただの箱だ 118 00:15:54,705 --> 00:15:55,706 これは? 119 00:15:57,375 --> 00:16:00,544 子供にだ たぶん玩具だろう 120 00:16:01,671 --> 00:16:04,382 何か意味があるはず 121 00:16:04,715 --> 00:16:06,884 彼には常に意図が 122 00:16:08,135 --> 00:16:10,137 俺には理解不能だ 123 00:16:10,930 --> 00:16:13,057 面倒見はいいが 頭は悪い 124 00:16:13,224 --> 00:16:19,397 頭のよさなんかより 面倒見のいい男が一番よ 125 00:16:22,233 --> 00:16:23,234 パリス? 126 00:16:23,526 --> 00:16:27,196 そうだよ ババに呼ばれてね 127 00:16:27,363 --> 00:16:30,116 ジャーラマレルの頼みだ 128 00:16:32,493 --> 00:16:33,536 座ってくれ 129 00:16:40,084 --> 00:16:41,669 他に何が入ってる? 130 00:16:53,598 --> 00:16:58,269 彼からの伝言だ “上にあるものは上に––” 131 00:16:58,644 --> 00:17:01,439 “下にあるものは下に” 132 00:17:14,702 --> 00:17:16,829 木の皮が新世界か? 133 00:17:19,457 --> 00:17:21,542 嗅いでも分からない 134 00:17:22,335 --> 00:17:24,003 たくさんある 135 00:17:25,171 --> 00:17:26,130 パリス? 136 00:17:29,592 --> 00:17:31,802 これが何か分かるの? 137 00:17:33,596 --> 00:17:34,513 ああ 138 00:17:36,474 --> 00:17:37,391 これは… 139 00:17:38,184 --> 00:17:39,226 これは–– 140 00:17:39,477 --> 00:17:40,353 本だ 141 00:17:42,104 --> 00:17:42,939 本とは? 142 00:17:43,439 --> 00:17:48,903 先祖から伝わる話を 祖母に聞いたことがある 143 00:17:50,321 --> 00:17:52,406 私も夢に見た 144 00:17:55,493 --> 00:17:58,996 本とは神聖なるもの 145 00:18:00,246 --> 00:18:02,123 静かなのに–– 146 00:18:02,248 --> 00:18:06,337 直接 想像力に 語りかけてくる 147 00:18:07,213 --> 00:18:08,506 焼き払っても–– 148 00:18:08,631 --> 00:18:11,926 本の秘める力は火より強い 149 00:18:12,467 --> 00:18:16,764 古代からの知識が 全て詰め込まれてる 150 00:18:17,098 --> 00:18:21,102 視覚ビジョンの時代の秘密が全て 151 00:18:22,228 --> 00:18:26,941 かつて私の高祖母は 本を持ってたけど–– 152 00:18:27,400 --> 00:18:29,694 魔術師狩りが焼き払った 153 00:18:30,569 --> 00:18:35,074 残ってたものがあったとは 驚きだ 154 00:18:35,574 --> 00:18:39,036 “12年 経ったら 子供に渡せ”と 155 00:18:39,203 --> 00:18:43,791 視覚を双子が継承したと 思ってるようだ 156 00:18:43,916 --> 00:18:49,046 彼が何と言おうと 私の子はそんな呪いと無縁よ 157 00:18:49,213 --> 00:18:49,880 呪い? 158 00:18:50,339 --> 00:18:55,553 それが迷信でも この村で生きていくしかない 159 00:18:56,220 --> 00:18:58,806 双子は村を出るかも 160 00:18:59,640 --> 00:19:02,935 何が言いたいの? パリス 161 00:19:03,102 --> 00:19:06,022 双子の能力が 判明するまで–– 162 00:19:06,731 --> 00:19:08,733 言い争いはやめよう 163 00:19:08,858 --> 00:19:12,486 大切に埋めておくべきだよ 164 00:19:12,987 --> 00:19:16,407 彼からの贈り物だもの 165 00:19:17,283 --> 00:19:19,785 不吉な贈り物よ 166 00:19:19,952 --> 00:19:21,912 口を慎みなさい 167 00:19:24,749 --> 00:19:25,916 ババ・ヴォス 168 00:19:27,877 --> 00:19:30,630 木の根元に本を埋めて 169 00:19:31,589 --> 00:19:35,801 12年 経つまで この話はしないで 170 00:19:45,311 --> 00:19:48,814 〈誰かいる〉 171 00:20:14,298 --> 00:20:15,341 シャドー? 172 00:20:23,266 --> 00:20:24,475 シャドー 173 00:20:27,937 --> 00:20:29,647 伝言を受け取った 174 00:20:35,987 --> 00:20:36,988 ここだ 175 00:20:47,540 --> 00:20:48,833 いるのか? 176 00:20:53,629 --> 00:20:54,839 シャドー? 177 00:21:08,060 --> 00:21:09,145 シャドーの–– 178 00:21:10,813 --> 00:21:13,941 報告によると 3人いたそうだ 179 00:21:14,066 --> 00:21:17,111 ババ・ヴォスとパリス マグラが–– 180 00:21:17,445 --> 00:21:18,946 赤ん坊の話を 181 00:21:19,071 --> 00:21:20,281 魔術師の? 182 00:21:20,406 --> 00:21:21,532 赤ん坊だ 183 00:21:21,866 --> 00:21:26,871 泣く子に乳をやり なだめてただけらしい 184 00:21:29,707 --> 00:21:31,083 そんなの 嘘よ 185 00:21:31,250 --> 00:21:32,960 そうかもな 186 00:21:33,294 --> 00:21:35,630 魔術師がいることを–– 187 00:21:37,673 --> 00:21:39,967 女王に知らせよう 188 00:21:40,509 --> 00:21:41,969 そうすれば… 189 00:21:42,094 --> 00:21:44,096 どうやって知らせるの? 190 00:21:50,394 --> 00:21:51,729 伝言を送る 191 00:21:53,064 --> 00:21:56,567 川の流れに乗って 谷を越え–– 192 00:21:59,570 --> 00:22:01,113 誰かの手に渡る 193 00:22:01,280 --> 00:22:02,657 怪しいものだわ 194 00:22:02,782 --> 00:22:08,245 毎日 いくつも送ればいい そうすれば いつか–– 195 00:22:09,205 --> 00:22:10,915 祈りは届く 196 00:22:11,040 --> 00:22:14,168 はるか向こうよ 何年もかかるわ 197 00:22:14,293 --> 00:22:15,503 そうかもな 198 00:22:22,593 --> 00:22:24,762 でも望みはある 199 00:22:58,713 --> 00:22:59,797 引け! 200 00:23:12,602 --> 00:23:13,728 友よ 201 00:23:15,021 --> 00:23:18,399 やはりな ここに1人でいると思った 202 00:23:28,909 --> 00:23:30,411 気分はどうだ 203 00:23:32,496 --> 00:23:33,664 いいです 204 00:23:33,831 --> 00:23:34,749 よし 205 00:23:36,584 --> 00:23:37,668 あなたは? 206 00:23:38,628 --> 00:23:40,921 調子はいかがですか 207 00:23:43,549 --> 00:23:44,925 知りたいか? 208 00:23:45,509 --> 00:23:46,677 もちろん 209 00:23:51,682 --> 00:23:55,019 実を言うと いまいちだ 210 00:23:56,187 --> 00:23:58,689 どうも眠れなくて 211 00:24:00,524 --> 00:24:01,692 お気の毒に 212 00:24:01,817 --> 00:24:05,696 気になることが耳に入ってな 213 00:24:06,989 --> 00:24:08,783 どんなことです? 214 00:24:08,908 --> 00:24:11,243 俺に不信を抱いて–– 215 00:24:12,078 --> 00:24:17,875 俺のことを偵察している者が いるかもしれない 216 00:24:18,042 --> 00:24:21,128 住みかも のぞいているようだ 217 00:24:24,256 --> 00:24:26,050 考えられません 218 00:24:27,385 --> 00:24:31,806 お前と お前のおばは 俺たちを恨んでいるな 219 00:24:31,931 --> 00:24:36,227 俺への反乱を企てる者が いるなら–– 220 00:24:37,353 --> 00:24:39,397 お前が知ってるかも 221 00:24:42,024 --> 00:24:45,152 だが まさか知らないよな? 222 00:24:49,865 --> 00:24:52,243 知りません 223 00:24:55,079 --> 00:24:55,830 そうか 224 00:24:56,330 --> 00:24:57,415 よし 225 00:24:59,375 --> 00:25:03,087 言っておくが 掟を決めるのは俺だ 226 00:25:03,796 --> 00:25:08,426 文句があるならば 率直に言うがいい 227 00:25:08,592 --> 00:25:11,345 正面切って 意見を言うなら–– 228 00:25:11,554 --> 00:25:17,518 今 お前と話しているような 公正な俺を相手にできる 229 00:25:18,394 --> 00:25:21,981 だが もしも よからぬ企てを–– 230 00:25:22,481 --> 00:25:26,944 風の便りに聞くならば 話は別だ 231 00:25:27,486 --> 00:25:30,740 かつての俺が 顔を出すことになる 232 00:25:31,365 --> 00:25:33,117 すなわち–– 233 00:25:34,410 --> 00:25:37,747 血と恐怖に飢えた男だ 234 00:25:44,920 --> 00:25:48,966 不満を抱えた者が いるのなら–– 235 00:25:49,091 --> 00:25:51,886 直接 言えと伝えてくれ 236 00:25:54,388 --> 00:25:56,307 俺が見つけ出す前に 237 00:26:25,836 --> 00:26:27,171 お前たちは–– 238 00:26:28,631 --> 00:26:34,011 私の求めている情報を 差し出さなかった 239 00:26:36,347 --> 00:26:38,349 その結果 家を失った 240 00:26:39,267 --> 00:26:43,437 洗いざらい話さねば 次は命を失うぞ 241 00:26:44,939 --> 00:26:50,945 悪なるジャーラマレルについて 耳にしたことを話せ 242 00:26:51,487 --> 00:26:55,283 奴が産ませた子供に ついてもだ 243 00:26:55,700 --> 00:26:57,618 何も聞いてません 244 00:26:58,077 --> 00:27:00,121 どうか ご勘弁を 245 00:27:06,335 --> 00:27:08,129 何も聞こえないなら–– 246 00:27:09,255 --> 00:27:11,841 お前の耳など あっても無駄だ 247 00:27:33,237 --> 00:27:34,322 伝令人 248 00:27:38,284 --> 00:27:39,910 女王に報告だ 249 00:27:52,923 --> 00:27:57,136 “西の地を捜索し 何ヵ月も経ちました” 250 00:27:57,887 --> 00:28:01,682 “神に道しるべを求めても 答えはなく––” 251 00:28:01,807 --> 00:28:04,769 “何の手掛かりも 得られません” 252 00:28:05,895 --> 00:28:11,359 “村は点在しており 山々に囲まれています” 253 00:28:11,651 --> 00:28:16,948 “村人たちは猛獣を恐れ 中にこもったままです” 254 00:28:18,407 --> 00:28:19,450 “そこで––” 255 00:28:19,909 --> 00:28:24,538 “陛下の指示を 改めて仰ぎたく存じます” 256 00:28:25,247 --> 00:28:29,794 “任務を終える時では? もはや望みはありません” 257 00:28:30,461 --> 00:28:33,881 “パヤンに戻る許可を 求めます” 258 00:28:34,924 --> 00:28:38,761 “従順なるしもべ タマクティ・ジュンより” 259 00:28:42,181 --> 00:28:43,683 自分で読む 260 00:28:43,849 --> 00:28:44,642 しかし… 261 00:28:44,767 --> 00:28:45,977 よこせ 262 00:28:46,602 --> 00:28:49,730 余の繊細な指で確認する 263 00:29:13,337 --> 00:29:16,007 前半はタマクティ・ジュンだ 264 00:29:17,258 --> 00:29:19,176 だが後半は違う 265 00:29:19,969 --> 00:29:22,847 彼は従順でも しもべでもない 266 00:29:23,222 --> 00:29:28,144 偽造でないことを示す 秘密の印もないぞ 267 00:29:28,269 --> 00:29:32,023 サック卿 これは偽造だな 268 00:29:32,189 --> 00:29:34,358 お前も手を貸した 269 00:29:34,900 --> 00:29:35,693 陛下… 270 00:29:35,860 --> 00:29:36,902 ひざまずけ 271 00:29:42,658 --> 00:29:47,371 タマクティ・ジュンは 忠実な魔術師狩りだ 272 00:29:47,830 --> 00:29:51,459 余と交わした20年の契約を 破ることはない 273 00:29:52,043 --> 00:29:57,798 その間は毎日 何があろうと ジャーラマレルを追う 274 00:29:58,007 --> 00:30:01,385 胸に抱いた 憎しみと復讐心が–– 275 00:30:01,719 --> 00:30:05,056 彼を狩りに駆り立てるのだ 276 00:30:06,140 --> 00:30:08,059 誰が偽造を企んだ? 277 00:30:09,352 --> 00:30:11,979 憂慮する者たちです 278 00:30:12,563 --> 00:30:13,981 というと? 279 00:30:14,857 --> 00:30:17,735 現実を見てください 280 00:30:19,278 --> 00:30:22,907 王国は問題に直面しています 281 00:30:23,366 --> 00:30:27,912 聖なる水源の危機ですよ 水が漏れ出し–– 282 00:30:28,287 --> 00:30:29,914 かさが増してる 283 00:30:30,957 --> 00:30:34,168 神は我々を見捨てる気です 284 00:30:35,419 --> 00:30:38,506 陛下の権力を疑問視する声も 285 00:30:39,423 --> 00:30:42,009 軍を呼び戻すべきです 286 00:30:46,889 --> 00:30:49,016 誰が偽造した? 287 00:30:51,644 --> 00:30:53,020 カーン卿と–– 288 00:30:53,896 --> 00:30:55,273 レディー・ズィーです 289 00:30:56,941 --> 00:30:58,109 他には? 290 00:30:59,568 --> 00:31:00,528 いません 291 00:31:08,828 --> 00:31:10,621 嘘をついたな 292 00:31:34,520 --> 00:31:35,938 祈りを捧げる 293 00:32:07,803 --> 00:32:09,180 ジャーラマレル 294 00:32:11,223 --> 00:32:13,017 愛する人 295 00:32:15,394 --> 00:32:17,688 かつては2人でこうして–– 296 00:32:21,067 --> 00:32:23,778 言葉も交わさず 祈り合った 297 00:32:26,030 --> 00:32:28,199 でも今や遠くへ 298 00:32:29,033 --> 00:32:31,369 だから こうして祈る 299 00:32:36,082 --> 00:32:37,375 ジャーラマレル 300 00:32:38,960 --> 00:32:40,711 帰るがいい 301 00:32:41,587 --> 00:32:46,050 この体に そなたを受け入れ 許しを与えるから 302 00:32:48,386 --> 00:32:52,473 そなたの力を継ぐ子を 私に授けよ 303 00:32:53,432 --> 00:32:55,893 その時 私は視覚を認め–– 304 00:32:57,520 --> 00:32:59,480 神とは縁を切る 305 00:33:02,400 --> 00:33:04,235 我らの子が神となり–– 306 00:33:04,360 --> 00:33:08,155 私自身も神となるから 307 00:33:11,284 --> 00:33:13,077 永遠に限りなく 308 00:33:16,706 --> 00:33:17,832 よく聞け 309 00:33:19,667 --> 00:33:21,085 カーン卿 310 00:33:21,877 --> 00:33:23,337 レディー・ズィー 311 00:33:24,630 --> 00:33:26,757 お前たちを信じていた 312 00:33:27,174 --> 00:33:28,718 陛下 お許しを 313 00:33:28,843 --> 00:33:32,179 反逆と偽造の罪を犯したな 314 00:33:32,305 --> 00:33:34,515 真実を述べただけです 315 00:33:35,016 --> 00:33:36,892 皆 分かってるはず 316 00:33:37,226 --> 00:33:40,271 水源に危機が 迫っているのに–– 317 00:33:40,438 --> 00:33:43,816 女王はジャーラマレルの ことばかり 318 00:33:43,983 --> 00:33:45,776 神を気取って… 319 00:33:54,910 --> 00:33:56,370 いいか 320 00:33:59,415 --> 00:34:01,709 民衆の命を守り–– 321 00:34:03,169 --> 00:34:06,756 パヤンの都を守るのは 簡単ではない 322 00:34:07,256 --> 00:34:11,719 だが我が王室の務めとして 注力してきた 323 00:34:13,971 --> 00:34:15,973 余は神に許され–– 324 00:34:16,807 --> 00:34:19,560 神の役目を担っている 325 00:34:20,394 --> 00:34:24,148 国を破滅から 救っているのだぞ 326 00:34:24,774 --> 00:34:27,902 冬を暖かく 夏を涼しくした 327 00:34:28,361 --> 00:34:32,406 その上 柵には魔法の技術を使い–– 328 00:34:32,531 --> 00:34:37,578 子供らが獅子や熊に 食われないようにした 329 00:34:42,416 --> 00:34:46,921 だが さらに大きな使命は 視覚との戦いだ 330 00:34:48,172 --> 00:34:51,759 視覚が持ち込まれれば–– 331 00:34:53,052 --> 00:34:57,598 人間は神より上に立ち この世は ひっくり返る 332 00:34:58,057 --> 00:35:02,853 我らの軍は 視覚の悪魔と戦っているのだ 333 00:35:03,896 --> 00:35:05,356 軍に敬意を払え 334 00:35:07,275 --> 00:35:09,610 反逆など もってのほかだ 335 00:35:14,907 --> 00:35:16,784 余に逆らうとは–– 336 00:35:19,537 --> 00:35:22,914 視覚と破滅を呼び込む行為だ 337 00:35:23,374 --> 00:35:25,209 決して許されぬ 338 00:35:29,046 --> 00:35:30,381 残念だが–– 339 00:35:31,882 --> 00:35:33,217 友よ 340 00:35:35,553 --> 00:35:36,554 お別れだ 341 00:35:52,278 --> 00:35:54,071 我らはパヤン 342 00:35:55,781 --> 00:35:58,993 神聖にして–– 343 00:36:00,036 --> 00:36:04,165 選ばれし民 344 00:36:04,540 --> 00:36:10,379 我らこそは… 345 00:36:10,713 --> 00:36:12,506 パヤンの民 346 00:36:13,299 --> 00:36:15,843 神聖にして–– 347 00:36:16,677 --> 00:36:19,472 選ばれし民 348 00:36:20,139 --> 00:36:23,476 我らこそは… 349 00:36:30,942 --> 00:36:35,780 3年後 350 00:36:56,884 --> 00:37:01,138 子供たちに 果実を持ってきてやった 351 00:37:08,980 --> 00:37:10,231 マグラ? 352 00:37:12,191 --> 00:37:13,150 この空気… 353 00:37:13,276 --> 00:37:14,235 ええ 354 00:37:15,027 --> 00:37:16,153 そうよね 355 00:37:17,113 --> 00:37:21,993 悲しみと少しの喜びを 感じ取ったでしょ でも–– 356 00:37:22,618 --> 00:37:23,995 悲しみが強い 357 00:37:26,789 --> 00:37:30,918 これは あの子たちの 好きな玩具よ 358 00:37:31,836 --> 00:37:37,091 好きな場所に置いて でも口に出さずに 359 00:37:52,148 --> 00:37:54,442 ハニワ コフン 360 00:37:55,234 --> 00:37:56,485 玩具はどこ? 361 00:37:56,861 --> 00:37:58,362 捜してごらん 362 00:38:01,616 --> 00:38:02,867 あったの? 363 00:38:04,577 --> 00:38:06,037 よかった 364 00:38:06,495 --> 00:38:08,122 パリスに渡して 365 00:38:11,959 --> 00:38:13,127 行っていいわ 366 00:38:16,047 --> 00:38:19,884 目を覆うと 見つけられないの 367 00:38:24,680 --> 00:38:27,141 前から分かってたのに–– 368 00:38:27,892 --> 00:38:30,227 知らない振りをしてた 369 00:38:30,603 --> 00:38:32,104 でも明らかよ 370 00:38:34,982 --> 00:38:36,067 ババ! 371 00:38:36,275 --> 00:38:37,985 やあ 我が子よ 372 00:38:38,110 --> 00:38:41,072 外に出て 遊んでおいで 373 00:39:00,549 --> 00:39:04,178 俺は知ってた ハニワが言ったんだ 374 00:39:04,553 --> 00:39:08,516 “太陽には 夜に姿を見せる妹がいる”と 375 00:39:10,059 --> 00:39:11,018 ええ 376 00:39:12,687 --> 00:39:18,276 ジャーラマレルがババに 言ったことは本当だった 377 00:39:18,442 --> 00:39:22,780 あの双子は 新世界の始まりだよ 378 00:39:23,823 --> 00:39:25,616 皆に知らせるべきだ 379 00:39:25,741 --> 00:39:27,952 私の子供なのよ 380 00:39:28,661 --> 00:39:32,498 ただでさえスーターと ゲザー・バックスは–– 381 00:39:32,623 --> 00:39:35,042 私たちを魔術師と思ってる 382 00:39:35,167 --> 00:39:38,796 誰にも明かすべきじゃない 383 00:39:44,260 --> 00:39:46,637 ジャーラマレルは “12年 待て”と 384 00:39:49,432 --> 00:39:51,434 それまで秘密にしよう 385 00:39:53,936 --> 00:39:58,316 その時まで 目を閉じて生活させましょう 386 00:40:09,285 --> 00:40:10,661 昔 あるところに–– 387 00:40:11,162 --> 00:40:13,831 4人の兄弟姉妹がいました 388 00:40:14,290 --> 00:40:18,502 彼らは村の中で 幸せに暮らしていました 389 00:40:19,587 --> 00:40:22,173 彼らは働き者です 390 00:40:22,298 --> 00:40:26,010 1人目は かぐわしい香水を作り–– 391 00:40:26,594 --> 00:40:30,097 2人目は 甘いケーキを焼きました 392 00:40:30,973 --> 00:40:33,976 3人目は 美しい音楽を奏で–– 393 00:40:34,352 --> 00:40:36,646 4人目は絹を織りました 394 00:40:37,563 --> 00:40:39,607 絹の触り心地は–– 395 00:40:39,732 --> 00:40:43,027 暖かい雪のようでした 396 00:40:44,862 --> 00:40:47,615 4人は毎日 一緒に仲良く働き–– 397 00:40:48,032 --> 00:40:50,034 ケンカと無縁でした 398 00:40:51,744 --> 00:40:53,204 でも ある日–– 399 00:40:53,746 --> 00:40:57,583 行方不明だった兄が やってきたのです 400 00:40:59,377 --> 00:41:02,880 仕事を聞かれた兄は 答えました 401 00:41:03,923 --> 00:41:07,593 “人々に 真実を伝えることだ”と 402 00:41:09,637 --> 00:41:11,889 どんな真実か尋ねられ–– 403 00:41:12,807 --> 00:41:15,059 彼は言いました 404 00:41:16,060 --> 00:41:20,731 “君たちの1人は とてもハンサムで––” 405 00:41:22,233 --> 00:41:24,068 “1人は きれい” 406 00:41:24,610 --> 00:41:25,987 “1人は普通で––” 407 00:41:26,946 --> 00:41:28,906 “1人は とても醜い”と 408 00:41:30,950 --> 00:41:33,661 4人は困惑しました 409 00:41:34,537 --> 00:41:40,668 なぜならば4人の名前は それぞれ こうだったからです 410 00:41:41,252 --> 00:41:42,586 “嗅覚きゅうかく” 411 00:41:43,254 --> 00:41:44,338 “味覚” 412 00:41:45,214 --> 00:41:46,632 “聴覚” 413 00:41:47,258 --> 00:41:48,676 “触覚” 414 00:41:49,218 --> 00:41:54,015 彼らの世界に“きれい”や “醜い”は存在しません 415 00:41:54,724 --> 00:42:00,104 誰がきれいで誰が醜いのか 4人は尋ねました 416 00:42:01,731 --> 00:42:07,695 “どうせ分からないから 気にするな”と兄は答えて–– 417 00:42:07,987 --> 00:42:10,698 去ろうとしました 418 00:42:11,324 --> 00:42:17,038 4人は尋ねます “待って あなたの名前は?” 419 00:42:18,789 --> 00:42:22,543 兄は答えました “僕は視覚だ” 420 00:42:24,420 --> 00:42:29,634 彼はその場を去り 兄弟姉妹は考え込みました 421 00:42:31,677 --> 00:42:35,723 そして4人は ケンカを始めました 422 00:42:36,015 --> 00:42:39,310 誰がきれいで 誰が醜いかを巡ってです 423 00:42:41,354 --> 00:42:46,317 視覚の話に長い間 気を取られていたため–– 424 00:42:46,609 --> 00:42:48,653 香水は においをなくし 425 00:42:49,612 --> 00:42:51,906 ケーキは味を失いました 426 00:42:52,531 --> 00:42:55,660 音楽は調和に欠け–– 427 00:42:55,952 --> 00:42:59,830 絹は 擦り切れ 破れてしまいました 428 00:43:01,874 --> 00:43:04,001 でも ついに4人は–– 429 00:43:04,168 --> 00:43:07,672 仲直りして決めました 430 00:43:08,631 --> 00:43:11,634 “視覚に聞いた話は忘れる”と 431 00:43:12,718 --> 00:43:14,595 彼が来るまでは–– 432 00:43:15,179 --> 00:43:17,682 4人は満足していたからです 433 00:43:19,141 --> 00:43:23,187 彼らは 再び満足するようになりました 434 00:43:24,605 --> 00:43:27,275 こう決めたからです 435 00:43:27,817 --> 00:43:31,529 “4人さえいれば もう他は要らない”と 436 00:43:33,447 --> 00:43:36,158 その後は幸せに暮らしました 437 00:43:51,048 --> 00:43:52,133 やあ 438 00:43:56,762 --> 00:44:01,475 双子への贈り物を 持ってきたよ 439 00:44:02,435 --> 00:44:04,729 明日が誕生日だろ 440 00:44:06,439 --> 00:44:09,233 あの話 全くしないね 441 00:44:09,400 --> 00:44:10,484 何のこと? 442 00:44:10,943 --> 00:44:13,321 待ちわびた日が来る 443 00:44:14,030 --> 00:44:16,490 12年 経ったよ マグラ 444 00:44:18,242 --> 00:44:21,495 あんたが決めることだけど 445 00:44:21,996 --> 00:44:23,998 優・し・い・のね 446 00:44:28,294 --> 00:44:33,090 まだ早いと言うなら 何歳まで待つつもり? 447 00:44:36,010 --> 00:44:38,429 ババと もう決めたわ 448 00:44:41,057 --> 00:44:45,353 一度 埋めたものは 一生 掘り返さない 449 00:44:49,273 --> 00:44:50,691 それが決断? 450 00:44:50,816 --> 00:44:52,401 2人で決めたことよ 451 00:44:52,568 --> 00:44:54,612 口を挟まないで 452 00:44:54,779 --> 00:44:58,282 双子は目を閉じたまま ここで生き–– 453 00:44:58,950 --> 00:45:01,118 ここで死ぬのかい? 454 00:45:01,285 --> 00:45:04,288 生きられる それが一番よ 455 00:45:04,413 --> 00:45:06,749 とにかく生きててほしい 456 00:45:06,958 --> 00:45:10,628 箱の中身のせいで 秘密が漏れたら? 457 00:45:10,795 --> 00:45:16,092 何かあれば あの子たちの 命取りになりかねないわ 458 00:45:16,717 --> 00:45:22,390 本にそそのかされて 村を出て 獣に襲われたら–– 459 00:45:22,974 --> 00:45:24,392 死んでしまう 460 00:45:25,184 --> 00:45:28,062 そうしたら目も閉じたままよ 461 00:45:30,439 --> 00:45:34,151 いつか私たちも双子も 誰かに見つかる 462 00:45:34,277 --> 00:45:35,486 その心構えを 463 00:45:35,611 --> 00:45:36,153 やめて! 464 00:45:36,320 --> 00:45:37,905 ダメだよ 465 00:45:38,823 --> 00:45:40,908 このままじゃダメ 466 00:45:41,200 --> 00:45:42,868 言い訳は およし 467 00:45:42,994 --> 00:45:45,997 あなたに関係ないことよ 468 00:45:48,624 --> 00:45:49,417 ジャーラマレルは? 469 00:45:49,834 --> 00:45:50,793 彼が何? 470 00:45:51,127 --> 00:45:55,798 彼は子供たちを そばで見守りもしなかった 471 00:45:55,965 --> 00:45:58,843 私たちを置き去りにしたのよ 472 00:46:00,303 --> 00:46:01,345 声で分かる 473 00:46:02,680 --> 00:46:04,098 憎いんだね 474 00:46:06,058 --> 00:46:07,018 なぜ? 475 00:46:08,519 --> 00:46:09,520 マグラ 476 00:46:12,940 --> 00:46:15,818 憎しみと子供は無関係だろ 477 00:46:15,985 --> 00:46:17,028 母さん! 478 00:46:20,239 --> 00:46:21,782 行って パリス 479 00:46:22,533 --> 00:46:24,285 子供と過ごしたい 480 00:46:46,223 --> 00:46:47,224 パリス 481 00:46:48,559 --> 00:46:50,645 入って お座り 482 00:46:50,770 --> 00:46:53,230 愛しい子たち 483 00:46:54,357 --> 00:46:57,818 誕生日だね めでたいことだ 484 00:46:59,570 --> 00:47:02,239 今日で12歳になった 485 00:47:04,909 --> 00:47:10,998 この12年間 あんたたちは 秘密を守ってきたね 486 00:47:11,207 --> 00:47:13,584 とても上手に 487 00:47:14,919 --> 00:47:18,172 もう1つ 秘密を守れるかい? 488 00:47:19,215 --> 00:47:20,174 何? 489 00:47:20,758 --> 00:47:26,013 あんたたち2人へ 特別な贈り物だよ 490 00:47:27,056 --> 00:47:31,435 こんなすばらしい贈り物は 他にない 491 00:47:32,979 --> 00:47:34,105 これ何? 492 00:47:34,230 --> 00:47:35,606 本だよ 493 00:47:35,773 --> 00:47:37,441 本だと思う 494 00:47:37,942 --> 00:47:42,738 本を理解するための手引が ここにある 495 00:47:43,406 --> 00:47:44,949 誰からの手引? 496 00:47:45,116 --> 00:47:46,284 父親だよ 497 00:47:46,826 --> 00:47:48,536 あの父さんが? 498 00:47:48,661 --> 00:47:49,620 違う 499 00:47:51,163 --> 00:47:53,291 実の父親からだ 500 00:47:55,084 --> 00:47:56,127 何のこと? 501 00:47:56,836 --> 00:48:01,132 いつかマグラが あんたたちに話すといいけど 502 00:48:01,299 --> 00:48:02,675 父さんならいる 503 00:48:02,883 --> 00:48:06,387 ああ ババは愛情深い父親だ 504 00:48:06,512 --> 00:48:07,805 でも コフン 505 00:48:08,681 --> 00:48:09,807 ハニワ 506 00:48:11,100 --> 00:48:14,145 他に もう1人いるんだよ 507 00:48:15,563 --> 00:48:18,899 マグラを吹雪から救った人だ 508 00:48:19,692 --> 00:48:21,485 マグラが言ってた 509 00:48:22,028 --> 00:48:25,990 道に迷った彼女を 助けてくれて–– 510 00:48:26,532 --> 00:48:28,993 一緒に過ごした人がいる 511 00:48:30,369 --> 00:48:32,663 マグラが村に来た時–– 512 00:48:33,456 --> 00:48:37,835 お腹には あんたたちが いたんだよ 513 00:48:38,169 --> 00:48:40,546 父の名はジャーラマレル 514 00:48:40,880 --> 00:48:41,505 嘘だ 515 00:48:42,465 --> 00:48:43,257 ハニワ 516 00:48:44,091 --> 00:48:45,509 誰にも内緒だよ 517 00:48:45,635 --> 00:48:48,262 彼の伝言だ 読みなさい 518 00:48:48,679 --> 00:48:50,932 あんたたちは勇敢だ さあ 519 00:49:18,042 --> 00:49:23,381 視覚がある俺たちは やっぱり魔術師なのかも 520 00:49:23,547 --> 00:49:24,465 違うわ 521 00:49:26,676 --> 00:49:31,389 この手の中に真実がある 知りたくないの? 522 00:49:36,227 --> 00:49:37,228 読んで 523 00:49:42,900 --> 00:49:47,905 “かつて人間には お前たちと同じ能力があった” 524 00:49:48,906 --> 00:49:52,910 “その能力を 思うがままに操り––” 525 00:49:53,577 --> 00:49:54,996 “世を支配したのだ” 526 00:49:56,414 --> 00:49:58,416 “空を飛ぶ装置や––” 527 00:49:59,041 --> 00:50:02,003 “離れた相手と話せる機械…” 528 00:50:02,420 --> 00:50:06,173 “地球外を旅する 巨大な船も造った” 529 00:50:07,300 --> 00:50:08,843 “だが人間は––” 530 00:50:09,385 --> 00:50:13,097 “やがて地球を凌駕りょうがし 破壊を始めたのだ” 531 00:50:14,098 --> 00:50:19,604 “見かねた神が人間から 視覚を奪ったと言う者もいる” 532 00:50:21,439 --> 00:50:25,401 “長い年月が過ぎた今 見る力を持つのは––” 533 00:50:26,152 --> 00:50:29,030 “選ばれし者のみだ” 534 00:50:29,947 --> 00:50:32,617 “世界を再び 創り上げるのだ” 535 00:50:33,826 --> 00:50:35,453 “父である私から––” 536 00:50:35,911 --> 00:50:38,456 “この贈り物を2人に残そう” 537 00:50:39,790 --> 00:50:42,209 “有効に使うがいい” 538 00:50:43,085 --> 00:50:47,298 “丁寧に選んだ本だ 多くを学び取れ” 539 00:50:48,299 --> 00:50:51,385 “お前たちが 村を出る強さを得た時––” 540 00:50:51,802 --> 00:50:55,056 “行くべき場所も 伝言に残した” 541 00:50:55,473 --> 00:50:58,309 “その時を待っている” 542 00:50:59,018 --> 00:51:01,896 “共に新世界を拓くのだ” 543 00:51:04,190 --> 00:51:05,566 “愛を込めて” 544 00:51:06,692 --> 00:51:10,738 “父 ジャーラマレルより” 545 00:51:16,577 --> 00:51:17,703 どうする? 546 00:51:34,679 --> 00:51:36,180 箱を開けたな 547 00:51:37,223 --> 00:51:38,432 そうだよ 548 00:51:38,557 --> 00:51:40,017 許可してないぞ 549 00:51:42,144 --> 00:51:45,356 彼は双子を熊から救った 550 00:51:45,481 --> 00:51:47,191 あなたのことも 551 00:51:48,067 --> 00:51:50,361 その上 橋を造り–– 552 00:51:50,486 --> 00:51:53,781 我らが部族を救ってくれた 553 00:51:54,949 --> 00:51:56,951 その彼の唯一の望みだ 554 00:51:58,369 --> 00:52:00,871 “知識を与えよ”と 555 00:52:02,081 --> 00:52:06,210 “真実を見いだす機会を 授け––” 556 00:52:07,503 --> 00:52:10,548 “自分たちに選ばせよ”と 557 00:52:14,927 --> 00:52:16,554 マグラが焼き払う 558 00:52:16,762 --> 00:52:18,139 では内緒に 559 00:52:18,306 --> 00:52:18,889 偽れと? 560 00:52:19,056 --> 00:52:22,560 あなたは 双子の父の振りをしてきたろ 561 00:52:23,227 --> 00:52:24,979 それが優しさだった 562 00:52:26,689 --> 00:52:30,067 マグラにも優しくしてやるんだ 563 00:52:34,405 --> 00:52:36,574 沈黙は嘘とは違う 564 00:52:47,126 --> 00:52:48,878 村を出る話をしてた 565 00:52:49,045 --> 00:52:51,255 いつかは出ないと 566 00:52:53,466 --> 00:52:54,258 その時は… 567 00:52:54,383 --> 00:52:55,009 よせ 568 00:52:55,509 --> 00:53:01,515 2人が村を出た時は 本が知識を授けてくれる 569 00:53:03,476 --> 00:53:06,437 ババ・ヴォス あなたは善人だ 570 00:53:08,981 --> 00:53:10,775 でも昔は違った 571 00:53:10,900 --> 00:53:11,525 やめろ 572 00:53:11,651 --> 00:53:15,613 今だって この世は相変わらずだよ 573 00:53:16,405 --> 00:53:20,701 でも あの子たちが 変えるかもしれない 574 00:53:22,912 --> 00:53:24,622 あの子たちは希望だ 575 00:53:26,624 --> 00:53:30,795 自分の過去を 思い返してごらん 576 00:53:33,631 --> 00:53:35,424 埋め合わせするんだ 577 00:53:40,513 --> 00:53:42,640 沈黙は嘘とは違う 578 00:54:04,495 --> 00:54:05,288 ババ? 579 00:54:11,919 --> 00:54:15,423 木を くべないで 私が温めてあげる 580 00:54:44,410 --> 00:54:45,411 大丈夫? 581 00:54:46,495 --> 00:54:47,622 ああ 582 00:54:48,748 --> 00:54:50,207 何も問題ない 583 00:55:04,597 --> 00:55:05,890 寝床に来て 584 00:55:55,022 --> 00:55:55,815 何の本? 585 00:55:56,941 --> 00:55:58,150 「アラバマ物語」 586 00:55:58,276 --> 00:55:58,818 お前は? 587 00:55:58,985 --> 00:56:00,611 「1984年」 588 00:57:45,383 --> 00:57:48,219 日本語字幕 遠藤 千代